簾 満月「バスの助手席」

歩き旅や鉄道旅行のこと
そして遊び、生活のこと
見たまま、聞いたまま、
食べたまま、書いてます。

天竜川(JR乗り潰しの旅・飯田線)

2021-03-31 | Weblog


 飯田線にとって天竜川は、車窓の主役とも言える存在である。
長篠辺りまでは豊川が、その先はその支流である宇連川を従え北上し、
それと分かれた後、佐久間ダム辺りで天竜川に出会うと、その後はほぼ
この川の流れに沿ってきた。



 「あばれ天竜」と言われ、蛇行する流れや、天竜峡の景観は、日本を
代表するアルプスに挟まれた地の山塊と相まって車窓を楽しませてくれた。
嘗ては筏流しが盛んに行われた川は、水量が豊富で、急峻な地形を流れる
ことから、水力発電用のダムが盛んに造られ、そのダム湖を幾つも目にす
ることも出来た。



 豊橋駅前で8m余りであった標高は、岡谷の駅前では700mを遙かに
超えている。
飯田線を来た列車の終着駅岡谷は、「東洋のスイス」と言われる精密機
械工業が盛んな町で、諏訪湖畔に開けている。



 実は天竜川はこの琵琶湖から流出する唯一の一級河川で、この地にあ
る釜口水門が起点である。
標高759mの地点に有り、ここから延々と213㎞を流れ下り、長野県から
愛知県を経て静岡県の遠州灘で太平洋に注いでいて、その流路は国内第9
位の長さを誇っている。
言わば飯田線の旅は、この源流を訪ねる旅でもあった。



 沿線の90を越す駅で律儀に発停をくり返し、時に長時間の停車を何度
も繰り返す。7時間半に渡る飯田線普通列車の旅は、平均速度は30㎞程
で、正に鈍行列車の旅であった。

 降り立った岡谷のホームで、今晩の宿を予約した松本行きの列車を待
っている。
駅の東前には天竜川の源である諏訪湖が広がっているはずだが、既に夕
闇に包まれ望むことは出来ない。(続)


                    (上諏訪から諏訪湖を望む)



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終着駅・岡谷 (JR乗り潰しの旅・飯田線)

2021-03-29 | Weblog

 宮木駅を出て、ようやく辰野にやって来た。
ここは飯田線195.7㎞の終点である。
嘗ては中央本線の優等列車も停車した、2面4線を有する大きな駅だが、
今停車する特急はなく、僅かに快速が停まるのみである。

 駅の手前にJR東海と東日本の境界があり、東日本の管轄駅となる。
中央線のルートから外れたせいか、駅業務は外部委託されている。





 豊橋を出たのが10時42分、ここ辰野到着は17時18分で、この間6時
間半ほどの普通列車の旅であった。
飯田線はここが終点であるが、多くの列車は辰野からそのまま中央本線
に乗り入れ、川岸を経て岡谷まで行って終着駅となる。

 夕暮れが迫り、通勤や通学の客で混み合う中、辰野を発つと岡谷の到
着は17時31分の予定で、これで凡そ7時間にわたる鈍行列車の旅が完全
に終わる。





 中央本線の東線は、嘗ては岡谷からは川岸、辰野、信濃川島、小野を経て
塩尻に到り、そこで中央西線に引き継ぎ、名古屋に向かうのが正規のルート
であった。しかしこれだと岡谷と塩尻の間は、大きく「U」字に迂回する。

 首都圏からの利便性を向上するため、この間に塩嶺トンネル(5,994m)を
掘り、距離を16㎞ほど、所要時間も大幅に短縮させる事になった。
新線は昭和58(1983)年に開通した。





 トンネルの塩尻側の出口付近にはみどり湖駅が新設され、東線の殆ど
の列車はこの短縮線を行くようになり、旧ルートの辰野と塩尻間を行く
列車は極めて少なく、完全にローカル線化してしまった。
飯田線の殆どの列車の終着が岡谷と言うのも、中央線への乗り換えの利
便を考えての事である。(続)




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長距離列車の乗客 (JR乗り潰しの旅・飯田線)

2021-03-26 | Weblog

 長かった飯田線の普通列車の旅も、ようやく終わりが近づいてきた。
これまで停車した駅は、既に80を遙かに超えている。
この先伊那松島、沢、羽場、伊那新町、宮木に停車すれば、いよいよ終
点の辰野に到着だ。



 思えば豊橋では、座席がほぼ埋まるほどの乗客が乗り込んだ。
豊川、新城を過ぎる辺りでは降車客が多く、何時しか車内は寂しくなった。
車窓に天竜川が見える辺りでは、乗り降りする客は殆ど無く、2両編成の
車内には鉄道フアンらしき、数えられる程の乗客だけになっていた。



 佐久間発電所を眺めながら、豊橋で買い込んだ駅弁を食べた。
缶ビールとおつまみも買っておけば良かったと後悔したが、飲まなくて
良かったとも思う。飲めば絶対に途中で寝てしまい、車窓を楽しめなか
った訳だから、これで良かった。食後のデザートにと思い、豊橋駅の定
番「おおあんまき」を買い込んでおいた。
流れる景色を目で追いながら、そのままかぶりついたが美味かった。



 列車は所々の駅で、長時間の停車を重ねて来た。
車内放送で停車時間を確認すると、多くの乗客はぞろぞろとホームに出
て深呼吸をし、足腰を伸ばし、一様に周りの景色を眺めてもいた。
当初はお互いのバリアの中にあった乗客ではあったが、ほぼ同じ顔ぶれ
と知ると、距離も次第に近まり、何時しか打ち解け、簡単な会話を交わ
すようになっていた。



 そんな中一人の青年は、自社が関わる駅伝大会が有り、走るのだと言
って途中の駅で降りて行った。
又もう一人の青年は、駅の周りを少し歩いてみると行って、どこの駅だ
ったか、重そうな荷物を背負い手を振りながら元気に出掛けて行った。



 飯田や駒ヶ根、伊那市など比較的大きな町の前後では、かなりの乗り
降りも有ったようだ。
今も夕暮れ時を迎え、通勤や通学の人たちであろうか、久々に車内は混
雑を見せている。
車内放送が、もう少しで辰野に到着すると告げている。(続)





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伊那市駅(JR乗り潰しの旅・飯田線)

2021-03-24 | Weblog


 冬の日没は意外に早く、町並の上の透き通った青空の下側には、既に
薄いオレンジ色に染まった空が屋根のすぐ上にまで迫っている。
列車が駅に滑り込むと、ホームを照らす蛍光灯の長い光の帯も輝いて際
立っていた。



 夕方5時を少し過ぎた頃、伊那市駅に到着した。
相対式ホーム2面2線を持つ有人駅で、ここには駅長も配置されている。
帰宅時間を迎えているのであろうか、学生などホームには列車待ちの人
が意外に多い。久しぶりに目にするホームの活気ある人混みである。



 伊那市は人口6.6万人余り、伊那谷北部に位置し、南信州地方では中
核的な町である。
その中心的な駅で、町もここを起点に開けていると言うが、良く知られ
ているのは桜の名所として有名な高遠城址公園への玄関駅である事だ。
駅からバスで30分程の距離だと言うが、残念ながらまだ行った事も無く、
シーズンには是非とも訪ねて見たいと思っている。



 日本さくら名所100選の一つである公園には、およそ1500本もの桜が
咲き誇る桜祭りが知られている。
明治に入り城が取り壊され城址公園になった折、旧藩士達が城内の桜馬
場から桜を移植し、或は新たに植樹をしたのが始まりで、百年を越える
古木も多いという。



 次の伊那北駅は、単式と島式ホームに3線を有する無人駅だが、町も
この辺りまで連続して開けているので、利用客は伊那市駅に引けを取ら
ないほど多いらしい。この二つの駅間は短く1㎞にも満たないので、歩
いても15分も有れば行けるという。 
列車はこの先で田畑、北殿、木ノ下と停車を重ね終着駅に近づいていく。(続)





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最急勾配区間(JR乗り潰しの旅・飯田線)

2021-03-22 | Weblog


 駒ヶ根は南信州の観光の拠点駅である。
早太郎温泉郷、駒ヶ根高原や駒ヶ根ロープウェイは、駅前からバスで向
かうことになる。

 左手に駒ヶ岳を要する木曽山脈(中央アルプス)の遠景が流れる中、
大田切、宮田、赤木の各駅に停車する。



 赤木を出ると沢渡の間には、JRでの最急勾配と言われる急坂がある。
こちらからなら、下り勾配である。
嘗て上越本線の横川と軽井沢間の碓氷峠越えが66.7‰と言う急坂であっ
たが、北陸新幹線開業に伴い同線は廃線となり、そのため現在ではここ
の40‰が最急勾配区間となっている。



 そんな急坂だから、さぞかし山の中に有るだろうと思っていた。
しかし車窓風景をこれまで気を付けて見てきたが、一向に寂しい山中に
変わる気配がない。山並みは遠くに離れ、周りには所々に集落があり、
工場人家らしい建物が建ち、そんな周囲には手入れされた田畑も広がり、
そこを貫くように線路が通る長閑な地である。



 乗車する前に予め知識として調べを付けていたので、列車の最前部で
この急勾配と40‰の勾配標識を写真に撮ってやろうと待ち構えていた。
「渡らずの鉄橋」では、場所取りも出来ず撮り逃がしただけに、「今度
こそは、」の意気込みである。



 時計を見ればそろそろ沢渡に到着する時刻が近づいている。
「えっ!」と思ったがもう遅く、既にこの時チャンスを逃していた。
「山の中にあるもの」との先入観から、車窓の景色に惑わされ、折角の
機会を残念ながら見事に逃がしてしまっていた。
この急坂は山中では無く、意外にも田畑や町並の続く中にあった。(続)





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伊那地方のど真ん中・駒ヶ根 (JR乗り潰しの旅・飯田線)

2021-03-19 | Weblog


 駒ヶ根駅にやって来た。16時13分の到着で、ここでは8分間の停車だ。
豊橋を出たのが10時43分、ここまでの距離は165.6キロ有り、5時間半
ほどを要していて、単純な平均速度で言えば30㎞ほどにしか成らない。
しかしこんな長時間の運行なのにほぼ定刻の到着で、今更ながら、日本
の鉄道の正確さには驚かされる。



 信州南部、伊那地方の丁度真ん中辺りに位置する駒ヶ根市の中心駅だ。
1面1線と1面2線のホームを持つ、大きな地上駅だが、ホームをつなぐ
跨線橋はない。
ここでは辰野方面に向かう列車が、駅舎に近い1番線に停車する。



 駅員不在の簡易委託駅で、構内の売店も観光案内所も廃止されている。
代わりに市のサービスコーナーが有り、行政サービスの傍ら、観光案内
を行ってはいるが、何となく気楽に入るには敷居の高さが感じられる。



 駅を抜け、駅前に出てみる。
中央アルプス登山の最寄り駅であり、中央アルプスをイメージした駅舎
が建っている。
駅前から登山口の駒ヶ根ロープウェイに向かう路線バスが発着している。
近くには商店街も有るらしい。



 普通列車の旅では、事前に調べた情報からこの駅でこの駅弁を・・・
等と考える事がある。列車の旅では矢張り駅弁は欠かせないからだ。
しかし知り得た情報が古かったのか、廃店の波が予想以上に早いのか、
売店が廃止されていることも少なくない。



 代わりにコンビニでも有れば、何かしら手に入れることは出来るが、
それすらないと本当に困る。
そんな駅に限って駅前にも何もなく時に喰いそびれてしまうこともある。
この駅も以前は駅弁の販売が有ったが、今は無くなっている。(続)




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Ωカーブ・伊那福岡 (JR乗り潰しの旅・飯田線)

2021-03-17 | Weblog


 かつて主要な駅なら構内にキヨスクが有ったが、今では見飽きたコン
ビニに置き換わっていることは珍しくはないが、有るだけましで、廃止
されたところは多い。
そのお店の品揃えは、多少地場産を意識はしているが、本質はコンビニ
そのもので味気ない。



 構内に観光案内所が併設の駅も結構有ったが、近頃多くは閉鎖され、
その場所は、無機質なスタンドに置き換わっている所も多くなった。
パンフレットは置かれて居るが、しかしその内容が観光とはほど遠い、
宣伝チラシばかりだとがっかりする。



 全国には9465もの駅があるらしく、その内無人駅は4564駅と言い、
これは全体の48.2%にも及ぶ。(2020年3月国交省調べ)
結果駅から駅員は消え、券売機、自動改札への置き換えが加速している。

 このまま行けば、やがて駅から駅務員の姿は消え、その対応は遠隔か、
ロボット任せとなる。
更に自動運転の列車が走り、旅の風景すら動画で済ます・・・等という
時代が来るのであろうか。



 飯田線は高遠原や七久保等を経て 中田切川を橋梁で渡る。
寄り添ってきた国道153号線とともに賑わいを取り戻した町並に入ると、
伊那福岡に到着で、ここでも4分の停車がある。
周りを山々が取り巻く2面2線の対面式ホームを持つ長閑な地上駅で、
近くには駒ヶ根工業高校があって、学生の利用が多いという。



 コンクリート造りの構造物が印象的な駅である。
駅舎と言うより門の様にも見受けられるが、これは駅舎でも門でも無く、
待合室らしい。

 赤い半円形の鉄骨と、アーチ状の入口は、手前の田切駅との間にある、
飯田線名物の中田切川鉄橋の「Ωカーブ」を表しているという。(続)





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長い停車時間 (JR乗り潰しの旅・飯田線)

2021-03-15 | Weblog
 豊橋から辰野まで195.7キロを、7時間近くかけて行く飯田線の普通
列車は、途中列車交換等も有り幾つかの駅で長時間の停車を繰り返す。
それはもどかしくもあるが、適度に挟まれば、長時間乗車の疲れを癒や
す手頃な時間となり、丁度良くも有る。



 こうした長い停車の場合、目の前に改札のある、単式ホームに停まっ
てくれるのがありがたい。
島式ホームだと跨線橋を越える、或は構内踏切を渡るなどしないと改札
を出られないが、目の前が改札なら、一寸駅前に出てみようと言う気に
させてくれる。



 停車が2~3分なら、車内で待つより仕方が無いが、先程の本長篠で
は17分間も有り、列車を降り改札を抜けて、駅近くを少し歩いてみた。
先程の伊那大島でも8分の停車時間が有ったので、思い切って駅前まで
出てみた。



 このように、ある程度の停車時間は、むしろ列車旅の楽しみでもある。
時には気分転換に改札を抜け、駅の売店や観光案内所を覗いてみる。
勿論お目当ては、土地の珍しい食べ物を見付けることで、食事時なら駅
弁や立ち食いのそばを求める事だが、案内所があれば話を聞き、その地
の観光情報の収集もしたい。



 更に時間があるならば、駅前を少し「ふら」と歩いてみる。
ロータリーを巡り、取り巻く周囲を眺め回して見ると、思わぬ銅像や記
念碑があったりもする。
するとなんとはなく、その町の姿が思い描けそうで、駅前は矢張りその
地の顔だと思えてくる。



 伊那大島を出ても車窓には、相変わらず山岳風景が展開している。
標高もいよいよ上がり、次の上片桐、更に伊那田島辺りでは600mを越
えてくる。(続)






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飯田線のハイライト区間 (JR乗り潰しの旅・飯田線)

2021-03-12 | Weblog


 旅先で車窓から素晴らしい山岳風景を、遠望することは珍しくはない。
しかしその素晴らしい景色を構成する山々の名となると、多くの場合知
る術がない。
地図で改めて見ても、連なる山々の全ての名が記されている訳でもなく、
単独峰ならいざ知らず、個別に判別することは中々に難しい。



 独立峰は兎も角、特に山頂に雪を抱いた山や、特異な景観を見せる山
等が車窓から見えると、何とはなくその山の名を知りたくも成る。

 地図では、左手に南駒ヶ岳(2,956m)、常念岳(2,857m)や、烏帽子
ケ岳(2,194m)などが確認でき、右手にも赤石山脈を構成する山塊が見ら
れるが、残念な事にこれらの山が、目にしているどの山なのか解らない。



 かつて中央本線(東線)に乗った折の、甲府から日野春を経て小淵沢
に至る辺りでのこと。
車窓から見る山々が余りにも綺麗で、思わず乗り合わせた地元と思われ
るご婦人に訪ねた事があった。
それが八ヶ岳や甲斐駒ヶ岳と教えて頂いたのだが、矢張り名が知れると、
その旅の印象も楽しさも倍増し、思い出としてもはっきりと残っている。



 伊那大島で8分間の停車時間を利用して、駅前に出て見た。
何の情報も持ってはいなかったが、駅前の案内板や、登山者の休憩所を
目にし、この駅が南アルプス登山の拠点駅である事が解った。
と同時に、この辺りは日本有数の山脈に挟まれた風光な地で、そんな地
を鉄路が貫いている事を改めて思い知った。



 飯田線はこれまで、ほぼ天竜川の蛇行を辿るように右に左に進路を変
えながら、北上を続け、山脈に挟まれた伊那谷までやって来た。
そんな地勢に有るのでこの先の鉄路は、急勾配区間となり、列車はゆっ
くりと車輪を軋ませ、車体を傾けながら進んでいくので、車窓にはもう
一つ、山岳風景のハイライト区間として楽しみが加わってくる。(続)





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南アルプス玄関駅・伊那大島(JR乗り潰しの旅・飯田線)

2021-03-10 | Weblog
 飯田線は、右に南アルプスの赤石山脈、左は日本アルプスの木曽山脈
の山並みに挟まれた、いわゆる信州では南部に当たる伊那谷と呼ばれる
地を通っている。

 そこは、天竜川により形成された、河岸段丘の段丘面と言う平坦地で、
中央高速道路も、国道153号線も、皆一様にこの狭い盆地を北に向け駆け
抜けている。



 ここまで来ると駅名にも「伊那○○」と言うように、「伊那」を冠し
た駅を度々見かけることになる。

 山吹駅を出て暫くし、進路を北に向けるとやがて標高500mを取返し、
その先が伊那大島で、ここでもまたまた8分間の停車がある。
相対式の2面2線のホームを持つ有人(簡易委託)駅で、ここでは列車
の交換がある。



 駅付近の標高は519mで、駅前に出てみると、心なし空気がひんやり
としているようだ。
南アルプス登山の最寄り駅で、登山客の利用が多いらしい。
駅の改札横には待合室ではなく、「登山者休憩所」も設けられている。



 駅前からは、南アルプス塩見岳(3,047m)方面への登山ルートのあ
る鳥倉登山口に向けたバスが、季節限定で一日2往復運行されているよ
うで、駅前から登山口までは2時間近く掛かるそうだ。



 この先で列車は伊那谷を駆け抜けると言いたいところだが、ここから
駒ヶ根辺りまでは、川を避けるように右に左に細かく蛇行する。
また25‰の急坂が幾つもあり、車体を傾け、鉄輪を軋ませながら、速度
を落として北上する。



 しかしその急カーブと急勾配のお陰で、その度に車窓が大きく変化す
るさまは中々に贅沢で、この路線の中ではハイライト区間ともいえる風
景が展開する。(続)





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