イギリス/ストックポート日報 《England/ Daily Stockport》

イギリス北西部の歴史ある街、ストックポート Stockportから(ほぼ)日替わりでお送りする、イギリス生活のあれこれ。

ストックポート日報でおなじみのあれこれを拾ってみた、初冬の光景

2019年11月30日 09時00分00秒 | 英国の、生活のひとコマ
昨日撮った、寒さが少しずつ増してきた晴天のストックポートです。

「世界で2番目に大きいレンガ造りの建築物」という公式記録のあるストックポート・ヴァイヤダクト Stockport Viaduct。


ストックポート駅からのびる鉄道橋です。

セント・ピーターズ・スクエア Saint Peter's Square にもいつの間にか生木を伐採してきたクリスマスツリーが立てられていました。


請願書を手に堂々と立つリチャード・コブデンの銅像(クリスマスツリーの左側に小さく写っています)は いまだに自転車のタイヤを首にかけています。

久々に登場!控えめに戸口の床に立つ、スーパー、アスダ Asda のガーデン・ノーム、クリスマス・バージョン。


店頭で見かけたのはそういえば夏以来久しぶりです。

うちの近所の家の前庭に、労働党 Labour の候補者に投票するよう呼び掛ける看板がたてられています。


政権の交代、ブレクシットの是非も逆転しかねない国政にとって大変重要な12月12日の総選挙に向けて選挙戦が激烈しています。
イギリスの選挙運動には候補者のポスターも宣伝車での候補者の名前連呼も一切、ありません。

有権者が支持する政党名を明記した看板を表示して支持を乞うのがイギリス流です。
静かでお金がかかりません。

候補者の名前も出さないことが多いのですが、このドクター・チャウハンは顔写真まで出して運動しています。
かなり画期的です!

おそらくは、自身がエスニック・マイノリティー(非白人)であることを強みにアピールしていると思うのですが、どうでしょうか。
9顔写真を出さなくても名前からパキスタン系であることが じゅうぶんわかりますね)


チャリティショップ、オックスファムの古本ディスプレイ棚にクリスマス向きの本を集めて並べてみました。


エンターテインメント系のペーパー・バックに Christmas が入った題名のなんと多いことか!

5時前にはクリスマスツリー(ノーウェージャン・スプラウトというマツの生木です)の明かりが点灯されます。


イギリスの初冬の光景、いかがでしょうか。

気温は日中、7度前後。
夕方、帰宅時に水たまりの水に薄く氷が張っていました。
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おなじみのテーブルソースのラベルのデザイン...国政の中心、ロンドンの観光名所の現在の状態を見事に反映!!

2019年11月29日 09時00分00秒 | 気になる製品、気になるデザイン

ブラウン・ソースの草分け的ブランド、HPソース HP Sauce の広く知られたラベルのデザインが変わった...?


スーパーマーケットで見つけて思わず購入しました。

ブラウン・ソース brown sauce はこれなくしてイギリスの食生活を語れない!ほどイギリスにとって重要な庶民的な調味料です。
トマトソースをベースに、モルト・ビネガー(麦芽酢)、モラセス(黒い糖蜜)に、各種秘密のスパイスが材料の、トロンとした濃い茶色のソースです。

肉料理や付け合わせの野菜、目玉焼き、ベーコンやバーガー、トーストにのせたチーズや「チップス(フィッシュ&チップスでおなじみの短冊切りにした太いポテト・フライ)」等にかけるテーブル・ソースとして、あるいは,グレイビー、シチューやスパゲッティ・ボロネーズのソース等々 濃い味の隠し味として調理用にも愛用されています。

他の調味料会社も独自の名前で製造販売していますし、スーパー各社も独自の自社ブランド製ブラウン・ソースを販売しています。
(実はうちには最近買ったスーパー、テスコ製の格安のブラウン・ソースがまだたっぷり残っているのですが)

1899年に製造販売を開始したHPソースが他の追随を許さない完全独走態勢で業界を突っ走っているようです。
今、調べたら74%強のシェアだそうです。すごい!


通常のラベルデザインです↓


(スーパーマーケットのショッピングウェッブサイトから勝手に写真を転載しました)

現在売られている一番上の写真の「臨時デザイン版」ラベルに描かれたロンドンの有名な時計塔、ビッグベン Big Ben (正式名はエリザベス・タワー Elizabeth Tower )が、建築用の足場で囲われているのがわかるでしょう?


調べてみたら、実際ビッグ・ベンは現在、世紀の大改装工事中でした。



(観光写真をまたまた勝手に借りました)

工事が完成し、足場が取り払われるのは2021年以降だそうです。

さて、HPソースの HP とは何か?
House of Perliament ( 国会議事堂=ロンドンのウェストミンスター宮 Palace of Westminster )の略です。

ね、HPソースのラベルにウェストミンスター宮がビッグ・ベン、ウェストミンスター橋 Westminster Bridge とともにちゃんと描かれているでしょう?
あれー、上の観光写真を見ると、ウェストミンスター宮も足場で囲われているではありませんか!?

HPソースのラベルにきちんと反映されていないのが不満....
いえいえ、伝統あるラベルのデザインのビッグ・ベンに足場を書き加えるなんて、それだけで充分芸が細かいです!

20世紀の初頭から現在に至るまで国会議事堂内の議員食堂に独占納品しているのが自慢でHPという名称を使い始めたのだそうです。




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クリスマスへの期待でワクワク、子供たちのを喜ばせたい親の購買欲をそそる!やっぱりかわいいジャミ―・ドッジャーズ、クリスマス版

2019年11月28日 09時00分00秒 | 英国のお菓子とデザート
雪だるまが笑うジャミー・ドッジャーズ Jammie Dodgers のクリスマス限定版パッケージ。


10月の終わりごろから店頭に出ています。
子供にも大人にも大人気のイギリスのロングセラービスケット、ジャミ―・ドッジャーズについてずいぶん前に書いた記事です。↓

ジャミー・ドッジャーズ、ハートの穴から赤いジャムがのぞく かわいいビスケット

これが通常のジャミ―・ドッジャーズ。


はい、これがクリスマス限定版!


甘くてねっとり硬いラズベリー(風味)のジャムがハート型の穴からのぞく仕様は変わりませんが、通常版のハートのまわりのジャムがねとっと広がる模様がクリスマスモチーフにかえられています。

いかにも!子供に好まれる「星☆」「クリスマスツリー」「サンタクロースのブーツ」の強力なクリスマスモチーフがわかりやすいですね。


ああ、もうすぐクリスマスだ...!
25日を指折り数えて待つ子供たちの期待をあおるクリスマス仕様の製品を他にも見かけたらストックポート日報で取り上げることにしますね。
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季節のお菓子ミンスパイの変化球、サクサクタイプ初体験

2019年11月25日 09時00分00秒 | 英国のお菓子とデザート
毎年恒例クリスマス前のこの時期、いえ、9月末には店に出回るミンス・パイ mince pie。


ストックポート日報を長年読んでくださっている方は上の写真を見て「あれ、ミンスパイってこんなだったかな?」と思われたかもしれません。




たしかに。
「標準的なミンスパイ」といえばこのタイプです。


.バターで練ったしっとりどっしりのショートクラスト・ペイストリー shortcrust pastry に、砂糖とドライフルーツを黒くトロトロになるまで煮詰めたミンス・ミート mince meat がつめてあります。

スーパーで買ってきたお徳用「普及版」です。

「普及版」にはたいていショートクラストを丸く抜いたフタがのせてあります。

今回のミンス・パイは、ミンス・ミートをパフ・ペイストリー puff pastry で包んだサクサクタイプのパフ・ペイストリー・ミンスパイ puff pastry mince pie

スーパーで見かけたので4個入りを買ってみました。
ずっと昔からあるようなのですが食べたのは初めてです。

比較するために同じ構図で写真を撮ってみましたが、パフ・ミンスパイの方が標準のショートクラスト・ミンスパイより3割がた大き目なのです。
そうですね、小型アンパンぐらいの大きさではないかと...

どっしりしっとりと重めのショートクラスト・ミンスパイに比べるとスカスカで軽く、何層もの薄い皮がホロホロ砕けるパフ・ペイストリー・ミンスパイは....


このぐらい大きくないと食べた気がしません!

しかもどれも中に空洞があるし!

夫は歯や唇にホロホロ砕けた薄い皮がくっつくパフ・ペイストリー・ミンスパイを好みません。
せっかく買ってきたのにいらないというので私と息子が4個入りを2人で(2日かけて)食べました。

パックをあけたらすぐに食べきったほうがいいようです。
一日置くと、ホロホロしていたペイストリーがガシガシになります。

料理のウェッブサイトによれば、出来立てのほやほやがふんわりサックリして最高だそうです。

ミンスパイについて書かれたストックポート日報去年の記事のリンクです。☟

季節のお菓子ミンス・パイ!!カロリーなんか気にしない、食べられる時に食べる!
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空飛ぶ雪だるま、明かりがともり雰囲気アップ、それでもなぜかもの悲しいストックポートのクリスマス・マーケット

2019年11月24日 08時03分09秒 | ストックポートとその周辺
金曜日の午後、ストックポートのショッピングセンター、マージーウェイを通りました。


日暮れ前、(と言っても3時前後ですが)の薄明かりに 電飾の灯りがともりショボかった昼間のムードが一転、マジカルなウィンターワンダーランドの趣きがたっぷり…なワケはありませんね。

かえって 物哀しい感じです。



先週お伝えしたように、「本場らしさ」と質が今ひとつなこと、ヨーロッパの歴史的な街並みではなくハンパにモダンな商業施設という ロケーションの悪さ、それに加え この広場の周りには1ポンド均一店、格安衣料デパートなど格安店が集中するため バーゲン目当ての客の通行が多いこともショボさの一因かもしれません。

人通りはけっこうあったのですが、「ヨーロッパ風」ストリートフードを楽しむ人をほとんど見かけませんでした。

去年もストックポート日報で紹介した記念撮影用のスノー・グローブ snow globe(スノードーム)は健闘していた様子です。


小さい子供連れのお母さん達が集まっていました。


ドラえもんに後ろ姿が似ている雪だるま、ご記憶でしょうか?

先週の木曜日、クリスマス・マーケットのオープン前日、難民収容所の雪だるま。



その翌日オープンしたマーケットで「まねき雪だるま」の任務を果たすべく定位置についた雪だるま。


そして一昨日 発見、傾斜した屋根の上に位置を移した雪だるま。


なにがあったのでしょうか。イヌに吠えられ追い上げられたとか?

くぼみの空きスペースを利用した「本場ドイツのビアガーデン」風の場所もありましたが、利用者はゼロ。




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空中庭園?壁の花?緑の体毛フサフサ壁

2019年11月23日 09時00分00秒 | ストックポートとその周辺
ストックポートを縦断する国道A6(ロンドンとスコットランドとの国境の町、カーライルを結ぶ長い長い道路です)の、中央図書館の斜め向かいに瀟洒なアパートメント・ビルディングが建設されつつあります。


外壁の一部が地上階から最上階までが緑の植物で覆われた「高層立体植物園」になっているのが最近判明しました。



網で覆われた足場が取り払われつつあるところです。

囲いに張り付けられた完成予想図を見ると、建物の凹凸の要所要所に緑に覆われた壁を設けるようなのです。
上の写真の左側、足場に囲われた部分にも現在植え付け中です。

遠くから見たら、ただのコンピューター・グラフィックの壁紙模様のようにのっぺりして見えますが....


すぐ下まで行ってみてみました。あまり精度の高くない望遠写真も撮ってみました。

トウモロコシの毛のような垂れ下がった植物が風にひらひらしていました。

おなじみ、2018年にカーバンクル杯(Carbancle Cap 連合王国で一番みっともない建築物大賞)獲得の栄誉に輝いた総合レジャー施設、レッドロック Redrock のあるブリッジフィールド・ストリート Bridgefield Street の角にある「緑の体毛フサフサ壁(命名;私)」。




レッドロックがオープンするまで、この通りは表通りの商店の裏庭がずらりと面しているみすぼらし~い裏通りだったのです。
つぶした段ボール箱やゴミ箱が丸見え、休憩中の従業員がタバコを吸うために裏口に出てくるぐらいしか人通りもない寂しい場所だった印象です。

店の裏庭をすべて囲っちゃうことにより見違えるほどスッキリしました。

3年もたつと植物が壁に貼り付けた土壌にすっかり根をおろし、しっかりと繁茂しています。



去年、2月にストックポート日報に写真をのせたクリスマス・ローズはまだ咲いていませんでした。残念。

この、都会の建物の外壁を植物で覆うプロジェクト、なかなかいいと思います。
すでに多くの場所で好評らしいのですが、植物は生き物なので、維持がけっこう大変そうですね。

マンチェスターで不成功に終わった小さなプロジェクトが2件思いつきます。

実はこの毛深い壁の内側には、私がボランティアとしてお手伝いしているチャリティショップ、オックスファム Ovfam の裏庭(バックヤード backyard) があるのです。

特別公開;緑の体毛フサフサ壁の内側。


左側の現在閉店、空き店舗になっている美容院と共有のバックヤードです。
オックスファムしか使用していないので比較的スッキリしていますが気をつけないと粗大ゴミ置き場になり果てます。

しかもレッド・ロックの多層階駐車場のエレベーター乗り場から丸見えなので巨大な産業ゴミコンテナの周りなどがゴミだらけにならないように私が気を配っています。
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クリスマスシーズン恒例のクリスマス・モチーフの衣料品、見ごたえのあるスーパーの品ぞろえ、おなじみのクリスマス・ジャンパー

2019年11月22日 09時00分00秒 | ストックポートとその周辺
一昨日、スーパー、セインズベリーに、通常の日用品、食品の買い出しに出かけました。


まだ11月、平日のスーパーは平常どうりの静けさです。

それでも....
今年もクリスマス・シーズン恒例の クリスマス・ジャンパー Christmas jumper が11月の最初の週(戦没者追悼の厳粛な儀式が終了した後)あたりからあらゆる衣料品店に並び始めています。

もうすっかり出そろいましたね。

スーパー・チェーンの大型店舗の衣料品売り場はクリスマス・ジャンパーの品数の多さで群を抜いています。

女性用。





女の子用。



男の子用ではなく、大人の男性用です。




男の子用の写真を撮るのを忘れました。


男性用の衣料小物(アンダーパンツ、靴下、パジャマ、ネクタイ)もクリスマスモチーフや、クリスマス・カラーのタータンチェックを取り入れて、プレゼント用に買わせる工夫がバッチリです。



セインズベリーは どちらかというと高級志向のスーパーなのです。スーパーの価格等級で言えば、「中の上」ぐらい??

もちろん「客寄せ」目的で販売されているオリジナルの衣料品はスーパー価格でかなり安めなのですが、セインズベリーのクリスマス衣料は一般的なクリスマス衣料に比べると...それほど下品でもキッチュでも ないかもしれません。

下品でキッチュが売り物の(?)クリスマス・ジャンパーは会社や仲間うちのパーティなどでウケるために着るものなのです。

12月の2週目ごろには店員や掃除スタッフ、窓口業務のスタッフなども一斉に着始めます。
半端に「品の良い」クリスマス・ジャンパーは(場合によっては)かえってけっこう恥ずかしいかもしれません。

3時17分にはもう日暮れ、セインズベリーの駐車場です。


クリスマス・ジャンパーとクリスマス用品販売レポート、これからも続けます。

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美術館の個性的な展示方法、マンネリ回避の意図は買う!(意義はあるのか)

2019年11月20日 20時09分39秒 | マンチェスター

マンチェスター・アート・ギャラリー Manchester Art Gallery に久しぶりに行きました。


今回の記事は美術館へのお誘いでも鑑賞の手引きでもストックポート日報こだわりの建築物の見どころ紹介...などではなく、「なんだかなぁ?」と思わせられた斬新な展示方法についてです。

貴重なルネッサンス以前の聖画が3点 簡素に展示されていました。


稚拙な手法で描かれた細かい描写と金ぴか背景が特徴の、中世の聖画は私の好きな分野のひとつです。

写真右側の壁に金ぴか聖画が3枚展示されています。


左側の壁に、肖像画を一面黒く塗りつぶしたような凹凸のある真っ黒の板が物々しくかけられています。


その左の戸口を通って小さな展示室に入ると、ルネッサンス彫刻の部分を描いたらしいパステル調絵画がばらばらと壁のスペースを大きく開けて展示されていました。

奥に立って戸口を見返すと向こうの壁に金ぴかキリスト磔刑の聖画が見えています。


なんとなーくぼんやりと理解しました。
金ぴか聖画と現代アートのコラボ展示のつもりらしいのです。(ですよね?)

中世の名もない画僧が残した金ぴか聖画は現代アートを盛り上げるための小道具、というか「前座」に使われたのでしょうか。

(で、あの黒い絵はなんだったのか!?)


以下、私の推測と感想で書き進めます。

アートの解釈がアーティストやこの記事を読んだ方と違っていたらごめんなさい。


オランダ17世紀の絵画(オランダ派)を集めた楽しい展示室があります。


緻密な静物画とともに、有名なフェルメールも好んで描いた、透視図がキマった室内で繰り広げられる市民の生活の一コマをのぞき見しているようなテーマの小品がたくさん展示されています。

知られていない作家の作品ばかりで技法はフェルメールに比べるとかなりショボいのですが...

ついでですが、オランダ語(らしい)「フェルメール」はイギリスでは絶対通じません! Vermeer は英語ではヴァーミエーㇽと読みます。

オランダ派の展示室にわざわざ「窓の外からのぞき見視点」の現代絵画を展示する意図が(関連性は理解できるのですが)まったくわかりません。


第一、この「のぞき見/デバガメ」アートに、世界的に有名なマンチェスター・アートギャラリーに展示するだけの価値があるのでしょうか。
(ごめんなさい、あるんでしょうね)



本館の鑑賞コースの出発点となる、入り口ホール上の回廊の展示です。




イギリス19世紀の 華やかな社交シーンや牧歌的な田舎の生活描写、物語の一場面や美しい女性の肖像など女性の肖像を主に描いたイギリスらしい、心和む油絵小品がぐるっと壁を飾ります。

展示室に通じる戸口脇の2点の現代アート。


肌を強烈な色に塗りたくった女性の、カラー写真(大判額、反射して見えにくいですね)と映像作品です。

これもまた、雰囲気ぶち壊しの好例でした。



小さな展示室の壁にかかった作品の前にはソファーや肘掛け椅子が配置してありました。




床の片隅にはデニムのビーンバックも積み重ねられていました。
座ってくつろいで鑑賞してほしいという、アートを身近に感じて親しみを持ってほしいという企画でしょうか。

あいているソファーと肘掛椅子がなかったので、席があくまで美術鑑賞できませんっ!
座っている人の前に立つわけにはいきませんから。

...とは言え、上の写真に写っている、ソファーで寝込んだ若者(その寝姿を年配の男性がスケッチしていました)以外すべての人がゆったりと絵の前に座ってスマートフォンをながめていました。


古典的主題の、近代絵画(19世紀)の展示室です。



マンチェスター・アートギャラリーの得意分野です。

有名な大作、「セイレーンとユリシーズ」の横に美術鑑賞者へのいやがらせとしか思えない古いかけ布団カバーに スプレーペイントでHOMESiCK と書きなぐった現代アートがどどーんとかかっていました。


こちらもドラマチックな大作「ナポレオンのロシア遠征」の横に、バンクシー Banksy のストリート・アートを壁から切り取った小品の展示....


私は、イギリス各地の外壁に気のきいた白黒ステンシル作品を誰にも見られないうちに素早く残す神出鬼没、正体不明のストリート・アーティスト、バンクシーが大好きです。

でも、なぜ19世紀の古典絵画の部屋に展示する?
HOMESiCK ほど不快ではないものの、私の理解をすっかり超えています。

これは、学芸員「楽屋オチ」のつもりでしょうか。


展示室に、立体作品の保管室を再現したディスプレイがありました。
半分梱包を解いた収蔵品、木箱に入ってどこかへ搬送する過程の美術品なども無造作に置いてありました。


あ~、これもインスタレーション・アートか何かなのでしょうか。

他の収蔵品とともに棚におさまっている様子が再現(?)されていた子ブタの石像。好きっ


作家のクレジットも掲げ、ちゃんと展示して見せてくれたらいいのに!

意味不明の極みは、マンチェスター・アートギャラリーの最大の呼び物、19世紀半ばの革新的芸術運動、ラファエロ前派の世界に誇るコレクションの展示室の...


映像アート。


座ってじっくり鑑賞している人がいました。
じっくり見もしないで「意味不明!」と決めつけてはいけないのはわかっています。

現代映像/パフォーマンス・アートそのものをけなすつもりは ありません。
ただ、ラファエロ前派の絵画を鑑賞しに来た人々にこれを一緒に見せるいわれが全く理解できない!ということなのです。

テーマごとに集めた作品をじっくり見せるという伝統的な展示方法では鑑賞者に飽きられる!あるいは「リピーター」を呼べない!「古典技法」のアートと現代アートをどうしても融合させなければダメだ!という危機感でもあるのでしょうか。

単に「気分を変えてこんなのもいかがですか?」と古典技法アートの愛好者に気楽に現代アートもおススメしているつもりなのでしょうか。

斬新な展示方法は逆効果だと思うのですが。
私は現代アートと美術史に残る名作古典技法アートは別々にじっくり鑑賞したいと思っているものですから。

疑問の残る美術鑑賞でした。

さて、ストックポート日報にはマンチェスター・アート・ギャラリーについて書いた過去の記事が実に12本もあるのでした。

建物や、展示、活動内容について書かれたものを選んでリンクを下に貼りました。


マンチェスター・アートギャラリー

昨日にひき続き、マンチェスターの美術館、マンチェスタ一・アートギャラリー

マンチェスター自慢の美術館、マンチェスター・アートギャラリー再び 今度は外観!

マンチェスター・アートギャラリー内観再び、今度は本館、昔ながらのインテリア 

マンチェスターアートギャラリーの所蔵品、ラファエロ前派とその後継者 、他

マンチェスターアートギャラリーの第一次世界大戦100周年記念、スノードロッププロジェクト

マンチェスターアートギャラリーの、入館者の参加を呼びかけるちょっと変わった展示法

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偉人の屈辱、タイヤ編

2019年11月19日 09時00分00秒 | 英国ってハズカシイ!
ストックポートのタウンセンター、セントピーターズ・スクエア Saint Peter's Square に立つ、郷土の偉人、リチャード・コブデン Richard Cobden 像。


ストックポート日報ではもうすっかり、おなじみですね。
19世紀半ばに穀物法 Corn Lows の廃止に尽力した自由貿易主義者で、ストックポート選出の国会議員です。

今回は首に自転車のタイヤをかけられていました。
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なんだかショボい...ストックポートのショッピングセンター内のクリスマス・マーケット

2019年11月16日 22時53分11秒 | ストックポートとその周辺

一昨日、土曜日にオープンしたストックポートのクリスマス・マーケット。


ショッピングセンター、マージー・ウェイ内のオープンスペースにバラバラと庭のシェッド shed(物置小屋)のような仮設店舗が並びます。


ヨーロッパ[大陸]伝統のクリスマス・マーケットはイギリスでも今ではすっかりおなじみです。
この時期、イギリス各地で開催されています。

オープン前の、金曜日の午後に通りかかった時のもの哀しい準備中の光景です。




なんだか、ニュース映像で見た金網で囲われたヨーロッパの難民収容所の光景を思い出してしまいました。

そもそも、クリスマス・マーケットといえば、ドイツやベルギーや東欧が本場なはずなのです。
古い街並みを誇るヨーロッパの歴史ある都市の広場に日暮れ後 華やかに電飾がともり、ウィンター・ワンダーランド=おとぎの国のようなロマンチックな雰囲気を楽しむイベントです。

日本でもヨーロッパの「クリスマス・マーケット」ツアーが人気だそうですが、イギリスにも、「本場の!」クリスマス・マーケットに一度は行きたい、...と思っている人がけっこういるようですよ。

イギリスでヨーロッパ本場のクリスマス・マーケットの雰囲気を最初に取り入れたのは、マンチェスターのクリスマス・マーケットだといわれています。


当初は「ジャーマン・マーケット」とよばれ、「ドイツ物産展」のようだったマンチェスターのクリスマス・マーケットは憧れの「本場のヨーロッパ風」クリスマス・マーケットの雰囲気を上手にマネしていたと思います。

その後、イギリス各地で独自のクリスマス・マーケットを冬の客寄せ商業イベントとして立ち上げ、成功を収めているところが増えているようです。

ドイツだけではなくヨーロッパ各地の工芸品や、ストリート・フードをメインに地元や発展途上国で作られたギフト用品まで売るようになった今でも、本家ヨーロッパ風クリスマス・マーケットの代表格であるらしいドイツベルギーは別格「本家」イメージが強いのです。

クリスマス・マーケットといえば、どこもベルギー風ワッフル!です。


それと、ジャーマン・ソーセージ。





ああ、でもこのストックポートのクリスマス・マーケットのショボさはどうでしょう!!

仕事の帰りに通りがかったので、私も「ジャーマン・ソーセージ」を食べました。


3ポンド50ペンスもした上の写真のジャーマン・ソーセージ・ロール(roll=ホットドック用のパン)のまずそうなこと!

日本の「フランクフルト」のような、確かにドイツ製法の香ばしいソーセージでしたが、おそらくはドイツ系安売りスーパーマーケット、リドル Lidle か アルディー Aldi で大量に仕入れたらしい20本入りソーセージのパックの安売り製品でした。(プラスチックの密閉袋から出してバーベキュー釜にのせるところを見てしまいました)

そして、開く際に半分に割れてしまったパンを堂々と客に供する空恐ろしいほどの厚かましい度胸もさることながら、中がボロボロの安物のパンの実際まずかったこと!!

毎年 同じドイツ人の家族がやって来て 目の前で焼いてくれる マンチェスターのクリスマス・マーケットのジャーマン・ソーセージは、外皮がサクッと、中がむっちりフランスパンのような食感のしっかりしたおいしいロールに挟まれて出てきます。

ベルギー風ワッフルを食べさせる店でクレープやドーナツを売ったら雰囲気がぶち壊しではありませんか!?
同じミックス(タネ)を使いまわしするつもりなのでしょう。

本場ベルギーのワッフル屋はそんなことしないでしょうね。

ちなみに、ワッフル/クレープ/ドーナツ店の人とは話をしていませんが、ジャーマン・ソーセージ売りのカップルはどちらもバリバリの地元ランカシャー訛りを話すイギリス人でした。

ドイツにもベルギーにも行ったことのないイギリス人がクリスマス・マーケットだからとにわか仕込みで店を出しているのかもしれません。
ストックポートのクリスマス・マーケット、今年で4年目です。


「イギリスもの」も出店していました。

地元の出店らしいイギリスのチーズ生産者が店を出していました。


イギリスを代表するチーズ、チェダー Chedder にドライフルーツをくわえたものが中心の品ぞろえでした。


ヤギやヒツジのチーズも売られていたらしいのですが、よく見ませんでした。


今度通ったら、味見させてもらって、おいしかったら買ってきてもいいかな、と思っています。


巨大なヨークシャ・プディングに野菜やローストした肉類を詰めてくれる、イギリス料理の個性的なストリート・フード版。



金網で囲われた難民収容所から解放された雪だるまとサンタクロースの活躍ぶりです。





....はっきり言って、ストックポートのクリスマス・マーケットを目当てにストックポートに出てくる人がいるとはまったく思えません。
地元の人を引き付けることすら難しいクオリティだと思うのですが...

週末、買い物客でショッピングセンターはかなりの人出でした。
これからクリスマスにかけて、町はもっともっとたくさんの人であふれかえることでしょう。

あわただしい買い物途中の腹ごしらえに、カフェやレストランや、人がいっぱいのファーストフード店に入るのも煩わしいこの時期、外でさっと注文してさっと食べられるストリート・フード屋がかたまって出品しているこのショボいクリスマス・マーケット、けっこう需要が高いかもしれません。

いや、本来のクリスマスマーケットとは意味合いが違いますが。

毎年足を運ぶマンチェスターのクリスマス・マーケットに関する5年前の記事、ウィンチェスターのクリスマス・マーケットの記事、ジャーマンソーセージに関する記事など、参考にリンクを貼りました。(もっと、あったかもしれません)

ストックポート日報 アーカイブです。

ウインチェスター大聖堂境内の美しいクリスマス・マーケット ・


マンチェスターのクリスマス・マーケット その1 アルバート広場 ・

マンチェスターのクリスマス・マーケット その2 アルバート広場以外の場所  ・


マンチェスターのクリスマスマーケット その3 ヨーロッパ各地の食べ物屋さん  ・


マンチェスターのクリスマスマーケット その4 アルバート広場再び ・




12月のマンチェスター、クリスマスにはまだ ちょっと間がある 平日の午後

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シャッター街の美容院、ピンクの塗装によく似合う美容院の吠えイヌ

2019年11月15日 23時01分38秒 | 英国のイヌ
マンチェスタータウンセンターのはずれ、ハイヤー・ヒルゲートを通りました。


古い建物が建ち並ぶ景観保存地区なのです。
シャッターの下りた店が続き、絶望的に不景気な印象です。

最近開店したらしい、表側をかわいくピンクにペイントした美容院のガラス窓の内側に犬がいました。


そういえば、犬のいる美容院、理髪店が増えています。
この、イギリスのイヌ カテゴリーでもたびたび取り上げています。

よく見かける巻き毛の抱き犬、ビション・フリース Bichon Fris ですよね?


そばによって写真を撮ろうとすると、かわいらしい見かけに似合わず、ガフガフっとドスの効いた低音で吠えられました。

吠える犬を自営業の店先に連れて来るかなぁ、と思ったら、ハーネスをつけていますね。お客さんが連れてきたイヌのようです。

理髪店や美容院の「招き犬」はおとなしく、客に愛想を振りまくイヌ、と相場が決まっています。

町の店舗がどんどん閉店しています。
街の活性化を促進するための新規開店をサポートする制度が各地にあるようです。
一定期間、家賃がタダだったり、資金援助が受けられたり。

そのため、開店始業は比較的たやすいらしく次々と新しい店がオープンしているこの頃です。

しかしやはり、人通りの少ないシャッター街で営業を続けるのは難しいのでしょうね、ほとんどの店はいつの間にか閉店しています。

オンラインショップとの競争がない美容院、理容院とネイル・サロンが健闘しています。
2,30年前に比べてカフェも確実に増えているのですが.....どちらも増えすぎると過当競争がはじまってそのうち共倒れ、が予想されます。




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落ち着いて食事ができる地元のパブで、ローストディナーの夕食....のはずが庶民派ざわざわパブの名残は消せず....中途半端なコンセプト

2019年11月14日 22時08分07秒 | 英国の食べ物、飲み物
雨がしとしと降り、冷たい風がビュービューふきつける、6時にはもう真っ暗な典型的なイギリスの11月の夕方です。


昨日、新装開店した近所のパブ、ジョリー・セイラー Jolly Sailor で夕食を食べました。



新装開店前のジョリー・セイラーは、住宅街にある典型的な「地元パブ」でした。

昔ながらのパブらしさはなく、日本の「ファミリーレストラン」のように 明るく親しみやすく、おしゃれとは言えない内装で、大音量のポップミュージックがかかり、サッカーの中継映像がたくさんのテレビ画面にうつしだされ....といったざわざわした雰囲気の現代的パブでした。

数年前以来しばらく閉店状態が続いていました。

その後 レストランパブ・チェーン店が経営を引き継ぎ、2か月前に思いっきりおしゃれな内装の ゆったりした雰囲気で食事ができる、グルメレストラン風コンセプトの「ビストロ・パブ」にさま変わりしました。

開店直後に行ってみた後、2度目です。

前回に引き続き、イギリスのパブならでは!のカーヴァリー carvery を注文しました。





カーヴァリーというのは、ローストしたさまざまな肉を、目の前で切り分けてお皿に盛りつけてくれる、イギリス独自のサービス・スタイルです。
(今、調べてみたところ、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドなどのイギリス傘下のコモンウェルス諸国でも一般的だそうです)

イギリスのパブやホテルではおなじみですし、カーヴァリー専門のレストランも多数あります。



私は中華風ロースト・ポークをほんのちょっぴり(味見がしたかったので。甘辛タレを絡めたチャーシューのような味でした)と...


ロースト・ビーフ roast beef をとりわけてもらいました。
2種類あわせてちょうど1人前のポーションになるように調節してつけてくれたと思います。

他甘辛ゴマダレの中華風ロースト・ポークの他には、ピンクの切り口をさらすガモン gamon(塩漬けポーク、塩辛いどっしりしたハムのようなものです。日本で食べる機会がないと思います。おススメ)、ロースト・チキン、ロースト・ラム(コヒツジ)が用意してありました。

付け合わせの、ごく一部......


甘くないホットケーキミックスのような粉をゆるく水で溶いて、油をひいたくぼみのあるオーブントレイに流し込み オーブンで焼いた ヨークシャ・プディング Yorkshire pudding は本来はロースト・ビーフの付け合わせなのだそうですが、カーヴァリーではたいていの人がとっていきます。

私は切り分ける肉のすぐそばに積んであった特大サイズの出来立てのアツアツをもらいました。

付け合わせやソース類は好きなものを好きなだけ好きなだけとっていいのもカーヴァリーの特徴です。

ローストしたクージェット cuget(ズッキーニ)の輪切り、甘く炒めた玉ねぎ、マロー・ピー marrow peas という緑の豆をやわらかく煮てつぶしたマッシー・ピーズ mashy peas、本来は鶏肉の詰め物にする、パン粉とハーブをお湯でふやかして丸めてローストしたスタッフィング stuffing ...が写真に写っています。

他に、色鮮やかに煮たブロッコリー、ニンジン、チーズソースをからめてローストしたカリフラワー、煮たざく切りキャベツ、ブラッセル・スプラウト brussel sprouts(芽キャベツ)パースニップ parsnips(甘い白いニンジンのような根菜)そして、ローストの付け合わせにはなくてはならない外がこんがり、中がほくほくのロースト・ポテト roast potetoes が用意してありました。

グレイビー gravy (ソース類)各種。


右側手前が 一番一般的な、肉脂が溶け込んだこってりトロリとしたタイプです。

ペッパーコーン pepper corn というのはコクのあるホワイト・ソースに粒胡椒をはじめ様々なスパイスを混ぜ込んだイギリス特有らしい肉用のソースです(私はインスタントミックスを買ってきて作ります)

野菜だけ付け合わせにとったベジタリアンのために、動物の脂が一切含まれていない、小麦粉でとろみをつけたグレイビーも用意されています。

手前のクリーム色のポットに入っている付け合わせソースはそれぞれ、ラムに添える深緑色のミント・ソース、ポークに添える黄色いゼリー状のアップル・ソース、ビーフに添える白いとろみのあるホースラディッシュ・ソースです。

甘いチャツネ類(漬物)も各種用意されていました。

私のディナー(とりわけ例)


もっとたくさん盛り付けたいけどスペースがたりない!という場合は巨大なヨークシャ・プディングの中に詰め込むといいでしょう。

お腹いっぱい、十分楽しめたのですが.....

食後、デザートを食べ始めて間もなく、突然スピーカーから大音量でポップ・ミュージックが流れ始め「落ち着いて料理を楽しむ」雰囲気では全然なくなりました!!

「落ち着いて食事をする場所」になったはずのジョリー・セイラーで なんと 庶民パブの人気恒例イベント「クイズ・ナイトquiz night」が始まったのです。

庶民派ざわざわパブだったころの習慣は振り切れないようなのです。

夫が丁寧に「音量を少し下げてくれ」と頼んだのに「本日はクイズ・ナイトなのでご希望に添えません」というこたえ。
実際、話をするのも困難なほどの音量で、楽しかった食事の最後が残念な終わり方でした。

いまだにパブの恒例行事、週に一度のイベントを楽しみにやってくる地元の人たちがいるのでしょうし、私たちの好みに合わないからと言って文句をつけるのは筋違いなのかもしれません。

希望者の席にはテストのような問題用紙が配られます。

クイズを解くのに大音量のマイケル・ジャクソンやらデュラン・デュランなどのポップ・ミュージックは必要なのか!?
庶民派パブの雰囲気作りには不可欠なのかもしれません。

全問正解者には賞品が出るらしいのです。

クイズを真剣に解く人々。


堂々とスマートフォンでグーグルして正解を調べて書き込んでいる人がいっぱいいましたよ!
いいんでしょうか....よくないはずです。

注意されたとしても、トイレに入ってグーグルし続けるテもあるでしょう。
テーブルやグループごとに答を相談しあって、親睦を深め、わいわいやるのがクイズナイトのだいご味いのですが、インターネットで調べて解答するなんて意味ない!

落ち着いて食事のできるおしゃれな高級っぽいレストランでいたいのか、庶民派ざわざわパブとして地元の人々に親しまれ続けたいのかどっちかコンセプト(経営方針)を決めた方がいい!....と思います。

別の日の昼間に撮った、ジョリー・セイラーの写真です。



背後に大きな駐車場があります。
「え、お酒を飲むためのパブに車で行っていいの!?」と驚愕される日本人の方も多いでしょう。

いいのです、イギリスでは。
運転してきた人は酔うまで飲まない、自分の限度をわきまえ責任をもって楽しむという自己規律さえあれば特にお咎めなし、なのです。(自己責任といえるでしょうね)

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昼食の穴場、大きなスーパーマーケットにはたいていある客寄せカフェ、私たちのお気に入りはテスコ!

2019年11月11日 22時40分47秒 | 英国の食べ物、飲み物
昨日、スーパーマーケット、テスコ Tesco に、買い物に行きました。


イギリスのスーパーマーケット最大手らしいテスコには、私たちはあまり行きません。
ストックポートのタウンセンターのちょっとはずれにあるこの大型店テスコ・エクストラには、カフェでの昼食めあてで行きました。

私が注文した国産ビーフ・パテと 国産ブタ肉使用のベーコンいりビーフ・バーガー。


ベジタリアンの夫が注文したのは一日中食べられる朝食メニュー、オールデイ・ブレックファースト、(健康に留意した)ベジタリアン版。


ブレックファーストは4ポンド99ペンス(約699円)、私のバーガーはちょっと高めの6ポンド99ペンス(979円)。
マクドナルドなどのファーストフードよりは高くつきますが、レストランやパブに比べると格安です。

スーパーのカフェは、長いカウンターの内側に用意してある暖かい料理をトレイを持った客が選んでよそってもらうカフェテリア式(イギリス英語ではキャンティーン canteen といいます)が多いのです。

かつては買い物客を呼び寄せるのが目的のスーパーのカフェはファーストフードなみにお値段格安...だったのですが、いつごろからかそれほど安くは....ない。イメージが定着してきました。
町に本格的なエスプレッソコーヒーを飲ませる欧風カフェがどんどんオープンし始めた15,6年前ごろから、あるいはもっと前から?

人件費節約の「カフェテリア式」なのは変わらないのですが、かつては(一昔前の)学食、社食風だったスーパーのカフェも落ち着いてオシャレな雰囲気にさま変わりしました。
どこもエスプレッソ・マシーンを導入し、気取ったメニューも提供するようになりました。

中途半端な位置づけのスーパーのカフェ(安さではファーストフードにかなわない。ゆったりした雰囲気で質の良い食事をしたいならパブやレストランに行くべき)ですが、買い物途中に一休みしたい、1人でさっと食事を済ませたい...という需要にじゅうぶん答えているらしくたいていどこも繁盛しているようです。

このテスコ・エクストラの料理は秀逸です!



チップス chips(ポテトフライ)は厨房で調理した自家製です。
ほくほくポテトの味がしました。


ブラウン・ソース、アメリカン・スタイル・マスタード、トマト・ケチャップなどのソース類は勝手にテーブルにもっていって使い放題です。
すべて店舗で販売されている格安のテスコ自社ブランド製です。

砂糖がたっぷり入った健康に悪そうなアメリカン・スタイル・マスタード(ラベルを読んで材料を確認しました)と、夫が気に入ったというブラウン・ソースを食後 売り場で買って帰りました。

イギリス伝統のパイ料理やロースト、フィッシュ&チップス、インド風カレーを常備しているスーパーのカフェ、手軽でおすすめです。
日替わりメニューの盛り付け写真を必ずカウンターの上か後ろの壁にディスプレイしてあるので注文しやすいし。
(日本では当たり前の写真入りメニューはイギリスでは本当に珍しいのです)

どのスーパーのカフェも、「質の良さを考えたらこの値段は格安!」といえるわけではないと思いますが。

スーパーのカフェ値段はもしかしたら日本の「ファミレス」クラスといえるかもしれません。

それにしても!あの低価格で、テーブルサービス、品数の多さ、店員の礼儀正しさ(ボタンを押せば席までとんできてくれる!!!!)を提供できる、日本の「ファミレス」は世界の驚異、というほかありません。

昨日、戦没者追悼の一連の厳粛な国家行事がすべて完了、国中あげてのクリスマス商戦(日本的表現)が始まりました。

広いテスコ店内にもクリスマス飾りが施され、クリスマス対応商品が所狭しと並べられていました。

平日の午後早く、人出は少なく、まだのんびりしていた11月のスーパーです。






コメント (2)
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ギネスブックに登録間近、ストックポートの名物長寿犬、「介助犬」資格でイヌの入店お断り店にご来店

2019年11月11日 09時00分00秒 | 英国のイヌ
ボランティアとしてお手伝いしているチャリティショップ、オックスファム Oxfam に、イヌ連れの男女が入ってきました。

ストックポートの街なかでしょっちゅう見かける、メスの秋田犬、リコリスベアーです。


正しくは、アメリカン・アキータ・ドッグ American Akita Dog 。

この、リコリスベアーについて二年前のちょうど今頃書いたストックポート日報の記事のリンクです☟

日本原産のアメリカ犬、生まれはイギリス、かわいい名前のおばあちゃん

日本の秋田犬とは微妙に種類が違うらしいアメリカン・アキータについて詳しく書かれています。

店内に入ったとたん五体投地の姿勢になるのはいつものことです。


2年前の記事を書いて以来、飼い主の後をトボトボ、よたよた、身体を左右に揺らしながらついて歩く姿をストックポートの町の中でよく見かけます。

この11月に、18歳の誕生日を迎えればギネスブックに世界最高齢として登録されるそうです。

えぇ?18歳って世界記録としてはどうなのかな、世界中を見渡せばもっと年上のイヌが見つかりそうです。
「イヌの長寿記録、それともアキータの長寿記録?」と突っ込んで聞いてみました。.....アメリカン・アキータの世界最高齢、だそうです。

ところで「介助犬」と書かれたハーネスをつけているので入店を許されたリコリスベアーです....


「何の介助?」とまた、突っ込んだ質問をした私。

「薬をかぎ分ける」という全く要領を得ない答えが返ってきました。

え、え、麻薬捜査犬?(違いますよね)
どんな障害のある人にどんな手助けをするのか、第一このヨボヨボ犬が本当に役に立つのか、いつもは引き綱なしで歩かせているリコリスベアーの飼い主がその助けを必要としているのか....もっともっと突っ込んだ質問がしたかったのですが、お客さんが増えてきたので聞けずじまいでした。

インターネットでイギリスで登録されている介助犬の種類を調べてみたのですが、薬だけに関する介助犬は見当たりませんでした。

盲導犬や聴覚補助犬などよく知られた介助犬は、斡旋協会が発行したバッジ(証明)いり専用のハーネスをつけているものですが、このリコリスベアーのハーネスはあまり「オフィシャル」に見えないのです(モグリっぽいとも言い換えられる)。

今度見かけたら、くわしく聞いてみます!

家でダラダラさせていると寝てそのまま起きずに死んでしまうのが心配で、どこに行くにも連れて歩くことにしているのだそうです。
大好きな外出が長生きの秘訣だそうです、

長生きしてほしい!


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クリスマスの準備の第一歩、クリスマスツリーの控えめな登場!ただしお祭り騒ぎはもう少し先するべきことが、まだあった!

2019年11月08日 22時46分56秒 | 英国の、生活のひとコマ
久しぶりに昨日ストックポートのタウンセンターに出ました。

いつの間にか...


ストックポートのマージ―・スクエア Marsey Square に恒例のクリスマス・ツリーがたてられていました。

本当に久しぶりにタウンセンターに出てきたので「い、いつの間に...?」というのが素直な感想です。

ボンファイヤ・ナイト Bonfire Night(11月5日。11月最初の土曜日にボンファイア・ナイトのイベントをすることが多いです)の後、あるいは10月31日のハロウィーン halloweenの後、が切りのいいクリスマス・ツリーを出すタイミングではないかと思います。

毎年同じ時期に出されるはずのクリスマス・ツリー、毎年毎年「い、いつの間に...?(そうだ、もうそんな時期だ!)」とハッとさせられます。

まだ11月になったばっかりなのに!



マージ―・スクエアのすぐそばの、スフルジェット・スクエアSuffragette Square にも、小さめのクリスマスツリーがひかえ目に設置されているのを発見。


2018年に連合王国で最も見苦しい建築デザイン大賞で優勝、栄えあるカーバンクル杯 carbuncle Cupを勝ち取った総合レジャー施設、レッドロック Red Rock と、チャリティショップ、ネイルサロン、空き店舗がやたらにある景気が悪そうに見える通り、プリンセス・ストリート Princes Street の間に挟まれた新しい広場です。

この時期、広場に突然出現したノーウェージャン・スプロース(マツの一種)がクリスマスツリーなのは誰の目にも明らかです。
それでもまだ、11月、さすがに電飾を施すのははばかられ、ただの「どこかからか伐採してきた木」を装っているようです。

....というのも....

おなじみ、ショッピングセンター、マージ―ウェイ。




じわじわとクリスマス商戦の準備が進んでいるらしく、テナント店舗内にはプレゼント用の品ぞろえやクリスマス用品がそろい始めているのですが.....

厳粛な11月11日のリメンバランス・デイ Remembrance Day と、11月11日に一番近い日曜日、リメンブランス・サンデー Remanbrance Sunday(ポピー・デイ Poppy Day といった方が現在は通りがいいかもしれません)が終わるまでクリスマスの飾りつけは控える、という不文律があるようなのです。

両日とも大戦の戦没者への国家をあげての慰霊、追悼日です。

マージ―ウェイのおなじみ、ロマンチックな白いブランコが戦没者への哀悼の意の象徴である赤いポピーで飾られています。


よく見たら、先日まで町を盛り上げていたハロウィーン飾りのオレンジのカボチャと紅葉の飾りつけの上にポピーのリースが載せてあります。
のみならず、夏に造花の藤の花を天井からつるして華やかに盛り上げた「ウィスタリア・ウォーク」の時の白、黄、紫いろの藤の花(ウィスタリア)もまだ完全に残っているし...手抜き?

夏が終わり、ハロウィーン、ボンファイヤ・ナイト、レッド・ポピー・デイを経て狂奔のクリスマス準備期間、クリスマス、そして年末年始まであっという間の10月、11月、12月.....

あっ12月12日には総選挙があるのでした!
争点はもちろんブレクジット(イギリスのEU離脱)、やれやれ。

クリスマスの準備で頭がいっぱい、投票どころじゃない!と言っているイギリス人がけっこういます。

以前に書いた、赤いポピーとリメンバランス・デイ Remembrance Day についた書いた記事のリンクです。☟

赤いポピーであふれる、イギリスの晩秋・・・秋の終わりの一大愛国行事、疑問もあり


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