イギリス/ストックポート日報 《England/ Daily Stockport》

イギリス北西部の歴史ある街、ストックポート Stockportから(ほぼ)日替わりでお送りする、イギリス生活のあれこれ。

肉屋の自家製を買ってみた、英国名物のポークパイ

2023年10月24日 06時30分38秒 | 英国の食べ物、飲み物

大好物のポーク・パイ pork pie

 

日本ではあまりなじみがないはずのポークパイ、ストックポート日報ではかなりの頻度で取り上げています。

スーパーマーケットや、コンビニエンスストアで簡単に手に入ります。

今回買って食べてみたのは...

お肉屋さんの自家製、サイズも大き目で値段も安くありません。6ポンド(1100円)もしました。

上の写真のガラスケースの中、「ステーキ・パイ(ビールでトロトロに煮込んだ牛肉の角切りと腎臓が詰まっています)をはさんだ左側にあるのが標準サイズです。3ポンド80ペンスだったかな?

標準サイズ1個を食べれば、昼食としてじゅうぶんなボリュームです。

 

 

このお肉屋さんは、うちからクルマでほんの5~6分の住宅街の中にある、広大な農地を有するファーム(農場)の中にあります

 

 

風情のある茶紙の袋に入れてくれました。

「地元の肉屋を応援してください」というお願いスローガンも率直でいいですね。町のお肉屋さんがスーパーマーケットの進出に圧されて軒並み店じまいしているのはどこの国でも同じです。包丁のイラストが怖いですね。

このファームの敷地内には評判のいいカフェと、注文請け合いのカーテン店、それに写真館もあります。以前はインテリア小物店もありました。

カフェでお茶、お食事をした年配の人がちょっと寄って夕食の材料を買ってかえる需要があるようです。

建てまし、改装を繰り返したと見受けられる古いファームコテージがカフェとしてオープンしています。

 

チェダー・チーズ、ピックル(根菜の酢漬け)の入った複雑な味バージョンを買いました。

しっとり、どっしりした口当たりの厚いパイ皮に煮凝り状になった脂をつなぎにネトネトの具がぎっちりと固まって入っています。

ネトネトがかたまった状態の冷たいまま食べるポークパイはピクニックやブフェイ(ビュッフェ=立食)パーティの定番です。お弁当として持って出るのにも好都合!

 

ポークだけのオリジナルのバージョンは塩、コショウだけの素朴な味付けなのですが、これはチーズ味が効いていてとてもおいしかったです。ピックルのかすかな酸っぱさも脂のくどさを和らげています。

...が、食べ慣れているスーパーマーケットのポークパイより少し塩が効きすぎったかもしれません。保存料が使われていない昔ながらの自家製と言うのはこんなものかもしれない...と納得です。

 

昔は10月に森でドングリをたっぷり食べさせて太らせたブタを11月に屠殺したそうです。

すぐに解体されたブタの屠体は、塩漬けやハム、ベーコンなどの保存食にされ、残りの肉と内臓など...あまりおいしそうでない部分をパイにしたということです。冷蔵庫がない時代でも春まで保存できたそうです。

 

昼食に食べました。

むっちりしていてお腹にたまります。サラダをつけたら栄養のバランスが良くなったかもしれません。

実はお昼ご飯を食べ終わって数時間後、「オヤツ」ということにしてもうひと切れ切り取って食べました。クセになる美味しさです。

 

夫はベジタリアンだし、娘はポークパイがあまり好きではありません。2~3日にいちど少しずつ切り分けて1人で1週間ぐらいで食べきれるかな?

さすがに毎日は飽きそうです。

 

 

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はじめて作ったおなじみのキノコスープとポーランドからやってきたちょっと豪華な野生のキノコ詰め合わせ

2023年10月04日 06時38分01秒 | 英国の食べ物、飲み物

英国ではとても人気のある、カフェの定番料理です。

クリーム・オブ・マッシュルーム・スープ (キノコのクリーム・スープ) cream of mushroom soup

軽く昼食をとるために入ったカフェの「本日のスープ」がキノコだったら大喜びの夫のお気に入りのスープです。

私もしょっちゅう飲んでいるにもかかわらず、実は作ったのはこれが初めてです。

 

スーパーマーケットではなく、商店街の八百屋さんで、チェストナッツ・マッシュルーム chestnuts mushroom という1年中出回っているお手頃キノコを380g買いました。100g、40ペンスは(70円)とても安いです。

ハンパな重さは、量り売りでしたので、ピッタリ400gを秤に載せるのが困難だったため。

 

話がそれます。

ポーランドから輸入された「野生のキノコ」寄せ集めの200gパックが 同じ店で、2ポンド99ペンスで売られていました。興味をひかれて、買いました!

2パック買ってこれでスープを作るのはちょっともったいないですね。

3~4日はもつそうです。お店の女性が勧めてくれたようにチーズをかけてオーブンで焼くか、ニンニクといっしょにバターで炒めるか、あるいは和風スパゲッティの醤油ベースのソースにからめて食べるのもいいかもしれません。

 

シメジみたいなのや、マイタケみたいなのも入っています。

上の写真の真ん中あたりにある丸っこい茶色のキノコは、見た目が100g40ペンスの安いチェストナッツ・マッシュルームにそっくりですが、香りがマツタケにそっくりです!マツタケかも...しれません。2つ入っていました。

野生のキノコ、興味深いです。

ポーランドでは昔から秋のキノコ狩りが盛んだそうです。ストックポートにもいくつかあるポーランド食品店では、お値段がピンからキリまでのキノコの瓶詰めがたくさん売られています。今度通りかかったら、ためしに安いものから買ってみます。

キノコ狩りがしてみたい!のですが、やっぱり毒キノコ、例えば猛毒のあるデス・キャップ death cap(名前からして怖い!)が怖くてまだ1度も試したことがありません。

夏に泊りがけで遊びに来た娘のインターネット・ゲーム仲間のデンマーク人の男性は子供の頃からキノコ採集をしてきた、キノコの目利きだそうです。秋には家族で森に行ってキノコ狩り...いいですねぇ。

 

レシピです。

インターネットで見つけたBBC編集の「豪華版レシピ」と、スーパーマーケット、テスコ Tesco の「普及版簡単レシピ」両方を参考に作りました。

4人分です。

材料は…

キノコ; 豪華版では種類を問わず野生のキノコ wild mushrooms 400g、普及版ではチェストナッツ・マッシュルーム 750g。私はチェストナッツ‐を400g使いました。

クリーム;私は豪華版指定の、クレム・フレーシュcrème fraîche 300g を使いました。乳脂肪分が高く、酸味のある発酵クリームです。普及版のミルク100ml で充分だと思います。

タマネギ1個ニンニク1かけ、ハーブはいずれも生のもの、豪華版はタイムとチャイブ1茎、普及版はパセリ1茎、チャイブは庭から摘んできましたがタイムはなかったのでお徳用の乾燥ミックスハーブでごまかしました。

豪華版は乾燥ポルチーニ・マッシュルーム porcini mushroom 25gと言う薫り高い高級食材を香りつけに指定しています。30gで3ポンドもします!刻んでお湯に浸して出汁を取るために使うのですが、私はもちろん省略しました。

豪華版の材料リストにあったお好みで仕上げにたらす、「トリュフ・オイル」という贅沢そうな材料も無視しました。

スープ・ストック;私は豪華版指定の野菜のスイス・ブイヨン(顆粒をお湯で溶いたもの)800mlを使いました。(うちにあったものですから)普及版ではミルクを入れるためか、野菜ストック(即席のキューブをお湯で溶いたもの)500mlと少なめですね。日本では万能の「コンソメ―スープ」で代用できそうです。

刻んだタマネギニンニクバター(豪華版)かオリーブ油(普及版)じっくり炒めて、タイムを加え(豪華版)、キノコを加えてまたよく炒めストックを加えて沸騰させ、クリームかミルクを入れてよく混ぜて電動のハンドミキサーで攪拌。おしまい

夫は窓際菜園のバジルをちぎって入れました。(一番上の写真)私は豪華版レシピ指定の、チャイブを庭から積んできて入れました。普及版はパセリを刻んで散らします。

豪華版レシピに指定があったクルトンは、コンビニエンスストアで5時を過ぎてヤケの投げ売り価格(28ペンス=50円)に暴落したフランスパンをバターで炒めて作りました。レシピにパンの種類の指定はありません。

好評でした。

意外にも、娘は今までクリーム・オブ・マッシュルーム・スープを飲んだことはなかったそうです。家で作って出したのは初めてですし、そう言えば若い人は外食にスープとパンなんて選びませんよね。

色のきたなさにギョッとしたようですが、飲んでみておいしいと言ってくれました。

 

野生のキノコの見分け方を、修得したいと本気で思うようになってきました。キノコはそこら中にニョキニョキ生えていますから。

 

娘のお友達でデンマーク人のキノコ採集上級者に言わせると、「食べられるキノコ」の美味しさには細かいランクがあって、不味いものはだれも見向きもしないのだとか、もちろん美味しさランクが高いものはとりつくされて、希少でしょうね。奥が深いです。

同じ欧州でも英国と違ってキノコ狩りの習慣が今もひろく受け継がれている国々があるなんて!うらやましいです

 

近所のキノコと毒キノコの怖さについて書いた最近の記事のリンクです☟。

採り放題、身近なキノコ...死の危険と隣り合わせのキノコ狩り

 

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たまにだったら楽しめるスペインに住む息子が懐かしがる英国のこってり料理のお相伴

2023年09月06日 04時51分13秒 | 英国の食べ物、飲み物

昨日も気温は27℃ほど、空気が乾いた晴天で暑かったです。30℃越えの日本の皆様、残暑お見舞い申し上げます。

英国に帰省中、寒い寒いとこぼしていた息子は自然発火で山火事がおこる酷暑のスペインに戻って今さらながら故郷の涼しさのありがたみをかみしめているところでしょう。

バルセローナでシェフ(調理師)をしている息子のために私が作ったロースト・チキン roast chiken です。

英国では、日曜の午後の「サンデー・ロースト」としておなじみのロースト・チキンは手順がややこしいわけでも、材料が手に入りにくいわけでも何でもありません。チキンはスペインでも手に入りやすい食材だそうですし。

 

夫が(ただ一人)ベジタリアン...正確には(タコ、イカを除く)サカナを食べるペスカトリアンの我が家で、私と娘の二人だけのために丸ごとチキンをローストするのはおっくうです。たくさん食べる息子が来たからには...!と張り切って4~5人前の中サイズのチキンを買いました。

午後、外出先の息子から「夕食に帰れない」という連絡がありました。まあ、想定内の出来事でした...チキンを焼く手間は2人前だろうが3人前だろうが同じです。全く困りません(ただ、残念)

食卓の写真を撮って、お友達の家に集まって宅配ピザか何かを食べているという息子に送りつけてやりました。

食事をしないのにわざわざテーブルにのせた息子のディナー・プレートの写真も送ってやれ、と夫が言うのでそうしました。

「丸ごとチキンのロースト英国家庭流」を家族と食べる機会を逃した、スペインで一人暮らしの息子は残念がってくれましたが、1年ぶりに仲良しの友人たちと深夜まで集まる機会をもてて、嬉しそうでした。

すすんで食卓でチキンを切り分けてくれるのはチキンを食べないベジタリアンの夫です。申し訳ないのですが ... なぜか、欧米では肉の切り分けとバーベキュー調理は昔から男性の役割なのです。

以前、当時は男の子だった娘にその役割を引き継がせたのですが、どうにも危なっかしくて、やっぱり今も夫が切り分けて私たちの皿によそってくれています。

 

娘も私もそれほどたくさん食べられません。さすがにかなりの量が余りました。

深夜、帰宅した息子は冷蔵庫にしまってあったチキンのあまり(のごく一部)と冷えてプリプリ煮凝り状になったチキンの脂とグレイビーでサンドウィッチを作って食べたようです。

グレイビー gravy(たれ)も、即席顆粒「グレービーの素」に、水は一滴も加えず、ロースト中のチキンから出る「チキン・ジュース(チキンの脂)」だけで溶きました。冷えたら当然ゆるくかたまります。

翌朝は余ったご飯といっしょにチキンの脂で炒めてチキンチャーハン!私にも勧めてくれましたが、さすがに朝からこってりチキン料理は喉を通りません!味見だけして遠慮しました(おいしかったです)

翌日は、私がS&Bカレーの固形ルーを使って日本のカレーを作りました。

チキンに詰めてローストしたため脂を吸ってドロドロになったタマネギを入れ、コクはたっぷり。ほぐしたチキンの身をやっと使い切りました。

夫には冷凍のむきエビをたっぷり入れたあっさり目カレーを作りました。最初に大鍋で両方のカレーソースを作り、最後に2つの中サイズの鍋にわけて調理します。

英国では、クリスマスに食べたターキーのあまりを使ってつくる年末年始のターキー・カレーがおなじみです。タマネギをカレー粉で炒めて缶詰のトマトを加えて煮つぶす英国式のカレーですが。

取り切れない肉が少し残った骨と皮を弱火で煮込んでプルンプルンのスープストックを少量作り、冷凍してあります。

 

スペインでも比較的簡単に手に入るらしい...

大豆を甘いトマトソースでやわらかく煮たベイクト・ビーンズ baked beans の缶詰もたくさん買っておきました。イングリッシュ・ブレックファーストでおなじみです。普段はスーパーマーケットの格安自社ブランドを買って食べている私たちですが、海外から帰省する息子を歓迎するため、トップブランドのヘインツ Heinz を買っておきました。(写真は割高の一回分量の缶詰です)

 

ベイクト・ビーンズの古い写真を見つけました☟。パンデミック前に帰省した息子が私に作ってくれた略式イングリッシュ・ブレックファーストです。

トーストを、炒めたベーコンからしみだした脂に浸してこんがりと炒めてあります!!

帰省中もトレーニングを怠らないアマチュア・ボクサーの20代の息子と同じものを還暦の私が食べていいことなんか、あまりないですね。

若い男性はどうしてこんなにこってり料理が好きなのでしょうか。いつまでもこんなものばかり食べていていいわけないはずです!

 

夫は先週から、「1週間に70種類の野菜、果物を食べる」だけ、のへんてこりんなダイエット(食餌療法)を実行しています。

瘦身のためや健康上の問題点を改善するためではなく、「ソーセージ、チップス(ポテトフライ)、ビール、クリスプス(ポテトチップス)しか口にしない」成人病まっしぐらの英国人男性一般(誇張アリ)が食生活に責任を持つよう自覚させる健康プロジェクトの一環だとか。他に加工食品を控えるとか、紅茶を減らしてブラックコーヒーに置き換えるとか...医学的根拠のある健康法だそうです。

夫は私が料理した健康に害のあまりない食事をしているはずなのですが、とりあえず自分の分も含めて食べた野菜をリストアップする協力は申しでました。...乾燥ハーブやドライフルーツも数に入れていいということなので、意外と数は稼げるようです。

 

クリスマスに撮ったちょっときれいに盛り付けたロースト・チキンの写真です。

 

 

 

 

 

 

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帰ってきた息子が食べた英国のソウル・フード、国民的ブランドの所有者は日本企業だった!

2023年09月05日 07時00分00秒 | 英国の食べ物、飲み物

久しぶりの、英国の食べ物です。

まず、おなじみのフィッシュ&チップス fish &chips

先週末、1週間うちに滞在した息子が酷暑のスペインに帰りました。

涼しい英国の夏を満喫してもらいたかったのですが、雨降りが多く、ちょっとかわいそうだったかもしれません。

昨日、一昨日と続いて一転、カラッと快晴で気温は28℃まで上がり、冷房がないのでちょっと暑苦しい一日でした。

...さて、食べ物の話に戻ります。食生活がかなり違うスペインから帰った息子はやたらに英国の庶民的な食べ物を懐かしがります。

缶詰の成型ハム、スパム Spam 日本にもありますよね。1950年代ごろ英国で大人気だったというレトロなアメリカの加工食品です。

私は家で子供たちに食べさせたことがないにもかかわらず、息子にとって懐かしの英国の味だそうです。

学校で食べたそうです。同じものを教室で食べる日本の学校給食と違ってダイニング・ホールで好きなものを取って食べる「スクール・ディナー」です。

息子が作って豪快に食べた朝食です。私にもぶ厚い3切れをフライパンで焼いてくれました。マンチェスターに留学中、私も学食で食べた懐かしい味です...が、自分で買ってきてまで食べたくないような...さすがにこの年になるとオモいです。(言いたくないけど、年ですね)あまりにもこってりしすぎていて目玉焼きは遠慮しました。

ソースはもちろん、HPソース HP sauce。日本のブルドック・ソースより酸っぱみとかすかなえぐみが勝っているブラウン・ソースです。

今は亡き老ネコ、ホレイシオの写真が懐かしい以前に書いた記事のリンクです☟

おなじみのテーブルソースのラベルのデザイン...国政の中心、ロンドンの観光名所の現在の状態を見事に反映!!

 

そして、息子の大好物の、バルセローナでは手に入らないというブランストン・オリジナル・ピックル Branston Original Pickele

細かく刻んだスウィード(アメリカ英語ではルタバガと言うカブのような根菜)、ニンジン、タマネギ、カリフラワーを砂糖、麦芽酢、トマトとリンゴのピュレ―、秘密のスパイスに漬け込んだ(pickled)甘酸っぱいチャツネー chutney です。甘さのほうが酸っぱさより強いかな。口当たりはニチャニチャしています。

チャツネーとは、インド由来のスパイスを利かせた「野菜のジャム」みたいなものと言ってもいいかもしれません。

とても英国らしい付け合わせです。

チーズに載せてサンドウィッチとして食べるのが一般的ですが、チーズ用のビスケットに(チーズあり/なしで)塗って食べてもおいしいです。日本のカレーにも合いますね。インドでは本来、辛いカレーの付け合わせとして食べられたのがチャツネーだそうですから。ハンバーガ―に載せるのもいいかもしれません。

息子は、キムチのように炊飯器で炊いた日本のご飯と一緒に食べたり、スクランブルドエッグ(炒り卵)に混ぜたたり...え(気持ち悪い)!と思うような食べ方もします。もうなんでもありのようです。

ウィッキピーデアから勝手に借りた、英国のパブ・ランチ、プラウマンズ・ランチ ploughman's lunch の代表的な盛り付け例です。

パンとチーズと生野菜とピックル・チャツネーを一皿で供する冷たい昼食がプラウマンズ・ランチです。

プラウマンとは畑で鋤を馬にひかせる農業労働者のことです。野良で食べる冷たいランチ、ということですね。

ピックル製造各社がそれぞれ違う野菜のチャツネ微妙に違うレシピで製造販売しています。

.

息子が来る前に買っておいた360gの小瓶は2日で消費しつくされました。(私も少し食べましたが)自分で買ってきた同サイズも3日ともたず、3瓶目を食べつくす前に帰国しました。

ヨーロッパ間を移動する格安の機内持ち込み手荷物のみの航空チケットでは持って帰れません(液状物は機内持ち込み禁止ですから)

息子は一昨年、スーツケースをチェックインする格安ではない便で帰省、持ち帰るために720gの特大サイズを購入したのですが、重すぎてその時も置いて行ったのでした。

以来、その720gを私1人で1年かけてちょびちょびと食べ続けました。

...以外と、長いこともつものですね。合成保存料がちょっと心配です。半分ぐらい残った今回の3本目、息子がまた来る頃にはもう1瓶また買ってやることにして私がまた、食べちゃいます。

材料をチェックしようとラベルを見てみたら。ビックリ!製造元(というか、ブランド保有者)は日本のミツカン Mizkan でした!!

そして...これも息子がスペインで夢にまで見たというフィッシュ&チップスを食べて以来、テーブルに置きっぱなしになっている...( 上の朝食写真も参照)

英国を代表するモルト・ビネガー(麦芽酢)製造ブランドのサーソンズSarson's(創業1794年)も手に取ってラベルを見てみたら...ブランド所有者はやはりミツカン!

そう言えばサーソンズの買収はずいぶん前に聞いた記憶がありますがなぜか忘れていましたし、ラベルを見て確認したのはこれが初めてです。

調べてみたら ブランストンと同時...2012年のことでした。両ブランドとも、それ以前にもブランド所有権が国際大手食品会社、ネスレィからプレミア・フーヅへと移動しています。味ぽんのミツカンって、グローバルな国際企業だったんですね....

同時に、パブで見かける各種おつまみピックルでおなじみ、ヘイワーズ Haywards もミツカンに買収されていました。ミツカンの所有下にマンチェスターで製造を続けています。...マンチェスターに拠点を置く会社だということを今まで知りませんでした。

かつて、世界の最先端を行っていたという日本のエレクトロニクス産業や自動車産業はこの頃どうも押され気味だと聞きましたが、酸っぱい食品産業が国際的に健闘しているんですね。

ラベルを見てブランストンは2022年に創業100年だったということを知りました。

サーソンズとともに国民的ブランドです。日本の会社に買収されたことを知らない人が多いんじゃないかな。Mizukan のロゴがあくまで小さく控えめで、安心しました。

息子が滞在中に食べた英国のソウルフード、続きます。

 

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スパイスを混ぜて作ってみた典型的な英国風カレー

2023年01月13日 08時04分34秒 | 英国の食べ物、飲み物

英国の「家庭で作るカレー」と言えば...

トマト・ベースの赤いカレーが主流です。

昨日、私が調理したカレーは(例)ティカ・マサーラ、コーマ、ローガン・ジョシュ、マドラス、ビンダルー、バルティ、ブーナ、パサンダ、ドッピアザ等々...英国のインド料理屋でおなじみの独自の地方や材料の名を冠した本場のカレーソースと違い、ただの「エビ・カレー prawn curry」です。

(ちなみに、上記のインド・カレーのソースの名前は2022年の英国で食べられるカレーの人気トップ10です。新聞社が読者にアンケートをとったようです...結果に賛否両論あったようです。どうでもいいことですが)

 

実は以前にスーパーマーケット、セインズベリーが無料で配布しているレシピ雑誌の古い切り抜きを見つけて、5年ぶりにまた作ってみました。

 

以前にも、「英国の家庭で作るカレーと言えばこれ!」記事を書きました☟☟。そのリンクです。

簡単!英国家庭の定番カレーソース、話がそれてジェンダーステレオタイプ論

この時は、市販されているカレーミックス(粉)を使って実に簡単にできました。

今回のレシピは各種スパイスを自分で混ぜ合わせる(ちょっぴり)本格的なカレーソースです。

「英国流カレー」を作ってみたいと思われた方のために手順と材料を書き出してみました。家族3人で食べちゃいましたが4人分です。

•乾燥したレンズマメ100gを洗って30分ほど水に浸す。

•大き目のタマネギをみじん切りにして油でよく炒める。ターメリックトウガラシの粉それぞれティースプーン4分の1クミンのタネ(挽いてないもの)とコリアンダ―それぞれテーブルスプーン1杯、 ピーラーで皮を剥きみじん切りにした親指大のショウガと薄切りにしたニンニク6片をまぜ、2~3分中火で炒める。

•ゆすいで水気を切ったレンズマメと400g缶入りのトマトを加え、レンズマメが浸るぐらいの水をくわえて蓋をして煮る。

•煮立ったら弱火にして、蓋を外し、野菜スープ・ストック(インスタントで可、日本だったらコンソメスープの素1個か2個が使えそうです!!)をくわえる。

•すでに煮てあるむきエビを煮始めて30分後に加えました。サカナや肉を入れる場合は、煮立つ前に入れてじっくり煮込んだ方がよさそうです。

•レンズマメがやわらかくグズグズに煮えたらテーブルスプーン1杯のガラムマサラをくわえて火からおろす。

コリアンダー(日本ではパクチーというって、今知りました!)の葉と、とレモン汁に数分浸した赤タマネギの輪切りを上に散らして出来上がり。

 

ライスはインド産の、細長くて粘り気のないバスマッティ・ライスです。お鍋とたっぷりの水で炊きました。

英国人がチーズやハムとサンドウィッチにはさんだり、ハンバーガーなどの肉料理と一緒に食べることがあるチャツネ chutney を私のお皿には添えました。

チャツネは、野菜や果物を形がなくなるまで煮込んだとろんとしたソースです。私は砂糖がたっぷり入っている甘辛い味が好きです。辛いの酸っぱいの、各種のびんづめがスーパーマーケットで売られています。英国の植民地だったインドからカレーといっしょに来たらしい、本来はカレーの添え物らしいのに、現在カレーといっしょに食べる英国人はあまりいないようです。

夫も娘もいらないと言います。私はカレーに添える福神漬けみたいな感覚で食べています。

クリスマス需要にこたえた英国のクリスマスっぽいスパイス(シナモン、ナツメグ)が効いた、タマネギとイチジクを甘ーく煮詰めてツヤツヤの西洋料理向きアレンジのキャラメライズド・フィッグ&オニオン・チャツネ caramerised fig &onion はもちろん、1月に入ってから半額落以下で買いました。本来はクリスマスのオードーブルなどでお客様をおもてなしする高級品なのでしょう。

これだから、クリスマスが終わった後のスーパーマーケットショッピングはやめられません!

今日は,アスダAsda で、5m巻きのクリスマスプレゼント用のラッピングペーパーを3本買いました。1本15ペンスです!元の値段は1ポンド50ペンス!。もちろんいっしょに買い物に来た夫は「そんなにいらないだろう!」と激しく抵抗しましたが「1本15ペンスよ!」と言って押し切りました。

 

アスダの駐車場から見えた完全無欠の素晴らしい虹の一部です。

気象現象をスマートフォンで写真に撮っても...ショボいですね。どんなに後ろにさがっても右から左まで、半円が欠けることなく弧を描く全体を捉えることはできませんでしたし、まれにみる鮮やかな7色揃った色彩も写真にはぼんやりと写ってしまいます。

 

 

 

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息子にとっては郷愁の味、マンチェスターでフィッシュ&チップス、店で食べるのはもしかして2年ぶり?

2023年01月08日 07時00分00秒 | 英国の食べ物、飲み物

スペインから息子が突然帰ってきました。

短期間の滞在です。

事情があって、私たち家族と過ごせる時間はあまりありません。深夜に到着、翌朝バーミンガムに向かいそこで一泊してマンチェスターに長距離バスで帰ってきました。

(鉄道全スト期間中です!)

マンチェスターでいっしょに買い物をするため、午後に長距離バスで帰ってくる息子と合流しました。

息子にクリスマスプレゼントを買うために、ジャヌアリ・ーセール January sale (一年で最大の、クリスマス後の大セール期間)のショッピング街を見てまわりました。私もみみっちいですよね、クリスマス当日に会えないことが分っているため、正価でプレゼントを買うのが割に合わない気がしてセールまで待っていたのです。

それでもいっしょに見てまわって、本人が気に入ったボクシング・ショーツとトップを3割引きで買ってやることができて満足です。

息子が、3時ごろの遅い昼食に食べたいと言ったのはやっぱりフィッシュ&チップス fish &chips

 

 

マンチェスターのおしゃれなエリア、おなじみのノーザン・クオーター Northern Quarter で12年ほど営業している、キングフィッシャー Kingfisher (カワセミ)というチッピー Chippie(フィッシュ&チップス・レストラン)に入りました。

ローカル(おもにこの地域で働いている人たちでしょう)の評価が最高の☆5つだという隠れた名店だそうです。息子がスマートフォンで検索してみつけました。

行きつけの老舗手芸品店のななめ前でもあり、よく前を通るのですが入ったのは初めてです。

うちの息子ネコと同名の Tib Street にあります。上の写真の通りの名前の表示が見えるでしょうか、ちょっと小さすぎますね。

場所がらに似合わず、驚くほど伝統的で庶民的な(ぜんぜんおしゃれ~、ではない)内装です。

 

お値段もかなり良心的でした。

買い物の後、一緒にバスで帰宅して娘の強い希望で夕食は中華料理のデリバリーを取ることになっていたのでお腹いっぱい食べるのはためらわれました。

...というわけで、注文したのはかなり大きな(それでも標準)ポーションを1人分、2人で半分こしました。

ハドック haddock のフライと、チップスはどちらも揚げたて。付け合わせにマッシィ・ピーズ mashey peas(やわらかくゆでて粗くつぶしたウグイスマメ)も注文しました。

よく冷えた缶入りの、スペインでは手に入らないというドクター・ペッパーと合成着色料は使用していないとはいえ色がどぎついバーズのチェリーエイド Barr's cherryaide ...全部で計12ポンド(1919円、外食が安価な日本に比べると高く感じますね)、息子のおごりです。

 

カウンターで注文してお金を払い、出来上がったらテーブルにもってきてもらう気さくなお店です。快くとりわけ用のお皿を余分に持ってきてくれます。

典型的なマンチェスター訛りの男性店主は客の私たちに、「my friend」と何か言うたびに呼び掛けてずいぶんフレンドリーでした。

フィッシュ&チップスの標準ポーションはいつも私には大きすぎます。たいていの日本人女性や年配の人には食べきれないサイズでしょう。

子供用サイズ(があるレストランは少ないかもしれません)を2皿注文するより標準ポーションを1皿注文して半分こするほうが割安です。つまり...たぶんみみっちい印象ですがこのお店には子供用がなかったので、後ろめたい気持ちにはぜんぜんなりませんでした。食べられない量を注文して大量に残す方がかえって失礼なのでは?(特にやたらにフレンドリーなこういうお店では)

もしかしたら息子には半分こは少なかったかもと心配でしたが、お腹を空かせて帰宅したため、デリバリーの中華料理を大いに楽しめました!

 

チッピーではおなじみの、お食事パイ各種と長いソーセージがカウンターの保温ケースに入って売られています。

フィッシュ&チップスは、とてもおいしかったです。

他のチッピーと同様、テイカウェイ(持ち帰り)もできますが、ちょっと割高な揚げたてをテーブルにもってきてもらって食べたのは大正解でした。

持ち帰るとコロモがべちょっと湿っぽくなってしまってガッカリ、お皿に移す時にコロモが紙にくっついてベロンとはがれてしまうこともあります。やっぱりフィッシュ・フライは揚げたてのサクサクが最高です。

...そう言えば、持ち帰りを食べることは何回もあるのですが、店で食べたのは本当に久しぶりでした。2021年の秋にバクストンで食べて以来でしょう(ストックポート日報の記事があったので確認できました)

去年もスペインからやって来てフィッシュ&チップスが食べたいと言った息子といっしょにストックポートで食べたのは...残念、テイカウェイでした。行ったレストランが閉まっちゃうところでしたから。

その時の記事のリンクです☟

フィッシュ&チップスは郷愁の味、異国で料理を生業にする息子が何より食べたがった英国のファーストフードの原点!

 

 

 

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顔でおなじみチーズ&オニオン・パイ、作ってみたら驚くほど簡単!とっても英国らしいお食事パイ、やっぱり顔付き

2023年01月05日 06時08分08秒 | 英国の食べ物、飲み物

チーズ&オニオン・パイ Cheese &onion pie をつくりました!

ご存知ですよね、チーズ&オニオン・パイ?ストックポート日報ではすっかりおなじみです。

英国の、トップ・パイ・メーカー、ホランズ社 Holand's の冷凍パイの表面に浮かぶ、さまざまな表情をしつこくしつこく写真にとって、いちいち紙面に載せている私です。

一例;不敵な微笑み

パイ・メーカーはわざわざ顔を創作しているわけではないはずです。

他にも違う種類の丸いパイがあるため、中身が判別できるようにチョンちょんちょんと三つ、刻み目をつけているのでしょう。

英国の庶民的な家庭料理の代表的な、チーズ&オニオン・パイ!ベジタリアンの夫も食べられるため、冷凍庫にいつも常備しています。200℃の高温のオーブンで40分焼けば出来上がり、らくちんです。

いろいろと英国の家庭料理を意欲的に作ってみている私ですが、実は自分で作ったのは初めてでした。なにせ、スーパーマーケットに行けば超格安で、大量生産された冷凍の(顔つき)チーズ&オニオン・パイの出来合いが食べられるのですから。

クリスマス・ディナーに、ベジタリアンだけどサカナは食べる夫のためにサーモンのパイでも焼こうと、麺棒でのばすだけの出来合いのパイ皮(pastry)をひと巻き買ってきたのですが結局、出来合いのナッツローストをオーブンで温めて出したため使いませんでした。加えて、チーズもたくさん余っている...そんなわけで無駄に買ってしまった材料の使い切りプロジェクトなのです。

権威あるBBCのオンライン・レシピを見つけて参考にしましたが、予想通り簡単でした。

タマネギを細く切って、よく炒めて、まず完全に室温に冷ます。ほぼ同量のおろしたチーズ(もっとも一般的で料理に重宝するチェダーCheder がおススメです)と、タマネギとチーズがねっとりまとまる量の溶きタマゴ(この2人分だと中型サイズを1個)を入れてよく混ぜる。シオ、コショウで味を調える。チェダーはけっこう塩気のきいた濃い味なのでシオはひかえ目に...

パイ・ディッシュに敷き詰めたパイ皮の中に入れて、上面と同じ大きさに切ったパイ皮で蓋をする。これだけ、簡単!!

溶きタマゴを筆で表面に塗りたくるのを忘れました!!!!溶きタマゴで美容パックをしていたら、ツヤツヤテカり顔になったはずなのですが!

もちろん、表面は笑顔で飾ります。

鼻はていねいに余ったパイ皮でタマネギ型に形作ったのですが、加熱すると形が崩れて団子鼻になりました。

切り分けたのが一番上の写真です。娘がロンドンで一泊した日の夫と私の2人のディナー、好評でした。

2日後、余ったチーズ&オニオン・パイに、これまた余ったジャガイモをくわえ、余ったパイ皮をかぶせてつぎはぎの「チーズ、オニオン&ポテト・パイ」を勝手に創作して焼きなおしました。

今回はツヤツヤ。

すでに調理されているあまりものチーズ&オニオン部分はアル三フォイルできっちりと覆い、焦げないようにしました。もちろん今回は溶きタマゴをたっぷりと塗ったので最後の5分ほどフォイルを外して日焼けランプのようにオーブンの熱にあててみました。

私と娘はドイツ系のスーパーマーケット、リドルに行くと手に入る、出来合いのポーク・シュニッツェルをいっしょのオーブンで温めて食べました。

ポーク・シュニッツェルは日本のトンカツの原型とも言われているらしい、ドイツのカツレツ料理です。

私たち一家はギリシャのロードス島にホリデーに行った時に発見しました。ドイツ、オーストリアからの観光客が多いらしいロードス島ではどのレストランでも(ギリシャ料理屋でさえも)シュニッツェルを出していました。トンカツよりもずっと薄くて大きいものが多いようです。油で揚げずにオーブンで焼くことの方が多いようです。

 

...今日の話題のチーズ&オニオン・パイに戻ります。

 

「イギリスに行ったら食べてみたい!」と思う人がけっこういるらしいロースト・チキンやロースト・ビーフと同様、こだわり自家製の本格的なチーズ&オニオン・パイ(や他の英国らしいお食事パイ)はパブで食べられます。

それに...フィッシュ&チップス・レストランでも!

上の写真は、テイカウェイ take away (持ち帰り)店で撮った持ち帰り用のパイ各種です。

スーパーマーケットで売られているホランズ社の冷凍パイはたいていのチッピー(フィッシュ&チップス店)に卸されているようです。

テーブル・サービスのチッピーに行けば、チップス(短冊切りのフライド・ポテト)とマッシィー・ピー(やわらかくゆでてつぶしたウグイスマメ)を添えて温めてお皿にのせて持ってきてもらえます。格安で気楽!

以前に載せたチーズ&オニオン・パイの表情総集編記事のリンクです。☟

またまた登場チーズ&オニオン・パイ、過去の記事から写真を集め、表情のあるパイ百面相の総集編

今回載せた2枚のパイ顔以外のパイ顔がご覧いただけます。

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興味深い命名のレリッシュを値引き棚で発見、かわいいラベルと、味はまさかの...

2022年07月06日 06時52分52秒 | 英国の食べ物、飲み物

スーパーマーケット、セインズベリーの値引き棚に雑然と置いてあったラベルのかわいらしい瓶詰めを手に取って、びっくり。思わず買ってしまいました。

英国に住んでいる日本人の友人に「おいしいから食べてみて」と言われて、興味を無限にかきたてるその名前をしっかりと頭に刻み込み「いつか探して食べてみよう」と思っていた幻の珍味、ベーコン・ジャム bacon jam です。

どこにでも売られているわけではないものの、インターネットで探せば簡単に見つかったはずでしたが実は...そこまで熱心に探したわけではありません。名前を聞いたのはもう何年も前です。忘れていました。

さっき見てみたセインズベリーのオンラインショップでも3ポンド(454円)で売られていましたが☆の数の評価(5☆が満点)のレビューに、まだだーれも投票していません。知名度は今ひとつということではないでしょうか。

よく行くセインズベリーのデリカテッセンの棚で売られていたのを見たおぼえがありません。売ってみたけど不況で売れない(105gで3ポンドは、珍しいものを試してみるにはちょっと高いです)という事情で値引き棚落ち...したとか?

1ポンド99ペンスの値引き価格で買いました。ラッキーです!

eat 17 というこの会社のオリジナルではなく、検索すればレシピもたくさん出ています。

ジャムというだけあって、砂糖がたっぷり使われています。

果実の代りにスロークックしたベーコンが使われている...要するに「レリッシュ relish」ですね。ピンクのラベルにもそう書かれています。

レリッシュは肉やチーズの付け合わせに使う、細かく刻んだ野菜や果実をお酢に漬け込んで砂糖で煮詰めた甘酸っぱいソースのことです。アメリカ合衆国や英国では数限りなく種類があります。

ベーコン・ジャムはオーストリア発祥で、アメリカではおなじみのレリッシュとして親しまれているようです。

ジャムというぐらいですから、まずクランペット crumpet という朝食用のパンに塗って食べてみました(ワクワク)

...これは、まさかの懐かしい味!!

もう何十年も口にしていない、日本の「肉まんのなかみ」と全く変わらない味でした!

肉まんのなかみには豚肉と刻んだナッパが入っていたように思いますが、ベーコン・ジャムには、タマネギが入っています。黒砂糖で甘く煮詰めたタマネギとベーコンがネットネトに攪拌されているようです。

夕食後のおやつにチーズ(英国産、チェダー Chedder )にたっぷり塗ってみました。

やっぱり肉まんの味です!

ベーコン・ジャムについて教えてくれた友人は、バンに塗ってハンバーガーと食べると美味しいと、またまた興味をそそる食べ方を教えてくれました。

ハンバーガーやホットドッグの発祥の地、アメリカでよく知られた、レリッシュ本来の食べられ方ですね。

よし、やってみよう。肉+肉でかなりくどそうですが。

肉まんの味のレリッシュ、大満足です。

ただし、正価の3ポンド払ってしょっちゅう買って食べたいかと言われると疑問です。夫はベジタリアンですし、娘はあけた瓶のなかみを見て「いらない」と言いましたし。私一人で食べきれなかったらかなりもったいないですから。

ベジタリアンの夫はローレーというフランス産のチーズを食べながら、ベーコン・ジャムとチェダーを食べる私をイヤそうな顔で見ていました。肉の匂いはしません。

食べた後、2回ともひどく喉が渇きました。

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国際情勢を反映して、長年親しまれた料理の名前がかわっても、今はもう違和感が薄れる...ロシアの蛮行許すまじ

2022年06月11日 05時52分47秒 | 英国の食べ物、飲み物

スーパーマーケット、セインズベリー Sainsburys が販売している自社製冷凍食品、チキン〈キエフ〉(4個入り)の箱2個を並べてみました。

一見同じに見える、パッケージのデザインの違いがお分かりになるでしょうか。

先週、セインズベリーの冷凍食品売り場で右側の箱を見かけて「あーっ」、思わず買ってしまいました。3週間ぐらい前に買った左の箱の中にはまだ2個中身が残っているにもかかわらず。

英国では本当におなじみの、チキン・キエフ Chiken Kiev 。昔からなじみのある、ウクライナの首都の名を冠した冷凍食品の定番料理のスペリングがかわりました!

セインズベリーでは「チキン・キーフ chiken Kyiv 」とよぶことにしたようです。

箱の裏側は、横長レイアウトです。

実は2月27日の、ロシア軍によるウクライナ侵攻開始の1週間後ぐらいにスーパーマーケット・チェーン、セインズベリーは独立国家であるウクライナに敬意を払ってまたロシアの横暴に抵抗の意味を込めてロシア語の「キエフ」からウクライナ語の「キーフ」に改名すると発表しました。

Facebook で誰かがシェアしたその英文記事を私も読んでいます。大笑い顔のマークがたくさんついていました。

ウクライナがロシアやソビエト連邦の支配下にあった頃に考案されたと言われるこの料理がロシア語の都市名で長いあいだ親しまれてきたのは、仕方ないことだと思っていました。料理名まで変えなくてもいいんじゃないか...と。

ウクライナが独立した後も首都の名前は「キエフ」だと世界中で思われてきましたしね。

週末にサルフォードの学生寮から帰宅した娘と食べたチキン〈キエフ〉です。(Kief キエフと書かれた左の箱に入っていました!)

冷凍したまま、オーブンでローストするだけ、簡単です!

今回は中に詰まった熱いガーリックバターがしっとりと溶けだしてチキンに滲みわたって美味しく仕上がりました。

ガーリックバターがとろ~んとお皿に溶けだして、あまり味の付いていないサクサクのコロモを浸すぐらいお皿に広がるものだとレシピのウェッブサイトには解説がありますが、冷凍食品でそこまで期待するのは無理がありますね。お肉にじゅうぶん味がついていました。

そうそう、改名することに決定はしたものの、箱の印刷をかえて流通ラインにのせるまで時間がかかったのか、改名そのものに待ったがかかったのかはわからないのですが実際に「キーフ」版が店頭に出るまでに決定から3カ月以上かかっています。

私と同じく「わざわざ長く親しまれた名前をかえなくてもいいのではないか」と思った人がけっこうたくさんいたらしいことと関係があるのかもしれません。

戦争は膠着状態、ウクライナからの戦況レポートをニュースで聞かない日はありません。

レポートで繰り返し発音されるウクライナの首都名はすっかりウクライナ語の「キーフ」として定着した今、不思議なことにロシア起源だ(?)と長いあいだ英国人には思われてきたおなじみのこのカツレツ料理の名前がさりげなく「チキン・キーフ」に変わっても違和感はほとんどありません。

ロシア侵攻の翌日のストックポート日報の記事のリンクです☟

世界の歴史の1ページを書き換える大事件、ロシアのウクライナ侵攻に際して思い浮かんだ思い出の食べ物といえば...

私が簡単に検索して見つけた「チキン・キエフ」の起源(その他)について書かれていますのでぜひ読んでください。

ロシア、ウクライナの事情をよくご存じの読者の方にコメントで「初出がサンクトペテルブルク(ロシアの首都)のウクライナ料理らしい」と教えていただきました。

「その他の大手スーパーマーケットも続々と改名決定」について報道する最近の新聞記事には、「19世紀にウクライナ地方(当時はロシアの一部)出身のシェフが考案したロシア料理、のちに彼に敬意を払って出身地の都市の名前を付けた」と書かれています!

諸説紛々、「チキン・キーフ」の起源!(あそこらへんが発祥地ということで...もうどうでもいい...)

メニューに「チキン・キエフ」をくわえるパブやビストロなどが増えているという報道もあります。70年代、80年代以後、人気が衰えていた「チキン・キエフ」、ロシアの侵攻以来、改名版「チキン・キーフ」の人気が復活だそうです。

先週土曜日に買い物をした別のスーパーマーケット、アスダ Asda のクッキング・オイル売り場の棚です。

植物油は売り切れ...かろうじて高価なオリーブオイルと、うちの夫が大っ嫌いなカラッとあがってカロリーが抑えめなのが売り物の合成油だけが棚に残っていました。

戦争でウクライナ産のヒマワリ油の供給がすっかり停止して、国産のナタネ油も合衆国産のピーナツ油も売り切れ。「おひとり様2本まで」の数量制限付きです。うちもそろそろ、油が切れるころなのです...

パスタや小麦粉、トイレットペーパーが姿を消したパンデミックの初期の頃を思い出しました。

ちなみに私のうちではアラビア語が書かれた大きな缶に入ったアレポ(シリア)産のエクストラ・バージン・オリーブ・オイルを長いあいだ買い続けていました。品質がよく、ヨーロッパの地中海沿岸国産のものよりもずっと値段が安かったことは言うまでもありません。

今はもう手に入りません。あの地域全体がタリバンに制圧され、土地を追われたオリーブ農家の人たちがどうしているのか心配です。

クッキング・オイルの不足から、ヨーロッパのウクライナのように連帯意識ももってもらえないし、難民の受け入れもすすんでいない国情の悪い中東の人たちの心配もふと心によぎりました。

 

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簡単、インスタントの調味剤ミックスで作る、英国人好みの中華で4月に祝う旧正月!英国人のご飯の食べ方考

2022年04月13日 08時00分00秒 | 英国の食べ物、飲み物

英国で一番よく知られた中華料理と言えば...たぶん「酢鶏 sweet & sour chiken 」だと思います。

はじめて作ってみました。

日本では町のラーメン店や高級中華料理店でも食べられる「酢豚 sweet &sour pork 」ほど一般的ではありませんよね。

同じ甘酸っぱい (sweet &sour) とろみの付いたソースで煮込んだ鶏肉版「酢鶏」のほうが人気があるように思います。...ききなれないのでもうスイート&サワー・チキンと英語で呼びます。

粉末の調味料が袋に入ったインスタントミックスを買いました。今年は2月1日だった旧正月 Chinese New Year の翌週、スーパーマーケットで半額になっていたので買ってしまいこんで、実は2か月ぐらい忘れていました。

英国人はべつに旧正月を祝う習慣がありません。でも、中国系の移民文化に敬意を払って多民族国家に住む誇りをかみしめるとか...いいえ、そんなめんどくさいことは抜きにして、めでたいことは(中国文化にあやかって中華料理で)祝おうじゃないか!という人は一定数存在します。

本格的なごちそうを大勢で食べて盛大に祝うらしい中国系の人たちがインスタントの袋入り調味料を買って、英国で人気のエキゾチック中華の代表、スイート&サワー・チキンを作るなんて絶対に考えられません。お祝い気分にあやかりたい英国人(イングリッシュ人)をターゲットにした二ッチな商品なはずです。

冷凍の春巻きやおみくじの入った三角クッキーなどとともにたくさん売れ残っていました。

私の夫はベジタリアンなので、鶏肉ではなくマイクロプロテインというキノコ類を材料にした クオーン Quorn (登録商品名、マイクロプロテイン製品の代名詞にもなっています)の Pices の「鶏肉モドキ」を使いました。

タマネギといっしょに薄く色づくまで炒めて...

缶詰のパイナップルと赤いピーマンの細切れをパイナップル缶のあま~いシロップを混ぜて煮たてて、インスタントの赤い粉をふり入れます。インスタントの粉末の材料を確認してショック! 45% が砂糖でした!

かすかにとろみがつくまで少し煮て、簡単!出来上がり。

おいしい!(甘いです!)

ベジタリアンの夫は肉に食感を似せたベジタリアン用の「モドキ食材」はあまり好きではありません。

こういうちょっと私が試してみたいレシピや、我が家の定番、チリコン・カーンやスパゲッティ・ボロネーズ(いずれも子供がいる時はベジタリアン用のモドキ版と本物の肉版の2種類用意します)などのトマトベースの濃い味のソースに入った「肉モドキ」は喜んで食べてくれます。

炊飯器で炊いた「日本のお米(カリフォルニア産)」といっしょにカレーのように盛り付けました。

 

ところで、以前にも書いたことがありますが、欧米人一般は、淡泊な味のご飯をおかずの濃い味が残っている口の中に含んでバランスよく混ざりあった風味を楽しむことが習慣としてできないようですね。「口中調味」というらしい東洋人独自のこの食べ方では一般の欧米人は満足できないらしいのです。

英国ではチャイニーズ・レストランでも家庭で作る中華風でももちろん私のような日本人が作る日本の家庭料理でも、ご飯を汁物やソース(汁気のある料理)のお皿に投入してグチャグチャ、ビショビショにして食べるのが普通です。

日本の習慣を喜んで取り入れる、日本人を妻にもった欧米人男性は多いらしいのですがうちの夫は違いました。

お味噌汁の中にご飯を投入する、ご飯にお味噌汁をかけて食べる、煮魚にもご飯を浸してサカナの形を完全に崩して食べるその「悪習」を私が作った料理を食べる時だけでもやめてくれるように説得しつづけて5~6年はかかったでしょうか、もうあきらめて好きにさせていた頃にやっと夫が納得してくれました。

「自分の家では好きなように食事を楽しませてほしい」と主張して、私の嫌がる食べ方をやめられなかった夫ですが小さかった下の子供が自分と同じように私が作った日本料理を食べるのを見てハッと気がついたようなのです。

どうやら「母親が日本人のこの家庭で日本の食習慣をきちんと伝えていくことは子供たちにとって意義のあることなのではないか?」と天啓のように思い当たったらしいのです。

それからは「お母さんの嫌がる食べ方はするな」と子供たちに模範を示してくれようとするようになったのですが...ハードルは非常に高いようです。

お箸は使えるのにご飯茶碗とお汁椀を手でもって食べることができませんので、今では私もディナープレートに焼き鮭や煮魚をご飯といっしょに添えて出すことにしています。

味がついていないご飯も依然として食べられないらしいので、「お汁にご飯をポイしてべちょべちょ」だけは頑としてやめてもらって、味の付いたサカナや野菜の小片をご飯に載せて食べるのも大目に見ています。

お味噌汁はマグカップにスプーンを添えて軽食として出すと好評です。

(ちなみに、子供2人は小さい頃はご飯におしょうゆをたっぷりかけて食べたがりました。ふりかけよりもそっちを好むようでした。濃い汁気に浸したご飯がうちの夫や子供の好みに合ったのです)

もちろん、夫はスイート&サワー・チキン(モドキ)もご飯によく混ぜこんで食べましたが、許容範囲です。日本でもカレーライスをそうやって食べる人はいますよね。

4月の英国風家庭中華、「Happy New Year!」と言って食べました。

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簡単!英国家庭の定番カレーソース、話がそれてジェンダーステレオタイプ論

2022年04月07日 05時30分04秒 | 英国の食べ物、飲み物

前回まで、サカナの話ばっかりで、ちょっと飽き飽きしたところなのですが...

英国で最も多く消費されているサカナ、コッド cod (タラの一種)を調理しました。

賞味期限当日の午後に半額近くで売られていたコッドのフィレット(切り身)を買って帰ってすぐに冷凍しました。

もとの値段の2切れ3ポンド90ペンス(635円)はけっこう高いですね。

コッドのフィレットは、軽く小麦粉をはたいて熱くしたフライパンに溶かしたバターでジュっと焼くものすごく簡単なサカナ料理にぴったりです。刻んだパセリを散らしてレモンを添えればちょっとしたごちそうに見えます。

半額落ちで冷凍2週間の落ちぶれコッドの末路は「カレーの具」、ちょっともったいないですが。

「FAVORITE VW CAMPER RECIPES キャンピングカーの定番料理」というお土産レシピ本の、「Coastal Fish Curry 海岸のサカナのカレー」レシピを使いました。

キャンパー・バン camper van (キャンピングカー)でのキャンプホリデーにぴったりの、缶詰やインスタント食材を上手に利用して簡易コンロで調理できる簡単な料理を集めた秀逸レシピ本です。

海辺のキャンプにおススメだと思われるこの「海岸のサカナカレー」には釣ったサカナを使うところがポイントなのでしょう。

「VWキャンパー」はキャンピングカーの代名詞です。英国では、日本ではおなじみの「フォルクス・ワーゲン」通じません。

 

英国の家庭で作るカレー一般と言えば、これ!

トマト・ベースの赤いカレーです。

刻んだタマネギ1個をよく炒め、しんなりしてきたら大さじ1杯のカレー粉と具をくわえてさらに炒め、缶詰のトマト(標準の400g)と砕いた固形のストック(具がサカナならフィッシュ・ストック)を加え、煮たてた後弱火でさらに2~3分。

今さら、レシピを見なくても誰もが知っているかんたんな標準レシピです。

カレー粉は赤い缶のS&Bカレー粉を、ストックの代りに「コンソメスープの素」を使えば日本でも同じ英国家庭の標準版カレーが作れます。

ひさしぶりのこのカレー、夫にも好評でした。(レシピにはない、黄色いピーマンもいれました)

日本風に、ライスを添えて盛り付けましたが、このライスは日本の白米ではありません。

インド産のバスマッティという長めの粘り気のないライスを使いました。火加減など気にせず簡単にやわらかく美味しく炊ける便利なライスです。キャンピングカー向きかもしれません。

(日本米はスーシー・ライス sushi rice といわれ、カリフォルニア産のものが手に入ります)

 

このキャンピングカー料理のレシピ本には見ていて楽しいレトロな写真がたくさん使われています。

調理された料理の写真は1枚もありません。

(☝冷蔵庫、あけっぱなし)

見ていてたしかに楽しいのですが、強烈な違和感を覚えるのも事実です。

強烈な違和感の出どころは明らかです。

調理しているのはすべて女性!

家族の息抜きホリデーなのにやっぱり主婦は料理している!

現在、英国のテレビのコマーシャルや新聞雑誌などの宣伝写真で家事をしているのはほとんどが男性です。料理シーンに至ってはほぼ100%が男性と言ってもいいかもしれません。

例外的に料理している女性は(おしゃれな)1人暮らしか、明るい母子家庭であることが想定できるようになっています。

いつもコマーシャルにきれいな女性が登場する充電式の小型掃除機は「女性でも片手で持って階段を上がれる」驚きの軽さが宣伝ポイントの一つだったり。

「家事は女性がやるもの」というジェンダー・ステレオタイプを打破するために少なくともこの10年の間に一般的になってきた社会意識の改革キャンペーンの一環のはずです。企業イメージも上がるはずです。

今や女性が家族のために料理している場面をコマーシャルに使えば批判が殺到しそうな風潮ですが、啓蒙運動なので多少オーバーな方が効果的でいいと思います。

2020年の Black Lives Matter 運動以降、テレビのコマーシャルに登場する人物の過半数が非白人(黒人が圧倒的に多いの)です。家族の場面に登場するのは黒人家庭か黒人と白人のミックス家族が80%ぐらいを占めています。

現実の英国社会を反映していない(黒人の人口は全人口の3%)という批判もありますが、私はいい傾向だと思っています。啓蒙ですからとにかくオーバーに!!英国社会を形成しているのは大多数を占める白人だけではない、ということをいくら言っても絶対に言い足りないはずですから!!!!

そしてテレビのコマーシャルへの非白人のアンバランスな比率の登場が顕著になってから、「コマーシャルに出てくる家庭シーンで家事をやるのは男性に限る」傾向も以前よりもさらに強くなっている気がします。

「女性は運転がヘタ、女性はコンピューター/政治経済 のことが分らないのでしょっちゅう夫に聞く」という宣伝コンセプトとしても有効だったというジェンダー・ステレオタイプは女性からの批判を受けてずいぶん前に廃れたそうです。

それなのに、それに対応する「男性が洗濯すると洗濯物が縮む、男性が料理をすると焦がす」などという家事にまつわるジェンダー・ステレオタイプはかなり根強くのこったようです。

夫に洗濯を任せても失敗がない、パパが料理してもママと同じようにおいしくできる...などが有効な宣伝コンセプトのいい例です。それが男性の能力を差別していることと、家事を女性に押し付ける正当化につながると大勢の意識が一致するまでにちょっと時間がかかったみたいですね。

家電製品や食材を買う時の決定権を主に持つ女性が嫌がらなかったから、かもしれません。

2000年頃には撤廃するよう広告業界で申し合わせたようです。

 

話が大きくそれました!

その頃(日本でいえば昭和ですね)の明るく楽しいファミリーレジャーのシーンが郷愁をさそうレトロなレシピ本、2009年の出版でした。

 

 

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日本人にはおなじみのタラコ、それなりの食べ方があるらしい英国では好悪のわかれる珍味!

2022年03月29日 06時53分12秒 | 英国の食べ物、飲み物

スーパーマーケットで、タラコ cod roe の缶づめを見つけて買ってきました。

200gで3ポンドちょっと、は缶づめにしてはかなり高価です。490円ぐらいですね。(夫に内緒です)

圧縮した pressed 文字通りcod (タラの一種)の卵 roe は コッド・ロウ・ケーキ cod roe cake とも呼ばれていて、なかなかの珍味です。

底に貼り付いている小さなカギに缶表面の出っ張りをひっかけてクルクルまいてパッカンと開いた缶からでてきた...

つるんとピンクのタラコ65%(その他、スターチ、植物油、塩などが混ざっています)のケーキ!

 

1か月ほど前に、用事があって行ったマンチェスターのタウンセンターにある、知る人ぞ知る名物のフィッシュ・マーケットで実は本物の生のタラコを1本買って、タラコご飯とタラコのおにぎりを作ってひとりで食べたのです。

夫は鳥肌が立つほど嫌いだそうですから(と言っても生まれてから一度も食べたことがないそうですし、一生涯食べるつもりもないそうですが)一人キッチンにこもって調理、賞味しました。おいしかった~です。

スーパーマーケットでも売られている缶詰でも同じようにタラコご飯にして食べられるのかな、と思ってためしに買ってみたのです。(後述)

 

フィッシュ・マーケットに関しては、そのうち記事にするつもりです。

英国では、厚くスライスしたコッド・ロウ・ケーキに小麦粉とパン粉をつけて油で揚げてチップス Chips (ポテト・フライ)と食べることがあるようです。

コッド・ロウ・ケーキのフライはスコットランドやイングランドの一部の地方の海辺のレストランやフィッシュ&チップスレストランで食べられるそうです。

コッド・ロウ・ケーキを食べる人がいることを知っている人は多いと思いますが、イングランドの私の周りで食べた人は(ほとんど)いないんじゃないか...と思います。

生のタラコの見た目のおぞましさ薄気味悪さは何日も悪夢を呼び起こすほどショッキングなものであろうことは、英国に長く住んで英国人の生理感覚をよく理解している私には痛いほどよくわかります。

香ばしくあぶったタラコの粒のシャリシャリした食感もたいていの英国人にはかなりな嫌悪感だろうと推察できます。

その点、コッド・ロウ・ケーキはツブツブ感をかなり紛失していて、(私には物足りないのですが)英国人に受け入れられる口当たりなのでは?

真ん中のあたりを四角くスライスして朝食の目玉焼きに添えて...

コンビーフやスパム Spam (圧縮した缶詰のハム)のスライスのようにフライパンでこんがり両面を焼いてみました。

切った表面にはかすかに卵のツブツブが見てとれますが、舌触りはなめらかです。

う~ん、完全にタラコの味!

バランスよく、すでに調合されていた塩味が絶妙でした。

 

その前日に、タラコご飯にして食べようと思ってコッド・ロウ・ケーキをフライパンで乾煎りしてみたのですが、まったくほぐれませんでした。

しかたなく、ボロボロに潰してご飯にパラパラまぶして食べました。味はとてもよかったのですが、食感に大いに難ありでした。

日本に行った時、コンビニエンスストアで焼きタラコのおにぎりを喜んで食べた娘におにぎりを作ってやって食べさせてみました。

「なんかへんな食感 weired texture だけど、悪くない」と言って食べてくれたのですが夫が「コッド・ロウだぞ、コッドの卵だぞ~」とばらしてしまいました。ぎょっとして食べるのをやめた娘です。

学生寮に帰ってからのお夜食によく大好物のシャケのおにぎりを持たせるのですが、今回は趣向を変えてコッド・ロウ・ケーキのおにぎりをいくつか作ったのに夫が余計なこと言うから!(実はそれでもアイスクリームのプラスチック容器に詰めてサラダと一緒に無理やり持たせましたが!!)

コッド・ロウ・ケーキはタラコまぶしご飯より、タラコのおにぎりを作るのに適しています。簡単に丸くまとまるので、梅干しのようにおにぎりの中に丸め込めました。

...まだ半分残っています。さあ、どうやって1人で食べようかな。

 

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世界の歴史の1ページを書き換える大事件、ロシアのウクライナ侵攻に際して思い浮かんだ思い出の食べ物といえば...

2022年02月28日 08時00分00秒 | 英国の食べ物、飲み物

先週2月24日、朝起きてテレビのニュースをつけて、唖然としました。
まさかのロシアによるウクライナ侵略が夜半のうちに始まっていたのです。

前日のストックポート日報に「ウクライナ/ロシアをめぐる緊張もあり、『今すぐ辞任だ』という事態にはなりにくいと思われます」なんて書いたその翌日です。

当然、ロックダウン期間中に重大な規則違反を重ね、バレたとみればしらじらしい言い訳やウソを並べて辞任を迫られていたボリス(嘘つき・ジョンソン首相)への追及はすっかり宙に飛んでしまいました。

ここヨーロッパが戦争に巻き込まれる可能性もある一大事です。

政情の安定しない(中東やアフリカなどの)非民主国家で時々おこっている、正規の軍隊ではない武装した集団が暴力で主張をとおすようなレベルの扮装とはわけが違います。

ヨーロッパの、独立した民主国家であるウクライナに、西欧自由主義に対抗する最大の国家、核兵器保有国でもあるロシアの軍隊が攻め込んできたのです。

ウクライナの首都キエフの胸が痛むような映像を見ていて、ふと思いついたことは...

「そうだ、チキン・キエフが食べたい」というのん気な衝動でした。

いちばん上の写真が、そういうわけでロシアのキエフ侵攻の日にうちの食卓に上ったチキン・キエフ Chiken Kievです。

ウクライナの首都、キエフの名を冠したチキンカツです。

「キエフ Kiev」は英語としても定着したロシア語だったようですね。

現在防弾チョッキを着てキエフから実況中継する英国のニュース特派員はすべて現地読みらしい「キーフKyiv」と発音しています。

ロシア(ソビエト連邦)から独立した後も長く「キエフ」として定着していたウクライナの首都名が、今回のロシア軍による侵攻事件をきっかけに「キーフ」に統一されたのは独立国家であるウクライナへの支援と敬意の意味もあると思われます。

英国での料理の名前は依然として「チキン・キエフ」です。

薄いチキンのフィレでパセリがたっぷり刻み込まれたガーリックバターを巻いて、パン粉のコロモをつけてオーブンローストしてあります。

切るととろーんと溶けたガーリックバターがお皿全体に滲みだして薫り高いソースの代りになります。

(うちの食卓に出したチキンキエフではなく、オンライン新聞のレシピ写真を勝手に借りて載せたのが上の写真です)

 

日本でも「キエフ風カツレツ」という名前で紹介されたこともあるそうですが、たぶんそれほど知られていないのではないでしょうか。

英国(それとアメリカ合衆国でも、だそうです)では大人気の家庭で食べられる定番料理です。

「tvディナー(冷凍食品)」やオーブンに入れて焼くだけの半分調理済み食品として出回っています。

日本でいえばエビフライみたいなものでしょうか。

 

ガーリックバターと、ガーリックバターを巻いた状態のチキンを半冷凍するという過程があって手作りするのはちょっとめんどくさそうです。

オンラインレシピがたくさん見つかったので手作りする人もいるのでしょう。

上の写真を勝手に使わせてもらったBBC Food のレシピサイトでは、厚い胸肉を切り開いて断面に包丁の先を突っ込んでポケットを作り、冷凍したガーリックバターを押し込むというこれまたややこしい独創的な調理法が紹介されています。

半冷凍しなくていいので時短にはなるでしょうけど。(切れ目からバターが流れ出さないのでしょうか)

 

チキン・キエフは私にとって、思い出深い「イギリスの料理」なのです。

30年ぐらい前、マンチェスターの大学に留学していた時知り合った友人のご両親がクルマで40分ぐらいのリバプール郊外にある実家の夕食に招待してくれました。

外国からの留学生なら英国の家庭料理でおもてなししなきゃ、という気負いはなさそうなご家庭で出てきたのがこのチキン・キエフでした。

すっごく美味しくて、しかも日本人好み!

「キエフって何ですか?」

「ソ連のどっかの都市の名前でしょ、ほら原発事故のあったチェノーウィルのあるあたり...」

「(原発事故?あぁ、チェルノブイリ!)あ、あのあたり(見当はつきませんでしたが)、じゃあこれはロシア料理なんですか」

「そうだと思うけど、イギリスではすごく一般的よ」

...というような会話をした覚えがたしかにあります。

冷凍食品だったか手作りだったか明かされた記憶は全くありません(もちろんそんな失礼なことは聞いていません)。

(今から思えば)ソビエト連邦はすでに崩壊後でウクライナは独立国家になっていた時です。

 

その後、何回か冷凍食品を買ってきて、オーブンでローストして食べたことがあります。

たいていおいしく食べているのですが、友人の実家でごちそうになった時の衝撃的なおいしさはそれ以来味わうことができません。

 

今回食べたい!と思って買ってきた、スーパーマーケット、アスダの格安自社製品(右)と、ベジタリアンの夫のために探して、何とか見つけた似たような冷凍出来合い、ガーリック風味の大豆たんぱく製ニセ・チキン・グリル(左)

 

これがうちの食卓に出したチキン・キエフ。

出来上がりを切ったところです。

調理時間が長すぎたためか、とろ~んと流れ出てくるはずのガーリックバターが見当たりません。

チキンとコロモにガーリックバター風味はすっかりすいとられ、それはそれで香ばしく美味しく食べられたのですが本来のサクサクトロ~ンが全く味わえませんでした。

「チキン胸肉100%」の箱書きに偽りはないはずですが、よく見たらチキンを砕いて攪拌して練って形作ったリコンスティチュート食品でした。(継ぎ目も切れ目もない一体成型の大量生産版)

料理の起源ははっきりとしないそうですが、ウィッキピーディアその他には「帝政ロシア時代のキエフのホテルで供された記録が初出の、フランス料理の「コートレット」(日本語のカツレツの語源)のバリエーション」...みたいな説明があります。

ロシア革命時に亡命したロシア人がシカゴのロシア料理レストランで出していたとも書かれています。

けっきょく、ロシア料理なのかウクライナ料理なのかはどこにも明記されていませんが、ロシア、ウクライナを含む東欧の全地域で広く食されている料理だそうです。

その名前にかかわらず、ウクライナのロシア、ソビエト連邦の併合時代に広まった料理なので「ロシア料理だ」と決めつけているアメリカ人、西欧人は多いのじゃないかと想像がつきます。

1976年に英国のデパート、マークス&スペンサー(現 M&S)が初めて製造販売した冷凍食品がチキン・キエフだったそうです。

以来、チキン・キエフと冷凍食品の人気は絶え間なく続いています。

 

ちなみに...

夫が食べたガーリック風味のニセ・チキンのカツレツはボソボソですごく不味かったそうです。

チキン・キエフについて検索してわかったことの一つは、現在英国で販売されているベジタリアン/ビーガン対応の出来合い料理で最も人気なのがチキン・キエフだということ...

どこのスーパーマーケットでも全商品を扱っているわけではないので検索してみたら、ザックザク出てきたものの一つが、これ。

(宅配専門の食材販売オンラインサイトから勝手に借りた写真です)

鶏肉部分はキノコ類でできているそうです。

写真を見るかぎりサクサクトロ~ン...おいしそう!(調理時間を間違えなければの話ですが)

興味津々、私が買って食べてみたくなりました。

 

最後になりましたが、ウクライナに平和が戻り人々が心穏やかに暮らせますように。

ロシア、撤退しろ!

各国の経済制裁がプーティンを圧迫して功を奏すればよいのですが。

 

コメント (4)
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「パイ」の名がつくつぶしたジャガイモをかぶった素朴な家庭料理2種、英国料理の知名度考察とビッグ・ベン

2022年02月02日 08時00分00秒 | 英国の食べ物、飲み物
英国らしい料理の代表格、フィッシュ・パイ fish pie です。


マンネリ気味のストックポート日報で以前にもご紹介したことがあるのですが、忘れた頃にもう一度。

日本ではなぜかあまり知られていないように思います。
英国の料理といえば、フィッシュ&チップス、あるいはロースト・ビーフがずば抜けて知られているのはなぜなのか...私なりに考えてみました。

フィッシュ&チップスはたしかにどこの町でも売られていて手軽に食べられます。
とりわけ観光地ではフィッシュ&チップス・レストラン(チッピー)をよく見かけます。
ロースト・ビーフがそれほど手軽に気軽に食べられるとは思えないのですが、「英国に行ったらやっぱりパブに行かなきゃ」と思っている日本人観光客、多いですよね。
ロースト・ビーフはパブの定番料理なのでした。

観光客へのアクセスが容易なこの2つの料理は先に英国旅行に行ってきた経験者から「本場の、おいしかったよ」と情報の引継ぎがあって知名度が上がったのではないかと私は考えています。
日本人はサカナもビーフもだいすきですしね。



英国人自身が、英国料理の代表格のうちの二つととらえているこのフィッシュ・パイと下のコテージ・パイ(シェパード・パイ)は純然たる家庭料理なため、観光客が試すチャンスはあまりなさそうです。


どちらも、ゆでてつぶしたポテトをかぶせて20分ほど焼いたオーブン・ロースト料理です。

パイ皮が使われていないのに「パイ」。

ゆでてつぶしたポテトをかぶったもうひとつのパイ、コテージ・パイ cotage pie(あるいはシェパード・パイ shepard pie といってもよい?) です。


夫がベジタリアンなので、肉のミンチに食感を似せてあるマイクロ・プロテインというキノコ類を使った人口のニセ肉を使って作りました。

コテージ・パイ(田舎家のパイ)は牛肉を使い、シェパード・パイ(羊飼いのパイ)はラム(コヒツジ)肉を使います。
レシピは同じです。



作り方はどちらも簡単。
コテージ・パイ / シェパード・パイ
タマネギのみじん切り、牛肉かラム肉のひき肉をよく炒め、ニンジンとグリーンピースをくわえます。
缶詰のトマトを加えて煮つぶし、インスタントの「ビーフ・ストック」か「ラム・ストック」を味付けに加えます。日本では「万能西洋料理の味付け=コンソメスープの素」を使えばいいと思います。

フィッシュ・パイ
小麦粉を同量のバターで炒めて牛乳でのばした白いトロ~ンとしたソースにタラ、サケ、ニシン、エビなどの魚介類とニンジン、グリーンピースなど好みの野菜を入れて一煮立ち。
ソースの味付けはインスタントの「フィッシュ・ストック」を使いますが、やはり「コンソメスープの素」が便利でしょう。

耐熱皿に上記の煮込んだ材料を入れ、ゆでてつぶしたポテトを厚くのせ、200℃のオーブンで20分ぐらい焼きます。
ポテトの層がこんがり色づいたら出来上がり。

日本の洋食屋やファミリーレストランなどではクリームでのばしたトロリとなめらかな「マッシュ(ポテト)」が出てきますが、英国の家庭で作るものはなぜかたいていバサバサ、ホロホロしています(家庭によるかもしれません)。

分量?家庭料理ですから味見をしながら適当でいいのですが...
調べてみたら、ポテト1㎏、トマト缶400g、牛乳は400ml で4人前できるようです。
私もいつもそのぐらいの目安で作っています。

いずれも夫婦2人では食べきれない量ですので、残りはシリアル用のボールに1人分ずつ移して、小皿をのせて冷蔵し、電子レンジであたためて翌日のおひるに食べることにしています。
オーブンで焼くだけ、の状態で大量に作って冷凍する家庭がとても多いそうです。

味はじゅうぶんついているのに、夫が子供っぽく「HPソース」をかけたがります。


英国家庭料理に欠かせない、夫が子供の頃からのおなじみのテーブル・ソースのHPソース HP sauce
日本の「ブルドッソース」よりかすかに酸っぱみがあります。

昔ながらのガラスびん入りHPソースのラベルのイラストは、改修工事の足場がついたままのビッグベン Big Ben(ロンドン、ウェストミンスターの国会議事堂に属する時計塔、エリザベス・タワーElizabeth Tower の愛称)です。

2019年に書いたHPソースについての記事を読んでください!!☟

おなじみのテーブルソースのラベルのデザイン...国政の中心、ロンドンの観光名所の現在の状態を見事に反映!!


今は亡き老ネコ、ホレイシオと未完の状態の衛兵のエッグ・コージー(ゆで卵の保温キャップ、時々記事に登場します)が写真に写っています

2017年にはじまったビッグ・ベンの世紀の大改修工事は今でも継続しています。

時計盤表面と機械部分の修復は去年の夏ごろに完成したと聞いていましたが、現地に行く機会のない多くの人に公式にご披露したのは花火の打ち上げをバックに年明けの映像で、ではなかったでしょうか。

建設当初のオリジナルデザインを考慮してピッカピカの白と驚きのロイヤルブルー!


(新聞記事から勝手に写真を借りました)

ちなみに、HPソースのプラスチック容器入りのラベルは改修工事の開始後も通常の足場と囲いなしの通常のビッグベンのイラストを使い続けています。

わが家ではプラスチックごみ問題を考慮して、できるだけプラスチック容器入りの調味料やテーブルソースを買わないようにしています。
いわゆる庶民派スーパーマーケット(おなじみ、アスダのような値段が安い店)ではガラス瓶入りを販売していません。




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フィッシュ&チップスは郷愁の味、異国で料理を生業にする息子が何より食べたがった英国のファーストフードの原点!

2021年12月28日 07時56分01秒 | 英国の食べ物、飲み物
昨日、スペインから帰国している息子と、ストックポートのタウンセンターに買い物に行きました。



朝、頭痛がしたので「もしや!?」と自宅にまだたくさんある、オミクロン蔓延以前に無料で大量にもらってきたコロナのホームテスト・キットでテストしてから出かけました。
結果は陰性、ただの風邪だったようです。
フトドキにも連日出歩いている息子も陰性でした。(ホッ...これで外出を正当化できます)
息子はレストランとパブにそれぞれ1回ずつ行ったらしいのですが屋外のスケートボード場以外、人の集まるところは極力さけてお友達との再会を楽しんでいると主張しています。
とは言え、会う人すべてがいつもわきまえて行動しているという保証もないですし、たとえそうだとしても同居人や職場の同僚その他立ち回り先の人々全員が自重した行動をとって、しかも陰性だという可能性はさらに少ないですよね...

こんな心配をするぐらいなら、ロックダウンかいっそのこと戒厳令でも敷かなければいけなくなります。

今日の話題は、ストックポート日報でもすっかりおなじみの、英国の庶民派ソウル・フードを代表するフィッシュ&チップス

スーパーマーケット、アスダに駐車して目当てのチッピー chippy(フィッシュ&チップス・レストラン)に行ってみたら、閉まっていました。


The Fish Inn は古い街並みを生かした町おこし、再開発の動きが著しい、おなじみのリトル・アンダー・バンク Little Underbank に昔からある伝統的なチッピーです。
貼り紙を見て、昨日はクリスマス、ボクシング・ディ Boxing Dayに続く(ぐうぜん月曜日)のバンクホリデー・マンデイ Bankholiday Monday(法定休日)だということに気がつきました。

もう一軒のチッピー、Grandads Fish & Chips Restaurant はおなじみ不景気なシャッター街、プリンセス・ストリート Princes Street にあります。


テーブル席の営業は休日なので早く終了したらしく(残念)、持ち帰りをたのみました。
みなれない紙箱を渡されました。

以前は、外で食べる人にはフィッシュ&チップスをふたの閉まる薄い発泡スチロールの浅い容器に入れて持たせてくれるところが多かったのですが、プラスチックごみ排斥の動きの波がこの業界にも押し寄せているようです(いいことです)



自宅や職場で食べるために持ち帰る人にはわら半紙(新聞を印刷するための紙ということで、news print といいます)でクルクルまいて輪ゴムをかけてくれるのが普通です。

紙箱には新聞紙面がプリントされています。
すべてサカナがらみのオリジナル記事!

私が英国に来たばかりの30年前は、そうそう、まだ持ち帰りのフィッシュ&チップスは新しいわら半紙ではなく、古新聞に包まれていたのでした。
日本で焼き芋が古新聞の袋に入って渡されるのはそれほど不衛生に思わないのに、油でべたつくフィッシュ・フライのコロモが誰がさわったか知れない古新聞にベタっと接触しているのはとてもキタナイ感じがしました。

実際、印刷のインクで中毒事件があったり、字がコロモに転写されちゃったりといったこともあったとか、新聞の使いまわしは法律で禁止されたようです。

ただ、ある程度の年齢以上の人は新聞に包まれたフィッシュ&チップスに強烈な郷愁を感じるようです。
若い人はイギリス人でも「古新聞に!?汚~い!」と眉をしかめます。

息子が帰国できなかった2年のあいだ、夢にまで見たという懐かしのフィッシュ&チップスです。


...とは言え、ケチャップをドロッと、マッシィ・ピー(やわらかく煮つぶした粉っぽいウグイスマメ)を上にかけて実に子供っぽい食べ方です。

私は小さめサイズに、ごく普通に塩とモルト・ビネガー(茶色いお酢)をかけてもらいました。


暖かい日でしたので、外のベンチで豪快に食べました。
揚げたてでコロモがサックリ、白身の魚はホロホロ、ホクホク、とっても美味しかったです。
息子も大喜びでした。



透明なプラスチックの袋に入ったプラスチックのナイフとフォークがついてきました。
大規模なカフェ・チェーン店は近頃ではたいてい木製の使い捨てのナイフとフォークを提供しているのですが、個人商店ではコストがかかるためかいまだにプラスチックのものを使っています。
エコに徹するのは難しいみたいですね。

お店のカウンターにあった伝統的な、ブタのひずめのような形状の「チップ・フォーク」です。


発泡スチロール製の蓋つき容器が出回る以前には、コーン状に巻いた古新聞から花束のように上だけだしたフィッシュ・フライをかじりながら下に沈んだチップス(ポテトフライ)をチップ・フォークでほじくり出して歩きながら、あるいはバス停に立ったままベタベタ、アチチ...なフィッシュ&チップスを食べたようです。

私も海辺の観光地で発泡スチロール製の蓋つき容器に入ったフィッシュ&チップスをこの使いにくいチップフォークで突き崩しながら食べたことが何回もあります。

実はこの木製使い捨てのチップ・フォークを初めて見ました。
今まで見てきたのはすべて同じ形の色とりどりのプラスチック製ばかり。

木製チップ・フォークはやはり昔を懐かしむ英国人の郷愁アイテムになっていたのでしたが、さすが!プラスチックごみ排斥運動の一環ですね。復活したようです。
ゴミとして廃棄されたあと土に還る木製の使い捨てグッズがどの業界でも浸透してきています。(いいことだ)

クリスマスの翌々日、半額~70%引きセールで沸き返っているはずのタウンセンターの人出はさっぱりでした。
感染をおそれずにゆったりと買い物ができました。
コメント (2)
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