名南将棋大会ブログ 名古屋

名南将棋大会告知や結果のほか、
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大山将棋研究(208); 四間飛車穴熊に銀冠

2016-07-07 | 大山将棋研究
昭和50年1月、大内延介先生と第24回NHK杯です。


大内先生はあっさり振り飛車を譲り、大山先生の四間飛車です。

振り飛車党は左美濃が好きですね。

この場合は美濃囲いでもよさそうですが、大山先生は穴熊に。

3筋で飛車が向かい合う形に。

この歩はあまりつきたくないです。手詰まりにもなりやすいですし。

ここで大内先生から開戦です。

狙いは銀を殺すことでした。銀を引いていたら65歩でしたかね。

大山先生は香は無視して45歩でした。もちろん香を取り

一回桂を逃げます。

手筋の歩から

桂を捨てれば銀が取れます。

飛車を逃げる前に33成香はできたはず。(結果には影響しませんでしたが)

互いに飛を成り合う。銀と桂香の交換なので居飛車が駒得です。69銀とか55桂があるので銀冠が堅くないのが問題で(銀冠は横からの攻めには弱い)、52歩で攻め合うのは負けなんでしょう、であれば大山先生が有利です。

大内先生の58歩は受けの手筋ですが、成銀を使えば4枚目の攻め駒。

この攻め合いでは望み薄です。

角をとっても金をはがされすそ空きで

でも大山先生が香を取ったのが疑問手です。73銀打としておくのが穴熊らしい手でした。

71竜と取れて、面白くなりました。大山先生は先手玉を追いかけるしかありません。

なんとか83歩を打てて一安心。

さらに73歩から飛車を取れました。

後は大内先生が入玉できるかですが、この歩は困りますね。

銀桂を取られて単独トライでは望み薄です。

入玉はできず

45歩には49竜で合駒なしで詰みです。

#KIF version=2.0 encoding=Shift_JIS
# ---- Kifu for Windows V7 V7.23 棋譜ファイル ----
手合割:平手  
先手:大内延介8段
後手:大山棋聖
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 3四歩(33)
3 5六歩(57)
4 4四歩(43)
5 2六歩(27)
6 3二銀(31)
7 4八銀(39)
8 4二飛(82)
9 6八玉(59)
10 6二玉(51)
11 7八銀(79)
12 7二玉(62)
13 7九玉(68)
14 8二玉(72)
15 5八金(49)
16 9二香(91)
17 5七銀(48)
18 9一玉(82)
19 6六歩(67)
20 6四歩(63)
21 9六歩(97)
22 5二金(41)
23 3六歩(37)
24 4三銀(32)
25 7七角(88)
26 8二銀(71)
27 8八玉(79)
28 7一金(61)
29 6七金(58)
30 3二飛(42)
31 2五歩(26)
32 3三角(22)
33 1六歩(17)
34 1四歩(13)
35 8六歩(87)
36 5一角(33)
37 3八飛(28)
38 1三香(11)
39 8五歩(86)
40 7四歩(73)
41 8七銀(78)
42 5四銀(43)
43 7八金(69)
44 6二金(52)
45 4六歩(47)
46 7二金(62)
47 8六角(77)
48 7三角(51)
49 7七桂(89)
50 4二飛(32)
51 4八飛(38)
52 4三飛(42)
53 1八香(19)
54 3三桂(21)
55 1五歩(16)
56 同 歩(14)
57 5五歩(56)
58 同 銀(54)
59 1五香(18)
60 4五歩(44)
61 1三香成(15)
62 4六歩(45)
63 2三成香(13)
64 4五桂(33)
65 4六銀(57)
66 4七歩打
67 同 飛(48)
68 3七桂成(45)
69 同 桂(29)
70 4六銀(55)
71 4八飛(47)
72 4七銀成(46)
73 1八飛(48)
74 3七成銀(47)
75 1一飛成(18)
76 4八飛成(43)
77 5八歩打
78 4七成銀(37)
79 8四歩(85)
80 同 角(73)
81 8五香打
82 5五桂打
83 8四香(85)
84 6七桂成(55)
85 同 金(78)
86 5八成銀(47)
87 7八桂打
88 5九龍(48)
89 6四角(86)
90 8九金打
91 9七玉(88)
92 8四歩(83)
93 7一龍(11)
94 8八銀打
95 8六玉(97)
96 8五香打
97 9五玉(86)
98 9四歩(93)
99 8四玉(95)
100 8三歩打
101 7四玉(84)
102 7三歩打
103 6五玉(74)
104 7一銀(82)
105 5三角成(64)
106 6八成銀(58)
107 5六金(67)
108 5二歩打
109 2六馬(53)
110 8七香成(85)
111 5七歩打
112 2九龍(59)
113 2七桂打
114 7七銀(88)
115 5四玉(65)
116 3一桂打
117 4四玉(54)
118 4三飛打
119 3四玉(44)
120 2三飛(43)
121 4一角打
122 4三銀打
123 3五玉(34)
124 3二香打
125 同 角成(41)
126 3四歩打
127 4五玉(35)
128 3二銀(43)
129 2四香打
130 6三角打
131 4六玉(45)
132 5三飛(23)
133 6四金打
134 9九金(89)
135 5三金(64)
136 同 歩(52)
137 5一飛打
138 4一香打
139 投了
まで138手で後手の勝ち

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20160707今日の一手<その352>; 王手飛車でもすぐに飛車を取らない

2016-07-07 | 今日の一手

20160707今日の一手

練習将棋でKさんと私の対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。



一昨日の一手の回答

☆ 形勢判断をします。
私の1歩得ですが、後手も持ち歩があるので損得なしとします。
玉の堅さは飛車の横利きも含めて先手のほうが少し堅いです。
先手の攻め駒は持ち駒角銀で2枚。
後手の攻め駒は55銀63飛と持ち駒角銀で4枚。

総合すれば互角です。攻め駒が4枚になっているので後手のほうが指しやすいのかもしれません。

大局観として

銀がぶつかっているのをどう処理するかが問題です。逃げるというわけにはいかないので、取る、取り返せるようにする、手抜く、の3通りです。持ち駒もあるのでそれぞれの候補の手は多いです。後手玉は角の王手のラインが空いているので、その筋を考えれば形勢がよくなりそうです。


× 55同銀が自然ですが、67飛成と取られて

やはり後手の攻め駒は4枚、竜を追い返すこともできず、これは負けます。


× 77銀打は

千日手ねらいのような受けですが、少し堅くなりました。後手は千日手ではつまらないので46角、これに48飛でどうか。

38飛と受ければ47銀から桂馬を取られるし、これでうまくなければ諦めます。37角成41飛成42金右91竜65桂

香を取り返せますが、37の馬で竜取りになりそうで困っています。


× 77金左とすれば

今度は銀を取れるので66銀同金直46角

ここでも38飛は47銀、48飛はまた91の香を取ると65桂を食らいます。残りは27飛なら15歩とされて

桂を跳ねると19の香を取られるので端攻めも思わしくなく、飛車の横利きがないので玉が薄い、ということで後手が有利です。


△ 77角は

今度は46角に55銀というのがあって

55銀が動けば王手なので目がちかちかしそうです。例えば37角成64銀44歩63銀成

と取り合って、28馬なら52成銀、63金なら18飛で先手よしです。

ということで77角には66銀と取るのでしょう。

66同角は飛車を切られるだけなので、66同金39角68飛

としても57角成は67金が王手で馬を取れます。

77角に66銀と取るのも必然手ではないし、先に31玉とかわしておくとか、後手に工夫ができそうなので何とも言えませんが、互角に戦えそうです。


○ 64歩とたたくのもよくある手で、

64同飛65歩66銀同金65桂

ここで55角が王手飛車ですが、33角と合わせられます。33同角成同桂55銀61飛14歩12歩

となれば少し先手がよさそうです。

なお、33角と合わせられた時に44歩としたくなるのですが

44同飛同角同角55銀同角同金66角

と派手な ばかしあいをやると後手がよいようです。


○ 実戦では手抜いて41銀としました。

こういうのは42金右としても32銀成同金41角

となれば先手が得です。後手は突撃するしかありません。

41銀に66銀同金同飛55角

王手飛車で33角と合わせるくらいですが、このとき私は予定変更で飛車を取ってしまいました。

これが悪手です。66同角に77銀と打てば手堅いのではないか、と錯覚しました。57角成52銀不成65桂

桂馬を使われては相当に怪しく、まだ68金とか受けるのでしたが、41銀不成77桂成同桂79角98玉97銀

先手玉が詰まないからこれで難しいのだと思っていたら簡単に詰みました。

正しいのは飛車を取らないで44銀です。

これを予定していたのです。69飛成32銀成同玉33銀成同桂25桂

と攻めていけば飛角の利きが受けによく利いているし、余裕をもって攻められます。

また、44歩としてもよく、同じように69飛成25桂

で後手は受けにくいので勝てそうです。


○ また、14歩もあって

前の15歩の顔を立てています。もちろん12歩と受ければ41銀で前より条件が良いです。
66銀同金同飛に55角

33角44銀69飛成に13歩成

取るのも危ないので31玉と逃げれば33銀成同桂22銀

取っても逃げても十分攻めが続きます。桂香が攻め駒に加わりそうなので楽に攻められます。


一番普通の55銀は飛車を成られて駄目、とわかります。

77銀とか77金左とか、77角は有力ですが、こういう受けるだけの手は後回しに考えたほうが良いです。相居飛車では寄せ合いを目指すほうがほぼ正しいです。

64歩から飛車先を止めれば王手飛車が狙える、のですが、実は飛車を取ると負けます。じっと55銀と抑えて手番を握れば相当に戦えます。

実戦の41銀も王手飛車をかける手ですが、飛車を取ると負けます(負けました)。44銀まで見えていたのに、余計なことを考えなければよかったです。王手飛車をかけて、でも飛車を取らなければ角が攻防に働く素晴らしい位置にあったのです。合駒に角を使わせて、その角を小駒で取りに行くとよい寄せになります。

14歩も同じような意味で、41銀は端との挟撃を狙う感じで、14歩は端を攻めて19の香を攻め駒にしようという手です。15歩の顔を立てたともいえます。

王手飛車の筋が2通りありましたが、飛車を取るよりも自玉の堅さのほうが優先です。すぐに飛車を取るものとは思わないで考えてみてくださいね。

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