行く末遠ければ

生まれも育ちも富山県砺波市
地元サッカークラブ・カターレ富山を応援するブログ

開幕初戦勝利ならず。史上初の無観客試合はドロー決着 AC長野パルセイロ戦

2020-06-29 23:55:36 | カターレ富山
1-1でドロー。
当初予定から大幅に遅れたスケジュールの中、ホームで無観客にて行われたシーズン開幕戦。
前半のうちに首尾よく先制することに成功したものの、ミスに付け込まれるかたちでのまずい失点により同点に。勝ち越さねばならなかったのに、試合の主導権も奪われた状態で、なんとか引き分け。
勝てた試合だったのはもちろん、勝たねばならない試合でした。
相手の長野の手強さは織り込み済みであったはずですが、「それでも!」という強さを発揮するまでには至らず。
それでなくとも難しい開幕初戦ではあったでしょうし、いつも通りでない、さまざまな制約もあったなかでの無観客試合。
良かったばかりでも悪かったばかりでもないけれど。
それでもやはり。
勝って幸先よくシーズンを開幕させたかった、というのが本音です。

昨シーズン最終戦より、実に半年余り。待望のシーズン開幕を迎えました。
注目のスタメンは、予想通りの選手もいれば、意外な選手も。
GKは齋藤。昨シーズンは公式戦出場機会がありませんでしたが、2年目となる今シーズンの初戦でスタメン抜擢。待望のJ初出場となりました。
キャプテン今瀬と実績ある新加入の林堂がCBとしてコンビを組むのは予想通りでしたが。
右SBには田中 佑昌。同じく新加入の田中 勘太との表記の兼ね合いからユウスケとしますがーーーチーム最年長選手がスタメンに名を連ねました。
そして、前シーズンは移籍した前嶋が務めていた左SBは、復帰の松原かと思われていましたが、大卒ルーキーの末木が初出場初スタメン。
ボランチに花井、碓井は想定内として。
左サイドハーフに新加入の戸高はいいとして・・・右に、椎名が起用されたのはいささか意外でした。これまではボランチ、あるいはトップ下といったイメージであっただけに。
2トップは陽次と平松。戦術的判断かコンディション問題かはわかりませんが、大谷が登録メンバー外であったところにちょっと驚いてみたり。
過密日程となる今シーズンは、規定変更で交代選手が最大5人まで認められることに。それが試合にどう影響を及ぼすかにも関心が集まりました。

試合開始直後、今瀬と齋藤の連携が中途半端になってしまい、あわや!という危ない場面が。それでなくとも特別な開幕戦、あるいはデビュー戦の緊張もあったか。
それでも、その後は落ち着いてカターレペースで試合が進行しました。
自分たちでボールを保持、しっかりしたパス回しでリズムをつかんでいくという、昨季完成度をたかめていったところのカターレらしいスタイルが、新メンバーを加えた新たなチームにおいても機能した印象です。
わけても、唸らされたのがSBのユウスケ。
福岡在籍時からよく知る選手ですが、その気迫がにじみ出ているような熱いプレーぶりというものは、ベテランとなった今に至っても健在ということのようで。
サイド際で相手と果敢にガシガシやりあうだけでなく、チャンスと見れば、果敢にスピードが乗ったオーバーラップを敢行。新たなチームの可能性というものを、初戦から見せつけたのでした。
そして、新たな可能性ということで言えば。
これまで、あまりアタッカーというイメージのなかった椎名ですが。相手陣内での向かっていく姿勢というものは、まさしく攻撃的ポジションの選手のそれであったかと。
左利きで、相手ゴール左からのコーナーではキックを任されていますが、そういったシチュエーションでも、しっかりと得点に結びつけようとする意志が感じられ。
そんなイメージが結果に結実したのが、16分のことでした。
相手DF間の狭いところを射抜く絶妙なシュートが見事に決まり、先制!カターレの今シーズン初ゴールを決めたのでした。
わずかでもためらいがあったなら、決まっていなかったであろうシュート。なんとなく蹴って入るようなものではなかったでしょう。
長くチームの象徴的プレーヤーであった苔口の引退に伴い、最長在籍選手となった椎名。そんな彼が、自分のすべき役割をしっかりと理解し、また実践してみせた。そんな価値あるゴールであったかと思います。
林堂、戸高といった他クラブでの実績も豊富な新加入選手たちが、それぞれ堅実なプレーぶりを見せる一方で、デビュー戦となった末木も、多少の粗はありながらも、しっかりとプレーしていた印象。
前嶋、白石といったレギュラーがチームを引っ張っていた昨シーズンのスタイルとの比較は、現時点ではまだ早いかとは思いますが。
それでも。目指すスタイルの継承というものは、しっかりとレールに乗っているーーーそんな印象を抱かせました。

ただ。
完全に自分たちのペースであった展開から首尾よく先制点を奪ったものの、そこから一気呵成に押し込めたら良かったのですが・・・。
後半開始から12分というタイミングで、同点ゴールを許してしまうことに。
プレビューでも気をつけねばならないとしていたところの東 浩史にやられてしまう格好で。
カターレがチーム最長在籍となった椎名が決めたのに対し、長野はクラブのレジェエンド・宇野沢から背番号10を引き継いだ東が決めるという、なんとも象徴的な展開であったとも言えます。
そして、その決められ方も、それもまたプレビューに書いていたことですが・・・。
昨季の同カードでオウンゴールという今瀬の奮起に期待したい、と書いていたのですが、まさにその今瀬。今回はクリアミスを掻っ攫われての失点という、“汚名挽回”となってしまったのでした。
ミスは起こりうるものとしても、いささか状況的に悪すぎる格好。引きずらないかが心配でもあります。
そして、なによりも。
良くなかったのは、その後。
やり返すだけの時間は、充分にあったはず。獲られても獲り返せば良かったのだけれど。
失点以後、完全に長野のペースに。前半で見られたような良い形は、どうにもなりを潜めてしまい。

それでも、ただ手をこまねいていたわけではなく。
途中交代で、新加入の大野を起用。前線で果敢に起点となる動き、前を向いての仕掛けなど、求められる役割をしっかりと理解したプレーぶりが印象的でした。
しかしながら、それも勝ち越しゴールにはつながらず。意欲は充分に見て取れただけに、アグレッシブなプレーであったことの裏返しとしてカードをもらってしまったのは、なんとも歯がゆかったですが。
また、同じく交代出場として、名門浦和レッズから来た若武者・池高がさっそくカターレデビュー。期待の高さをうかがわせました。

試合はその後、双方ともスコアは動かず。
カターレの側からすれば、なんとか長野の攻勢をしのぎきった、というかたちでドロー決着となりました。
大幅に遅れた開幕戦、そして無観客試合。
ただでさえ難しい状況であったところ、さらに難しい試合展開にもなってしまった、ということはありますが・・・それでも。
それでも、勝ちたかった。
思い起こせば、去年のちょうど今頃。
ホーム戦3連敗、しかも全て1-2負けという時期でした。
自分たちのペースでやれているのに、もう1点、追加点が獲れない。決して内容は悲観すべきものでないにもかかわらず、勝利に結びつけることが出来ないーーーそういった苦しい時期。
なにか、それを思い出させるような、この開幕戦であったように思います。
決して勝てない試合でなかった。苦しい展開でも、それを打開するだけの強さを発揮しなければならなかった。
それが、出来なかった試合。

それでも。
去年の今頃に苦しんだ経験があるからこそ。
そして、去年後半の躍進の経験があるからこそ。
同じにはならないし、してはいけません。
獲りこぼしてしまった勝ち点2は、取り戻せないけれども。
しかし、だからこそ。
この開幕戦をいかに活かしていくのか。
「圧倒して勝つ、そして優勝する」という指針に対し、この試合をただの失敗に終わらせて良いはずがなく。
むしろ、バネとして飛躍の糧とせねばならないのは言うまでもありません。
去年の停滞がちらついたというなら、むしろ結構。自分たちの頑張り次第で乗り越えられることは、証明済みなのだから。その気づきがこの試合だけで済むなら、安いものかと。

とにもかくにも開幕した2020シーズン。
優勝への道のりが、はじまりました。
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第1節 AC長野パルセイロ戦

2020-06-27 17:06:49 | カターレ富山
新型コロナウイルスの影響による長期中断、再三の延期を重ねた末に、ようやく開幕にこぎつけることが出来た2020明治安田生命J3リーグ。
延びに延びて、スケジュールどころか参加クラブ数まで変わってしまうというような、当初予定とは異なるかたちで迎えることとなったリーグ開幕。
その初戦、史上初の無観客試合・リモートマッチに、ホームで長野を迎え撃ちます。

前代未聞、誰も経験したことのない異常事態。
かつて2011年に、東日本大震災の影響で開幕戦1試合のみの状態からおよそ1カ月半の中断、という経験はありましたが。今回はその比ではなく。
あるいは今シーズンそのものが中止に追い込まれるのでは?という危惧すらもあったなかで。
3月8日にアウェイ・鳥取戦から開幕するはずであった本来のスケジュールから遅れること約3か月半。第15節を戦うはずであったこの時期に、いつも通りとはいかないながらも、やっとシーズン開幕を迎えることが出来ました。
JFLから昇格したFC今治を加えるかたちで19チームでのリーグ戦となるはずが、オリンピックすら延期された中でスタジアム確保が困難という理由からFC東京U23が参加辞退。全18チームでのリーグ戦を、夏の中断期間を無くしつつ、過密日程にて戦うことに。
さらに、少なくとも開幕から2試合はリモートマッチ、つまりは無観客試合で行われることに。入場可能となったとしてもウイルス感染対策を講じながら、いわゆる3密を避けながらの、これまでとは違うかたちでの観戦となる模様。
すべてが、これまで通りでないなかでのリーグ戦。
それでも。
それでも、やっとJリーグが帰ってくる。
昨年12月の最終戦以来、実に半年ぶりの公式戦。
たとえスタジアムに駆け付けることが出来なくとも。
あるいは諦めねばならなかったかもしれなかった今シーズンを、応援することが出来る喜び。それをしっかり噛み締めつつ、離れた地からながらも勝利に向けて変わらない応援を贈りたいです。

編成しなおされたスケジュールのもと、ほとんどの対戦カードが近しい地域同士での対戦となるよう設定されたシーズン開幕戦。ホームで長野を迎え撃つこととなりました。
正直言って、やってみなければわからないことだらけ。
3月の開幕よりも時間があった分だけチーム精度も上がっているのでは?との見方も出来る一方で。
緊急事態宣言期間にはチーム練習そのものが自粛となっていたりなど、この3カ月半がそのまま強化期間に充てられたというわけではなく。
久しく離れてしまった公式戦の緊張感。それをしっかりと実戦で取り戻すことができるかどうか?
さらには、だれも経験したことのない、公式戦でありながら無観客というシチュエーション。いかにJ1、J2に比べて観客動員数の少ないJ3でも、さすがに無観客での真剣勝負は、かつてないこと。ホームアドバンテージどころの話ではないなかで、いかに戦い抜くか。いつもにも増して気持ちの強さが問われるなかでの試合となるのではないでしょうか。

本来であれば、岐阜を含めて3チームで「プライド オブ 北アルプス」としてダービー企画のもと執り行われるはずであった長野戦。サポーターの動員数対決などもあったであろうなか、無観客試合となったのは残念。
とはいえ。大事な開幕戦、無観客とはいえ、負けられないホーム戦。勝って幸先良いスタートを決めねばならないことは言うまでもありません。
昨シーズンから継続して指揮を執る横山監督の下、選手の大幅入れ替え・チーム若返りを敢行した長野。それまでチームの象徴であった宇野沢の引退をはじめ、多くの選手が去った代わりに、大卒ルーキーを中心に若手が加入。言い換えれば、どれだけ希望に叶う選手があつめられたか、ということもあるにせよ、継続する監督がやりたいメンバーで臨むことになるシーズンとも言えるわけで。
普段通りのシーズンであったならば、開幕戦からしばらくは新加入選手の順応期間ということで、入れ替わりの大きいクラブは本領発揮には至らないこともあったかもしれませんが・・・それも、今シーズンに関して言えば、必ずしも当てはまらないかと思います。
それこそやってみなければわからないですが、この延期された期間分だけしっかりと順応に充てられた、ゆえに万全、という可能性も決して低くはなかろうかと。
実績あるアタッカーの東 浩史、元カターレの木村 裕といった昨シーズンから横山体制で活躍してきた選手たち---昨季終盤戦を5連勝で終えた実績を繰り越す選手たちとの融合が高いレベルで進んでいたとするならば。
手強い相手に苦戦を強いられることは覚悟せねばならないことかと。
とはいえ、それはお互いさま。
継続して指揮を執る安達監督の下、昨季後半戦の勢いを今シーズンのさらなる飛躍につなげるべく新加入選手たちとの融合を果たさねばならないのは、カターレも同じ。
だからこそ。昨季9位であった長野を上回る4位フィニッシュを成し遂げたクラブとして。
今季もまた上を行くのはカターレであると。それを、この開幕戦を勝利することによって証明せねば。

昨季の同カードの戦績は1勝1敗。どちらもアウェイ戦で勝利というかたちとなりました。
長野での試合は田中 智大が2ゴールを挙げる活躍を見せて、見事に勝利したカターレ。
その田中ですが、契約満了となっていたところ、つい先日になって現役引退が発表されました。
秋田在籍時には富山戦で前半だけでハットトリックという強烈な印象を残してくれた彼が、富山の一員として最高に輝いていた試合であったことが思い出されます。
引退後の人生に幸多からんことを。
そして、シーズン終盤の第30節にホームで対戦した際には、1-2で敗戦。
昇格への望みは薄くなっていたなかでも、10戦連続負けなしと破竹の勢いで邁進していたカターレでしたが・・・。試合のペースを握りながらも攻めあぐねていたなか、オウンゴールという不運なかたちで先制を許してしまい。なんとか追いついたまではよかったものの、試合最終盤にルーキー選手に勝ち越しゴールを決められてしまうというショックの大きい敗れ方をしてしまったのでした。
次の八戸戦に完敗し、実質的に終戦となってしまったカターレ。一方、昇格の望みこそ絶たれた状態であったながらも、長野はその富山戦勝利から5連勝でシーズンを終えたのでした。
今節の開幕戦は、そんな昨シーズン同カードのリベンジマッチでもあります。
勝たねばならない理由しかありません。

開幕が大幅に遅れた状態、そのなかで新型コロナウイルスの影響で練習さえ見に行けなかったとあれば、今シーズンのメンバー編成がどうなっているのかは、実際に見てみるまではなんとも言えないところはありますが。
なので、期待したい選手に関しても、あくまで出場するかもしれないという予想の中でのものとなりますが。
そんななか、期待したいのはやはり、松原でしょう。
カターレでプロのキャリアをスタートさせ、長野に移籍。長らく中心選手として活躍してきました。そんな彼がカターレに復帰し、長野を迎え撃つ側に。やはり、特別な思いをもって臨むこととなるのは間違いないのではないでしょうか。
リーグでもその名を轟かせ、まさに代名詞ともなっているロングスローの第一人者。
そんな松原のロングスローが、古巣の長野に牙をむく・・・そんな展開を是非とも!
昨年の終盤戦に実績を挙げた大谷や平松だけでなく、福島でエースを張った武、黒部強化部長お墨付きの京都からの刺客・大野、さらには次代を担う若き逸材として活躍を嘱望される宮城などなど、前線で攻撃力を発揮する新加入選手たちもいるだけに。
そのロングスローの戦術的価値を、開幕戦から遺憾なく発揮してほしいです。
そしてもうひとり、今瀬にも頑張ってほしいです。
3シーズン連続でキャプテンを務めることとなった彼の活躍は、新シーズンにおいてもなくてはならないものであることは間違いないことかと。
今節は昨季敗れたホーム長野戦のリベンジマッチであることは前述のとおりですが、そのなかで。
もちろん、わざとではありえないですが・・・今瀬の自陣ゴール前のボールクリアがオウンゴールとなってしまい、劣勢に立たされ、ついに敗戦にまで至ってしまったという苦い記憶。
それを振り払い、勝利によって上書きしてしまうために。
ディフェンスリーダーとして、1点たりともやるものか!という気概を勝利に結びつけるべく。チームを開幕勝利に導いてほしい。そう願います。

このオフに、ピッチの芝生の全面改修をおこなった我らがホームスタジアム・富山県総合運動公園陸上競技場。
昨シーズン、改修前最後のホームゲームとなったのが、敗れた長野戦でした。
それ以来となる県総での公式戦が、当初の予定が変更されたことで、奇しくも同じ長野戦となることに。
むしろ、僥倖というもの。あのときの借りを返す、絶好のリベンジの機会。
ならば、勝つ以外にないでしょうよ。

3カ月以上も延期された中で、いつにも増して期待の大きいメンバーが揃った今季のカターレの活躍を、今か今かと待ち続けてきた我々ですが。
いよいよ、新生カターレがベールを脱ぐとき!
「圧倒的に勝ち抜く」という監督の宣言の下、今季のスローガンであるところの“頂点”を目指す戦いの火蓋が、ようやく切って落とされます。
新型コロナウイルスの影響でレギュレーションが変更され、今季の結果によってJ1、J2では降格が無くなったりしていますが。
昇格は、あります。そして、カターレがJ2昇格を、優勝を目指さねばならない目標に関しては、なんら変わりはありません。
無観客であろうが、やるべきことに変わりは無く。開幕勝利は、努力目標などではなく、ノルマとさえ言えるでしょう。

ならば、勝て!!!
圧倒的に勝つ!その第一歩は、勝利以外にあり得ない!!!
優勝へ、まずは勝ち点3を!!!

勝たれ!!!富山!!!!!
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