sigh of relief

くたくたな1日を今日も生き延びて
冷たいシャンパンとチーズと生ハム、
届いた本と手紙に気持ちが緩む、
感じ。

映画:メッセージ

2017-06-02 | 映画


きれいで、切なく物悲しく、それでも絶望しない、という映画。
→「マンチェスター・バイ・ザ・シー」もそうだけど、
画面の色調がグレイがかった静かな雰囲気で整った映像の映画は、見てて気持ちいい。
(派手で下品なのも好きなんですけどね。)
SFは苦手だし、宇宙船やら宇宙人やらが出てくると、げんなりしちゃうんだけど
どっちも出てくるわりに、静かな印象の映画で、
見終わったあとにじわじわときて、なんだかもう一度見たい気がする。
かなり好きな映画でも二度観ることはないわたしだけど
久しぶりに、もう一度劇場で見たくなりました。
そういう映画は100本に一本くらいです。

地球上の12カ所に巨大な何かが宇宙から現れる。いわゆるUFOか。
それらは、人類とコンタクトを取る意思があるようで
言語学者や物理学者などのチームが作られ、
宇宙人?とのコミュニケーションを通してそれらの意図を知ろうとする。
一方各地に、戦争を早る国や指導者が現れ、一触即発の状況に。
そういう物語の進行と同時に、主人公の言語学者とその娘の過去?も語られ…

お話はこれ以上書くとネタバレになるので書けませんが、
後半に入る頃にどういうことかわかって、あぁ、そういうことなのか・・・と
ちょっとこんがらがった頭のまま感動しました。

素晴らしい映画の中で、ついぷりぷり憤慨したのが、戦いを急ぐマッチョたち。
すぐに戦争したがる地球人なんか滅びてしまえ、と思っちゃった。
(でも、そうじゃない女子供は巻き添えにしないでくれたまえよ!)
だいたいさぁ、国防のため家族のためとか言ってやたら戦争したがるおっさんって
(おっさん以外にもいるだろうけど絶対おっさんが多いという偏見を持ってる)
戦えば勝てると思ってるのかね??
遥かに進んだ技術を持つ宇宙人を、攻撃しろしろ言う人って馬鹿なの?
勝てるわけないでしょ?
そんなバカいるはずないと思っても、この前の日本の戦争を思い浮かべると
あ、いるなぁ、と納得。。。
いつの世も、すぐに武力で解決しようとする、解決できると思ってる
バカほど困ったバカはいないな。

そして、原作が好きすぎて映画にぶつぶつ言ってる友達がうるさいし(笑)、
映画がよかったのでその帰り道にすぐ原作も買って読みました。
この原作を好きなのはよくわかったけど、やっぱりわたしは映画も好きだなぁ。
映画の方は原作をかなり整理してわかりやすくしてある上に、
原作には全くない、好戦的でダメな人類たちも登場させて
かなり緊迫感あるクライマックスシーンを作ってる。
それは、原作の思索的なトーンを損なうけど、それ以上に映画的に成功してるし、
素直に、その映画らしさを楽しめばいいと思う。
宇宙人のビジュアルや文字も、本を読んだだけではなかなか想像できないけど
ばしっと映像で見せてくれて、特に文字は色々すとんと腑に落ちるんです。
原作の中のものとはぜんぜん違うものなんだけど
時間軸の前後のない世界ではこういう文字ありでしょ、と説得力がある。
これも、原作好きの友達は文句言ってたけど。笑

主人公の言語学者のキャラクターは、原作の方が軽やかな感じです。
映画の方は、かなり静かで人に心を開かず内にこもった人のようになってる。
これも、映画のカラーには合ってるかな。
女優さんは美人ではなく不美人でもないバランスが絶妙なキャスティング。

この原作の映画化として一番うまくできているのは、
娘が育っていくまでのシーンがところどころ挟まれている構造ですが
これに関しては映画化するしかない!と思うほど映画にぴったりな題材なので
わたしが映画人でこの原作を読んだら、
こういう風に映画を作りたいよな、そりゃ、と思う。
そして宇宙人の世界観や言葉についての解説というか理屈のシーンも
映像ってすごい、わたしでもなんとなくわかる。
これ、映画見てないと、いきなり原作読んでもとっつきにくかったかも。
時間に対しての問題は映画を見てぼんやり納得した頭で読んだから
すっと入ってきたけど、予備知識なく原作を読んだら、もっと混乱してたかも。
原作素晴らしいと思うけど、あれをわたしのような理解ののろい人にも
それなりにわかるように作り変えてある映画は、やっぱりえらい。

毎月やってる映画の会の課題映画だったんだけど
映画の会の時はみんなもぐもぐと「ばかうけ」を食べながらおしゃべりしました。

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