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イギリス/ストックポート日報 《England/ Daily Stockport》

イギリス北西部の歴史ある街、ストックポート Stockportから(ほぼ)日替わりでお送りする、イギリス生活のあれこれ。

お役所のユーモア!マンチェスターの交通局に座布団一枚!交通表示で20年以上前のヒット曲を振り返る

2019年05月30日 09時00分00秒 | 英国の、生活のひとコマ
国道A6の、ストックポートタウンセンター手前で撮った写真です。


昨日、天気がよかったので夫の車に便乗し、おろしてもらった地点からストックポートの中央図書館まで約3キロ歩きました。

ストックポートを抜けて14.4 キロ行けば、マンチェスターのタウンセンター。

渋滞など道路、交通に関する情報を表示する電光掲示板(というのか?)に、マンチェスターのエティハド・スタジアムでの5月29日スパイス・ガールス Spice Girls 臨時再結成公演関連のお知らせが出ています。

もちろん、trafic information (交通情報)なので、「道路工事のため遅れが予想されます。時間の余裕をもってコンサートに行く計画を立てましょう(超意訳)」というのがメインのメッセージ。

で下段のピンク文字#A-DIG-A-DIG-AHHというのは.....?

スパイスガールスは、1990年代半ばに世界的な大ヒットを連続して飛ばしたイギリスのガールバンドです。




特に興味もなかった私も耳にタコができるほど聞かされた大ヒット曲の....ラップの終わりに、

「♪アワナ(ハッ)アワナ(ハッ)アワナ(ハッ).....アワナ レリレリレリ ワナジカジッカあぁ~」

というキメフレーズの繰り返しがあったのをすぐ思い出しました。というか、スパイスガールスといえば、(当時ほかの曲もたくさん耳にしたはずですが)この歌のこの部分しか思い浮かびません。

曲名すら思い浮かばないというのに「ジカジッカあぁ~」は頭から振り切ることができません。



A-DIG-A-DIG-AHH ディガディッガあぁ~!!!
道路工事だから DIG (掘る)なんですね。

マンチェスターの交通局、やるなあ。

通勤ラッシュの渋滞でイライラしていたドライバーもこの表示を見て機嫌を直し「ジカジッカあぁ~」と鼻歌を歌い始めたかもしれません。

だけど「ジカジッカあぁ~」って何? どういう内容の歌? 第一、曲の名前は?

「spicegirls」でグーグルしてユーチューブのミュージックビデオ(多数)にたどり着き、すぐに1996年のワナビ Wannabe だと判明。

なつかしいな~。
この歌がヒットした年は最初の子供を出産し、ほかにも個人的にいろいろあったのです。

歌詞も調べました。

I wanna really really wanna... はわかっていましたが、ジカジッカあぁ~がziga zigahhh だったなんて!
「ジガ・ジガ―」の意味については当時から推測が飛び交った謎の言葉だそうです。

一般人が投稿する現代用語解説ウェッブサイト、urban dictionary によると、「羽目を外して楽しむ」「プラットフォームシューズを履いて踊りまくる」「どぎついメーキャップをする」などなど、1990年代に若い人たちが仲間内でつかったいくつもの意味のある流行語になったそうです。

そのフレーズをうたっているスケアリー・スパイスがほんとにほんとに欲しがっているziga zigahhh は「性的な快感」だという(自然な)推測も根強いそうです。

10歳前後から16歳ぐらいまでの女の子たちに大人気の歌でした。いいのかなぁ。



ピカディリー・ガーデンズでラジカセをかけてぴょんぴょん跳ねながら振り付けの練習をしていた女の子たちをぼおっと見ていた記憶もあります。
マンチェスター爆撃の年でもありました。

ヴィクトリア・ベッカム(勝手によそから借りた上の写真中央)は現職(ファッション・ビジネス)が忙しく、臨時再結成公演には出演しないそうです。

コメント (5)
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エキゾチック!ローマ字表記!日本好きが発音してみてドキドキのあこがれの日本語の入った食品....カップラーメンが充実!

2019年05月28日 09時00分00秒 | シブい!日本語表記、日本関係なら何でもクール!
イギリスのスーパーで手に入る、エキゾチックな日本語がローマ字で表記された自称「本格日本食」の数々。

オヤカタ OYAKATA.....。


O の字にお箸が添えてあっておどんぶりを表しているロゴがかわいらしいですね。

見ての通り「カップヌードル」です。
英語ではポット・ヌードル pot noodle といいます。

といってもこれはラーメンではなく、麺をふやかしたお湯を切って食べる、「ペヤングソース焼きそば」のようにスープなしで食べるタイプです。

それにしても「親方」はないでしょう.....?
何か意味があるのかと、パッケージを手に取ってみたのですが意味解説も何もありません。

う、製造会社が日本の老舗食品会社の Ajinomoto です。
日本人が海外向けに企画した商品でしょうか、それとも出資者がAjinomoto であるだけで、企画、制作はすべてヨーロッパの現地法人におまかせ、というヨーロッパ製品なのでしょうか。

OYAKATA の意図が知りたいところです。

イギリス他 海外をターゲットにした商品企画(日本人の反応を気にする必要なし!)ならニンジャーとかサムライとかスーモ―とかもっと知名度が高く、ウケそうなネーミングがありそうなのですが。

このオヤカタは、和風、東洋風に限らず、エキゾチックな食品に常に力を注いでいるスーパーマーケット、セインズベリーでここ数か月インスタント食品の棚に常駐しています。

息子が食べたいというので買いました。
私は試食しそびれたのですが焼きそばソースの味付けではないようです。

ビーフ・ワサビ、クラシック....店頭にはテリヤキ・チキンというのもありました。
今度買ってきて息子にはわけてやらずに一人で食べてみます!

ワサビ、テリヤキはスーシー、トーフー、テッパンヤーキーのように食通の間では英語として定着しています。
パンコー(パン粉)とウマーミー(旨み、エッセンスの意味)も同様です。


お次はこれまた日本の老舗、Nissinn の製品、ソバ SOBA


オヤカタに比べると芸もひねりもない命名ですがわかりやすいですね。

これは私も食べてみたことがあります。
息子が大好きなものですから時々買います。
これもお湯を捨てるソース焼きそばタイプ。

味はソース焼きそばとはちょっと違い、「スキヤキ」味、「タイ」風味、「テリヤキ」味など和風/アジアっぽいチープな濃い味付けです。
(テリヤキとスキヤキの味付けの違いが欧米人にわかるのかしら)

スキヤキ味を食べてみました。
「日本のソバを期待しない」という覚悟で食べればらけっこうおいしく感じるでしょう。

息子の友達にも大人気で、どうやら「ソーバー」というのは「濃いソースに絡めた麺類」という認識が定着しています。(困ったものだ)

お値段は高めなのですが、留守番して1人で食事してもらうときなど重宝です。
しかもベジタリアン対応なので、ペスカトリアン(うちの夫と同様、魚介類は食するベジタリアンのサブ・カテゴリーに属する人たち)のガールフレンドにもふるまうことができるのです!

....こうやって広まりゆく日本食に対する大いなる誤解....

これは完全にイギリスのベンチャーブランド、カブト KABUTO


イギリスの市場を狙うのであれば命名はこうでなくっちゃ!
....でも、なぜ兜?という疑問は残りますが。

日本語の単語の選び方が通すぎるのです(ヨロイ、カブトなんてイギリス人は絶対知らないでしょう。カタナなら知っている人もいそうですが)
イラストがかわいいし親方よりはピンとくるのですが。
顔の部分がやっぱりおどんぶりになっていて、お決まりのお箸2本がさしてあるのがまたかわいい。

これはスープに入ったラーメンタイプのようです。
「食べてみる」課題がまた一つ。


おなじみの、Nissin 「カップヌードル(ス)」!




通常価格2ポンド(280円;超ポンド安)が1ポンド50ペンスに値下げされたときに店頭の写真を撮りました。
法外に高いです!

実は、マンチェスターにある中国人の経営する巨大な中華食品スーパーに行けば中国、香港、台湾マーケット向け(?)らしい漢字が書かれた日本国内向け製品とおなじ日清のカップヌードルが半額以下で買えるのです。

このセインズベリ―で見つけたラインアップは明らかに「海外のエキゾチックな食文化」に興味のある、ちょっぴり余裕のある文化的な層をターゲットにした値段だと思えるのですが...

それにしてはパンチの効いたキッチュでどぎついグラフィックですが、それぞれ製品名のレタリングが風味に合わせて変えてあるなど、芸が細かいですね。

「チキン・枝豆」ってどんな味なんだろう?(わかりました、今度買って食べてみます)
第一、日本にありますか?

トンコツ、ヤサイなどあまりイギリス人にはなじみのない日本語をローマ字で表記、エキゾチック路線で訴えかけているようです。
かなり直接的なイラストで風味の説明は十分でしょう。

ちなみに、「エダマメ」は和食を好む食通タイプのイギリス人にはすっかりおなじみの、英語として定着した日本語です。


最後に、スーパー、セインズベリーのカフェで定番のメニュー、スイートポテト・カツゥ・カレー sweet poteto katsu curry のメニュー表示(左下)をどうぞ。


パン粉をつけて揚げた肉が見当たらないカツカレー!
写真を見て「カツはどこ?」と思われた方もいるでしょう。
しかもベジタリアン対応の「Ⅴ」マークつきなのも疑問でしょう!?


「カツゥ・カレー」というのはなぜかイギリスでは日本風のとろみのついた茶色いカレーソースのことを意味するのです!
ストックポート日報の読者の方にはもうすっかりおなじみですね。


スイート・ポテトというのは日本のサツマイモに近いでしょう。
中味はオレンジ色で味も食感も全く違います。甘くなく、どんなに時間をかけて調理しても日本のサツマイモのようにほくほくねっとりすることはありません。
それにしても、ニンジンでも玉ねぎでもジャガイモでももちろん牛肉でもなく、サツマイモ(に似た根菜)がメインの日本風カレーなんて!







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ベーカウェルに行って帰ったその後にスーパーで見つけてさっそく食べた出来合いベーカウェル・タート、けっこういける

2019年05月27日 09時00分00秒 | 英国のお菓子とデザート
今日は、バンク・ホリデー・マンデー bank holiday Monday 、「銀行休日」と和訳されることが多いようですが、銀行だけではなく全国上げての休日です。



今日の話題は全く関係のない、ベーカウェル・タート Bakewell tart(上の写真)。

一昨日の、ピーク・ディストリクトの古いマーケットタウン、ベーカウェル bakewell を訪ねて、ベーカウェル・タートを買ってきた話題の記事のリンクです☟

駆け足のベーカウェル見物、教会とパブと早じまいの商店街のベーカリーでやっぱり買ったおなじみの....


かなりの部分を書き直しましたので、読んでくださった方もう一度読んでくださるとうれしいです。

昨日、スーパー、セインズベリーで買ってきた、出来合いベーカウェル・タート。


350グラム、(直径18センチ)4人で食べられるサイズです。私たち3人で食後のデザートに食べきりましたが。
2ポンド75ペンス(382円)ベーカウェルのベーカリーで買った手作りのものよりぐうっとお得です。

一番上の写真は、箱から出したところです。
この後、低温(160度)のオーブンで20分ほど温めます。

オーブンから出したところです。


あまり変わり映えしない.....?
ええ、まあ、冷蔵庫から出して室温に戻しただけでも十分おいしいはずですが。

アルミの入れ物から出して、ベーキングトレイに載せて温めるべきだったのですが、うっかりこのままオーブンに入れてしまいました!

うちの夫のアルミ皿取り除きひっくり返し秘術;ケーキ皿をかぶせて....


ひっくり返してアルミ皿を外す!


またまたひっくり返して今度はまな板に。

息子がとんでもない形に切って取ったため...


修正の要あり。


私の取り分にくさび型の切込みがあります。


ラズベリー・ヨーグルトを添えました。


みっともない切込みを隠して食べる。

温めたケーキ類に乳製品の添え物は不可欠です。
本当はウィップト・クリーム(生クリーム)かダブル・クリーム、カスタード・クリームがあるとよかったのですが。

工場製の出来合いですが、じゅうぶんおいしかったですよ!
バターの香りたっぷりのショートクラストに詰め込んだアーモンドペーストはねっとり、しっとり。
上に散らしたアーモンドのフレークは香ばしくサクサク。

けっこう厚いラズベリージャムの層が甘さをいや増しています。


ラズベリー・ペーストが混ざったヨーグルトの添え物は余分だったかもしれません。

ベーカウェル・タートはとってもイギリスらしいお菓子です。
イギリスの町のティールームで見つけたらぜひお試しください。
食後のプディング(=デザート)として出しているパブもあります。

ベーカウェル発祥であることを確認されているベーカウェル・プディング Bakewell pudding からインスピレーションを得て、イギリスのどこか他の場所で作られ始めたらしいこのベーカウェル・タート、比較的新しいお菓子です。

ベーカウェル・プディングとの共通点はアーモンドクリームとカスタードを混ぜたフランジパンが使われているということ。
見た目は全く違います。

あまり知られていない、今では忘れられたお菓子、ベーカウェル・プディングをぜひ食べてみなくては!
またそのうちベーカウェルに行って(目当てはもちろん家畜の競売!!!)閉まる前に「ベーカウェル・プディング専門店」に寄ってみるつもりです。

簡単な解説を載せたずいぶん前のストックポート日報の記事のリンクです。☟

人気のお菓子、ベーカウェル・タート、チェリーがあるとかわいさ倍増、限定販売入浴剤もあり


アイシングでトップを覆ったチェリー・ベーカウェル・タート。


真っ赤なグラッセ・チェリーが鮮やかでかわいい!




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アスダのノーム、再び快進撃!夏のイメージ促進中!

2019年05月26日 09時00分00秒 | 英国ってハズカシイ!
もうすっかりおなじみ! 全国展開の庶民派スーパーマーケット、アスダのオリジナル・ガーデン・ノームです。



ガーデン・ノームはイギリスでは夏の季語といっていいでしょう!

もちろん夏だけではなく、紅葉の季節にも雪が降ってもふぶいても一年中庭にいるのにどうしてだろう、と思いますよね。

しかもフェルトのとんがり帽に分厚いウールのコートに長靴できめた古典的なノームのもともとの服装は暑苦しそうですし....

一番上の写真はイースターごろに撮りました。
アスダのストックポートタウンセンター店のエスカレーターを上がったところの窓際にずらっと並ぶおなじみの歓迎ディスプレイ(もちろん売り物)です。
中央三体は春の時期限定テーマ、ヒヨコの仮装をした少年ノームはイースター・エッグが入ったかごを持っています。


植木鉢カバー。


イギリスではそもそもガーデニング=夏のイメージが強烈なのです。そして、ガーデニング=庭=ノーム!

日本では酷暑の夏に庭仕事、屋外で季節を満喫、のイメージはないかもしれません。

イギリスの真夏の気温は日本の初夏程度で湿度が低く過ごしやすく、また日照時間が非常に長いので屋外ですごすのが季節の楽しみの一つなのです。
まるで日本の春のように満開の花の季節でもあります。

イギリスの冬は日照時間が極端に短く雨続きなので、夏に屋外アクティビティを貪欲に楽しもうとする執念はその反動かもしれません。
長ーい冬が明けて春が来れば、「さあ夏だ!!」と待ちきれない気持ちになるのです。


春の終わりごろから始まった夏の準備キャンペーン....
夏に向けてのワクワク感をガーデン・ノームで盛り上げようというスーパーの戦略のようです。

ドリンクの特売と、(右側)折り畳み式の持ち運びできるバーベキューのディスプレイで夏のレジャーをプロモートするノーム一家。


勝手に一家に仕立ててありますが、お母さん役がエプロンをつけた若い主婦ノームで、父ノームが白ひげのたいそうなおじいさんなのが気になります。
(暑苦しい伝統衣装を着た古典派ノーム、手には何か書き込める黒板を持っています)

もともとは地下に住む庭妖精のノームには妻も子供もいないはず....それはともかく、サッカーボールを持っている子ノームはスカートをはいた女の子だということに注目です。

とにかくなにがなんでも人目を引く目的なのか無作為に並べられたノームたち。


無作為でも背の順で、見た目がけっこう整っていますね。
右奥にエスカレーターを上がったところの窓際に並ぶノーム達も写っています。

ガーデン・ファニチャーの前でイギリス人の夏の楽しみ(屋外の食事、寝そべってできるだけ肌の多くの部分を太陽の熱にさらす)をプロモートしています。

園芸用品売り場にとどまることなく、特設売り場でプロモーションに励む商売熱心なノーム達!

「もらったら 一番イヤなのはどれ?」というくだらない会話に夫はのってくれません。
「どれもこれも比較できないぐらい同等にイヤ」なのだそうです。
転居祝いや引っ越し祝いに、あるいはジョークのわかるひとにいやがらせプレゼントにいかがでしょうか。

園芸用品売り場の通路でジャマになっているお年寄りティ―ダンスカップル。


ノームのシンボルの白ひげ、とんがり帽子、ブーツがなければガーデン・ノームとは言えません。コスプレしているのも含め、ただのずんぐりむっくりフィギュアです!
まあ、いいか。少なくともアスダ常連客の間ではこのクローン増殖的な不気味顔がガーデン・ノームとして定着してきているようです。




アスダのガーデン・ノームシリーズ連載第一回目の記事のリンクを貼りました。☟ガーデン・ノームの基礎知識について書いてあります。

ガーデン・ノームによる販促・客引き、効果なし?スーパーマーケット オリジナルの薄気味悪い季節限定バージョン
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駆け足のベーカウェル見物、教会とパブと早じまいの商店街のベーカリーでやっぱり買ったおなじみの....

2019年05月24日 09時00分00秒 | ピーク・ディストリクト
ピークディストリクトの古いマーケット・タウン、ベーカウェル Bekewell について ちょっと書きます。


車を駐車させてもらって(有料)、ついでにウシの競売まで見物させてもらった農業振興センターのすぐ裏側の川を渡ると、もうタウンセンターです。

橋の手すりには、橋が重さで落ちるんじゃないかと思うほどたくさんの錠前がすき間なく下がっていました。(上の写真)
ピークディストリクトの地味な町で恋人同士のロマンチックなおまじないを見かけて、ちょっとびっくり。

町の中心で適当に選んだパブで食事をしました。


レッド・ライオン Red Lion, イギリスの古い町にはたいていこの名前のついた古いパブがあります。

ガラガラです。


内装が昔のパブのレトロな雰囲気をよく残していて合格です。
階段を上がったところにある「レストラン」パートはファミリーレストランのように明るい雰囲気に改装されていて、ちょっと興ざめ。

エール&ステーキ・パイは最高においしかったです。


エール(イギリス伝統のビール)でじっくり煮込んだ地元産の牛肉は柔らかく、ホロホロ、トロトロでした。

オープン・マーケットが開催されている日でした。
農業振興センターから町に出る時に(おなかが空いていたので)ろくに見ずに通りすぎてきました。
写真も撮りませんでした。

家畜の競売日と「市の立つ日」は田舎のマーケット・タウンではセットになっているんですね。

昔から近辺の田舎から売り物の家畜を連れて町に出てきたお百姓さんが月に一度、町でお買い物をする日だったはずです。

どこに住んでいても 車でいつでも町に出てこられる今と違って、競売があり市の立つ日のかつての町やパブは今と比較にならないほどにぎわったことでしょう。

私がウェッブサイトで見て、行ってみたいと思ったのは古い教会です。

坂だらけの町の丘の中ほどにある、オール・セインツ・チャーチ All Saint's Church 。


驚きのアングロ・サクソン時代(5世紀初めから1066年まで)の建築!!第一級保存指定建築!!!

あー、…といっても、12世紀から13世紀にかけて建て替えられています。それでも充分古い!

境内からの眺めが絶品です。







ノルマン時代(1240年ごろ)の建築がほぼ完ぺきに残っている内陣と側廊だそうですがけっこう新しく見えました。



ステンド・グラスと床のタイルはすべて19世紀に作り替えられた「新品」です。

入り口付近にアングロサクソン時代の石の建物部分が雑に展示されていました。


19世紀に部分的に立て直したときに発掘した遺物の一部だそうです。

境内に雨ざらしで立っている文化財、アングロサクソン時代(800年ごろ)の十字架の上の部分。


うずまき模様はキリスト教関係の古い装飾では おなじみの ブドウの蔓ですが、その上の得体のしれない動物はブドウを食べているリスだとか。

しっぽが違う!いや、身体も、何もかも!!ピューマかと思った....
古代の(キリスト教以前の)宗教ではリスは神と人間世界を結ぶお使いとされていたそうです。

ちょん切れている上の部分はウマにのる神だということ.....いいのかなぁ、キリスト教の神様はウマになんかのらないと思うのですが。
第一、人間の姿なんかしていてはいけないはずです。とにかくいろいろ罰当たり。

この辺り(個人の礼拝堂=チャペル)は19世紀の増築部分のようですが、古そうな(14世紀の有名な戦いで戦死した地元の英雄らしいです)騎士夫婦の石棺とか.....


(夫を挟んで妻二人!最初の奥さんが亡くなって再婚したみたいですね)

教会に多額の寄付をしたパトロン(寄進者)が一家総出でレリーフ像として善行をひけらかしている壁面がありました。


16世紀ごろの人達みたいです。
このタイプのパトロンと家族モニュメントはヨーロッパ中の教会に残っているらしいのですが実物を見たのは初めてです。

中段左端には自分では立っているのが無理そうな赤ちゃんまで台の上に立っていることにして参加しています。


この、小さい窓から教会の礼拝に参加している1376年の大理石の肖像彫刻はものすごく貴重なものだそうです。


この時代に各地でたくさん作られたものの一つらしいのですが現存しているのはヨーロッパ中でこれとほかに一つあるのみ、だとか。

以上、教会内に置いてあったパンフレットを読んで判別したにわか知識です。


さて、ベーカウェルといえば......


イギリス中に名前の知られたベーカウェル・タート Bakewell tart!
ストックポート日報 でも2回取り上げました。(リンクは一番下に貼りました)

ベーカウェルが実際に発祥地として知られているのは実はベーカウェイ・タート ではなく、この☟ベーカウェル・プディング Bakewell pudding なのです。


よそのベーカリーのウェッブサイトから勝手に借りた写真です☝

おなじみ大手ケーキ/製菓会社ミスター・キップリング社が売り出して大人気のベーカウェル・タートは全くの別物なのですが、プディングと同様 アーモンドのペーストが使われているので、ベーカウェルの名前が付いた、というのが定説らしいのです。

ベーカウェルの表通りで....「本家」をなのるベーカウェル・プディングの専門店もすでに閉まっていました(売り切れ次第 閉める店はけっこうたくさんあります)ので、タートとプディングどちらも売っている他のティールームを探しました。

最初にウシの競売なんか見ていたせいで教会から町の中心に下りてきたころは4時過ぎ、どこも閉まりかけていました。
(町中、店じまいが早いですね。まだ日は高く、マーケットの日だったこともあり、町には観光客や買い物客がまだ大勢歩いていたのですが)

ベーカウェル・タートを看板にあげるティールームが開いていたので入りました。
ところが 奥のティールームの部分は閉店準備中。掃除を始めていましたが表のベーカリー(パイ売り場)はまだ営業中でした。

ベーカウェルで売られている「本場の」ベーカウェル・タート、中型(3~4人分)が4ポンド70ペンス (651 円)はかなり高いですね。
それでも記念に買いました!

アーモンドの香りたっぷりのフランジパンにかぶせた真っ白なアイシング、その上に真っ赤なグラッセ・チェリーが載った色鮮やかなかわいいイメージがベーカウェル・タートとして現在よく知られています。




ところが実は、ベーカウェル・タートといえば昔から アーモンドの粉、あるいはフレークをたっぷり上に散らして焼き上げたパイ/タートのことなのです。


食べたことのない「プディング」ではなく「タート」を買ったのは息子の大好物だからです。

息子が好きなアイシングのかわいいバージョンではなく、アーモンドのフレーク散らしバージョンを買ったのは昔からある懐かしの本格派を息子に食べさせたいと夫が言ったから。

びっくりするほどおいしかったのです!
甘くてくどいのは予想通り....香ばしいアーモンドのサクサクした舌触りとしっとりさっくりした厚いパイ皮の組み合わせが絶妙でした。
7ポンド出して大きいのを買ってくればよかったと思ったほどです。

次に競売見物に行った時、また買ってくる約束を息子としました。


かわいい!イギリス伝統の焼き菓子、新シリーズ化決定!

人気のお菓子、ベーカウェル・タート、チェリーがあるとかわいさ倍増、限定販売入浴剤もあり


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キンポウゲの咲き乱れる美しい丘陵地の放牧場でわざわざ来訪者を見に来るウシの限りのない好奇心!

2019年05月23日 09時00分00秒 | ピーク・ディストリクト
またウシの話題です。(すきなんです!!)


ピークディストリクトの古いマーケット・タウン、ベーカウェル Bekewell をからの帰途、上り下りの激しい美しい丘陵地に出ました。
ビュー・ポイントらしく、車をとめるスペースと、スタイルがあります。
スタイルは野原を抜ける公道に人を通すための垣根に設けられた仕掛けです。踏み段、互い違いに開け閉めできるゲートなど、家畜は通れないように工夫が凝らされています。

車をとめて、寄り道。

絶景。




渓谷を見下ろすスポットなのです。
それよりも私にとって興味深いのは、渓谷に向かって右手の、はるか向こうのなだらかな丘の途中に集まっているウシ!

塀沿いに歩いていけるのですが、サンダルばきでイラクサが茂る草地を歩くのはちょっと無理。
靴は車の中に脱ぎ捨ててきました。暑かったので。

そうしたら......


上の写真の左手前に写っている木をめぐる石垣の向こうでミーティングをしていたらしいチョコレート色のウシが私を見つけたらしく、遠くからはるばるタッタッタッ、という足取りでこっちに向かってきてくれました!!



さらにまた2頭!


結局1頭はなぜか、途中で引き返し、そばに来たのは最初に来たチョコレート色とモルト(小麦)色の2頭のみ。


モルトはどうやら水が飲みたかったらしいのです。

モルトがびちゃびちゃ音を立てて水を飲んでいる間、チョコレートは目の前でガシガシ音を立てて草を食べていました。


うーん、残念ながらさわれる距離には近づいてくれませんでした。

水を飲み終わったモルトは興味深げに私をしばらく見つめて.....(一番上の写真)

...行っちゃいました。


チョコレートも後を追って、なだらかな丘の途中のミーティングに戻ったようです。


何だったんだろう、何しにわざわざこっちまで来たんだろう?
ウシの好奇心は計り知れないですね。

満足した私たちは車に戻りました。


もう一台停まった車からでてきた若いカップルが眺望を楽しむために入れ違いに塀の中に入ってきました。

この二人はウシには興味がないようでした。
ウシたちも、もうこの人たちに会うためにもう一度やってくることはありませんでした。

ベーカウェルとベーカウェルの名前についてはどうしたんだって?
それは次回に。


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ピークディストリクトの古いマーケットタウン、ベーカウェルでこれがまさかの感激の好機!!家畜の競りに潜入見物!!!

2019年05月21日 22時48分17秒 | ピーク・ディストリクト
月曜日に、ピークディストリクトの古いマーケット・タウン、ベーカウェル Bakewell に行きました。


ベーカウェル....聞いたことがあると思われた方もいるでしょう。ストックポート日報に何回か出てきた名前です。(後述します)

そういえば、町の写真を撮りませんでした。

黄色っぽい古い建物が坂だらけの町にぎちぎちと並ぶピークディストリクトらしい町。
行ったことがなかったので、思い切って車で出かけてみたのです。

天気がよかったので、人でいっぱい。
町の裏側の広い駐車場に車をとめてみたら、様子がヘン....


家畜運搬用のカートがいっぱいとめられています。

夫が街の散策前にトイレを借りるために寄ったこの建物が....


ダービシャーの農業振興センター本部 Bakewell Agricultural Business Centre だったのです!

そしてこの日は何百年もこの地で開催されているという、家畜(ライブ・ストック live stock)の週ごとの競売が開催されているとのこと!!


建物の裏側にいくつもある、家畜の競売リングのひとつを勝手に見学することにしました。

私が見逃すわけがないでしょう!?



ウシ!の競売をやっていました!


感激で目が潤みました!

実は一般人が入っていいのかどうかもよくわからなかったのですが「畜産農家の身分証明書を提示せよ」とも言われず、勝手に出入りできました。


私は家畜の日向くさいにおい、ケモノくさいにおいが大好きなのですが.....
競売リング内のにおいは特殊でした。

敷き藁にしみ込んだ家畜のおしっこのにおいは鼻だけではなく目にもつんと来る強烈さ。
しばらくいると慣れてきましたが。



オークショニアー(競りを仕切る人達)が座る中央ボックスのむかって左側の通路から売り物のウシ(一頭だったり数頭一緒だったり)が駆り出されて真ん中のリングに出ると、金属の扉がガキーンと耳障りな音を立てて閉まります。

怯えたウシがオロオロするのをスタッフが棒でちょんちょんつついて右側の出口に追い立てます。

2~30秒のうちにあわただしく入退場するウシ、ファッションショーのモデルみたい。
ちゃんと競りが進行しているからびっくりです。ほんの数秒のうちに競り値が決定。

あんまり素早くて誰が反応しているのか誰の手に落ちたのかさっぱりついていけません。

時間を無駄にできないのと、おそらくは慣れない場所で怯えるライブストックたちをできるだけ興奮させない配慮もあってのあわただしさだと思います。

リングの周りにぐるっと陣取った年配ファーマーたちが主な買い手のようです。


バーのような台に広げた目録のコピーみたいなのにチェックを入れながら真剣に競っています。
見るべきところや売り物の価値をよくわかっているようで、決断の速さは特筆もの。

3連ハゲ頭はもちろん意図して撮りました。

立派な雄ウシ一頭が800ポンドぐらい。安い中古車ぐらいの値段でしょうか。

欲しい!
競りに参加したくてうずうずしました。

(競るにはおそらく事前の登録が必要でしょう)

連れて帰っても飼う場所がありませんが。自家用車にのせて帰るのも無理そうですし。



夫は、立つな!目立つな!手を伸ばして写真を撮るな!興奮するな!とすごく気を使っていました。
真剣に仕事をしている場で物見遊山に入り込んでいる引け目があったのです。

でも、ほんとうに誰が見物してもかまわないようです(ジャマしなければ)。

上の方の席に座っている人たちの多くは、競る気もなく気楽に見物しているように見えました。目録みたいなのを持っていません。
まあ、私たちとは違って出品者か競売参加者の家族か少なくとも農業関係者みたいには見えましたが。

上階のトップ・ギャラリーにあがって見下ろします。


左側がウシの退場門です。
オークショニアーと関係者が飲んでいる紅茶の量に驚く。
そもそも、慣れたとはいえ動物のおしっこくさい場所でよく紅茶がのめるものだと驚く。

リングの反対側には窓が並んでいて、下のだだっ広い空間には売り物のウシがいっぱい待機しているのが見下ろせます。


緑のツナギを着たスタッフに追い立てられて真ん中の通路に出ているのは次にリングに出るウシです。


左側の大柄ブチウシはこれから競りに出るために入場待機準備中、左側の通路でこちらにお尻を向けているのは買い手がついて退場してきたウシです。


買い手がついたウシたちは左側に集められてかたまっています。


仲間と一緒で落ち着いているようでホッとしました。

この日私たちが一時間も見物した競売パートは若い子ウシも含めて雄ウシばかりでした。
買い取られた農場で(されることもなく)タネウシとして子孫を増やす業務に励んで安楽な生涯を送るでしょう。
とにかく、そうあってほしいものです。

車をとめたのがそんなものがあるとは予想もしていなかった農業振興センターの駐車場で、おまけにウシの競売日だったラッキ―な偶然に大感謝です!!

ヒツジやブタの競売もぜひのぞいてみたいものです!
ウェッブサイトで日程を調べました


会場外にファーマー向けのファッションやアクセサリー・グッズを売っている露店が並んでいました!


ゴム長やツナギなど作業着の出店もありましたが、この店は、田舎紳士好みのシックなチェックのシャツ、農業品評会などの礼服(らしい)ツイードのチョッキやブレイシーズ(ズボン吊り)、孫に着せたい(?)トラクターのアップリケつき子供用トレイナーなど、いかにも!な まるでイギリスの田舎を舞台にしたドラマの衣装のようなセンスの品ぞろえで笑えました。

ベーカウェルの街中の話題は次回に.....
ベーカウェルの名前についてもその時に。


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ウシだけではない!動物にさわって心を癒すピークディストリクト散策療法、ヒツジまで!

2019年05月20日 23時05分53秒 | ピーク・ディストリクト
昨日の続きです。


昨日の記事のリンクを貼りました☟。

おなじみバクストンの景勝地、丘の上のものみの塔と地理学の神秘現象そばでアニマル・スポッティング

昨日の記事には過去の記事のリンクがいっぱいです。
よかったら、ひとつひとつ開けてみて、私の大好きなバクストン Buxton 郊外のグリンロウ・ヒル Grinlow Hill(知る人ぞ知る景勝のポイント、ニセ城郭の塔、ソロモンズ・テンプル Solomon's Temple があります)周辺の美しい景観、奇景について読んでみてください。

ウシの囲いの絶景スポット前を通り抜けて、子ヒツジと母ヒツジの密集地に足を踏み入れます。


高い丘のてっぺんの狭いスペースタイヤをつるしたスリル満点絶景ブランコ....


子ヒツジの遊具ではありません。ここの農家の子供が遊ぶためのものでしょうね。

もちろん私たちの姿を見てヒツジたちはパッといっせいに逃げました。
べへへべへへ~とたいへんな騒ぎでした。

つきあたりの丘の頂上には別の農地らしい、広大な囲いがあって、やはりヒツジの数家族がのんびりくつろいでいました。


石をぎっちりと積んだドライ・ストーン・ウォールというイギリス北部の伝統的な塀です。
苔むしていてかなり古そうです。さわるとちょっぴりガタガタしていました。

囲いの中のヒツジたちは外のヒツジたちほど神経質で臆病ではありません。

それでも塀のそばにいるヒツジは人が近づくのを見るや否やさっと内側に移動します。

一番上の写真も同じ場所で(ほぼ同じヒツジを)撮りました。

ヒツジたちのいる牧場のずうっと向こうにはソロモンズ・テンプルが見えています。



「ウシのいる景観スポット」のある農家の裏側にまわります。


上の写真のたてものの左側が「ウシのいる景観スポット」です。

心配はいりません。
この農地を抜ける小道はハイカーや一般の通行者のために開放されている公道=パブリック・フット・パスなのです。

ソロモンズ・テンプルをめぐる景勝ハイキングコースに組み込まれたルートの一部です。


いたいた、子ウシを含むウシの数家族!!


ちょっと高いところから見下ろしていると次々と好奇心旺盛なウシが下に集まってきます。

大きな金属の樽(?)から突き出たパイプ(?)か何かのフタがわり(?)にゴム長靴がかぶせてありました。


下まで降りて同じ高さで見る!


やっぱり寄ってくるウシ!
かわいい!

ウシを見ている夫の背後からそっと近寄るヒツジ....


後ろで様子をうかがうもう一頭。

ひざの後ろ側にそっと鼻を押し付けてきました。


それどころか、頭と首の周りをそっと撫でても嫌がりません。




放牧されているびくびくヒツジと見た目も違う....どことなくがっしり、どっしり。

雄ヒツジだったんですね。


後ろの車の助手席で一部始終をしっかり見ていた牧羊犬が私たちに向かってわんわんほえたてています。



ウシ、それに今回はヒツジにまでさわれて大満足。
ウシのいる「景観スポット」をまた通ってもと来た道を戻ります。


目指すは丘の上のソロモンズ・テンプル。


車を駐車したのは丘の反対側です。

石灰の溶けだす妖しい小川そばでヒツジの親子を発見、水を飲んでも大丈夫なのか気になるところです。

蹄の跡がくっきりの足跡、発見。


頂上近くで、ひとなつこいウマまでおさわりしました。


丘のふもとにある乗馬クラブのウマが数頭、急こう配の斜面の頂上近くで放牧されていました。

特に私たちに関心を示して柵の内側を一緒にぽくぽくついてきたのがこのグレーの斑点のある美しい白馬。




散歩に来ているたくさんのよその飼い犬までさわらせてもらいました。

動物にさわって体温を感じる体験っていいですね。私はにおいまで好きです。
月並みな表現で恐縮ですが、本当に心が癒される気がします。









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おなじみバクストンの景勝地、丘の上のものみの塔と地理学の神秘現象そばでアニマル・スポッティング

2019年05月19日 09時00分00秒 | ピーク・ディストリクト
先週の木曜日、ピークディストリクトのバクストン Buxton 郊外にハイキングに行きました。


自宅から車で25分、気軽な散策です。

また!グリンロウ・ヒル Grinlow Hill のソロモンズ・テンプル Solomon's Temple が出発点。


ソロモンズ・テンプルに関する一番最近の関連記事のリンクです☟

バクストンの町はずれ、ピークディストリクトの壮大な景勝地にたつお城の天守閣、ソロモンズ・テンプル

ソロモンの神殿、立派なのは名前だけ...それでも素晴らしい屋上からの眺望


ソロモンズ・テンプルのある丘の下にあるキャンプ場/無料の駐車場に車を停めました。

今回の目的地は4年前に通りかかった時に子ウシをたくさん見かけた絶景スポット....

ピークディストリクト カテゴリー最初の記事のリンクです。☟

ピーク・ディストリクトを歩く、ソロモンズ・テンプルがもう、見えています・


今回も子ウシがいる保証はないのですが、あたり一帯は牛の放牧地なのです。

ウシ好きな夫と私が目指して歩く価値は十分あるはずのハイキングです。


まず丘の頂上に上がって、お馴染みのソロモンズ・テンプルを目指します。
p




グリンロウ・ヒルに行ったからにはソロモンズ・テンプルに上がらなきゃ。

てっぺんからの眺めです。






目指す「子ウシ スポット」は上の写真に写っているアルカリ・ラグーン(命名;私)を見下ろす高い丘の上の農地なはずなのです。
ピークディストリクト有数の奇観、地理学の神秘....いえ、ただの石灰精製過程でできた沈殿物を200年近くにわたって廃棄し続けてきた産業廃棄物処理の素朴な歴史の置き土産....なのですが、詳しく書いた以前の記事をぜひ読んでください。リンクです☟

自然の神秘か?違う!遠い昔の産業廃棄物が作り出すやっぱり不思議な自然の景観、ピークディストリクトの奇観再び


ピークディストリクトの奇観!雄大な自然に溶け込む産業廃棄物だまり、高アルカリ性のモクモク硬めのメレンゲ!


ピークディストリクトの奇観!一見澄んだ小川の水はやはり怪しい高アルカリ濃度?雄大な自然の中の環境破壊現象か

アルカリ・ラグーン探訪(リンクを貼った☝前回の記事参照)の時に歩いた農地(パブリック・フット・パス=ハイカーに公道として開放されている小道が通っています)にまた戻ってきました。


石灰が溶け込んだ不気味な小川があいかわらずチョロチョロさわやかな音を立てて流れていました。


今回はそこら中、放牧されているヒツジだらけ!!


おっと、言い忘れていました。
今回の記事のメインは動物スポッティング!です。

まず、ヒツジ。
子ヒツジを連れた母ヒツジはとっても臆病です。


人がかなりすぐそばまで近づくのを放心したかのように親子でじいっと見つめ、いよいよ距離を詰めてからパッとはじかれたように跳んで逃げるのはみな同じ。

なぜかそばに子ヒツジのいない、たぶん見張り番ヒツジ?




直線で登れば大変な急こう配ですが、道はなだらかに湾曲して丘の頂上に続きます。


丘のてっぺん近くから見下ろすアルカリ・ラグーン、やっぱりすごい眺めです。





目指す牧場が見えてきた!






ああぁ....いた、ウシ!!


感激です。



前回黒っぽい子ウシでいっぱいだったこの絶景スポットの囲いの中には大人の牝ウシしかいません。でも、うれしい。ウシをこんなに近くで見られて!!


イギリスの農場のウシはみな人懐っこくて、好奇心旺盛です。





お尻を私に向けて囲いに押し付けてくる牝牛のしっぽの付け根を爪でカリカリ掻いてやりました。


おなかの横幅がぐっと広いこのウシ、どうやらおなかに赤ちゃんがいるようです。

よーっぽど気持ちがよかったのか身体を掻くリズムに合わせて左右にゆっくりゆすります。



牛舎横の通路奥には子ヒツジがいて、こわごわこっちを見ています。


ヒツジたちは丘の上から下まで放牧地の中を自由にうろつくことができるようです。
ウシとも友達付き合いがあるのかもしれませんね。

奥のヒツジの放牧場沿いに、牛舎のある農場をぐるっとまわってみることにします。

続きは明日。
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辱めを受けた偉人のその後.....威厳を取り戻した姿を臨むカフェの窓

2019年05月18日 23時29分56秒 | 英国ってハズカシイ!
地元の英雄、19世紀の国会議員、リチャード・コブデンの銅像が見えるカフェで食事をしました。


はい、先週の記事のリンクです☟。

郷土の誇り、地元選出の国会議員、地元での尊敬の念はいまひとつか?若者に親しまれる堂々たる銅像

ロードコーンをかぶせられ、ビールの空き缶を持たされた手には靴下まではかされ(もう片方の靴下はちゃんと地面の台座の前に置かれていました)、ズボンには怪しげなバッテンマークのスティッカーまで張られたコブデン像の写真を撮った2日後の写真です。
いつの間にかスッキリもとの姿に戻っていました。

さすがお役所、仕事が早い。
カフェの背中合わせのすぐ裏がいくつもの建物に分かれている市庁舎分館です。

セント・ピーターズ・スクエアに面したカフェの名前はずばり、Cafe on the Square 。

カフェにはものすごく大きな鏡があります。


こんな大きな鏡は今まで見たことがないのですが直線がかすかに湾曲して写ります。
もしかしたらガラスではない?

読み応えのある記事を予定していたのですが、昨日今日と忙しくしていて、写真の整理をする時間がなかったので急遽、「事後報告」記事に変更です。
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晴天の日、駐車されている車のそれぞれが青空と雲、太陽に教会の時計塔まで持っている屋上の駐車場

2019年05月17日 09時00分00秒 | 英国の、生活のひとコマ
昨日もまた晴れでした。



ストックポートのスーパーマーケット、おなじみのアスダ Asda に一週間分の買い物をしに行きました。

車を屋上駐車場に停めました。
頭上は雲が白く鮮やかに浮かび上がる抜けるような青空!

となりに停めてある車のバックスクリーンにも小さな空がある!雲まで浮かんでいるのを発見。

マーケット・スクエア Market Square の中世の教会、セイント・メアリーズ・チャーチ Saint Mary's Church まで写しこんでいます。


(雲の上には駐車場に立つ女性のお尻が.....)

アスダを挟んだ反対側には高層住宅群が見えます。


別の車のバックスクリーンには雲間から覗く太陽の光が線状に写っていました。


(ついでに私のシルエットも....)



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不揃いなタマゴたち(色黒ずん胴濃淡大小取り混ぜパック入り)

2019年05月16日 09時00分00秒 | 英国の、生活のひとコマ

先週スーパーマーケットのアスダ Asda で購入した、フリー・レンジ・エッグ free range eggs (放し飼いにされたニワトリが産んだタマゴ)、1ダース入りのパックです。


タマゴの箱が日本のように透明のプラスチックではないここイギリスでは、必ずふたを開けて、割れた卵がないか売り場で確認します。

イギリスで市場に出回っているタマゴは濃淡はあってもすべてベージュ/キャラメル色です。。
売り場にあった箱を次々と開けてみましたがこの日は殻の色の濃い、形の不揃いな卵が詰まった箱がなぜか多かったのです!




イギリスでは「フリー・レンジ」の市場でのシェアは現在50パーセント強もあるそうです。
多少割高でもニワトリの住環境と厚生を考えて選ぶ人が増えているようです!

と思っていたら.....

フリー・レンジの定義はけっこうあいまいでした!
「放し飼い」といえば広い草地でミミズを掘ったり木陰で休んだり砂浴びをしたり....ニワトリの天国を思い浮かべますよね。
今 調べてみたら、フリー・レンジは 必ずしも そういう意味ではないのだそうな。

そんな牧歌的な飼い方を保証しているのは市場5%以下を占めるオーガニック・エッグ organic eggs のラベルがつけられたとりわけ高価な卵のみだとか。

屋外に出られるように日中解放された扉が設けられている、大きな鶏舎で飼育されているニワトリが「フリー・レンジ・チキン(放し飼いにニワトリ)」の定義だそうです!
イギリス人でも知らない人は多いと思います。

バーン・エッグ barn eggs という、フリー・レンジより少し安い比較的自由に動き回れるスペースを確保した鶏舎(バーン)で飼われている、一生涯 屋外に出ることを許されないニワトリの産んだタマゴも売られています。


一番安いのはもちろん評判の悪いケージド・エッグ caged eggs です 。
檻(ケージ)で飼われているニワトリの産んだタマゴです。

EU加盟国は2012年に 身動きできないほど狭い檻(バテリー・ケージ babttery cage )で鶏卵用ニワトリを飼うのを禁止しました。


現在は、「コロニー・ケージ colony cage」(等)と呼ばれている、ある程度広さに余裕のある檻で飼われているニワトリの産んだタマゴがケージド・エッグと呼ばれています。
動物が幸福に生きる権利をもつことを主張する人たちは「広くなっても檻は檻だ」と強く非難していますし、彼らのキャンペーンが功を奏して、激安のケージド・エッグを買うのがひどく後ろめたい風潮です。

が....やはり、需要はあるんですね。庶民的スーパー、アスダでは4分の1ほどスペースが割かれています。

イギリスではケージ飼いそのものを禁止する方向に動いています。

先がとんがっていないずん胴タマゴが混ざっていました。


産むときに痛そう。

昨日、アスダに行って買ってきたフリーレンジ・エッグ1ダースはごく普通の、濃淡にもあまり変わりのないベージュのタマゴばかりが入っていました。

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郷土の誇り、地元選出の国会議員、地元での尊敬の念はいまひとつか?若者に親しまれる堂々たる銅像

2019年05月15日 09時00分00秒 | 英国ってハズカシイ!
リチャード・コブデン Richard Cobden (1804~1865)。


ストックポート選出の19世紀の国会議員です。
穀物法の撤廃(1864年)に尽力した、自由貿易主義者、郷土の英雄的存在なのです。

といっても、出身地はイギリス南部のサセックスです。イギリス北東部ヨークシャーで学校教育を受け、ビジネスの基盤を築いたのはロンドン、資本家として名を成し、穀物法撤廃を訴える有名な演説をしたのはマンチェスター、亡くなったのはロンドン.....というわけで各地に「郷土の英雄/名士」として像が建てられているようなのです。

特に、マンチェスターのセント・アンズ・スクエア Saint Ann's Square のコブデン像は有名です。
コブデン像の足もとから広がるマンチェスターテロの犠牲者に捧げる広大な花束の海の写真が世界中に配信されたことは記憶に新しいですね。

国内の小麦生産者(主に南部の大規模農場経営者)を手厚く保護するために海外からの小麦粉輸入に高い関税をかける穀物法はパンの値段を吊り上げ、(特に北部の)工場労働者を苦しめていたそうです。

(この話は以前にもだらだら書きましたね、ストックポート日報 連載開始直後の記事を見つけました。リンクを下に貼りましたので、もしよかったら、見てください)



このコブデン像は1882年からこのセント・ピーターズ・スクエア Saint Peter's Square にあります。
かつては道路を向いてもう少し内側にあったのですが、2007年にほんの少し道路寄りに移動、道行く人にお尻を向けるように角度が変えられました。

セント・ピーターズ・スクエア はスケートボードを楽しむスケーターたちのたまり場になっています。



ここ数日、晴天続きです。
といっても上半身裸になるほど気温が高かったわけではないのですが。
....日がさせば肌を日光にさらさなくてはいけない強迫観念にさらされる、あるいは単にもったいない気がするのはイギリス人(白人)のDNA に刷り込まれた本能なんですね。
気温とはほとんど無関係に、晴天の日にはできるだけ薄着でできるだけ長く屋外にとどまろうとする本能を誰もとどめることはできません。


だいぶ前に撮ったコブデン像のまともな写真を見つけました。


偉人の屈辱、これはましなほう

空き瓶とスキー帽を持たされて立つ町の英雄像の見えるカフェ 
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バーミンガムの名物美術館 2、もりだくさんラファエロ前派だけじゃない!の展示企画、私が見たのはごくごく一部

2019年05月14日 09時00分00秒 | イングランド中部

バーミンガム博物館・美術館 Birmingham Museum &Art Gallery についての話題です(昨日の続きです)

後期ラファエロ前派の代表的画家、 エドワード バーン⁼ジョーンズ Edward Burne-Jones はバーミンガム出身だそうです。知りませんでした。


「バーン⁼ジョーンズの間」なるものもあって...地元の英雄扱いですね。
私はあまり好きではありません。

古代風の衣装を身に着けた細身の女性がぼーっとした表情で優雅なポーズをとる耽美的な画風....画集か何かで見たことのある有名な作品が展示室の壁いっぱいにぎっしりかかっています。

ロイヤル・コレクション(王室所有)のレオナルド・ダ・ヴィンチの素描特別展をやっていました。

入退室した人数を数えていて、2人出たら2人いれる入場制限がありました。貴重な展示品の保護と、入館者への配慮のためのようです。

バーン⁼ジョーンズの間で20分ほど並びました。

待っている間、ダ・ヴィンチのテクニックについての学術ビデオを見られるようになっています。

アイデアスケッチのような簡単なものから解剖学図像のような精密なものまでダ・ヴィンチ直筆の素描がいっぱい見られて感激です!
入場制限のおかげで 人の頭に邪魔されたりすることなく、快適にゆったりと見学できました。

両面にびっちり描きこまれた紙の展示品もけっこうたくさんありました。


ガラス板に挟まれ両側から観賞できるようになっています。

めったに写真を撮らないうちの夫が気に入って撮影していたこの一枚....


夫はスマートフォンのホーム画面を船橋市内のデパートで撮ったふなっしーの立て看板から、このダ・ヴィンチの素描の写真に変えました。

新館への渡り廊下にあるカフェで一休みした時に撮った写真です。


Too Cute! 可愛すぎ!という現代作家による、妙に意欲的過ぎて意図不明のインスタレーション特別展に一室割いてありました。
展示場への誘導に、狭い通路の壁両側に表現を思いっきり大げさに豊かにした新「エモジ」デザインの展示がありました。

丸いホールのわきの売店を抜けると...


博物館部門です。


建物が圧巻です。
一階部分のガラスケースの中の展示物を丁寧にみて回りました。バーミンガムを中心にした産業、工芸関係の展示エリアの中二階はパス。

時間があれば、あるいはたびたび来られる場所であればゆっくり見て回ってもよかったかもしれません。

一階の展示物で私の興味を引いた、ラブ・トークン love token のスプーンの傑作例。


ラブ・トークンというのは男性が女性に愛の証におくる品物のことです。婚約指輪も現代に残るその一つの例ですね。
フォークロア・アートでは木彫りのものが多いのです。ひと塊の木を彫りぬいてつながった鎖やみつあみにした綱などを表現する、飾りつきのスプーンが一般的です。

ウェールズでは民芸品として現在でも制作、販売されています。

☝の写真のぶらぶら下がった小さなスプーンも伝統にのっとって、すべて一枚板からの彫り抜き、だと思います。ちょっと、やりすぎ。ひけらかしではないでしょうか。木彫りの技術が高いのはじゅうぶんにわかりました。

バーミンガム美術館/博物館は、今回の特別企画展であるロイヤルコレクションのダ・ヴィンチ素描展を含め、入場無料です。

近くだったらたびたび行きたい充実した美術館です。
(ラファエロ前派の有名な作品がドカッと戻ってきたらまた見にいかなきゃ!)

近頃ご無沙汰の、同規模の市民美術館、マンチェスター美術館 Mancester Art Gallery にも久しぶりに行きたくなりました。
マンチェスター美術館も同時期(19世紀中ごろ)にファッショナブルだったラファエロ前派の充実したコレクションで世界的に有名です。



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バーミンガムの名物美術館 1、呼びもののコレクションが一挙に国外流出、帰国は2年後それでも行った価値はあり

2019年05月13日 09時00分00秒 | イングランド中部

バーミンガム Birmingham 、続きです。


バーミンガム博物館/美術館 Birmingham Museum & Aet Gallery に行きました。
入り口はバーミンガム・カウンシル Birmingham Council 評議会堂(?上の写真)の左横にあります。



入り口正面写真を撮るのを忘れました。

入り口ホールから外の写真を撮りまあした。


階段を上がって.....


丸い部屋を通り抜けて....


各展示室を順番にめぐる配置になっています。

暑がりの私は屋内で上着(綿のコートですが)を着たまま歩き回ることができません。
有料ロッカーに荷物と上着を置いてから見学を開始しました。
投入した1ポンド硬貨が使用後戻ってくる「デポジット」システムではなく、有料というのは珍しいです。

イギリスの他のほとんどの公立美術館や博物館と同様、入館は無料です。
まあ、ロッカー使用料は維持費の寄付と考えれば納得です。

ひとつの展示室を抜けて次の展示室へ移るようになったレイアウトです。



(どちらかというと国際的にはマイナーな)イギリス美術が好きな人たちにとってバーミンガム美術館といえば.....

19世紀半ばイギリスに発生した独自のアート、ラファエロ前派同盟 Pre-Raphaelite Brotherhood の作品の収集で知られる、いわば巡礼の聖地ともいうべき場所なのです。

バーミンガムのラファエロ前派のコレクションは マンチェスター、リバプール、(それともちろんロンドンのテート美術館)と並ぶ充実ぶりです。
いずれも新興の近代工業都市。近代産業ビジネスで蓄積した資産で買い集めた個人のコレクションが美術館の収集のもとになっています。

ビクトリア時代の革新的でおしゃれな美術作品、お金持ちが買い集めて居間などに飾るにはうってつけだったんでしょうね。

当時の画壇の主流であるアカデミズムに反した革新的な作風と、詩や文芸作品の物語をテーマにしたロマンチックな主題で知られています。

日本で書いた卒論にかなりのスペースを割いたラファエロ前派。
バーミンガムのそばに来たからには見ていかなきゃ!...期待にワクワクです。

ラファエロ前派の展示室にあった印象的な作品、みたことがありません。


ジョン・バイアム・ショー作、「Boer War ボーア戦争」。
ショーはラファエロ前派が廃れた後にも画風を継承し続けたただの「フォロアー」で、厳密にはラファエロ前派のメンバーではなかったはずです。
「後期ラファエロ前派」にすら属さなかったはずですが....

戦争未亡人を美しい風景画の中にとらえた感傷的な作品です。
テーマといい、どこもかしこも ちまちま繊細に描きこんである技法といいラファエロ前派そのもの!

ラファエロ前派発生から50年以上たった1901年にはさぞ古臭く見えたことでしょう。

ラファエロ前派のちまちま繊細技法をすぐそばでじっと見るチャンスでした。




展示されていた、もっとも有名なラファエロ前派作品がこれです。


「Last of England (よく知られたこの和訳はどうかと思うのですが...)英国の見納め」。
マンチェスターにゆかりの深いフォード・マードックス・ブラウン Ford Madox Brown のアメリカに移民する若い夫婦の悲哀と誇りを描いた傑作といわれている作品です。

スケッチや小品を含むとラファエロ前派の作品を3,000点ほど所有しているらしい!バーミンガムコレクションの「見ておきたかった!」という高名な作品が見当たりません!!

何ごとか!?と販売されている絵葉書を示して売店の店員にききました。

めぼしい作品はすべて!現在アメリカを巡回しているのだそうです。
バーミンガム美術館は間もなく大改装のため2年間 閉館するとのこと、再開館を待って帰国するらしいです。

う!う~ん、
開館時間等を調べるためにアクセスしたウェッブサイトにはそんなこと書かれていなかった(と思います、確かではありません)!!

イギリスに住んでいて、見に行こうと思えば行けたにもかかわらず、機会を作る努力を怠って30年近く!
重い腰を上げてとうとう行ったら めぼしい作品の大半が消えていました。(とほほ)

2年後戻ってきてみることにします。

他にも(それほど有名ではないにしろ)十分見ごたえのあるラファエロ前派作品がありましたよ。


「この日見たベスト」私も夫も意見が一致したのがこれ。


「The Rest on the Flight into Egypt エジプトへの逃避途上の休息」。

オラッツイオ・ジェンティールッチ Orazio Gentileschi という16~17世紀のイタリアの画家の大作です。

ベツレヘムの嬰児虐殺を逃れた幼子キリスト、聖母マリアと聖ヨゼフの聖家族トリオ(とロバ)がくつろいでいるのんきな光景なのですが....

登場人物の服装が作品が描かれた当時のものなのは昔の絵画の常識なので まあ いいとして.....

聖ヨセフのこのお疲れぶり!
生後数日の幼子キリストがめちゃめちゃ大きい!首もちゃんと座っているし。
聖母マリアのいさぎよくないおっぱいの出し方...包帯のようなうすもののショールで隠して授乳。
ロバが塀の向こうにいるのはなぜ?(ロバの体を描くのがめんどくさかったのでしょうか)

....背景もぞっとするほどショボい。

なんだか何もかも変な作品!
何が描きたかったんだろう?

思わぬ出会いのあるアート体験!
「マニュエリスム」という当時主流だったアート分野にはあまり興味がなかったのですがこれはウケました。

バーミンガム博物館/美術館、続きます。





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