イギリス/ストックポート日報 《England/ Daily Stockport》

イギリス北西部の歴史ある街、ストックポート Stockportから(ほぼ)日替わりでお送りする、イギリス生活のあれこれ。

イギリスの菜食事情、昨日の続き....すっかり市民権を得たベジタリアンに現在、おしゃれなブームのビーガン考

2020年01月31日 09時00分00秒 | 英国の食べ物、飲み物
ベジタリアン vegitarian(通称 べジィ veggie) とビーガン vegan 、昨日の続きです。

グレッグスのビーガン・ソーセージロールと同じころ、KFC(ケンタッキーフライドチキン)でもビーガン・バーガー vegan burgar を売り始めました。


ベジィ(正確には魚介類は食べるペスカトリアン)の夫が「食べてみてもよい」といったので、息子と二人でKFCまで買いに行きました。


ノン・ベジィ(肉を食べる人)の私と息子はクラシックなフライドチキンを3ピースずつ買って食べました。

KFC製品を初めて食べた夫によると「まあまあだ」そうです。
濃い味のソースが欲しかったとも....

やはり肉を使っていない「チキンもどき」は味が淡泊なようです。

材料は、おなじみクオーン Quorn 社製マイクロ・プロテイン micro protein 。KFCのウェッブサイトで調べました。
フライドチキンと同じ11の極秘スパイスでコーティングされているそうです。
卵を使わないビーガン協会認定のマヨネーズがかかっています。

ベジィが全人口に占める割合が非常に高いイギリスでは、たいていどこのレストランに行ってもメニューにベジィ・オプションがあります。
それこそ、パブはもちろん、ステーキハウスやマクドナルド、インド料理、中華料理屋や「和風」ラーメン店にも、です。

スパイスの効いたタレに漬けこんで焙ったチキンが評判のポルトガル料理チェーン、ナンドー Nando に、ベジィ(正確にはペスカトリアン...くどいですね)の夫と先週行きました。
「ベジタリアン・オプションのハールーミ・バーガーがおいしかった」と友人が言っていたので。


ハルーミ halloumi は粗く練ったカマボコのような食感の、キプロスのヤギの乳のチーズです。イギリスでは古くからなじみがあります。
ポートベロという、傘の大きなキノコといっしょに特製のタレに漬けこまれて焙ってありました。

なかなかのアイデアです。
夫は「鶏モドキを使っていないところが気に入った」と言っていました。

ちなみに、これは人気のチキンの4分の1。


ハルーミ・バーガーはチーズ(乳製品)製なのでビーガンには適応しません。


「焼き鳥屋」であるナンドーのウェッブサイトによるとべジ・バーガー veggie burger とピタブレッドのメインに、フムス houmous(ヒヨコマメのパテ)やサラダ、ポテト類などビーガン対応もカンペキだとうたっています。

「え、ベジタリアンがどうしてわざわざ、ステーキハウスやポルトガルの鶏料理やに行く!?」と思うでしょう?
行くんです!ベジィはベジィ・オプションがどこに行っても用意されていることを期待しているのです。

「イギリスの中流階級の女性の3分の1(諸説あり)がベジィ」と言われている現在、ある程度の人数で会食するグループのメンバーに1人もベジィがいない、とは考えにくいのです。
すべての人が食べられるメニューを用意しておくことが飲食店の成功のカギであるのは間違いありません。


そんなイギリスでも、今回のビーガンバーガー登場までなぜか KFC にはベジィが食べられるものがなかったのです!!
突然登場!しかもベジタリアン・コンセプトを飛び越えた、食べられる品目の制限が厳しくより一層実行が困難とされるビーガン・バージョンです!

それほどまでに話題作りにもってこいのビーガン食品!

前回も書いたように、ブームなのです。

さて、昨日はベジィ・スパゲッティ・ボロネーズを作りました。




月に2回は作る、うちの定番です。
スーパー、セインズベリ―の自社商品の「べジミンス vegee mince(一般名)」を使いました。


商品名はええと、Meat Free Mince、大豆たんぱく製 だそうです。ビーガン食にも適応します。

冷凍庫には、ベジタリアン食品の草分け、クオーン社オリジナルのマイクロプロテイン製、クオーン・ミンス Quorn Mince (登録商標)の開封されていない袋もあります。


(あら、こちらはビーガン適応ではありません!!)

昨日のビーガン適応冷凍ソーセージといっしょに、ベジタリアン食品の高級ブランド、リンダ・マッカートニー Linda McCartney's のプルド・ポーク pulled pork も買いました。


リンダ・マッカートニーの冷凍食品のいくつかが半額でした。

プルド・ポークというのは棺桶のようなアルミの缶に入れて低温で長い時間をかけて調理された、引っ張るとホロホロほぐれるやわらかーいポークです。

まさか、プルド・ポークのベジタリアン食が発売されていたとは!
小麦粉と大豆でできているそうです。

袋の写真のような中華風のヌードルに使うつもりです。

べジ・ミンスなどのベジィ用の食材はもう30年以上も売られていて、夫がベジィの私の家でもずっと使っていました。

去年あたりから始まったビーガン・ブームの広がりはとどまるところを知りません。
ビーガン生活を実践している人だけではなく、興味を持って食べてみる人も非常に多いらしく、市場の可能性は限りがないということらしいのです。
ビーガン食材が次々と開発されていますし、レシピも雑誌やテレビやオンラインで次々に紹介されています。
実際、色鮮やかでおいしそう、食べてみたらおいしいし、実行するのも意外といたやすいかもしれない...と思われるこの頃です。

なにせ、あのKFCでビーガン・バーガーを売り出すほどなのですから!!

ほんらい肉や魚だけではなく、卵や乳製品まで断つ生活をずっと続けるのはかなりの覚悟がいるはずだったのです。
明らかに流れが変わってきています!

かわいい動物を殺すにしのびない、魂がある動物の肉体を自分の体に入れると汚れるなどという本来のビーガン理念のほか、健康に良いらしいという理由でビーガンになる人も増えてきています。
そして、今は環境問題...家畜を放牧するために森林が切り開かれたり、家畜が呼吸すると二酸化炭素が...家畜の飲み水が水不足を引き起こすとか..ビーガンが増えれば止められそうな環境破壊現象がいろいろあるようです。
.(確かにもっとなのですが、ビーガン実践なんてハードルの高いことを実行するよりもっと環境のためにするべきことがありそうだ、と思ってしまうほど説得力が低いです)

ビーガン生活を実行するのは「意識が高い」ステータス表現のようで、おしゃれなことに思われているようなのです。

日本食品の普及もビーガンブームに影響しているかもしれません。
今やイギリスでも一般的なミーソー、トーフー、ソイ・ソース(しょうゆ)、わかめ、海苔は理想的なビーガン食材ですから。

ちなみに...
魚介類は食べる「ペスカトリアン」の私の夫は、「自分はベジタリアンだ」と自己紹介しています。
イギリスの多くのペスカトリアンもそうしているようです。お食事に招待される、一緒に食事をしに行くなどの機会には必ず「でも魚は食べます」と言い足すのが普通です。

「あ、じゃあ あなたはペスカトリアンですね」と言われることもあるそうです。
じゃあ最初からペスカトリアンだと自己紹介したらどうだ、と思いませんか。どうやら食事の予定などがない場合わざわざ細かく言わないで「ベジタリアン」で済ませるのがスマートなようです。ペスカトリアンもベジタリアンの一派なのですから。

じゃあ、ビーガンもベジタリアンの一派だと言っていいのでは、と思うでしょう。(広義にはその通りなのです)
ビーガン(実行者)はベジタリアンと混同されるのを好まないようなので注意が必要です。

ベジタリアンの夫と結婚して3回に1回は付き合いでベジタリアン食を口にすることになるまで私も疑問に思っていたことがあります。
「ベジタリアンやビーガンの人は自分からすすんで困難な食生活を続ける誓いを立てたくせにソーセージ・ロールやKFCやプルド・ポークやその他もろもろの肉料理に未練があるのか...!!?」

夫の答は明確です。
バラエティ―が欲しい、のだそうです。
肉モドキを食べるのは肉が食べたいからではなく、食べられるものの種類を増やしたいからなのだそうです。

野菜と果物それに穀類、豆類だけの味気ない食事を連想しがちなビーガン生活ですが、KFCもオッケーなんですよ、今では!!


べジィとノン・べジィに分かれた夫婦そのものはそれほど珍しくないのですが、私たちのように夫がべジィで妻がノン・べジィというのはけっこう珍しいようです。
ベジタリアンの80%は女性だそうです。
妻やティーンエイジャーの娘がべジィにまず改宗し、夫や父親を説得して家族ぐるみべジィになるケースが多いと聞きました。

夫が結婚前からべジィなのに改宗しない妻(私)というケースが珍しいようなのです。
私は肉を食べる生活をやめるつもりはありませんが、夫のためにべジィ料理を作って付き合いで食べるのはちっとも苦になりませんが。

KFCの店内で....


...見かけた、創業者であり、マスコットでもあるカーネル・サンダースのシンボル黒いリボンタイを模した椅子を見かけました。


薄暗い店内の壁に映し出される音なしCM映像を、注文した品が出来上がるまで見ていました。
イギリスのKFCで調理されるニワトリはすべてイングランドと北アイルランドの契約農家で飼われているフリー・レンジ・チキン(放し飼いのニワトリ)だと明言していました。

フリーレンジの解釈は一般の消費者が考えるよりはあいまいで、実際は解放された戸外へのアクセスが多少ある「舎飼い」であることが多いのだそうです。
...が、しかし檻に閉じ込められたトリではないことがわかり、ほっとしています。

日本のケンタッキーフライドチキンの店頭に必ず立っているカーネル・サンダース像よりずっと老けた実写の創業者Mr サンダースが「きみもチームの一員にならないか」と就職希望者を募っていました。



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なぜか, 今ブーム!身近になった?それでもかなりハードルが高い完全菜食主義、ビーガン...本場イギリスでの近況

2020年01月30日 09時00分00秒 | 英国の食べ物、飲み物

全国展開のイギリス最大手ベーカリー(パン屋)のグレッグス Greggsで、ビーガン vegan のソーセージ・ロール sausage roll が売り出され、話題になりました。


グレッグスの「喫茶コーナー」で食べてみました。


手前が話題のビーガン・バージョン、奥がクラシックなポークのひき肉を使ったソーセージ・ロールです。


ソーセージ・ロール は とてもイギリスらしいスナック・ミール(軽食になるおやつ)です。
棒状にのしたソーセージのなかみ(ポークのひき肉とハーブ類)をサックリしたパイ皮で包んでオーブンで焼いてあります。



グレッグスで人気の、昔ながらのポークを使ったソーセージ・ロールと食べ比べてみました。



値段は同じです。
昔ながらのポークを使ったソーセージ・ロールの方がこってりしていて断然おいしいかったです!
ビーガン版はスパイスなど風味は上手に似せてあるのですが、マイクロプロテインなる人口の食材を植物油で練ってもスカスカした食感はごまかせません。

パイ皮においしそうなテカリがないのもビーガン食品らしいですね。
卵やミルクを塗るわけにいかないのですから。


さて今日の話題、ビーガンです。完全菜食主義(者)という日本語訳があるにもかかわらず、日本ではなじみがなく実践者も非常に少ないと聞いています。

ベジタリアン vegitarian は動物の肉を食べない菜食主義(者)だということは日本でも知られていますね。
イギリス全土に300万人以上いるそうです。(2018年の統計)

動物の肉は食べないベジタリアンも、卵や乳製品は食べます。

ビーガンは卵や乳製品すらも口にしないばかりか、革製品も拒否します。
石鹸や化粧品などにも動物性脂肪やコラーゲンなどが成分として使われていないことを保証するビーガン・マークを確認します。


動物由来の製品を一切口にしない、使用しない習慣を実践している人たちです。

昨日、夕食にバンガーズ&マッシュ bangers and mash を作りました。


ソーセージをマッシュポテトにのせたおなじみイギリス料理です。

今回は、ベジタリアン冷凍食品の高級ブランド、リンダ・マッカートニーブランドの、「肉もどき」ソーセージを使いました。


リンダ・マッカートニーは、動物の肉を一切使っていない、ベジタリアン向き冷凍食品、食材を製造販売する人気ブランドです。
創業者のリンダ・マッカートニー(故人)は元ビートルズのポール・マッカートニーの妻で動物の権利擁護運動の活動家でした。

この Linda McCartney's Outrageously Succulent 6 Vegitarian Lincolnshire Saousages (長い製品名!)は動物の肉のみならず、乳製品や卵も使われていないのでビーガンの食生活にも適応することが保証されています。


豆類の蛋白質が主成分と箱に書かれています。
やはりコッテリ度はいまひとつです。
でも、よく炒めたトロトロの玉ねぎを加えて濃く溶いたインスタントの(ベジタリアン仕様)コクのあるグレービーをかければ、肉なしソーセージの淡泊さがかなり補なわれて、おいしく食べられました。

ポテトと、サツマイモ それに、ささがきにしたセルーリヤック(食用ではないセロリの球根)の、3種類のマッシュを作りました。
ビーガン家庭ではない私たちが食べるポテトのマッシュにはビーガンは拒否するミルクを使ってやわらかく仕上げました。

ビーガン、ベジタリアン、それに(うちの夫のような)魚介類は食べるペスカトリアン pescatorian について詳しく書いた過去のストックポート日報の記事のリンクをいちばん下に貼りました。ベジタリアン生活に適応した食品も多く載せています。
ぜひ読んでみてください。

現在イギリスではビーガンが大ブームなのです。
そう、動物性の食品に関するもっとも厳しい決まりのあるビーガン食が、ペスカトリアンやベジタリアンを飛び越えて注目を浴びているのです。

驚いたことに、イギリスには連合王国の全人口の1.16%にあたる60万人ものビーガン生活を実践しているビーガンがいるそうです。(2018年の調査)
350万人説!もたびたび現れるのですが、「私の周りにベジタリアンはけっこういるけど、ビーガンはみかけないなぁ、いるところにはもちろんいるんでしょうけど...」という大多数のもっともな意見から考察すると、350万はいくら何でも水増しし過ぎ、というのが定説です。

60万は少なく見積もって....ということだそうですよ。
少なくとも60万人はいるということです。

ちょっと長くなりそうなので、以下は明日に続きます。


肉モドキを使った定番家庭料理と、イギリスのベジタリアン事情再び


夫の手料理、ビーガン食、食材調達はマンチェスターの老舗ビーガン御用達のオーガニックスーパー

イギリスの食生活の一面...べジタリアンとヴィーガン御用達の学生街のおしゃれなカフェ

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久しぶりの日本語表記、買わずにちゃっかり店内で撮影

2020年01月26日 09時00分00秒 | シブい!日本語表記、日本関係なら何でもクール!
久しぶりに、日本語がグラフィックのポイントになっている製品をまとめてご紹介します。

1ポンド均一店、パウンドランド Poundland で見つけた「可愛い海洋」


日本っぽいイッカク(narwhal)のキャラクターがチョンとのったかわいいアクセサリー入れ。

イッカクのキャラクターは「 Narwaii ナワイイ」というらしいですね。(箱参照)

nawaii & friends というシリーズになっている体裁ですが、ぜったいにこのイッカクのみだと思います。
中国マーケット向きの中国ブランドの中国製である可能性が高いです....いえ、直感ですが。

よくすいていたパウンドランドのストックポート店、店内の写真も撮りました。


解読不明の日本語ティーシャツ。


一流メーカー品や、デザイナー・ブランドの製品をシーズン中に割引価格で販売するTK Max で見つけました。
書かれている英語も(文法的には)間違ってはいない(と思う)のですが、ナンセンスです。

これも直観ですが、日本をはじめアジア圏で出回っている意味のない、多くは間違った欧文がプリントされたティーシャツを揶揄している、というよりむしろ欧文プリントがカッコイイと思っている日本人の感覚がオシャレ!と決めつけたコンセプトだと思うのです。

ブランド名の確認を怠りました。
なぜか、スポーツ衣料の売り場に置いてありました。

最後に...
「女の子がゆく」


クリスマス前に、おしゃれな雑貨を売るマンチェスターの個性的な店で見つけたおしゃれな靴下です。


足先に書かれた品の悪いクオート(格言/標語)Bitches Get Stuff Done はこの頃時々目にします。
飾り文字やタイプライター風のフォントで書かれたスティッカーや額装用プリントを見たことがあります。

アメリカのトークショーでヒラリー・クリントンに対しての女性コメディアンの発言がもと...というのを突き止めました。
ついでにティーシャツやらマグカップやら、いろいろな製品が売られていたのを発見してびっくり!

Bitch は性格の悪い女、身持ちの悪い女をこき下ろすとてもキタナイ言葉なのですが、Get Things(Stuff ) Done(仕事などやるべきことをやっちゃえ)というおなじみの一文とセットにすると、どうやら会社や学校などでも標語として使えるみたいです。

女性蔑視の言葉が入ったこの標語をフェミニストっぽい女性たちがジョークとして使っているらしいのです。

もちろん、女性どうし、くだけた雰囲気であることが必至でしょうけど....口に出して言うのもまずいかもしれませんが、マグカップや写真たてに入ったカードなどに書かれているのを職場でみたら楽しいかもしれません。

「女の子がゆく」という日本語の一文がどうも結びつかないのですが...

以上の3点は購入せずに店頭でちゃっかり撮影しました。

店やレストランで写真を撮るなんてイギリスでは以前は許されなかったことですが、今ではどうやらどこでも大歓迎のようです。

おまけです。
BITCHE と書かれた靴下をフェミニストでもない私が買ってはく勇気はないのですが、一緒に店にいた夫に同じブランドの「迷惑ネコ」柄の靴下を買ってもらいました。


ゲロを吐いているネコが気に入ったので。

私が夫に買ったのは、「殺人カニ」柄。






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久々に登場、バード・カフェの営業妨害常連のリス野郎サイモンの食い意地

2020年01月24日 09時00分00秒 | 英国の動物
久しぶりに登場、バード・カフェで食い荒らすお呼びでないリス野郎、おなじみのサイモンです。


(写真はすべてガラス窓越しに撮影しました)

一昨日、園芸店で見つけて買ってきた青リンゴ型のピーナツ・フィーダーをつるしました。
プラスチック製のファンシーなデザインを夫が嫌がりましたが、押し切って購入。
もちろん冬場にあまり食べるものがなく難儀しているであろうかわいらしい小鳥たちのためにです。

ええ、まあ、ピーナツには目がないはずのリスのサイモンにすべて食べつくされることは最初から目に見えていましたが。
予想通りの展開です。

夫も大喜びです。


下の受け皿のふちにとまった愛くるしい小鳥たちがちょんちょんついばむと透明の筒に詰めたピーナツが少しずつ下の受け皿に落ちてくる仕掛けです。

実はサイモンがリンゴのフィーダーからピーナツをかすめ取って食いつくす一部始終は目撃しなかったのですが、最後に残った数粒をあっという間に口にがつがつ詰め込む場面は目にしました。

枯れ木の枝にさかさまにぶら下がり両手でフィーダーをつかんでグワッシャグワッシャと乱暴にゆすり、ピーナツをすべて受け皿に落とし、落としたそばからガツガツ....
つるしてから30分以内に空にしました。

バード・カフェの営業を始めてから何年も、わがもの顔で営業妨害を繰り返すリス野郎はすべて「リスのサイモン」と私が勝手に呼んでいます。

小鳥たちのために用意したグレイン(穀類)、ファット・ボール(牛脂を固めたお団子)、湿気たり固くなったりしたパンやシリアルのあまり、そしてリスの大好物のピーナツなどをすべて食べつくされてしまうだけではなく、リスが繰り返しやってくるスポットにはなぜか次第に野鳥が寄り付かなくなるらしいのです。

ホント、およびでないリスのサイモン。

それでも実は私も夫もサイモン観察が大好きなのです!


同じ園芸店で、同時にセールになっていた、硬くて厚い半透明のプラスチックの筒型のピーナツ・フィーダーも買いました。
昨日設置しました。

小鳥がとがったくちばしの先でつつけるように小さな穴がいっぱいあいていますが、ほとんどのピーナツの粒は大きすぎるので取り出すことができません。



最初のうちは私たちが窓のそばに来ると緊張してさっと逃げの姿勢を取り、私たちが窓から離れるのを待っていたのですが、食欲には勝てず、次第に大胆に...

この人を小ばかにしたような顔...!


「この人たちははただ単に自分がおいしそうに食べるところをじっと見ていたいだけなんだ、(それに写真も撮っているようだ)よし、見せてやろうじゃないか」と開き直ったようです。

どうやら穴に歯を突っ込んで根気強くカリカリ削り取って食べているようでした。



片足を木の幹にかけて余裕たっぷりのポーズ!




フィーダーの後ろ側にまわって...


長いこと努力をしていました。
一日中見ているわけにはいきませんが、他のことをしながら台所に2時間近くとどまり、つかず離れず観察を続けました。
私が台所に下りてくる前から穴あきフィーダーと格闘していたらしいサイモン、どうやら3時間近くはバードカフェにいたようです。



フィーダーの後ろ側で何をしていたか、判明!


あろうことか、床にたたきつけても割れないという売り込みの硬いプラスチックの上の方の穴を広げ、ピーナツの粒が取り出せるようにしたのです!

恐るべきサイモンの知恵!

サイモンの知性にチャレンジしてみます。
ピーナツ・フィーダー二つを家の中に持ち込み、思案中です。

ピーナツを半分ぐらい出して、サイモンが開けた大きな穴よりずっと下の位置に一番上が来るようにしてみます。
筒をひっくり返して穴から出す工夫が思いつくでしょうか?

簡単にすぐ取り出せるリンゴ型は離れた2本の枝に張った紐から吊り下げてみる(サイモンの手が届かない真ん中あたりの位置に、です)というのはどうでしょうか。
プラスチックの物干し綱のあまりはツルツルしているので真上まで綱渡りをしてさかさまにぶら下がるのは難しかろうと思います。


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フライパンの上にも顔がある

2020年01月23日 09時00分00秒 | さがせば何処にでも顔はある
フライパンに現れた宇宙人の顔


友達のうちの庭を自由に駆け回っているメンドリが産んだ卵です。
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イギリスの冬の名物、朝深く立ち込める霧、霧のフィルターを通して住宅街の見なれた光景が幻想的に変貌

2020年01月20日 09時00分00秒 | 英国の、生活のひとコマ
昨日の朝、窓の外を見たら濃い深い霧が立ち込めていました。

うちのすぐ近所の通りです。


自家用車のフロントスクリーンの霜を溶かすのに時間がかかって遅刻寸前、急いでいたにもかかわらず、思わず車をとめて上の写真を撮りました。

バス通りは日曜の早朝で、いたって静か。
それでも見通しがきかないのでおそるおそる、ゆっくり運転しました。

左右の歩道には霧の向こうからジョギングする人たちが次々と現れ、後方、霧の中に消えていきました。
新年のリセット、新年の目標にジム通い、朝のジョギングを上げる人がとても多いのが実感できます。

ストックポート日報では私が写真を載せ続けるためにおなじみになってしまった木彫りのフクロウ、ヴェーラのいる空き地、住宅街の自然保護区域です。




裏に回った時に、濃い霧にくすぶりながら輝く朝の太陽の美しさにまた車をとめて写真を撮りました。



すぐそばにある職場の駐車場からも霧の中に輝く太陽が見えました。


レンガ塀の向こうはおなじみのストックポート・クリケット・グラウンドです。



遅刻はしませんでした。

日が高く上がり霧が晴れかかったクリケット場では少年ラクロスの練習試合が始まりました。

夏のスポーツ、クリケットはシーズンオフです。
ひと試合の時間がものすごく長いクリケットは、イギリスでは夜11時まで日が暮れない夏にしかプレーできません。

国際試合の舞台は今が夏の盛りのオーストラリアにうつりました。

日照時間が異常に短いイギリスの冬は終わりを迎えています。
日が長くなっているのが日ごとに実感できる今日この頃です。
といっても昨日今日の日中気温は10度以下、寒いです。

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庭には四羽ニワトリがいる友人宅の羨ましい自給自足生みたて卵....消費が追い付かずお裾分け

2020年01月19日 09時00分00秒 | 英国の、生活のひとコマ
ストックポート内に住む友人が庭でペットのニワトリを4羽飼っています。


飼い始めて一年になるはずです。
見に行きたい行きたいと思いつつ、先週やっと実現しました。



イギリスでは「自宅でニワトリ飼育」がちょっとしたブームです。

裏庭の、十分の一ほどのスペースが金網で囲われ、黒いウッドチップが敷き詰められています。
畳4畳分ほどのスペースでしょうか。


その中に丈夫な金属製の檻が、さらにその中にはプラスチックのポッド2つが置いてあります。





早朝、ポッドから出されたニワトリたちは日中ウッドチップの敷き詰められたスペース内を自由に徘徊しています。


現在専業主婦の友人が在宅している時は金網の扉も開けられ、芝生が植えられた裏庭を自由にうろつきまわっていいのです。


ニワトリたちが自主的にポッドに戻る日暮れ後、ポッドの頑丈なプラスチックの扉をしめ、檻も一番外の金網のフェンスの入り口もきっちり閉めてしまいます。

ずいぶん厳重な囲い込み!と思われたことでしょう。

キツネよけなのです。
この広いバス通りぞいのストックポートの住宅街も、ほかのイギリスの都市、郊外同様キツネの大量繁殖が問題になっています。

ゴミを食い荒らす、野生の小動物のみならずペットまで襲うことが知られている獰猛なキツネの撃退は裏庭で飼うニワトリの飼い主にとって重要な問題なのです。
私のうちでも飼っていた子ネコがキツネかアナグマに殺されるというたいへん悲しい出来事がありました。

卵を産ませるために品種改良された「現代ハイブリッド種」のこの4羽は同じ時期に同じブリーダーのもとから来た同年齢の仲良しですが、姉妹ではないそうです。

片時も離れず常に行動を共にしています。

この家にはイヌが2匹、ネコが一匹います。


この3匹はニワトリが裏庭を散策中は庭に出してもらえません。
毎日、ほぼ一日中ニワトリたちが庭を占有していることになります。

コッカースパニエルのルーファスの趣味は窓際に座ってのバードウオッチング。


私たちも庭に出したニワトリたちをしばらく眺めて楽しんだのですが、外でじっとしているのは寒いので庭の眺めが効くリビングルームに移っておしゃべりしながら庭を見ていました。

ニワトリを見ていると本当に心が和みます。
カクカクしたユーモラスな歩き方(なんだかエラそうです)、時々立ち止まって足を後ろに蹴りだすようにする謎のしぐさ、ミミズを掘ったり芝生をつついてむしったり...

フワフワのお尻も何とも言えずかわいらしい!

抱き上げても怒りません。
さすがになれない私が長いこと抱えていると嫌がってバタバタし始めますが。

一度さわってみたいと思っていた、ぶよぶよしたトサカもつまんでみました。
背中に顔をグッと突っ込んでニワトリのにおいも嗅いでみました。

羨ましい!
私もずっとニワトリを飼ってみたいと思っていたのですが、キツネ対策、自由に外出させているネコ、旅行中の世話、花壇のお花をつつかれてはイヤ...などのことを考えると実行には移せないでいるのです。

ずっと4羽かたまって行動していたニワトリの1羽がいつの間にか姿を消しています。
「あ、メイベルが卵を産んでいる!見に行こう」という友人の後に続いて庭に出て、二つあるプラスチックのポッドのひとつを見てみました。

その日、1日分の「収穫」です。


毎朝卵をチェックするようなのですが、私に見せるため午後までとっておいてくれたようです。

この時もう卵を産み終わったメイベルは庭に出て他の3羽に加わって団体散策に戻っていました。
日中、群れから離れて自宅(ポッド)に戻り不定期な産卵をすることがよくあるのだそうです。

メイベルが産んだばかりのペパーミント・グリーンがかった生みたて卵はじわーっと温かかったです。


友人宅の台所で撮ったこの写真は、その前日の収穫です。


友人に素朴な質問をしました。
ニワトリは自分が産んだ卵を人間にとられてイヤじゃないのか?

ぜーんぜんイヤじゃないそうです。

ニワトリたちは産みっぱなし。
産んだとたん、卵をほったらかして外に出てまた遊び続けます。

オンドリがいる場合、全く別です。
受精した卵の中には自分たちが産んだ生命が宿っているのですから、メンドリたちは卵がかえるまで片時も離れず温め続けるそうです。

自分が産んだ卵にただの黄身が入っているのか大切な我が子のヒヨコが入っているのかメンドリに、わかるのか!?
わかるみたいですね。

ちなみに、友人は時々産んだ卵を硬炒り卵にして細かく砕いてえさに混ぜてニワトリたちに与えているそうです。
ニワトリたちは大喜び、体にいいらしいのです。
でもそれを聞いた時、「ええ~なんだか猟奇的!(自分の産んだ卵を食べるだなんて!)」と思ったのですが、ヒヨコの入っていない卵に対する無関心さについて聞いたら、なーんだ...卵って産んだニワトリたちにとってもただの「食材」なのね。と納得です。

その日の収穫をすべてもらうことになっている私はニワトリたちに(日本語で)「もらうね、ありがとう」といいました。


ニワトリたちは返事もしません。
ひっきりなしにコーコーコーと口々に独り言を言い続けていましたが。

卵を産ませるためのペットのニワトリは成鳥を買ってくるのが普通だそうです。
かわいいヒヨコのうちから飼いたくないのかと聞いてみたのですが、メンドリを買ってきたつもりなのにオンドリが混ざってしまうこともあり、トラブルがあるからだそうです。

かわいがって名前もつけたニワトリがオンドリだったからといって殺して食べるにもしのばず...困ったことになるのは目に見えています。

ここの家のメンドリたちの名はメイベルとマージと、もう一羽、何だったかな?
いずれも家畜にはおばあさんぽい名前を付けるのがイギリスの伝統のようです。
もう一羽は何回きいても絶対覚えられないウェールズ語の名前でした。

このうちでは、成人した娘と夫婦の3人ではとても食べきれない量の卵をご近所や友達、親せきに上げまわってもまだあまり、たくさんの酢漬け卵を作って、それも人に配っているということです。


私は18個もらいました。


殻を洗わずにおくと6週間室温でもつそうです。
冷蔵庫に入れると風味が落ちるとか。

使う前に、殻も水で洗った方がいいようです。

メイベルの産んだペパーミント・グリーンの卵も入っているはずなのですが、自然光とオレンジがかった電球の明かりの下では色が違って見えますね。
形も大きさもさまざま。

昨日は贅沢に6個使ってフリッタターを作り、夕ご飯に私と夫の2人で食べました。
炒めた野菜を卵でとじてトマトの輪切りをのせた、オーブンで焼く卵焼きです。

そう言えば、イギリスではペットのニワトリを、ニワトリの英語として知られる chicken と呼ぶことはほとんどないと思います。
チキンといえば、食材の「鶏」を思い浮かべることが多いかもしれません。

なんと呼んでいるかといえば、「hen メンドリ」ですね。
オンドリはcockerel とか rooster と呼ぶようです。
友人もうちの夫も cockerelと言っていますが、違いを知るために辞書で引いてみたら cockerel は「一歳未満の子供を産ませたことがないオンドリ」だと書いてありますよ.....

roosterはアメリカ英語なので、イギリスでは好まれていないようなのです。
イギリスでは本来 cock というのですが、その言葉はアメリカで男性器をさすキタナイ言葉として知られ渡っているので、イギリスでも現在(準)放送禁止用語です。

ニワトリの飼育家の私の友人が使う、「コッカレル」でいいと思います。


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窃盗犯罪の被害者となったコブデン像の見えるカフェ、疑問の残る再発防止策

2020年01月18日 09時00分00秒 | 英国の、生活のひとコマ

郷土の偉人、リチャード・コブデンの銅像のある、コブデン・スクエア Cobden Square に面したカフェです。


その名も、カフェ・スクエア Cafe Square。

昨日通りかかったら、窓に乱暴な手書きのお知らせが全部で2枚貼ってありました。


「私たちは最近高い代償を払い、大切なことを学びました。現在はもう貴重品や現金を店内に置いていくことはありません(意訳)」

何のことかおわかりでしょうか。
イギリス人にはすぐわかります。

最近、店内に残していった売上金だか、仕払いのためにとってあったお金だか、とにかく現金を盗まれた(高い代償を払った)のです。
(それに懲りて⁼レッスンを学んで)もう現金や貴重品を(閉店後)置いていくことはありません。〈だから泥棒に入っても無駄ですよ!〉
 という「ドロボウよけ」のお知らせなのです。

普通、イギリスの商店や飲食店で閉店後現金を置いていくなんてことはあり得ないのですが...
営業中でもレジの金額が一定以上たまればマネージャーやお金の管理をする責任者がおつりの分だけを残して金庫に移したり、銀行にもっていったりするシステムのところも多いのです。

最近はキャッシュレス化がとても進み、レジの中に入っている現金がそもそも減っているはずなのですが。

まあ、とにかく何かの事情で置いてあった金品を盗まれてしまったカフェ・スクエアにとって味をしめた泥棒にまた戻ってこられて窓や戸締りしたドアを壊されてはたまったものではありません。

「ないよ」と念押ししているわけなのです。

「夜間現金を置いていくことはありません」と書いてあるとなりに貼られた市松模様のボーダーのある市販のスティッカーは、「警察からのお知らせ」を模しています。
警察が発行したものではありません。

イギリス警察のシンボルである市松模様には犯罪者をビビらせる効果があるのかもしれません。

客商売で、イメージも売り物のカフェの正面窓にマスキングテープで貼った殴り書きのギスギスしたお知らせ文、どうなんでしょうか。

ちなみに、このスクエアと、カフェの後ろから始まる急な坂のてっぺんあたり(市庁舎があります)までの地下には戦争中、ドイツ軍の空襲爆撃の際に市民を避難させるために市が設置した広大な防空壕のトンネルが網の目のようにめぐらされています。

前回のストックポート日報にのせた長い観光案内記事をお読みください。

いじられ銅像コブデンとコブデン・スクエアについて書いた以前の記事のリンクです☟

郷土の誇り、地元選出の国会議員、地元での尊敬の念はいまひとつか?若者に親しまれる堂々たる銅像

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ストックポートの観光案内、イギリスの近代史を彩る貴重な歴史遺産、なんだかワクワクモグラ体験の防空壕

2020年01月15日 09時00分00秒 | ストックポートとその周辺
久しぶりにストックポートの観光案内です!


ストックポート・エアレイド・シェルター  Stockport Air-raid Shelter、歴史遺産博物館です。
第二次世界大戦中に市民のために開放された公営の広大な防空壕なのです。

市の管理下で、入場料(大人5ポンド)を取り、一般公開されています。

解説(英語のみ)が吹き込まれたオーディオ機器をもって自分のペースで見学して回る、セルフガイド・ツアー式です。

上の写真に写っているのは博物館の入り口、その奥にものすごーく長いトンネルが隠れているのです。


入場料を払うと、入り口にあるギフトショップの奥のアーチ天井の白い小部屋にまず通されます。

第二次世界大戦の発端から、イギリスがドイツに宣戦布告した経緯やら、チャーチル(当時の首相)の演説やら、ガーガーよく聞きとれないラジオの戦局放送やらの音響解説を影絵のビジュアル効果つきで10分ぐらい聞かされます。

右に左に焼夷弾が落とされて町が燃え上がるロンドン大空襲の原始的スペシャルエフェクトはちょっと迫力がありました。


ウーッという空襲警報が鳴ると防空壕セルフガイド・ツアーの順路に続く扉が開きます。
教育ビデオを最後まで見終わらないと見学を始めさせてもらえません。

イギリス南部に住む日本人の友達と一緒にストックポート観光の王道を極めてみました。




13年ほど前、ケント(ロンドンの西)から訪ねてきた夫の母を案内して初めて入って以来です。
当時はボランティアガイドが見学者を数人まとめて付き添ってまわるグループガイド・ツアー式でした。
戦争時代を経験している夫の母が若いガイドの女性に当時のうんちくを語りたがってちょっと困りました。
(3年前に亡くなった夫の母の良い思い出です)

起伏の非常に激しいストックポートのタウンセンターの一番低い位置、チェスターゲートChestergate (通りの名前)から掘り進んだ、丸いモグラの穴のようなトンネルが町の高い位置全体の地下を網の目のようにめぐっています。

全長2キロ足らず、順路をつけて公開しているのは全体の1割ほどの部分です。

月に1度ほど、懐中電灯持参でガイドが案内する非公開の場所をめぐる「冒険ツアー」(予約制)も開催しています。

1940年の写真が展示されていました。


私が撮った同じ場所の写真です。


ドイツ軍の空襲がロンドンなどイギリスの他の都市で始まった1938年に着工され、正式にオープンしたのは1939年10月。

サンドストーン Sandstone という赤っぽいやわらかい崖を掘るのはけっこう簡単だったようです。
なんだか崩れてきそうで不安です。



トンネルがやたらに狭いのは崩れてこないよう安全対策のためなのかもしれませんね。



上の写真の長いベンチは博物館としてオープンした際に復元したレプリカですが、当時も同じようなベンチが至る所に設置してあったそうです。
避難してきた市民がずらっと座って空襲警報解除を待つようすが目に浮かびます。

大戦中も電球の明かりがついていたようです。
見学用に蛍光灯で明るく灯された今と違ってかなり薄暗かったのではないでしょうか。

この古い鉄枠のベッドは当時の現物だと思います。


一部修繕されていました。
当時、マットレスは用意されていましたが毛布は個人が持参したそうです。

少しの料金を取って、近所で寝具を預かる個人ビジネスも存在したそうです。

ところどころ、壁に当時の「戦意高揚」あるいは「安全や衛生指導」の複製ポスターや解説資料が展示されていました。


管理人の部屋やら...




救急室 やらの様子が...


再現されていました。


救急室ではラジオから流れる当時の流行歌がかかっていて、雰囲気たっぷり...のつもりなのでしょうけど同じフレーズの繰り返しでちょっとイライラさせられました。

同行の友達の(日本のユニクロで買ってきたという)あずき色のステキなナイロンコートが...


背景のトンネル壁にみごとに同化していました。


トイレが残っています。


男女別です。

水洗ではなく、汲み取り式で使用後各自が消毒液を振りかけたそうです。

当時の木製の便座がところどころ壊れて残っていました。
個室がわりのキャンバス布の仕切りがあったようです。

座って記念写真が撮れる、一部復元した当時の個室便所も残っていました。
観光客の私たちもお互いの記念写真を撮りました。

アンダーソン・シェルター Anderson Shelterという、当時市販されていた一般家庭用の出来合い防空壕も復元展示されていました。


大都市の、ある程度の大きさの裏庭のある住宅に設置が義務づけられていた金属製の頑丈なカマボコ型です。
地面を掘って半分埋めて砂嚢で覆い、土をかぶせて芝生やお花を植えたりしてなかなかロマンチックなアレンジをすることもあったようです。

戦争中が舞台のドラマなどに出てきたのを何回か見たことがあります。
木製の簡易二階建てベッドとベンチと暗く灯ったランプが置いてあり、中に入って防空壕体験ができるようになっています。

大人が立つと頭が天井にぶつかる高さです。


トンネル横に開かれた小部屋のひとつがイベント/パーティ会場として利用されているようです。


クリスマス・パーティの準備中だったのかティンセル(銀のモール飾り)が置いてありました。
実は行ったのは11月末でした。

市の観光リーフレットによると、去年の12月の市のクリスマスイベントにはサンタクロースも来たようです!

この細長い部屋は市内の学校の校外学習にも使われているようです。

私たちの他には年配のカップルを1組見かけただけです。

記念写真を撮ったり、戦争中の生活などの展示をゆっくり見ながら見学順路をめぐると、1時間半ぐらいはかかるでしょうか。

最初に教育ビデオを見せられた小部屋は通らずにギフトショップのある正面入り口に戻ってきます。


ストックポート・エアレイド・シェルターは 建設当初は同時に2、000人収容を目標に作られたそうですが拡張を続け、最終的には6、500人が昼夜生活できる、連合王国最大の公営防空壕 puburic air-raid ahelter に発達したということです。

ドイツ軍が上陸し、地上戦に発展した場合も市民が立てこもる拠点とすることも想定されていたとか。
けっきょく、軍事的にあまり重要でも大都市でもないストックポートには大した空襲もなく(1940年10月に数回あっただけだそうです)ドイツ軍の降伏により1945年4月にヨーロッパは終戦を迎えました。

戦後入り口が閉じられ、シェルターの存在は50年間ほぼ忘れ去られていました。

1990年代にトンネルをすべてぶち抜いて巨大な地下空間をコンクリートで補強して駐車場として再利用する計画が持ち上がりました。
その際、学術調査団が訪れ、国内最大規模でしかもほぼ完全な状態で残っている非常に貴重な歴史遺産だということが明らかになりました。

観光資源/教育施設としての利用が可能ではないのかと市が思いついたのは賢明だったと思います。

一時は毎日あいていた知る人ぞ知る名高い観光名所だったのですが、現在予算の関係で公開日が限られています。
予約なしで入れる一般公開日は;
水曜日(1時から4時まで)、
木曜日(10時から4時まで)、
土曜日(11時から4時まで)の週3日のみです。

それ以外の日は学校の校外学習用か、団体予約受付、あるいは結婚式!!などの個人イベント用に貸し切りをしているそうです。
...ハロウィーンのパーティなどには向いていそうですが、結婚式はちょっと...と思ってしまうのは私だけでしょうか。
狭くてじめじめしていて陰気ですよ?

小学校の生徒の団体が首から段ボールの箱を下げてストックポートの街なかを歩いているのをよく見かけます。
社会科見学にエアレイド・シェルターを訪れるのはストックポートの小学校では必修なのです。

段ボール箱を首からさげ、男女ともにグレーのソックス、女の子はみつあみの髪を白いリボンでくくり、戦争当時の子供たちの様子を再現していくことになっているのです。
戦争中のイギリスの小学生はどこに行くのにも段ボール箱に入れたガスマスクを持参しました。

うちの息子たちにの時にはセカンドハンドの市販品のフェアアイル編みのベストを着せて送り出しました。

真っ赤な口紅、造花のついたフェルトの帽子、後ろに縫い目のあるストッキングでバッチリ決めている引率の女の先生をよくみかけます。
ほとんどの男の先生はいつもの服装にハンフリー・ボガードのような帽子だけかぶってやる気がないのが見え見えです。

死と隣り合わせの戦争中の市民の緊迫感!
子供にとって貴重な学習体験です。

ただし...イギリスでは第二次世界大戦の悲惨で苦しい体験が強調されて語られることはあまりないようなのです。
限られた配給品をやりくりして工夫した衣食住ののどかで今から思えば楽しい体験談、戦地の兵士の勇ましい活躍などがナチス・ドイツの暴虐非道ぶりとともに繰り返し語られることが多いですね。

日本とはだいぶ違います。
戦勝国と敗戦国の違いでしょうか。

戦時中のイギリスの小学生のよく知られている写真です。


歴史資料ウェッブサイトから勝手に借りました。

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壁に咲く可憐な冬の花とリセットにかける人々の新年の抱負、いろいろ納得

2020年01月14日 09時00分00秒 | ストックポートとその周辺

植物で覆われた緑の壁...


ストックポートのタウンセンターにある総合レジャー施設、2018年に「連合王国で一番見苦しい建築物」に授与される栄えあるカーバンクル杯を獲得したレッドロック Redrock のあるブリッジフィールド・ストリート Bridgefield Street の始まりにあります。

ジャヌアリー・セールが始まったばかりの1月最初の週に撮った古い写真です。
フラット・パック(自宅で組み立てる箱詰め)の家具をセールで買って、駐車場まで助け合って持ち運ぶ若いお父さんと小さい女の子がうつってしまいました。

ほほえましい初春の光景です。

ワイルド・ピオニー wild peony(牡丹の一種)のつぼみが開いていく経過です。

ストックポートのタウンセンターに行くたびに楽しみにしているのです。



この時もう開いている花もありました。




盛りは一週間後の先週、ピンクの花が昨年より多く開いていました。







ジャヌアリーセールも終盤を迎え、最大限、75%オフにまで下がった売れ残りの冬物を隅に押しやり、春物ファッションが店頭に並び始めるこの頃です。

季節とはあまり関係のない家具やインテリア用品もいっせいに値下げになるのも納得です。
そのためか、1月に家の模様替えをする人も多いようです。

新しい年、新しいインテリア、納得です。

新年のリセット

イギリスでは、弁護士事務所が年始オープンする1月最初の月曜日が離婚訴訟が殺到する日 Divouce Day として広く知られています。
(イギリスで離婚するにはハンコひとつで成立する日本と違って非常に煩雑な手続きを要するのです。弁護士の介入は不可欠です)

1月はデボース・マンス Divorce Month (離婚の月)ともいわれているそうです。

ひびの入った関係の夫婦が2週間以上も「家族で過ごすクリスマス休暇」のプレッシャーに極限までさらされて後戻りできないことを悟るため、
子供たちや年老いた親のためにクリスマスをぶち壊さないよう話し合って年明けまで我慢するため、とかいろいろ納得のいく説明がされています。

決め手はやはり新年のリセットでしょうね。

インテリアだけではなく、台所の徹底的な模様替えをする家族も多いらしいのです。
もちろん1月になるとキッチンユニットが半額以下になるからなのですが....

いろいろな人に聞いた話によると(実際にそういうカップルを知っている人はいないようなので都市伝説レベルの逸話かもしれませんが...)
多くの離婚の危機にさらされている(それでもまだ修復可能な)夫婦関係が台所の新装によって持ち直す、ということもあるそうなのです。

不満たっぷりな妻の機嫌が「そうだ、キッチンを買い替えよう!」の一言でなおる、ということでしょうか。

テレビをつけるとおびただしい数の「半額の今、キッチン改装のチャンス」コマーシャルが目につきます。
明るいモダンな台所でくりひろげられる美男美女カップルとかわいらしい子供たちの楽し気な団らん風景を見ていると「新らしい年、新しいキッチンで家族の在り方もリセット!」という気持ちになるのも納得です。


1月の初めからこっそり置き去りにされている、粗大ごみの冷蔵庫...


先週、まだ残っていました。


もちろん、公道に出して置いたりしちゃいけないはずです。
新年とともに古い冷蔵庫を家から押し出すフトドキ者のリセット願望。

商店や飲食店で出る「産業ゴミ回収」の日でした。
車輪付きの大きなゴミ用コンテナに詰まったゴミと一緒にこの日の夕方回収されたかどうか気になります。

向かいのレッドロックの一階にあるスポーツジム。


トレッドミル(ランニングマシーン)の上をハムスターのようにもくもくと走り続ける人の姿が通りから丸見えです。

どこのジムも新会員獲得キャンペーンにとても熱心に取り組んでいます。
新年のリセット、「ジム通い」を始める人が1月に多いのはどこの国もかわりませんね。

新年の抱負に「健康で引き締まった体と勤勉な生活習慣を手に入れる」を挙げる人がとても多いのも世界共通でしょう。

緑の壁の内側の写真を載せた以前の記事です↓

空中庭園?壁の花?緑の体毛フサフサ壁
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電灯が故障、じっと伏せの姿勢を保つおなじみのバスに乗るイヌ...いろいろな意味でイギリスらしい光景!

2020年01月11日 09時00分00秒 | 英国のイヌ
おなじみの、バスに乗るイヌです。


昨日 帰宅のバスに乗り込むと、どんより暗かったのです。
暗いバスの中で、飼い主の足もとで忍者のように気配を消す黒いイヌにギョッ!としました。

一瞬「盲導犬か、えらいな」と思ったのですが違ったようです。
イギリスではもうあまり珍しくない飼い主の職場に同行した帰りのイヌのようです。

5時前でしたが、オフィスで一般化しつつある、フレキシブル・タイム制のはやめのラッシュアワーでした。

このラブラドール犬、よく見たらまだ子犬の面影があります。
それにしても静かでよくしつけられています。

イヌのいる側は、白い蛍光灯が灯っていたのですが通路を挟んでこちら側は真っ暗!


写真は明るく写っていますが、手元(膝の上)は真っ暗でした。

電灯が一列全部故障していたようなのです。
バスの中においてある無料の新聞を読もうと思っていたのですが暗くて読めません。
通路の反対側の座席に2歩移動すればいいだけだったのですが、それもめんどくさい!

日本の読者の皆様は、通勤ラッシュ時に新聞も読めないほど半分真っ暗なバスを走らせて乗客から苦情が殺到しないのか?と思われることでしょう。
苦情を言う人は皆無だと思います。

どうしても新聞が読みたければ、明かりのついている方へ移ればいいのですから。
5時を過ぎた本格的なラッシュアワーに途中から乗車すればあいている席は見つけられないでしょうけど。

それでも苦情を言うに値しない不都合だとたいていのイギリス人は思うでしょう。
ほとんどの人はスマートフォンを見ていました。

無料の新聞は自宅に持ち帰り、「王室離脱宣言をしたサセックス公夫妻(ハリーとメガン)」の記事をむさぼるように読みました。
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初登場、イギリスで人気のバナナ・ブレッド、バナナ・ケーキとの違いは?

2020年01月10日 09時00分00秒 | 英国のお菓子とデザート
バナナ・ブレッド banana bread を作りました。


バナナ・ブレッドはアメリカ合衆国で発祥したらしいのですが、イギリスでも1920年代ごろから作られているようです。

早くから暑い国(バナナの産地)の植民地化を進めてきたイギリスでは20世紀の初めにはバナナが常食化していたようです。
熟れすぎたバナナを無駄にせず食べつくす手段として、食べ物を無駄にしなかった古き良き時代のレシピです。


そう言えば、ストックポート日報で紹介したことがなかったような気がします。
簡単なので私が作る定番「ケーキ」でもあるはずなのですが。

レシピを紹介します。くり返しますが、簡単です。

長めのバナナ3本、(皮に黒いテンテンが現れたぐらいのものすごく熟したものが望ましい)を細かく切ってさらに包丁でねちょねちょにつぶします。


今回短めのものしかなかったので、4本使いました。

小麦粉、砂糖それぞれ200g と細切れにした室温のバター(冷蔵庫から出したばかりであれば冷たいうちに包丁で細かく切っておけばラクです。ちなみにイギリスでは絶対にバターを冷蔵庫に入れません)、重曹小さじ1杯、ベーキングパウダー(膨らし粉)小さじ半杯、大き目の卵1個を大き目のボールでよく混ぜて....


バナナを入れてさらによく混ぜます。

混ぜる順序はどうでもよく、よく混ざっていさえすれば確実に成功します!

濃い色のバナナ・ブレッドが好みの私は精白されていない薄い茶色の砂糖を使います。

180度で約50分焼きます。


オーブンの前で暖を取る年寄りネコのホレイシオ。

焼き上がり。



うちの台所には換気扇がないものですから家じゅうがバナナと砂糖の甘い香りでいっぱいになります。





前から気になっていたことをこの機会に調べました。

バナナ・ケーキとバナナ・ブレッドの違いは!?

バナナケーキのほうが甘いのかと思っていたら、そうでもないようです。私のバナナ・ブレッドはかなり甘いのです。
いろいろな人がさまざまな説を唱えていてびっくりです。
たとえばパン用のローフ・ティンで焼くから「ブレッド」だとか(私はたいていのケーキをローフ・ティンで焼くのですが!)小麦粉の種類の違いだとかベーキング・ソーダとベーキング・パウダーの違いだとか(私は両方使いますし、ウェッブサイトで見たどちらのレシピにも特定の膨らすエージェントは見つけられませんでした)....

「バナナケーキはふんわりサックリした口当たりなのにバナナブレッドの方が実が詰まっていてどっしりしっとりしている」という説に一番納得です。

日本語でもグーグル・サーチしてみたのですが、かえって混乱しました。
日本語のケーキ作りブログにはパン(bread)のようにサックリふわふわしたバナナ・ブレッドが紹介されていました。


要するにどうでもいいです!
「調べる!」と意気込んだものの、めんどくさくなりました。

私が作ったこれ↓が私に思いつくバナナ・ブレッドです。


イーストを発酵させていないのでとてもパンとはいいがたい「どっしりタイプのケーキ」といってもよいシロモノです。

そう言えば、バナナ・ケーキというのを食べたことも作ったこともありません。
バナナ・ケーキと聞くとなぜかマフィンやベーグルとともに「アメリカ!ニューヨーク!」のイメージが思いつきます。
アメリカ合衆国に行ったことはないのですが、映画かテレビドラマででも見たことがあるのかもしれません。


イギリスでおなじみなのはこのバナナ・ブレッド
カフェやティールームでは温めて出してくれることもあります。
焼いたその日は冷ましてからアイスクリームといっしょに食べました。

翌日アルミフォイルでひと切れずつ包んで、映画鑑賞中に食べました。

腹持ちの良いバナナがたっぷり入っているので軽い昼食がわりにじゅうぶんのボリュームでした。

このレシピは、10年以上前に新聞に載っていた「読者が投稿する、自分の家庭に伝わるレシピ」のような欄からとりました。

私が今年のジャヌアリー・セールで買ったバナナの形の容器に入ったハンドクリームを見てみたい、という人がいたのでここに写真を載せます。


バナナの小物が好きで、何となく集まりつつあります。(心して収集しているつもりは全くないのですが)








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今年に入って2回目の映画鑑賞、最新シネマの中国人も注目の使用禁止トイレと記念撮影

2020年01月09日 09時00分00秒 | 英国ってハズカシイ!
ストックポートの総合レジャーセンター、レッドロック Redrock 内にある映画館、ライト・シネマ Light Cinema で、話題作、ジョジョ・ラビット JoJo Rabbit を見てきました。


レッドロックは2018年、連合王国でその年、最も見苦しい建築物に与えられるカーバンクル杯 Carbancle Cup を授与した栄えあるビルです....そんなことは今回、どうでもよい。

好悪のわかれる話題作、ジョジョ・ラビットはとてもいい映画で感動しました...そんなことが書きたかったわけでもありません。

女性用トイレの個室7室のうち、5室が使用禁止というブザマサさ!


年末年始の休暇をとっているたくさんの観客が訪れ、クリスマスや新年に封切られる映画が目白押しのこの時期に...

職員が一斉に休暇をとるため年末年始にいろいろな機能がストップして多方面で不都合が生じるのはイギリスではそれほど珍しいことではありません。

たぶん、維持管理をする職員が休暇をとっていたのでしょう。
昨日の国会では、年末年始に60%の電車が運休したり1時間以上遅れたりで国民のいら立ちが募っている、なんとかするべし!という発言をした議員がいました。

私がトイレの「使用禁止」貼り紙の写真を撮っていると中国人の若い女性二人連れがニヤッと私に目配せをした後、自分たちも「使用禁止」貼り紙といっしょにセルフィーを撮り始めました。

インスタグラムにでも投稿するのでしょうか。

私も鏡を利用して控えめなセルフィーを撮ってみました。


ライト・シネマの待合室はおしゃれです。
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驚きのストックポートで初見!気のよさそうなセントバーナード、よだれの量が特筆もの

2020年01月08日 09時00分00秒 | 英国のイヌ
初めて見ました、セントバーナード St. Bernard !



世界中の犬種の中で一番体格が大きい、スイス原産のイヌ!
17世紀ごろから山岳救助犬として活躍していたそうです。

私が小学校の時の国語の教科書にも出てきました。

毎日おびただしい数のイヌに遭遇する私ですが、セントバーナードの実物を見たのはたぶん初めてだと思います。
日本にいた時も見たことがありません。



まだ学校が冬休み中の先週の写真です。
ストックポートのタウンセンターで、ちょっとした人だかりがしていました。

行ってみると、子供を連れた2人の若いお母さんがこのセントバーナード犬のジェィクと自分の子供たちをいっしょに立たせて写真を撮っていたのです。

私の注文にも応じてじっとポーズをとってくれました。
なでさせてもらうと私のコートやひざにボトボトよだれがたれました。

ジェイクの胸元はよだれで毛がつららのようにかたまっていました。
まだかたまっていない部分はぐっしょり濡れていました。

飼い主の若いカップルは私の衣類にジェイクの毛がつくことをひどく気にして恐縮していたのですが、大丈夫、抜け毛ははたけば落ちます。それよりよだれが...!

帰宅するまでにポンドのようにかたまってウールのコートにべっとりついたよだれは熱いお湯につけたスポンジでていねいにふき取りました。

飼い主カップルの家はジェイクの毛だらけだそうです。

そんな話をしている間にまた違う親子が寄って来てジェイクと子供の写真を撮らせてもらっていました。



セントバーナード犬といえば、日本では教科書にも載った救助犬としての活躍ぶりが(首に取り付けた小さな樽の絵とともに)よく知られていますし、アニメの「アルプスの少女ハイジ」に出てくるおじいさんの飼い犬、ヨーゼフ!

イギリスでも大人気らしい(あるいはただ大きさが珍しいだけなのか)セントバーナード犬、注目の的でした。

上の写真の10歳ぐらいの女の子を連れたお母さんは「これ、ベートーベンよね、そうよね、やっぱり!」と感激していた様子です。
私は見ていませんが、ベートーベンという名前のセントバーナード犬が出てくるその名も「ベートーベン Beethoven」というアメリカ映画が大ヒットしたのです。
調べたら、1992年制作の映画です。

いっしょに写真を撮られていた女の子は知らないでしょう。
ああ、そういえば今でもしょっちゅうテレビで放送されています。
続編もヒットしたようですし、「セントバーナードといえばベートーベン」というイメージが完全に定着しているようです。

飼い主の気のいいカップルは 見かけも話し方もバリバリの「労働者階級」風でした。
イギリスでは、概して言えば小さめの公営住宅などに住む労働者階級の人たちがなぜか大型犬を好み、大き目の家を所有する中産階級の人たちはリトリーバー系かテリア系、あるいは雑種(捨て犬救護センターから引き取ったものに限る)など小型犬を好む傾向にあるようなのです。

セントバーナードは運動量も食べる量も抜け毛の量も半端ではないはずです。寝床も畳一畳分ぐらいのスペースを要することでしょう。
それに犬の値段もバカにならないでしょう。

経済的に恵まれていないと維持管理が難しそうな犬種に見えるのですが...

飼い主の男性はジェイクがいかに賢くておとなしくて(無駄吠えは決してしないそうです)飼いやすいか聞かれてもいないのに来る人ごとに力説していました。

いいイヌなのはわかったけど、よだれが...
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これで終わりのクリスマス・シーズン、場所をとる(電気の消費も気がかりな)クリスマス飾りに別れを告げる日

2020年01月05日 09時00分00秒 | 英国の、生活のひとコマ
今日、1月6日はエピファニー Epiphany というキリスト教の祝日なのですが...イギリスでは休みでもなく、信者以外誰も気にしません。

昨日はエピフォニー・イブ、Twelve Days of Christmas の最後の日、the Twelveth Day of Christmas でした。



クリスマスの飾りを片付ける日なのです。
今日1月6日に片付ける人もいるようです。



とにかく、1月6日の夜12時か、日暮れ(4時ごろ)までにすべて取り外してしまわないと縁起がわるいといわれているようです。

私は実は4日と5日の二日にかけて、とりあえず、箱に詰めました。



箱にぶち込んだら一安心、そのうち人工の松の葉が散らばった床に掃除機をかけて大きなプラスチックの箱を屋根裏にしまい込みます。

1月5日か6日にしまいそこなうと、一年中ずうっと出し続けていないといけないのだそうです。

まさか、と思うでしょう?

ずうっと前に働いていたケア付きの高齢者住宅に住んでいたおばあさんの部屋に、しまい忘れた1メートルぐらいの高さの、飾りをつけたままのクリスマスツリーがずっと残っていました。

かたづけのお手伝いを申し出たのですが、「ダメダメ、さわらないで!」と言われましたし、私と同じ年齢の息子にも「気持ちはありがたいけど そっとしておいてほしい」と言われました。
クリスマス期間に部屋を飾っていたクリスマスカードも捨てずにタンスの上に積んでありました。

次のクリスマスの後にそのクリスマスツリーがどうなるのか興味津々だったのですが、そのおばあさんは残念ながら亡くなってしまったので、他の持ち物といっしょにクリスマスを待たずにかたづけられてしまいました。


エピファニーというのは、「東方の三博士/三人の王」がベツレヘムの星にひかれてキリストの誕生を祝いにやってきた日です。
公休日で、家族が集まってプレゼントを贈りあう習慣のある国(特にカトリック国)も多いそうです。


ジャヌアリー・セールで半額以下で買った「クリスマスライトが灯るスマートフォンの充電用コード」を見たいという人がいたので写真を載せます。


重い古い型のアイパッドを充電しているところです。

クリスマス飾りを片付け終わった後も廊下で輝き続ける充電コード、実は息子も欲しがったので昨日店に戻ってたった一つだけ残っているのを買ってきてやりました。

息子の部屋でも廊下でも煌々と輝く2本の充電コード、もうすでに目障りになってきました。

ジャヌアリー・セールでにぎわう昨日のストックポートタウンセンター。


エルフのカエルとクリスマスツリーがまだ設置されたままでした。
週明けの今日、片付けるものと思えます。

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