日本の暑さには及びもつきませんが、25度前後の(イギリスの)夏らしい日が続いています。
ストックポートのタウンセンターで先週撮った写真です。
両側にハイストリート・ショップ(主に全国チェーン展開の店)が並び、一部ガラスの屋根で覆われたショッピング・アーケードが途切れる中ほどの広場に小規模な
ファン・フェア fun fair が出現していました。
一番上の写真の灯台のような赤白だんだらは海辺の行楽地などに昔からある、「ヘルター・スケルター helter skelter」 という滑り台です。
よくあるヘルター・スケルターよりぐんと規模が小さいです。
古い形の伝統的な木製スケルターには 3階建て、4階建てぐらいの高さから かなり急斜面の滑り台がぐるぐると塔を巻くように取り付けらています。
摩擦による熱を防ぐためでしょうか、浅いそりのような箱に座ったり、バーラップ(ジュート布)の袋に入ってすべり下ります。
ここでは直に座って滑っていました。
しかも空気を入れて膨らまし、用が済んだら空気を抜いて小さくしまえて持ち運びに便利そうな巡回営業タイプみたいですね!
子供の誕生パーティーなどに有料で貸し出しなどしていそうです。
その下には、「サンド・ピット sand pit(砂場)」!
ちなみに、イギリスの児童公園には砂場がありません!衛生上の問題でしょうか。
保育園や自宅用の小型のサンドピットと無菌の人口の砂は玩具店などで売られていますが。
やっぱり砂の上に座れる、というのが強烈な魅力ですよね!大人でも入りたくなります。
どうやら、ショッピングアーケードがキッチュでレトロなイギリスの夏の浜辺の雰囲気を演出しているらしいのです。
子供をのせて行ったり来たりするロバ(イギリスの夏の浜辺の名物です!)がいれば完璧だったのですが!!
「ウォーター・ライド water rides」 。
かなりチャチな規模ですが本当に水に浮くディンギー(ゴムボート)、しかも乗りてはハンドルで方角を思いのままにコントロールしているみたいです。
「カルーセル carousel 」。
回転木馬ではなく、回転椅子ってところもまた、芸がないですね。
小さな子供は喜ぶでしょう!
「ティーカップ tea cup」もありました!
以前にも書きましたが、イギリスには後楽園やとしまえん、富士急ハイランドなどのような永久的な「遊園地」はあまりありません。
今、調べたら連合王国(イングランド、スコットランド、北アイルランド、ウェールズ)全体で20あまりあるらしいです。
アミューズメント・パーク amusement parks という日本で習った英単語はアメリカの「遊園地」にしか使いません。
イギリスにある規模の大きい「遊園地」は theme park というようです。
夏の海辺の遊興地ならば おそらくひと夏、それ以外は旅回りで各地を巡業して空き地や広場などで週単位、あるいは週末だけなど期間限定で
小規模の業者がそれぞれ乗り物アトラクション(ライド rides )を持ち寄って設営するファンフェアが遊園地の役割を果たしています。
本来のファンフェアは、小型のジェットコースターなど もっと規模の大きい、スリルなライドも提供していて大人も子供も楽しめるようになっています。
ライドで料金を徴収しますが入場料はかからないのが普通です。
かなり大がかりなライド(観覧車など)も一晩で設営します。
終わればまた解体して、車体にでかでかとライドの絵や連絡先詳細が書かれた大型トラックに積み込み、次の開催地へと運ばれていくのです。
この 小さい子供のみにターゲットを絞った「フェアモドキ」はショッピングアーケードへの客寄せと雰囲気作りが目的らしく、料金は50ペンスずつと格安でした。
ホットドックやアイスクリーム屋台の飾りつけを見ると....
あれっ、もしかして本気でアメリカ西海岸とか(サーフボード)のおしゃれな夏のリゾートをイメージしてる?
私はこてこてキッチュなイギリスの庶民的な海辺の休暇!イメージで楽しんでみていたのですが...
キッチュの決定打はこれ!
これまた、
イギリス名物、アイスクリーム・ヴァン icecream van。
オルゴールのような音楽を鳴らしながら町をゆっくり巡回し、道の行き止まり、学校そばや公園など子供のいそうなスポットにしばらくとめて また次の場所へ移動します。
海岸沿いの遊歩道などには観光シーズンには間隔を置いて何台もずっと停められているのを見かけます。
おそらくシリアル会社、ケロッグの許可なしに、コーンフロストの登録マスコットのトラのトニー君を勝手に車体に描いて営業しています。
車体に赤さびの亀裂が走っているかのような ずさんなトラ柄。
なぜトラのトニー君なのか疑問ですが、アイスクリーム・ヴァンにはたいていディズニーやテレビアニメのキャラクターなど、(トトロも見たことがあります)どう見ても版権所有者に断りを入れたとは思えない、子供ウケのする絵がデカデカと描かれているのが普通なのです。
イギリスは版権とか肖像権などのあるイメージ使用に関して厳しい規制があるのではないか、と思われる方も多いと思います。
そして、実際そうなのですが、なぜかこのような「キッチュ意匠」に関してはお目こぼしのようですよ!
暑い日でしたが、アイスクリームを買っていた写真のおじいさんは顎までファスナーを上げたもこもこフリースを着ていました。
陸橋から下がる藤の花(造花)にも注目です。
ショッピング・アーケードではイギリスの盛夏の花ウィスタリア(藤)をアーケードに飾り付けた「ウィスタリア・ウォーク」という催しもずいぶん前からやっているのです。
パッと目には華やかで人目を引くけど造花の作りがちょっぴりチャチで、とうるさいことを言いたくなるのですが評判はいいようです。
入り口付近に設置されたウィスタリアがたっぷり下がる吊りベンチではいつも誰かが座ってセルフィーを撮っています。
そして例の、
巨大カエルアート展示もまだ大掛かりにアーケード内で繰り広げられているのです。
催しに統一感が欲しい!