20151206今日の一手
10月10日の名南将棋大会からOさんとHさんの対局です。形勢判断と次の一手を考えてください。
昨日の一手の回答
☆ 形勢判断をします。
金歩と角桂の交換で、先手の駒得です。終盤なので重視しません。
玉の堅さは後手のほうが堅いです。
先手の攻め駒は55飛と持ち駒角角銀桂で5枚。
後手の攻め駒は79竜68銀持ち駒金で3枚。
総合すれば互角です。
大局観として
先手のほうが攻撃力があるのですが、玉が薄いです。方針は攻めて後手玉も薄くするか、守りを固めるかのどちらかです。
でも自玉に手を入れたとしても、77桂や99香は取られるでしょうから、後手の攻め駒が増えます。受けるなら攻防の手ではないとだめでしょう。
攻めるなら上から攻めるか横から攻めるかという選択です。もちろん両方から攻めるのが理想ですが、この場合は歩切れなので、上から攻めるのは難しい(場合が多い)です。
△ 実戦は65桂でした。
相手に桂馬を取らせない攻めの手なので、攻防の手に見えます。
44銀が飛車に当たる攻防の手で、56飛に78竜
ここは37玉で先手玉が安定して互角だったのですが、58銀(打ちたくなりますが)に69銀不成
寄り筋になってしまいました。先手は良い受け駒がありません。
後手の78竜は疑問手で、それを58銀と疑問手で返したのでいっぺんに寄ってしまいました。
後手の78竜では45金が俗手の好手です。
飛車を取れば27飛が挟撃になります。
先手は56飛で何かないかということなのですが、53桂成は
55銀52成桂27飛に97角
64歩79角46銀
これは寄せられてしまいます。
97角は
99竜54飛
飛車を逃がせますが、97竜74飛45香
これは後手が優勢です。
△ 54飛は奇手です。
54同歩97角
22玉79角同銀不成41銀
実戦的には互角でしょう。79銀が離れていくので勝負になります。
× 最初に97角も見えます。
99竜に53角成から行くと王手竜取り
これがなければ先手も指せそうですが惜しい。
53飛成から行けば42金打
17馬で粘れそうですが、この時点で駒の損得がほとんどないですから受けに回るのはつまりません。77桂を取られて駒損になっていきます。
受ける時は駒得が条件です。
○ 振り飛車党なら85飛が一目ですよね。やさしかったかもしれません。
77竜81飛成に22玉なら41銀
素直に42金右32銀成同金なら24桂
先手の攻め駒が多いので、これで寄ってしまいます。すなわち24同歩同歩同銀なら23歩
23同金は31角から、23同玉は21竜からの寄せが決まります。
24同銀ではなく31桂なら
41角42金打23金
15桂の筋があるのでこれも寄りです。
後手は81飛成に41桂の合駒が仕方ないです。
これで先手玉が少し安全になりました。95角79竜(78竜は37玉で)61銀42金右51角成
これくらいが相場でしょうか。やや先手が指せます。52銀成からの寄せです。
△ 24歩は同歩
手抜きは23歩成から15桂ですから、この突き捨ては入るのですが、歩切れなので継続手がありません。あれば23歩と打ちたいですね。
× 38銀と手を入れるのもそれなりに見えますが
77竜85飛54桂
55銀57銀成37玉56成銀
これで46金を狙った寄せです。先手は一枚投入しても後手に桂馬を補充されてしまうのが難点です。
問題図では駒得でも歩切れです。上からは攻めにくいのです。24歩は入るとしても、35歩とはできませんし、65桂が有力に見えるのですが飛車を追われてしまいます。
85飛から転回できるのならそちらのほうが速いです。まだ後手の攻め駒が3枚なので間に合いました。