コスモロジーの肯定的変容1

2010年02月08日 | 心の教育

 H大学社会学部・経済学部の前期の授業では、まず近代主義、特に近代の科学主義が行き過ぎると必然的にニヒリズム-エゴイズム-快楽主義に陥る傾向があり、日本も明治維新と敗戦のプロセスを経て近代化が進み、同様の状況にあることを指摘し、その後で現代科学のコスモロジー(の一つの解釈、つながり-かさなりコスモロジー)はニヒリズムを完全に克服する可能性を持っていることを伝えます。

 続いて後期には、仏教とりわけ唯識の全体像を伝え、「宇宙と私は一体」ということを語る点で、現代科学と調和することを示し、その後で、最後に聖徳太子「十七条憲法」をつながりコスモロジーによる理想国家の構想と解釈する講義をします。

 そうすると、よく聞いていた学生のなかから次のような感想が出てきます。

                    *

 前期、後期、想像していたものとは全く違くて、それでいて新しい発見がたくさんありました。

 今回も、十七条と聞いて、「えっ」と正直おもいましたが、天皇がどうの、ということではなく、ちゃんと前期のことがもとになっていたのは、びっくりしました。

 全て授業に出て、新しい視点で物事を見れるようになった気がします。
一年間ありがとうございました。

   H大社会学部1年女子


 最初は先生の意見に賛成することができませんでした。

 しかし最後まで聞いてみると、納得している自分がいました。

 とても理論的ですばらしく、この理念こそ、この先の未来を明るくしてくれると思いました。

 今までおせわになりました。この授業を通して物の見方がかわりました。

   H大社会学部1年男子


 当初授業を受けて、後悔していたが(コスモロジーや唯識がなぜ現代社会、日本の未来へと有効なのかわからなかった…)、十七条憲法の段階に到って、宗教観が国というものを形成し飽和状態の社会を変革するアプローチとして極めて確実で有効な手段だということがわかりました。

 マスメディアで叫ばれるえせ提言に比べ、先生の主張は現実的なものだとわかり、もっと授業に出れば良かったと思いました。

 先生の主張は右・左でもなく、ナショナリズムとも違い、カテゴライズには悩みますが、実践的である点においては両派よりも秀でていると思いました。

   H大社会学部1年女子


 やはり先生にはやられました。さいごにコレをもってくるとは……

 日本の最初の憲法を学べたのと同時に、今まで習ったことがこの中にぎゅっとあったので、すごく理解しやすかったです。(つながりコスモロジーとか仏性とか)

 今までに、価値観を相当変えさせられてきましたが、今回は価値観は変わったというより、今までに変わった価値観がさらに確信をもてるものになった気がします。

 何か頭の中で今までのことがすごくコンパクトに、かつ詳しく整理されています。

 すごくすごーくためになりました。

 そして、話が少し変わりますが、私は今年成人式でした。

 実家は鹿児島なので、成人式のあとこっちに帰ってきたのですが、成人式を終え、みんなと写真をとったりして家に帰ってきたとき、自然と涙が出てきました。

 その理由は、親や親戚、友達への感謝の気持ちが溢れてきたからです。

 この気持ちは、聖徳太子の述べている「関係的存在」「縁起的存在」を身をもって感じたからではないかと思っています。

 昔は「無宗教」だと思っていた私も、この授業を通し、「仏教・儒教」的な人間であったことにも気づけ、また、中身を知らないからこその「宗教」に対する偏見がなくなりました。

 人間的に成長することができたと思っています。

 本当にこの授業をとって正解でした。

 まさかここまで価値観が変わるとは当初思ってもいませんでした。

 お忙しいでしょうが、これからも私たちH大学生に「真の価値観」を説き続けていってください。

 本当にありがとうございました。

    H大経済学部1年男子

                    *

 先月末、ようやく厖大な数のレポートを読み終えました。

 こういうふうに、今年もたくさんの学生たちの心の中で世界観・価値観=コスモロジーの肯定的変容が起こったようです。

 毎年本当に大変なのですが、でもやはり苦労のしがいがあった、と実感しています。

 その後すぐに、2月の2、3日は、茨城大学農学部の大学院で持続可能な社会についての集中講義でした。

 その中でコスモロジー的な質問が出てきましたので、ダイジェスト版の話をしましたが、とても感動して聞いてくれたようです。

 コスモス・セラピー的な授業は大学1年生から大学院生、さらには社会人まで、適用範囲は広いことが実証された、と思っています。


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