「命の重さを知ることができました」

2008年02月03日 | 心の教育

 一月は行く、二月は逃げる、三月は去る……という言葉があるように、あれよあれよという間に一月が終わりました。

 ずいぶん時間をかけて、3つの大学の採点をようやく終わらせました。

 それだけやっていたわけではありませんが、それにしても時間がかかります。

 以下のようにしっかりと心を込めて書いてくれているレポートなので、こちらもしっかりと読まなければならないからです。

 前の文章は学期の半ば、後の文章は学期の終わりに提出してもらった同じ女子学生の文章です(O大学1年。レポートを使わせてくれたY・Yさん、ありがとう! 読みやすくするために、若干改行を加えてあります)。



 宇宙カレンダーを見て、宇宙の進化史137億年を1年に縮尺したものだと言われても、今までの自分だったら、137億年も昔の地球や宇宙を実際に見たことがある人は、現在この地球には存在しないのだから、自分には全く関係のないことだと考えていたと思います。先生の授業を受ける前だったら、そう思い込んだまま、毎日を過ごしていたと思います。

 しかし、先生の話を聞いて、自分自身の考えが、大きく変わりました。今までは、137億年の歴史一つ一つが、今、生きている私たちに大きく影響しているだなんて、考えもしていなかったです。

 宇宙エネルギーは、宇宙が自己組織化し、一部が物質になり、複雑になって生命になり、心を持つ生命になり、認識をする心になります。

 137億年という長い間に起こった全ての出来事があったからこそ、私たちは今こうして生きているのです。もとは、全てが一つのエネルギーであり、エネルギーが物質→生命→心→魂・霊性という進化を遂げてきました。これは、宇宙進化には方向性があるということです。

 私はもともと一つの宇宙と一体で、その一部であり、その進化のプロセスの一部である、ということを聞いて、とても感動しました。

 私は花を見て「美しい」と思います。私は宇宙であり、花もまた宇宙です。つまり私が花を見て「美しい」と思うことは、宇宙が宇宙を見て「美しい」と思っていることになります。

 宇宙には意思があって、宇宙が自己認識しているということが分かり興奮しました。私が人を愛することは、宇宙が宇宙を愛してるということになります。素敵なことだと感じました。

 137億年という長い間に起こった出来事のうち、一つでも欠けていれば、私たちは今、生きていなくて、誰かと出会うことも無かった。今、生きている人と出会えたことは、137億年という月日をかけてやっと出会うことができたということです。137億年かけて出会えたことは本当にすごいことです。そして、生きているということは、それだけでどんなにすばらしいことなのかがよく分かりました。

 このことを全ての人々がしっかりと理解していれば、自分から命を無駄にするようなことをする人は、きっといなくなるはずです。反対に、生きていることがどんなにすばらしいことなのかということを知らないから、自分の命を大切に思えない人がいるのではないかと思いました。

 そして、なぜこのようなことを小学校から高校までの間に教えてもらえなかったのだろうと考えました。私は、このことを知らずに19年間生きてきたことがもったいないことだったと感じます。この授業で先生からの話を聞くことができて本当に良かったです。

 この科学で証明することができる、疑うことのできない事実を知ることができたことによって、生きていることのすばらしさ、出会うことができたよろこびが分かり、今までには無かった大きな感動を味わうことができました。

 宇宙はもともと一つ、今も一つ、だから宇宙と私が一つだということ知らない人の方が多いと思います。だから、もっと多くの人にこのことを知ってもらいたいです。そして、この大きな感動をもっとたくさんの人に伝えたいです。

 今まで当たり前のように生きていて、誰かと出会ってきて、宇宙と自分は関係の無いものだと思い込んでいて、感動の少なかった日常が、先生の話を聞いてからは輝いて見えます。

 日常にはこんなにも感動できることがたくさんあったことに気づかされました。もっと早くから知っていれば良かったと思います。今まで以上に、生きていることや、大切な人たちに出会えたことに感謝して過ごしていきたいです。



 私は、この授業を受けてから悩み事が少なくなりました。長い歴史の中で自分の抱えていた悩みはとても小さいことだと感じるようになったからです。

 先生の話はとても興味深いことばかりで、集中して授業を受けることができました。宇宙と人間-私は一体であるということ、そしてコスモスには自己組織化・自己複雑化という方向性があるということ、そして宇宙には意思があるということが分かった時にはとても驚きました。今まで知らないで過ごしてきて、もっと早く知る機会があれば良かったなあ、と思いました。自分自身の考え方にとても大きな影響を受けました。

 世の中には、全くの他人なんていないんだということが分かり、人に思いやりの心を持って接することは当たり前のことなんだと思いました。そう考えると、とても心があたたかくなった気がします。人だけではなく地球上にあるすべての物に優しくありたいです。そして、なによりも今、私たちがこうして「生きている」ということに感謝の気持ちが強くなりました。命の大切さを先生の授業から学ぶことができました。

 自分と宇宙なんて遠い存在だと思っていたのに、近い存在どころか一体なんだという事実を知ることができて良かったです。

 この授業を受けていなければ、こんなにも命のこと、宇宙のこと、地球のことなどについて真剣に考えることがなかったと思います。なぜ命が大切なのかということも、説明することもできなかったと思います。生きてて良かったと心から思いました。自分の命の重さを知ることができました。まず、自分の考えを宇宙レベルで考えるという発想が、先生の授業受ける以前の私にはありませんでした。

 私は一人なんかじゃないと知り、とてもうれしく感じました。これからも悩み事はあるかもしれないけれど、きっと乗り越えていくことができます。一人じゃないということは生きていく力になりました。

 生きることの意味をこんなにしっかりと教えてくれる人なんていないだろうと思っていました。しかし、先生の授業で、こんなにしっかりと教えていただけたことに本当に感謝しています。ありがとうございました。

 こんなにも自分の考えが大きく変わることになるとは思わなかったです。もっとたくさんの人が知るべきことだと感じました。



 理解度や感動度そして表現力の程度はいろいろであるにしても、ともかくこんなふうにメッセージを受け止めてくれる若者たちが何百人もいるのだから、この仕事は――かなり手間暇がかかって疲れもするのですが――当分止めるわけにはいかないだろうな、と感じています。

 しかし、このメッセージは私の個人的なものではありませんし、上記の学生が「なぜこのようなことを小学校から高校までの間に教えてもらえなかったのだろうと考えました。私は、このことを知らずに……生きてきたことがもったいないことだったと感じます」「もっとたくさんの人が知るべきことだと感じました」と言っているとおりだと思います。

 感想文を掲載するのも、自分の行なった教育の成果を自慢したいからではありません(ま、ちょっとはそういうマナ識的動機もあるかな)。

 そうではなく、できるかぎり多くの親御さんや教師の方たちに、コスモロジー教育を学んでいただいて、子どもたちに「生きることの意味をこんなにしっかりと教えてくれる人」になってほしい、そして、子どもたちに「生きていることのすばらしさ、出会うことができたよろこびが分かり、今までには無かった大きな感動を味わうことができ」、「感動の無かった…日常が輝いて見える」ようになり、「悩み事はあるかもしれないけれど、きっと乗り越えていくことができ」る「生きていく力」を付けさせてあげてほしい、と強く願っているからです。

 コスモロジー教育には子どもたち・若者たちに「生きる力」を与える顕著な効果があることは、これまでに書いてもらった何千もの感想文という証拠を提示することができます。

 といっても、現時点でのコスモロジー教育が、最高、唯一絶対であると思っているわけではありません。

 最近は特に、北欧とりわけフィンランドの教育などからも学びながら、さらにヴァージョンアップをしていきたいと思っているところです。



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4 コメント

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お疲れ様です (しゅとう)
2008-02-11 15:05:00
岡野先生採点お疲れ様でした。
インフルエンザで寝込んでいる首藤です。

>コスモロジー教育には子どもたち・若者たちに
>「生きる力」を与える顕著な効果がある
確かに「なぜ生きるか?」「人間とは何か?」
というビッククエスチョンに答えられる科学的裏付けのあるコスモロジーはなかなかないですから。
しかしその感動や生きる力をどうやって育て、持続させるのかという疑問があります。
ヴィパッサナーでは「あらゆることは無常である」という根拠から「どうすれば心が浄化できるか」ちゃんとした瞑想というトレーニング、訓練があります。
コスモロジー教育にはまだその点が足りないように思いますが、いかがでしょうか?

>フィンランドの教育などからも学びながら
「フィンランド・メソッド入門」という本を借りてきましたが、今の自分でも役立つとても濃い内容です。
「青い光が見えたから」高橋絵里香、講談社もいいみたいですよ。

『人を伸ばす力―内発と自律のすすめ』(エドワード・L・デシ+リチャード・フラスト著、桜井茂男
監訳、新曜社、2,400円+税)も岩井さんが勧められていて、読んでみましたが、うなる内容ですごくいい本です。
返信する
Unknown (サトシ)
2008-02-12 19:23:11
ブログ巡り中に立ち寄りました。
応援ポチッ!
返信する
持続可能な教育? (おかの)
2008-02-13 10:54:15
>しゅとうくん

 インフルエンザは、どうですか、治りましたか。

 「感動や生きる力をどうやって育て、持続させるのか」というのは、私にとっても問題です。

 感動した―元気になった―忘れた―元気がなくなった……というパターンは、これまで教えてきた学生諸君にきわめて頻繁に見られるパターンなので。

 これについて現段階では、「心磨きは毎日やりましょう」、「繰り返しによる熏習効果」ということをお勧めしていますが、ついつい怠ってしまうという諸君が多いようです。

 コスモロジー教育には、例えばキリスト教のように毎週礼拝があり、毎日食前には感謝の祈りをするとか、イスラム教のように、毎日、1日に5回、サラート(礼拝)をするといった義務化された繰り返しの型はなくて、本人の自発性に任せていますが、自発性はともすれば惰性になってしまうという弱点がありますね。

 コスモロジー教育のワーク、その他、サングラハの提供している方法を、自分でしっかり繰り返してもらえれば、持続するはずだ、とも思うのですが、なぜか――あきるのでしょうかね――自発的に繰り返してくれない諸君も少なくないようです。

 生まれてこの方ずっとばらばらコスモロジーに染められてきた心をつながりコスモロジーに染め直すのは、慢性病の漢方的な気長な治療に似ていると思います。

 私は、しばしば「飲まない薬は効きません」と忠告しています。

 そして、「私はどうして毎日薬を飲むのを忘れてしまうんでしょう」と質問されても、「私には、わかりません。すみませんが、それは私の責任ではないですよね」と答えることにしています。

 処方された薬を飲まないのは、医師ではなくクライアントの責任なんですよね。

 とはいえ、義務化せず、しかも自発的に繰り返し学んでくれるような「動機付け」をどうするか――どうすれば毎日続けて薬を飲む気になってもらうか――ということは、コスモロジー教育のヴァージョン・アップのための大きな課題だと思っています。

 子ども向けの薬のように、コスモロジー教育を甘いシロップ状の飽きない、それどころか癖になる味にでもする必要があるのかもしれませんが、それにはどうしたらいいんでしょうね。今のところ、名案がありません。

 しゅとうくんには、飽きないで繰り返せる心磨きの方法として、コスモロジーでもなく、唯識でもなく、坐禅でもなく、論理療法でもなく、ヴィパッサナーが合っていたんでしょうか。それはそれで、もちろんオーケーです。

 コスモロジー教育は、万能でも万人向きでもありませんから。

 私が現段階でヴィパッサナーを積極的に採り入れていない理由は、すでに書きましたので(http://blog.goo.ne.jp/smgrh1992/e/36a7fd811f029cf9c3b941a9729d1d07)、付け加えることはありません。よかったら、読み直してください。

 文献の紹介、有難う。

 では、健康の回復と学びの持続を祈っています。

 
返信する
応援感謝します (おかの)
2008-02-13 10:58:08
>サトシさん

 立ち寄っていただいて有難うございました。

 また気が向かれましたら、どうぞ。
返信する

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