名南将棋大会ブログ 名古屋

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大山将棋研究(219); 三間飛車穴熊に銀冠

2016-07-18 | 大山将棋研究
昭和50年5月、西村一義先生と第16期王位戦です。


西村先生の三間飛車穴熊、このころはもう穴熊党副総裁と呼ばれていたのでしょうか。

大山先生は銀冠です。

今の将棋では持久戦で46歩は突きません。55歩同銀65歩54歩64歩という筋を決行するかどうかですね。

55歩から28飛で開戦です。西村先生は22飛とはやりにくくて

65歩から銀をさばきますが

もちろん簡単ではなく、64歩で呼び戻されて2筋を破られます。

62飛から66歩というのは当然の反撃。

角金と飛銀の交換になりました。

大山先生の方針は64角を封じることです。

西村先生は食いつきながら攻めを続けます。結構受けにくいです。

大山先生は受けきりを狙って28飛打ち。68の地点に利きがないといけません。

この歩は取るべきでだったと思います。

64の角を封じてうまく取れればよいのですが

19の香を取られて後手は4枚目の攻め駒。それでも竜を引けば難しそうです。

香で65の金を取られ、角取りですが55に馬を引いたのが好手。86玉には45馬ですね。でもそれに飛び込むしかなかったか。

25竜とかわしたくなりますが、角を引かれて攻め駒が減りません。

西村先生は食いついていけばよく

大山先生は自玉を補強するしかないです。

下から攻めるのでまだまだ粘りは利きます。

はがしたり埋めたりの攻防が続き

そうしている間に5枚目の攻め駒を取られる。でも中段玉なのでまだ粘れます。

ひたすら攻防が続き

下段から香を打てばよい攻めになります。こういう手が出てくると少しずつ西村先生がよくなります。

このあたりが最後の岐路。44とでしたがなにか上部開拓する手を指したかったのです。

飛車打ちから69の銀も活躍するようになれば終わりが近く

遠見の角は良い手なのですが(ここで44と が生きました)

入玉を阻まれては望みなし。

投了図。


大山先生から寄せ合いに行けないのでは、角金と飛銀の交換というのは穴熊側に手段が多く、互角とはいえ苦しい展開でした。19の香を取られてからは西村先生のほうが良くなったでしょう。
長い将棋ですがまあまあの好局です。受けや攻めの訓練になるでしょう。

#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.23 棋譜ファイル ----
手合割:平手  
先手:大山棋聖
後手:西村一義7段
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 3四歩(33)
3 6六歩(67)
4 3二飛(82)
5 5六歩(57)
6 6二玉(51)
7 4八銀(39)
8 7二玉(62)
9 6八玉(59)
10 4二銀(31)
11 7八玉(68)
12 8二玉(72)
13 2六歩(27)
14 4四歩(43)
15 2五歩(26)
16 3三角(22)
17 5八金(49)
18 4三銀(42)
19 9六歩(97)
20 9二香(91)
21 7七角(88)
22 9一玉(82)
23 8八玉(78)
24 8二銀(71)
25 7八銀(79)
26 5二金(41)
27 6七金(58)
28 6四歩(63)
29 5七銀(48)
30 7一金(61)
31 8六歩(87)
32 9四歩(93)
33 8七銀(78)
34 7四歩(73)
35 7八金(69)
36 6二金(52)
37 8五歩(86)
38 5四銀(43)
39 3六歩(37)
40 7二金(62)
41 3八飛(28)
42 5一角(33)
43 4六歩(47)
44 1二香(11)
45 8六角(77)
46 7三角(51)
47 5五歩(56)
48 同 銀(54)
49 2八飛(38)
50 6五歩(64)
51 同 歩(66)
52 4六銀(55)
53 6四歩(65)
54 5五銀(46)
55 2四歩(25)
56 6二飛(32)
57 2三歩成(24)
58 6六歩打
59 同 金(67)
60 同 銀(55)
61 同 銀(57)
62 6四飛(62)
63 同 角(86)
64 同 角(73)
65 2五飛(28)
66 6七歩打
67 5五歩打
68 2四歩打
69 同 と(23)
70 4七角打
71 3四と(24)
72 6八金打
73 7七銀打
74 5八角成(47)
75 2八飛打
76 7八金(68)
77 同 銀(87)
78 3六馬(58)
79 2一飛成(25)
80 2七歩打
81 3八飛(28)
82 4六馬(36)
83 6五金打
84 6八歩成(67)
85 同 銀(77)
86 8六角(64)
87 7七桂(89)
88 1九馬(46)
89 2七龍(21)
90 6一香打
91 8七玉(88)
92 6五香(61)
93 同 銀(66)
94 5五馬(19)
95 2五龍(27)
96 6四角(86)
97 8六桂打
98 4七金打
99 6四銀(65)
100 同 馬(55)
101 3六飛(38)
102 5八金(47)
103 6九歩打
104 5四馬(64)
105 5六飛(36)
106 7五銀打
107 5四飛(56)
108 8六銀(75)
109 同 玉(87)
110 5四歩(53)
111 6七銀打
112 6八金(58)
113 同 歩(69)
114 6六歩打
115 同 銀(67)
116 8八金打
117 8九金打
118 7八金(88)
119 同 金(89)
120 8九飛打
121 8八角打
122 6九銀打
123 8七金(78)
124 7八銀打
125 9八金打
126 8七銀成(78)
127 同 玉(86)
128 7八金打
129 9七銀打
130 8八金(78)
131 同 銀(97)
132 7九角打
133 5六角打
134 8八角成(79)
135 同 金(98)
136 9九飛成(89)
137 9八金打
138 7九龍(99)
139 7五歩(76)
140 6四桂打
141 6五角(56)
142 6八龍(79)
143 5七角打
144 6七龍(68)
145 6八歩打
146 7六銀打
147 8六玉(87)
148 5七龍(67)
149 同 銀(66)
150 5八角打
151 3五龍(25)
152 6五銀(76)
153 同 龍(35)
154 6一香打
155 6七香打
156 4七角成(58)
157 6六銀(57)
158 6五馬(47)
159 同 銀(66)
160 5七角打
161 7四歩(75)
162 6六歩打
163 4四と(34)
164 6七歩成(66)
165 同 歩(68)
166 4八飛打
167 6六角打
168 同 角成(57)
169 同 歩(67)
170 7八銀成(69)
171 3七角打
172 6八飛成(48)
173 7八金(88)
174 同 龍(68)
175 8八銀打
176 8九角打
177 9九金(98)
178 7六香打
179 8九金(99)
180 同 龍(78)
181 7九銀打
182 7七香成(76)
183 同 玉(86)
184 7五桂打
185 2三角打
186 8七金打
187 6八玉(77)
188 8八金(87)
189 8九角成(23)
190 同 金(88)
191 5七玉(68)
192 3六金打
193 3一飛打
194 4七角打
195 3二飛打
196 6七桂成(75)
197 同 玉(57)
198 5六銀打
199 7七玉(67)
200 3七金(36)
201 6四銀(65)
202 7九金(89)
203 7三香打
204 5九角打
205 6八桂打
206 5八角成(47)
207 7二香成(73)
208 6八馬(58)
209 投了
まで208手で後手の勝ち
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これにて良し? これで簡単形勢判断

2016-07-18 | 将棋本 断捨離
久しぶりに将棋本の話です。図書館で借りた古い本ですが
これにて良し?―四間飛車VS急戦定跡再点検

これで簡単 形勢判断

高野秀行先生の形勢判断は
駒の損得
玉型
駒の働き
手番(後の本では省略)
の4つの(あるいは3つの)要素で決めています。

私がいつも書いているのは
駒の損得
玉の堅さ
攻め駒の枚数
です。

同じようですが、駒の損得について、歩の損得のルールが加わり、と金や竜馬の扱いを加えています。
玉の堅さは同じです。
駒の働き と昔から言うのですが、これが明快ではないので攻め駒の枚数に変えています。(この本を読んで考えたわけではないのですが。)玉の囲いに働いている駒は2重に考えていることになりますし、攻め駒が働いているかどうかの判断を、敵陣あるいは敵玉の囲いに利きがあるかどうか プラス持ち駒 で定義するほうが明確です。攻め駒の枚数を4枚にするのが中盤から終盤にかけての目標で、4枚にしたら終盤のセオリーで考えていくわけです。

と私の方法の宣伝になりましたが、定跡を覚えた後はこの2冊の本を読んでおくと次のステップにつながります。内容が古いのが残念ですが、級位者の方にはお勧めできます。

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