簾 満月「バスの助手席」

歩き旅や鉄道旅行のこと
そして遊び、生活のこと
見たまま、聞いたまま、
食べたまま、書いてます。

うつくし松(東海道歩き旅・近江の国)

2024-03-01 | Weblog

 頻りに「うつくし松」と書かれた案内板を目にするようになった。
説明によると、「平松に自生する赤松の変種」らしく、「根から放射状
に出て傘を開いたような美しい形の松で、大小二百本が群生している」
という。



 大正10(1921)年、国の天然記念物に指定された松は、南900m程の
美松山(227m)の麓にある。 当地にいつ頃から見られたのか、その
発端は分からないが、「松の葉細く、艶ありて、四時変せず蒼々たり」
と言われる松が自生していた。



 江戸時代には観光名所として、東海道を行き交う旅人も、寄り道をし
て愛でたらしい。昭和天皇も自生地に御幸されたと伝えられている。
 松はこの場所にしか無く、「隣山は常の松にして、美松一本も無し」
と言われ、他所に移し、鉢植え等にするとすぐに枯れてしまい、どうい
う訳か、ここでしか育たないらしい。



 松にはこんな伝説もある。
「平安時代、病弱な藤原頼平が静養のために当地を訪れた。
有る時突然数人の天女が木々の間から舞い下り、京都西山・松尾明神の
使いで、頼平様をお護りするためにやってきたと言う。



 頼平は感涙にむせぶが、ふと我に返ると天女は何時しか消え、周囲の
松は見たこともない美しい姿に変わっていた。
 驚いた頼平が文徳天皇に報告すると、天皇は勅使を派遣して事の真実
を確かめ、美し松と命名した。」



 平松には、道中奉行に任命された高木伊勢守が領し、陣屋が建てられ
たが、その後建物は取り払われ、跡地が残されている。

 次の柑子袋(こうじぶくろ)集落の西端左側には、「上葦穂神社」が
鎮座していて、参道入口を示常夜灯が一対建っている。(続)





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