全生物は同じ単細胞生物から進化した!?

2010年06月30日 | いのちの大切さ

 コスモロジーの授業の素材を得るためにネット検索していて、「全生物は同じ単細胞生物から進化した」という説がほぼ確定したという重大ニュースを知りました(ナショナルジオグラフィック 公式日本語サイト5月14日(金) 16時48分配信 / 海外 - 海外総合)。

 世界的な権威のある科学雑誌「Nature」に掲載された論文を元にした記事です。

 これでいよいよ、「すべての生命は共通の先祖から生まれた?」、「すべての生命は親戚である」というつながりコスモロジーの大きなポイントが現代生物学のほぼ定説になった、と考えていいようです。

 過去の記事の一部を再掲載します。

 「すべての生命は、最初のたった1つの単細胞生物の生命を引き継ぎながら、30数億年かけて多様に進化-分化したものです。
 そういう意味でいうと、すべての生き物は共通の先祖を持った親戚です。遠い遠い関係だとしても、でもやはり親戚なのですね。
 水中や地下の微生物も、道端の草や山の木も、セミやトンボもチョウも、イヌもネコも、数え切れないほどのいろいろな生き物が、みんな自分の親戚だということが、科学の眼からも語ることができるというのは、とても不思議で、とても感動的なことだとは思いませんか。」


 以下に、ニュースの主な部分も引用しておきましょう。



 地球上のすべての生物は約35億年前の単細胞生物から進化したことを確認したとする最新の研究が発表された。150年以上も前にチャールズ・ダーウィンが初めて提唱し、現在広く受け入れられている“全生物の共通祖先”説を裏付けるものとなる。

 アメリカのマサチューセッツ州ウォルサムにあるブランダイス大学の生化学者ダグラス・セオバルド氏は、生物の3つの大きな分類(ドメイン)に属するすべての種が共通の祖先から進化した確率と、複数の異なる生命体から進化した確率、アダムやイブのように現在の形態のまま発生した確率などを、コンピュータモデルと統計モデルを用いて算出して比較した。ドメインとは、生物分類学における最上位の分類群(タクソン)で、真正細菌、バクテリアに似た微生物である古細菌、植物やヒトなどの多細胞生物を含むグループである真核生物の3つがある。

 セオバルド氏によると、「複数の祖先が存在したとする説で最も有力なもの」は、1つの種が真正細菌に進化し、1つの種が古細菌と真核生物に進化したという説である。しかし今回の分析結果から、その確率は10の2680乗分の1であることがわかった。10の2680乗とは10の後ろにゼロが2680個並ぶ数字である。「これは天文学的な数字で、あまりの小ささに、口にするのもはばかられるほどだ」。

 同氏はまた、ヒトは始めから現在の形でこの世に存在し、進化的な祖先など存在しないとする創造論的な考え方についても検証を行った。統計分析の結果、ヒトが独自の起源を持つなど「ひどくお粗末な仮説だ」との結論に達した。ヒトが他のどの生物とも別に創造された確率は10の6000乗分の1だという。

 (中略)

 この研究は2010年5月13日発行の「Nature」誌に掲載されている。
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就活に勝つメンタルタフネス 3

2010年06月28日 | メンタル・ヘルス

 今回もピールの『積極的考え方の力』から、ポイントになる部分を紹介しましょう。

 ピール氏は牧師なので、キリスト教用語を使っていますが――私も元牧師なので用語にまったく抵抗はありませんが――抵抗を感じる人でも、私のコスモロジーと唯識の授業を受けているみなさんなら、「神」や「イエス・キリスト」を「コスモス」や「コスモスの意志」と言い換えれば、そのまま理解できるはずの言葉です。

 ポイントは、コスモスあるいは大自然あるいはサムシング・グレイトが自分と一体だということをまず学んで認識し、そしてそれにとどまることなく信じるところまで行くということにあります。

 しかし、本当に信じるというのは、単なる意識の表面の働きではないので、潜在意識――唯識でいえば「アーラヤ識」――に働きかけて信じさせる必要があるのです。

 潜在意識に信じさせるには、積極的な考え方を表現した語句を繰り返し断言的に言い聞かせることです。

 繰り返し強く断言的に言い聞かせているうちに、言葉が種子のように潜在意識という土壌に蒔かれていき、やがて深い信念が芽生えてくるのです。

 例えば、「コスモスが137億年かけて私に与えてくれている潜在能力にアクセスさえすれば、打ち勝てない困難なんかどこにもない!」「私はそれを信じる!」と。

 ある意味でもっとも重要なポイントは、こういう言葉を読んで「ふむふむ、なるほど、こんなふうにやればいいのか」と思っただけで実行しないのでは何の効力もないということです(残念なことに、そういう人が実に多いのですが)。

 指示どおり実行することが絶対に必要です。

 ピールの言うことと私の言うことをとりあえず信用してみようと思う人は、実際に毎日五回必ず指示どおり実行してください。

 では、以下の引用をしっかり読んで理解し、何よりも実行してください。


 ある黒人の男性が、「どのようにして困難に打ち勝ったのかと尋ねられた時、このように答えた。「まず、困難の周りを回ってみます。もし回ることができなければ、その下に潜ってみます。もし潜ることができなければ、それを跳び越してみます。もし跳び越すことができなければ、それをかきわけて切り抜けてみます。私は神と一緒に困難をかきわけて切り抜けるのです」

 先に紹介した不屈の男のやり方を思い出してほしい。「私を強めてくださる方のお陰で、私にはすべてが可能です」と繰り返して自分に言い聞かせるのだ。そして、一回ごとに「私はそれを信じます」と断言する。これを毎日五回行いなさい。そうすれば、あなたの心の中で不屈の力が解放されるだろう。

 潜在意識というものはいつでも変化を嫌うものなので、「そのようなことは信じるな」とあなたにささやくかもしれない。しかし、潜在意識はある意味でこの世で最大の嘘つきだ。あなたが自分の才能を誤解しているのに同調して、ネガティブな気持ちをあなたに送り返すからだ。

 潜在意識の中にネガティブな態度を作りあげると、潜在意識もこの間違った状態のままでいいといった反応をあなたに返すようになる。だから、まず潜在意識に向かってこう言いなさい。「さあ、私はできると信じるぞ。それが可能だと断言するぞ」

 こうして潜在意識に積極的に言い聞かせれば、自然に確信が持てるようになる。なぜなら、今やあなたは潜在意識に対して積極的な考えを与え、それを育てているからだ。言い換えれば、潜在意識に対して真理を語っているのだ。やがて潜在意識は、あなたに真理を繰り返し始めるだろう。その真理とは、「イエス・キリストの助けがあれば、打ち勝てないような困難などどこにもない」ということだ。

  (ノーマン・V・ピール『積極的考え方の力』ダイヤモンド社、p.153-155)


 潜在意識から信念が湧いてくるように感じ始めたら、困難だった就活に驚くべき展開が起こるでしょう。

 就活に勝ちたい人は、実行してください。漠然と「就活がうまく行くといいなあ」とかまして「あーあ、どうしてうまく行かないんだろう」と思っていても、実際に勝てるようになる可能性はほとんどゼロです。勝ちたいのなら、毎日、五回必ず繰り返し、強く自分に言い聞かせてください。

 例えば、「コスモスの助けがあるのだから、打ち勝てないような困難などどこにもない!」と。

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就活に勝つメンタル・タフネス 2

2010年06月26日 | メンタル・ヘルス

 直面する事実がどんなに困難で絶望的に見えても、それに立ち向かうとする私たちの心がまえに比べれば、それほど重大な問題ではない。

 その事実に対して何かする前に、すでにあなたの考え方が自分を負かしてしまっているのだ。現実に対応を始める前に、心理的に圧倒されてしまっている。

 反対に、自信のある楽観的な考え方は、事実をまったく変えることも克服することもできるのだ。

  (ノーマン・V・ピール『積極的考え方の力――ポジティブ思考が人生を変える』ダイヤモンド社、p.25-26)


 「できると信じる者が勝つ」(エマーソン)


 就職活動――およびあらゆる人生の活動――に成功する最大のポイントは、まず「できると信じる」ことです。

 そうするとすぐ、「求人状況はきびしいし、自分に自信がないんです。どうしたら信じられるんでしょう?」という質問が出てくるでしょう。

 その「どうしたら」つまりノウハウについても、少しずつ書いていきたいと思っていますが、まず一言コメントをしておくと、どうこうする以前に単純明快に信じ込むのです。

 方法も根拠もあるにはあるのですが、それ以前にまず自分が「信じよう」と思うその決心が大切です。

 「でも……」という人のために、もう一言だけ。

 信じられないのだったら、最初は本心からでなくてもかまわないので、まず「信じたふりをする」「信じたようなつもりになってみる」ことです。

 「ふり」や「つもり」がやがて徐々に本心に変わっていきます。

 数え切れないほどの成功者たちが自分の体験を基に口をそろえて、「できると信じる者が勝つ」と言っています。

 勝ちたいんでしょう? ならば勝った体験者の言葉を信じることです。最初から信じられないのなら、信じたふりをすることから始めてみましょう。

 大丈夫! きみたちならできる!


*すでに一度紹介しましたが、念のため。

積極的考え方の力―ポジティブ思考が人生を変える (Life & business series)
ノーマン・ヴィンセント ピール
ダイヤモンド社

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就活に勝つメンタル・タフネス 1

2010年06月16日 | メンタル・ヘルス

 筆者の授業を受けている学生で、授業後話に来てくれる諸君の中に就職活動で悩んでいる人がたくさんいて、なんとか多少でもヒントになることを伝えてあげたいと思いつつ、お互いに十分な時間がありません。

 そこで、ふと思いついて、このブログで時々参考になりそうなことを書くことにしました。

 いわば「岡野のネット版課外授業」です。

 ノーマン・ヴィンセント・ピールのことは、少し前の記事で紹介しました。

 『人生が驚くほど逆転する思考法』(三笠書房、知的生き方文庫)を読んでいて、なかなかヒントになる一節に出会いましたので、紹介したいと思います。

 教え子諸君、君たちならできる! 君たちは宇宙エネルギーの塊なんだから。へこたれるな!

                         *

 ひとつ、例を紹介しよう。ペンシルヴァニア州東部の小さな農村に住む青年の話だ。

 その小さな村の高校を卒業したばかりのウォルター・ハーターは、ごく一般的な青年にすぎなかった。子供の頃複雑骨折した脚を、ほんのわずか引きずっていることを除けば、家庭が貧しくて大学進学をあきらめざるをえないごくふつうの青年だった。

 農業に携わっている人なら誰もが認めるように、ウォルターの住む地域も他と同じく、どんな職種の仕事といえどもなかなか見つからない状態だった。

 けれどこの年若い青年の心には、夢とそれを実現させる方法とがうずまいていた。
 夢と方法──この二つが一緒になると、目標は設定されやすい。
目標が設定されれば、プラス・ファクターへ通じる扉も開きやすい。

 ウォルターの場合、めざす目標は、行ったことも見たこともないニューヨークで仕事をつけることだった。そんな目標が達成できると彼に信じこませられるものは、プラス・ファクター、それ以外にはない。

 ウォルターは電話局に行くと、ニューヨークの電話帳を借りてきた。そして中心部にあるいろいろな業種の商店を調べ、ある有名なチェーンストアに的をしぼった。

 電話帳にはマンハッタン、ブルックリン、クイーンズ、ロングアイランド、ブロンクスに散らばるチェーン店、つごう三九三店舗の住所がのっていた。これだけあればひとつくらいは仕事があるにちがいない、そう思った。ウォルターはすべての店舗一つひとつに手紙を送ることにした。

 どんな援助も期待できず、うしろだてもない十代の若者にとって、.それは途方もない試みだった。ウォルターは、どのチェーン店のどんな仕事でもいいから雇ってほしいと書いた。タイプライターは持っていなかったので、三九三店舗すべての支配人に手書きで書いた。一日十五通を自分に課し、くる日もくる日も書きつづった。

 返事は来なかった。一通も来なかった。
 拒否の仕方にもいろいろあるが、いちばん辛いのはなんの音沙汰もないことだろう。しかし、何かがうしろからウォルターの背中を支え、押していた。ウォルターは負けなかった。考えあぐねた末、ウォルターは、故郷を離れてニューヨークで運をためしていいかと両親に相談した。はじめ両親は、知りあいもないのに……と心配したが、最終的には同意して、二、三日すごせるだけのお金をかき集めてウォルターに手わたした。二人は息子がすぐ帰ってくると思っていた。

 マンハッタンについたウォルターはタイムズスクウェアに行くと、手紙を出したチェーン店の大型店舗のひとつを探し出し、支配人に会いたいと申し出た。

 支配人は言った。
 「たとえそのような手紙を受けとっていたにしても、ここにはない。人事課のほうに回されているはずだ」

 ウォルターは人事課がどういうものかもわからなかったが、とにかく教えられたとおりにパーク街の大きなビルに入っていって受付で名前を名のった。ウォルターが案内されたのは、大きな机の向こう側にいかめしい顔をしてどっしりとすわっている男性のところだった。すべての実権を握っているといった感じの人だった。

 その人はウォルターを長い間じっと見つめていたが、やがて立ちあがると机の上に置いてある手紙の束を指さし、ほほえんで言った。
 「君の就職願いだ。全部で三九三通ある。いつかやってくると思っていたよ。君には事務の仕事をやってもらいたいと思っている。午後からでも始めてくれるかい」

 信じられないかもしれない。でもほんとうの話なのだ。ウォルター・ハーターは、支配人の地位にまで出世した。そして他の職に移っても、終始主導性と忍耐力を失わず、常にある種の「勢い」のようなものを身につけていた。プラス・ファクターである。




人生が驚くほど逆転する思考法―夢をかなえる人・あきらめる人 (知的生きかた文庫)
ノーマン・V. ピール
三笠書房

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サングラハ第111号が出来ました!

2010年06月15日 | Weblog

●今回はかなり遅れてしまいましたが、ようやく『サングラハ』第111号が出来ました。 
 緑の福祉国家論、サイコシンセシス、そしてケン・ウィルバー論、長期連載のブッダ論と、充実した原稿が満載です。

 どうぞ、ご購読ください。






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センス・オヴ・ワンダー

2010年06月09日 | 心の教育




 今日、O大学のチャペル・アワー(礼拝)で講話をしました。最初はがやがやとしていた学生諸君が、やがて静かになり、大半の学生たちは熱心に聴いてくれたようです。

 そこで、ネット受講生のみなさんにも、シェアすることにしました。過去のコスモロジーの授業をヴァージョン・アップしています。読んでみてください。そして、よかったらコメントをください。



  チャペル・アワー講話「センス・オヴ・ワンダー」

                            2010・6・9

 
 聖書:旧約、詩編一九・二―七 

  天は神の栄光を物語り
  大空は御手の業を示す。
  昼は昼に語り伝え
  夜は夜に知識を送る。
  話すことも、語ることもなく
  声は聞こえなくても
  その響きは全地に
  その言葉は世界の果てに向かう。
  そこに、神は太陽の幕屋を設けられた。
  太陽は、花婿が天蓋を出るように
  勇士が喜び勇んで道を走るように
  天の果てを出で立ち
  天の果てを目指して行く。
  その熱から隠れうるものはない。



 讃美歌:二二六番「輝く日を仰ぐとき」(How Great Thou Art)(私のとても好きな讃美歌の1つです。Youtube で探したら、英語で歌ったいいものがありました。聴いて読んで聴いてというふうにしてみてください。)





 今日の聖書の箇所に「天は神の栄光を物語り、大空は御手の業を示す」とありますが、大空の色は青ですね。では、なぜ空は青いか知っていますか?

 ご存知のように、白く見える太陽光線は実は七色の光線が集まったもので、水やプリズムで屈折すると、屈折率によって赤・オレンジ・黄・緑・青・紺(深い青)・紫に分かれますが、この並びは光の波長の長い順になっています。

 太陽からやってきた光の中の青から紫にかけての短い波長の光は、大気中の光の波長よりも小さい微粒子にぶつかると大きく屈折して、散乱するのです。

 空つまり大気の主な成分は、窒素が約七八%、酸素が約二一%、アルゴンが〇・九%、二酸化炭素が〇・〇四%、オゾンが二×一〇のマイナス六乗%、つまり約九九%は窒素と酸素です。散乱させる微粒子は小さなホコリや水滴だという説もありましたが、青い散乱光を出す粒子は光の波長より小さくなければならないので、むしろ酸素分子や窒素分子だと考えたほうがいいといわれています。

 つまり、酸素や窒素の分子が、青い光を空いっぱいに散乱させてくれるから、それを地上から見ている私たちには空が青く見えるんですね。そして、中でも特に酸素があるから、私たち酸素を吸って生きている動物が生きることができるわけです。

 さらに、酸素はふつう原子二個が結合したO₂という酸素分子のかたちで存在しているのですが、私たちの頭上二〇~三〇キロメートルの上空で太陽の紫外線によって分解されていったん酸素原子一個Oになり、それらがまた結合することでO₃、つまりオゾンができるのだそうです。このオゾンが太陽から降り注ぐ強烈な有害紫外線を吸収してくれていることは、よく知られているとおりです。

 きわめて波長の短い――紫よりも短いので紫外線というわけですが――紫外線は、細胞膜を壊します。すべての生命は細胞から成っていて、オゾン層に守られているからこそ、細胞膜が壊されず、地上で生きることができるのです。O₂があるから、息をすることができる、生きることができる、O₃があるから、生命が守られている、というわけです。

 その酸素を発生させ、かつて分子酸素のほとんど存在しなかった地球大気に一五億年以上もかかって徐々に増やしてくれたのが、光合成微生物とそれが進化した植物です。そうした光合成微生物や植物のおかげで、酸素のたくさんある現在の地球大気ができたのです。

 そして、その地球大気のおかげで、私たちは生きていることができるのです。 空の青さは、空にたくさんの酸素がある証拠です。それから、もちろん窒素もたくさんある証拠です。

 大気中の窒素はバクテリアによって固定されて植物の栄養になり、その植物を私たち動物が食べて生きることができているのですから、たくさんの窒素大気があることも、私たち動物が生きることのできる条件になっているわけですね。

 だから空の青さは、つまり、生命が地上で安全に生きることができる、生きていていいという印だといってもいいでしょう。ちょっとロマンティックに表現すると、「空の青さは、きみは生きていていいんだよ、という空からのメッセージなのだ」ともいえるでしょう。空の青さは、生命への青信号です。

 だから、私たちは、青空を見上げるとすがすがしい、生き生きとした気持ちになるのだ、と私は解釈しています。

 去年、授業でこの「空が青いから、私たちは生きられる」という話をしたら、学生たちがこんな感想を書いてくれました。

 「『空の青さは地上に生命が暮らせるという信号だ』というお話が好きでした。今までも空を見るのは好きだったけど、この話を聞いてからはもっと愛しい気持ちで空が見れそうです。きれいな空を見て気持ちいいなあと思わない人がいない理由が分りました。」

 「青空が青信号だという言葉がすごく印象的でした。青空みたいに広くて大きなものに、君は生きていていいんだよ、って見守られていると思うと、頑張ろうって気持ちになる気がします。立ち止まらず、前を見て進んで行こうって気持ちになりました。」

 もう少し考えてみると、いくら酸素と窒素があっても、そもそも太陽の光がなければ、空は青くなりません。そして、太陽のエネルギーがなければ、植物は育たず、それを動物が食べることもできず、植物や動物から間接的に太陽エネルギーをもらっている私たち人間も生きることができません。

 今日の聖書の箇所は暑い時に書かれたからでしょうか、「その熱から隠れうるものはない」となっていますが、これは別の言い方をすれば、地球上のすべての生命はみんな漏れなく太陽エネルギーをもらっていて、例外はないということです。イエスは、父なる神は「悪人にも善人にも太陽を昇らせる」と言っておられます。

 つまり、太陽が溢れるような光と熱を惜しみなく地球に送り、その光の一部を大空が吸収したり散乱したりする、そのエネルギーで植物や動物が生きられるという条件が調っているので、私たち人間も生きられるのですね。

 そんなこと、当たり前だと思いますか。おどろき! ふしぎ! すばらしい!と思いませんか。青い空だけではなく、この地球の自然は、なぜか不思議なことに人間が生きられるようにありとあらゆる条件が調っています。そのことに気づくと、私は、おどろき・不思議という気持ちを感じざるをえません。英語では「wonder」といいますね。そして、感じると、不思議でいっぱい・すばらしいと思います。英語では「wonderful」です。

 生物学者のレイチェル・カーソンは、そういう自然の不思議さ・すばらしさを感じる心のことを「センス・オヴ・ワンダー」と呼んでいます。そして、いろいろなことを「そんなこと当たり前じゃん」とシラケて考えるのではなく、そこに何か大きな不思議で素敵なものを感じて感動する感性こそ、他の何よりも人生を豊かにすると言っています。

 こういう不思議・ワンダーに満ちたすばらしい・ワンダフルな世界は、偶然に出来たのでしょうか、それともそこには何か大きなもの・力の働きがあるのでしょうか。

 言うまでもなく、旧約聖書の著者は、そういう大自然の働き・業の中にというか向こうにというか、「神の栄光」「御手の業」を感じ取っています。そして、神の深い知識、言葉、響きが全世界に行き渡っていると感じて、それを詩にうたったのです。

 知識を情報と言い換え、言葉を秩序と言い換え、響きを影響力と言い換えれば、これはきわめて現代科学的な洞察と一致していると思います。そして宇宙に働いている秩序を生み出す情報やその影響力を研究している一流の科学者の中には、光り輝く白い髭のおじいさんといった神話的な神さまではありませんが、このワンダフルな世界を創りあげた何かをはっきり認めて「サムシング・グレイト」と呼んでいる人が現われています。現代は、そういう宗教と科学が調和する時代になっている、と私は考えています。

 短い時間なので、今日はこれ以上掘り下げて考えることができませんが――もっと掘り下げて考えてみたい人がいたら、秋学期の「キリスト教と他宗教」を受講してください――学生諸君には、なによりもまず、この世界・自然が不思議・ワンダーでいっぱいのワンダフルな・すばらしい世界であることを感じ取る「センス・オヴ・ワンダー」という感性を磨いてほしいと思っています。そして、さらにその向こう、その奥に働いている力についても考えてみてほしいと願っています。



センス・オブ・ワンダー
レイチェル・L. カーソン
新潮社

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人間は宇宙の一部である――アインシュタインの言葉

2010年06月01日 | 生きる意味

 H大とM大では、先週で近代科学とニヒリズムの話が終わり、今週から現代科学のコスモロジーの話です。

 今日、H大で、イントロダクションの話をしました。

 そこで、アインシュタインの相対性理論の、シンプルで美しい数式が、コスモロジーとしてどんな意味を持っているかという話をしました。

 E=mc2(上付き数字がありませんので代用、2乗です)

 これはEつまりエネルギーとmつまり質量×cつまり光速の2乗が等しいということを意味しており、それはさらに物質と運動の速度はエネルギーと互換的であるということを意味しています。

 それはさらにいうと、世界にあるものをつきつめると「すべてはモノ」という結論になったのが近代科学であったの対して、アインシュタイン以後の現代科学ではもっと極限までつきつめると「すべてはエネルギー」しかも「すべては同じ1つの宇宙エネルギー」という結論になるということです。

 エネルギー・レベルで見れば、宇宙のすべては一体なのです。

 ですから、もちろん宇宙と私も一体です。

 あなたと私も一体です。

 近代人の心に染み付いた考え方からすると驚くべきことですが、現代科学のコスモロジーではそうなるのです。

 アインシュタイン自身、次のように言っています。すでに一度引用しましたが、とても重要な言葉なので、ここで改めて紹介したいと思います。


 人間は、私たちが「宇宙」と呼ぶ完全体の一部、すなわち時間と空間を限定された一部である。

 人間は自分自身を、そして自分の思考や感情を、他と切り離されたものとして体験する。

 それは意識のうえで、いわば視覚的錯覚が起こっているからである。

 私たちはこの錯覚という監獄に閉じ込められているせいで、個人的な判断しかできなくなり、周りの少数の人間しか愛せなくなっている。

 この監獄を抜け出し、思いやりの輪を広げ、あらゆる生物と美しいままの自然を包み込んでいくこと、それが私たちに課せられた仕事である。

                              ――アルバート・アインシュタイン



*アインシュタイン・相対性理論の入門書はずいぶんたくさんあるようで、筆者はそのごく一部しか読んでいませんが、以下の2冊は数式の苦手な私にもポイントがつかめるような気がしたいい本です。
 特に上の本は、アインシュタイン自身がはしがきを書いていますから、本人の保証付の入門書だと考えていいでしょう。


相対論はいかにしてつくられたか―アインシュタインの世界 (1968年) (ブルーバックス)
リンカーン・バーネット
講談社

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相対性理論の世界 (ブルーバックス)
ジェ-ムス.アンドリュー・コ-ルマン
講談社

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