名南将棋大会ブログ 名古屋

名南将棋大会告知や結果のほか、
将棋が強くなるための記事を書きます。
まずは将棋上達法則を見てください。

大山将棋研究(6)

2015-12-17 | 大山将棋研究
昭和49年8月、内藤先生との棋聖戦第4局です。

内藤先生は大山先生を苦手にしていて、防衛する立場でもぎこちない感じです。振り飛車にされても勝てなくて、自分から振ったという形です。相振り飛車になればと思ったのかもしれませんが、大山先生は応じません。大山先生は振り飛車退治もうまいので期待です。

玉頭位取りに行くのは中央が薄くなるので3筋から攻勢に出ます。

一回46歩として後手に4筋の歩交換を許してから3筋を交換します。

この桂馬が調子いいです。ただし、先手玉のほうが堅いのですが、攻撃力が足りないので難しい将棋です。

後手の金銀が引いていくようでは先手が好調。先手は中央の厚みを生かします。

これが継続手。65同歩は97角か77桂か。

後手は桂馬をさばきましたが改善しません。先手は銀を繰り出します。

どんどん銀が進出します。後手の金銀は4筋ですから方向が違います。

86桂でもよさそうですが、継歩でじっくり。

桂馬を打って角筋を通して、やりたい放題。44角が詰めろになります。

最後は銀をぶつければよいです。

打ち込んで寄っています。気持ちいいでしょう。


内藤先生にいいところがありませんでした。苦手意識が伝わってきます。華麗な将棋を好む内藤先生ですが、じっくり厚みや位で押されては力が出ません。大山先生の指し方はじっくり味わいたいです。こういう将棋を見ると位取りやりたくなりませんか?


#KIF version=2.0 encoding=UTF-8
# ---- Kifu for Windows V7 V7.22 棋譜ファイル ----
手合割:平手  
先手:大山十段
後手:内藤棋聖
先手省略名:大山
後手省略名:内藤
手数----指手--
1 7六歩(77)
2 3四歩(33)
3 6六歩(67)
4 4二銀(31)
5 6八銀(79)
6 5四歩(53)
7 6七銀(68)
8 5三銀(42)
9 5六歩(57)
10 5二飛(82)
11 4八銀(39)
12 5五歩(54)
13 同 歩(56)
14 同 角(22)
15 5七銀(48)
16 3三角(55)
17 5六歩打
18 5四銀(53)
19 6八玉(59)
20 6二玉(51)
21 7八玉(68)
22 7二玉(62)
23 5八金(49)
24 8二玉(72)
25 9六歩(97)
26 9四歩(93)
27 2六歩(27)
28 7二銀(71)
29 2五歩(26)
30 6四歩(63)
31 6八金(69)
32 4四歩(43)
33 3六歩(37)
34 4二金(41)
35 4六歩(47)
36 5三金(42)
37 3八飛(28)
38 4五歩(44)
39 同 歩(46)
40 同 銀(54)
41 4六歩打
42 5四銀(45)
43 3五歩(36)
44 同 歩(34)
45 同 飛(38)
46 3二飛(52)
47 2四歩(25)
48 同 歩(23)
49 3七桂(29)
50 4四歩打
51 4五歩(46)
52 4三銀(54)
53 5五歩(56)
54 3四歩打
55 3六飛(35)
56 5一角(33)
57 5六飛(36)
58 5二飛(32)
59 6五歩(66)
60 3三桂(21)
61 6六銀(57)
62 4五桂(33)
63 同 桂(37)
64 同 歩(44)
65 6四歩(65)
66 3三角(51)
67 6五銀(66)
68 4四金(53)
69 6六銀(67)
70 5一飛(52)
71 7五歩(76)
72 6二歩打
73 6七金(58)
74 2五歩(24)
75 7四歩(75)
76 同 歩(73)
77 7五歩打
78 同 歩(74)
79 7四桂打
80 7一玉(82)
81 5四歩(55)
82 5二歩打
83 7五銀(66)
84 7三銀(72)
85 6三歩成(64)
86 同 歩(62)
87 6四歩打
88 同 歩(63)
89 同 銀(65)
90 7二金(61)
91 6三歩打
92 6一歩打
93 7三銀成(64)
94 同 桂(81)
95 6二銀打
96 同 歩(61)
97 同 歩成(63)
98 同 金(72)
99 4四角(88)
100 同 角(33)
101 8二金打
102 投了
まで101手で先手の勝ち




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20151217今日の一手<その237>; 角換わり早繰り銀定跡研究

2015-12-17 | 今日の一手
*年末年始は少し長めに帰省します。田舎ではネット環境を整備していないので更新ができません。ですから今は記事を書き溜めているところですが、いろいろやりたいことがあって時間が足りません。
今日の一手は来年までお休みにして、大山将棋研究のほうだけでも毎日更新できるようにしておきます。
ご了承ください。



20151217今日の一手<その237>

先月28日の名南将棋大会からNさんとOさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。









昨日の一手の回答

定跡書では、腰掛銀が有利とされています。
銀を引くのでは歩損になるので、後手は76歩。先手は同銀では妥協で、73銀の後66角が負担。
なので76歩64歩77歩成63歩成

78と に64角

ここまでは一本道です。
定跡書では92飛53角成41玉62歩52歩64馬51金78飛

これで先手よしとされています。銀損でも と金でカバーしていると。78飛の味がいいですね。

でも実戦でも指された68銀

これはPCソフトに指されたことがあって、大変だと思っていたのです。78飛と取られないようにしているし、攻めにも使えます。
48玉に定跡のように進めるとこの局面

これが銀損なので難しい局面だと思っていました。


実戦では93角

これもなかなかの手です。68銀が生きています。
ここからの変化を考えます。

× 実戦は75歩で、54金82角成同角83飛

46角66銀76角という展開。

やや後手が指せるでしょう。途中の54金が平凡な好手で、と金を活用しにくくしています。
以下は後手がリードを保ち、寄せきりました。

△ 54金は避けなければいけないので、53角成

41玉に62歩では

57角成38玉56馬27玉52歩

銀損ですが、64馬が飛車取りです。84飛61歩成64飛同と

詰めろなので、31玉に41銀が手筋。取れないので42金打で

32銀成同玉には62と くらいしかなく、89と

これで35桂を狙って後手が有利です。

53角成41玉に75歩は

42銀64馬62歩

ここで53と は同銀同馬63金で

馬が死んでしまいます。

53と の代わりに82馬同角83飛は46角

これではうまくいきません。

戻って、75歩ではなく58金が最後の候補。

42銀64馬62歩に53と は

同銀同角成63金に97馬と逃げられるのですが86歩

86同馬には同飛同歩66角ですし、同歩では88歩くらいでだめです。

62歩には82馬同角83飛のほうがよいのですが

46角81飛成71金打52銀31玉

あと一歩なのですが届きません。

△ 53角成がだめなら53と です。

これには41玉もあるのですが、31玉43と42歩

32と同玉に75歩

62飛53角成57銀成

57同玉69飛成59金打89竜

やはり後手のほうが少し良いようです。

少し戻って75歩ではなく82馬は

57銀成38玉(39玉もないことはない)82角45銀

47金27玉46金で

やはり後手のほうがいいです。攻め駒の数が違うし、89とから35桂や67角の筋もあります。


△ それ以外は38玉の早逃げで、これに対して57銀成でも

あまり違いはありません。57銀成でなくて31玉もありそうです。


68銀が難物で難しいと思っていたのですが、92飛より93角の方がよりよいのかもしれません。53角成で後手の玉に迫るのが気持ちいのですが、飛車もとりたい。片方しかできないのでもとの駒損を回復しなければ苦しくなるという感じです。

あまりこの定跡にはならないのですが、基本定跡なので成立しないと困ります。それなら逆に先手角換わりで早繰り銀が有力になります。








コメント (1)
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