さうぽんの拳闘見物日記

ボクシング生観戦、テレビ観戦、ビデオ鑑賞
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拳闘見聞の日々。

好カードだが、微妙に不足もあり、日本人対決二試合予想

2024-05-03 05:39:38 | 関東ボクシング



さて、ドーム決戦まであと数日となって、色々と情報が出ています。
メインについては別に、他の世界戦についても少しだけ予想ぽいことを。


先にJモロニー、武居戦に触れましたんで、あと二試合ですが、正直言って、世界戦というグレードの線引きをどこでするかにもよりましょうが、ちょっと落ちるカードかなあ、という感じではあります。
もちろん、日本人同士の好カード、という括りとしては、かなりのものではあるんでしょうが。


井上拓真vs石田匠は、石田の戦力が、拓真相手にどうかというより、世界のタイトルホルダー相手に、勝ちを掴めるものなのか、という疑問が呈されている、と言えるでしょう。

石田匠、確かにジャブは絶品です。それこそ一翔ではなく、井岡弘樹により近いのはこの石田ではないか、という声もあります。
そのグッドジャバーぶりは一見の価値あり。それは誰もが認めるところではないかと。

しかしジャブだけで相手を封じきるには、打つ前後の運動量が乏しく、苦しいところ。
そして、後続打といえば右ストレート、ボディブローの連打などになりますが、過去の世界上位との闘い、ヤファイやイスラエル・ゴンサレス、田中恒成やビクトル・サンティリャン相手の試合で、その後続の部分に決定力が欠けたこともまた、否めないところです。


もし井上拓真が、短い試合間隔が災いして、若干不調で立った場合、石田匠のジャブによる先制と、距離、リズムの構築がなり、後続の攻撃もそれなりに奏功し、ポイントの貯金をもって、拓真の追い上げを振り切り僅差勝利、ということはあり得るかもしれませんが...拓真が石田のジャブに苦しんだとて、リーチの差を踏み込みと立ち位置の巧みさで克服して、同じく左で渡り合うという展開になれば、石田は苦しいでしょう。
拓真が右を狙いすぎるようなスタートだったらわかりませんが、長身の石田相手にボディ攻撃も出ることでしょうし...展開がどうなっても、おそらく井上拓真の勝利だろうと見ます。
それを覆す何かを、石田匠が大一番で見せてくれるか、という期待もありはしますが...。


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ユーリ阿久井政悟と桑原拓の再戦は、桑原が前回敗れたのちに、フィジカルを鍛えることに重きを置いたハードトレーニングを自らに課し、スピードとパワーを融合させて強くなっている、と喧伝されている一戦です。
実際、ウラン・トロハツを、ボディ一撃で沈めたKO勝ちなど、徐々にではあるが、目に見えて成果が出ている、とも言えそうです。

しかし、早々に日本やOPBFのタイトル戦線から離脱し、京口紘人とも絡まず、今この時点で、WBA王者となった阿久井に雪辱戦を挑むことについて、ボクシングファンが納得感を持っているかというと、微妙なところでしょう。
少なくとも、主催者が違ったら組まれたかどうかわからない、と。
このカードを組んだ大橋秀行の仕事は「プロモーター」ではなく「会長」のものである。そう言って間違いないと思います。

初防衛戦で東京ドーム、しかもライブ配信最初の試合、その重圧が阿久井の戦力を目減りさせる、というようなことでもない限り、両者の力関係が劇的に変わるようには思えません。
桑原同様、ではなくてそれ以上に、アルテム・ダラキアンを攻略した星は、ユーリ阿久井政悟に自信を、確信を与え、さらに強くしたように思えるのですが。


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しかし、大一番の前に、笑えもせず意外性もないけど、碌な話ではない、という、どこにもええとこのない話題が飛び出しておりますね。
ライアン・ガルシア、VADAのドーピング検査で、献体Aから陽性反応とのことです。

計量失格の話も、この話も、聞いたときにまったく驚きがありませんでした。
数年前、出始めのころ華奢な印象だったものが、あるときを境に、急に分厚い筋肉がついて、左フック一発で倒すパンチャーに変わったときから、明らかにこれは怪しい...というか、まんまやん、と思ったものです。
逆に、今までよう表沙汰にならんで来たものやなあ、という感じです。


本人は色々面白い?ことを言っているらしいですが、もう本人がお馬鹿ちゃんなのはどうしようもないことです。
問題は、周辺がこの違反行為者にどう対するか。どう遇するか、或いはしないか。
問うべきはあくまでその点です。繰り返しますが本人はもう、どうしようもありません。ああだこうだ言うたり思ったりするだけ、時間の無駄ですね。ハァ。




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4 コメント

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Unknown (R45ファン)
2024-05-03 07:10:09
この2カードは4大世界戦にするために無理くり入れた感ありますよね。まずチャンピオン側の試合感覚が短い。

おっしゃる通り桑原くんは大橋ジムじゃ無ければ組まれなかったでしょう。世界やるべき実力や過程踏んだとも言えないし。ユーリくんの勝ち、いやダラキアン超えまで長く待ちながらようやく勝ち取ったユーリくんにはしばらくチャンピオンライフ満喫して欲しいし、心情的に肩入れしちゃいます。

拓真くんは大丈夫ですかね。アンカハスとの試合からたったふた月半ですよ。微妙に足運びとか何か乱れはないかと。
ただおっしゃる通り石田さんは国内レベルでは上級。しかしそもそも日本タイトルの防衛戦でも、下位相手には快勝する一方、上位レベルには少なからず苦戦。厳しい事いうと、長いジャブは一流だけどそれだけとも言えます。アッパーはほとんどないし、フックもパワーレス、ボディも少ない。ディフェンスもそこまでじゃない。こないだの挑戦者決定戦を勝ち抜いた自信があるかもしれませんが、拓真くんのアンカハス超えはそれ以上。強いて言えば拓真くんがKO狙いにはやる可能性ですが、それでも防衛は固いと見ます。

まあライアンガルシアはもうとち狂った輩ですね。ただこれはネリにも言えますが、何でこんなのもてはやすのか。他にもスター性ある選手なんぞアメリカならいくらでもいるでしょう。もしかしたらその人材も枯渇しているのでしょうか。
だとしたら本場じゃないですね。尚弥様にアメリカでやれとかなんとか変な批判してましたが、こんな輩一匹罰せられないなら本場の資格なしです
コメントありがとうございます。 (さうぽん)
2024-05-03 13:05:38
>R45ファンさん

日本人対決として、世界戦というには僅かに、しかし国内好カードとして見れば充分、という。まあ東京ドームめでたいし、マスコミさんも敢えて言わんとこ、みたいな感じですか。
実際闘って、桑原がスピードに加えパワーでも通用するということも、あるのかもしれませんが...しかし挑戦までの過程自体どうかなあと思いますね。阿久井の方には、どうしても油断がでてくるかも、という心配はありますね。
拓真の試合間隔は気になりますね。相手が石田匠だったから、という面もある?どうなんでしょうかね。
石田匠のジャブの後の攻撃力は、ペースを握って相手を疲弊させつつ、ボディに有効打を決めて、その先はリズムと数で攻め立てる、という展開があれば、というところでしょう。それが井上拓真相手にあり得るとも思えませんが、競り勝つ道はなくはない、でしょうね。とはいえ...昨年のサンティリャン戦はYouTubeで、あちらの陣営がアップしたと覚しき手撮りの映像を見ましたが、あちらさんは判定に心底不満だったようで、見た印象としてもどちらとも言えず...というものでした。接戦での粘りは確かに見て取れましたが。
ライアンの件は、アメリカのボクシングがいよいよ、その常識を問われる自体になりましたね。数年の出場停止でも甘いと思いますが、それもない、或いはみんなで抜け道探して儲けよう、というところじゃないですか。嗚呼、アメリカならばこそ。
Unknown (海の猫)
2024-05-03 15:45:33
4大タイトルマッチのうち、「世界」に相応しいカードはメインのみですね。そのメインも「ビッグマッチ」と呼ぶには程遠く。それを過去のやらかしによる話題性でかさ増しされても、と。本来は価値が落ちるべきで。セミは興味深く楽しみではありますが、武居はそもそもバンタムの体重を作るのは初めてで、上の階級で十分な実績があるわけでもない。ここにマティアス-平岡を入れようとしていたのも呆れます。挑戦者決定戦を断って何を言っているのかと。

阿久井と桑原の初戦はラウンド重ねるごとに桑原が削られていって、見ていて怖いくらいでした。終盤この状態でもらったら危ないと思っていたところにあの倒され方。その後の心身に影響を及ぼすほどのダメージに見えましたが、よく持ち直したと思います。ただ阿久井との差が縮まったかと言うと、そこが測れるほどの試合をしていないのですよね。特に顕著だったパワー差は、見てみないと何とも。

ライアン・ガルシアの件を笑えないのは、日本も根本的に抱える問題は一緒と思ってます。ボクシングという競技自体の人気が低迷し、普通に良質の選手や試合を見せるだけでは市場が成り立たない。コアなボクシングファン以外を惹きつけようとしたら、あれこれ駆使してあり得ない「超人」「偉業」を作り上げるか、ゴシップネタでワイドショー的な関心を引くか。日本は今、井上尚弥というナチュラルに規格外の選手がいることで何とか保っていますが、真っ当なスポーツとしてのシステムがない限り、いつどうなるか分かりませんね。

今回の東京ドームもあれこれ思うことがあり。文句言いつつも見に行きますし、当日はそれらを吹き飛ばす試合を期待していますが。
コメントありがとうございます。 (さうぽん)
2024-05-04 11:41:01
>海の猫さん

まあ、厳しく言えばそういうことになりますね。メインにしても「膨らし粉」が入ってるという。それがどの程度か、というのは、見終えて違う感想を持つこともあるでしょうが。
武居のコンディションも気にかかるところですね。何しろ初めての118で、試合が長引いたら終盤にその影響は出るかもしれません。
マティアス、平岡戦は噂には上がっていたし、報道でも触れた記事がありましたね。イスマエル・バロッソの名前も聞きましたが。こういう興行でエルガシェフみたいな相手と挑戦者決定戦やるとかなら、良い話なんですけどもね。
阿久井桑原の試合、最終回KOになる前、もう1分前くらいにストップで良いように思った記憶があります。「逆」だったらそうしていたことでしょうが。大手ジムの選手って、ああいうとき、危険です。仰る通り、どうでも再戦、という機運は...そんなにはないですよね。本人や周辺が言うこと以外には、何も。
日米ともにボクシング界は刹那的というか、その場凌ぎの浅知恵で通そうとし過ぎですね。でも誰も彼も目先の利を追うだけで、「そんなものだよ」と自分たちで認めてしまっている。日本はまだ、きちんとしたものとして遇する体裁が残っているように思いはしますが。
しかしいろいろあるにせよ、選手諸氏の敢闘精神を疑うものではありません。もちろん疑わしいのもいますが、それはこの際除けておくとして(笑)。何しろ良い試合を見たいですね。

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