さうぽんの拳闘見物日記

ボクシング生観戦、テレビ観戦、ビデオ鑑賞
その他つれづれなる(そんなたいそうなもんかえ)
拳闘見聞の日々。

さらなる挑戦への一歩、と見做せる試合か、否か 村田諒太、初防衛は欧州王者と

2018-01-24 18:53:38 | 関東ボクシング




ということで今頃ですが、村田諒太初防衛戦が発表されました。
4月15日横浜アリーナ、相手はイタリアのエマヌエーレ・ブランダムラ。
WBA10位、欧州王者とのことです。戦績は27勝(5KO)2敗。
マガジンの最新号で確認すると、WBA13位ですが、直近で上がったのでしょう。
他は、WBC9位、IBF7位。WBOはノーランク。


誰の思いも同じでしょうが、考え得る中で、かなり下の方から選んだなぁ、と、
思わず苦笑してしまいました。
まあ、大方こんなものだろう、と思ってはいましたが、
やはり心中、挑戦者の名前を聞いて「おお!」と思いたい、という気持ちもあり。


何も上位陣といきなり組め、とは言いませんし、実際組めもしないでしょうが、
組めそうな顔ぶれのうち、もう少し上の方と組めへんか、と言いたくもなります。
実際、元王者であるアッサン・エンダムに事実上、連勝して、その次なんだから...という。

しかし、村田を世界チャンピオンとして見ず、上位陣に食い込む前の
「セカンド・グループ」の一員として見るしかない現状、
それも日本開催である時点で、この辺になるのは当然なんでしょう。

IBFのランキング表を見ると、王者ゴロフキンの下、
デレビャンチェンコ、2位空位、ジェイコブス、チャーロ、カネロ、アンドレイドときて
その次に名前があるので、セカンドグループの中では上の方、という形ではあります。
ただ、試合映像見ると、戦績相応、実際はもっと下、としか言えませんが。

この次がベガスで、五輪決勝の相手ファルカンだという構想があるようですが、
せめてそのくらいのカードを今回、やってほしかったと思います。
これとて話題性先行のカードで、村田を世界王者として見るなら、不足ではありますが。



エンダムに勝ったリング上で「自分より強い王者」への挑戦を宣言した村田ですから、
タイトル獲得という「お題目」は、あくまで彼の周辺事情をひとまず満たすものに過ぎず、
村田諒太というボクサーの現状、立ち位置はそれとは別、違うもの、と認めた上で、
今後のキャリアを、真の頂点に挑む過程だ、という目で見ているこちらとしては、
残念ながら、改めて、歩幅の狭い一歩やなあ、と思ってしまいます。


もっとも、KO率の低さや年齢はともかく、欧州上位のイタリア人ミドル級というのは、
日本人のミドル級ボクサーにとり、充分、というべきかどうか迷いますが、
それなりに手強かったりするものでもありましょう。
村田が序盤から打ち込めればともかく、逃したり、絡まれたりしたら、
色々面倒な、難しい展開があったとて、驚きではないでしょう。

少しだけ映像を見ましたが、据わりの悪い、どたばたした印象で、
悪いことに揉み合いの多い選手でもあります。
勝ったとしても、見目鮮やかにはいかんかもしれんなぁ、とも思います。

しかし、この辺の相手に手こずっているようでは、この上、さらなる高み、
真の世界王者への挑戦など覚束ないでしょう。
快勝、完勝したとて、諸手を挙げて賞賛するわけにもいかないのでしょうが、
さりとて苦戦や、まして敗戦など許されないところに、村田諒太は来ています。

実質は挑戦者でありながら、肩書き上、王者としての責務も負う、
村田諒太の微妙な立場を、ある意味炙り出すような試合ですが、
さらなる挑戦に繋げる、着実な一歩だと、見終えて思える勝利を期待します。



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ちなみにその昔、輪島さんのときも、初防衛はイタリアやったなぁ、あれよりは強そうな...
と言ったところ、輪島ファンというか、ワジマ原理主義みたいな友人から
「あの頃は世界ランカーったら、AとC二団体で、ほぼ被ってたから、
一階級に12~13人くらいしかいなかったのです。値打ちが違うのです、値打ちが」と反論されました。

まあ、確かにそうかもしれませんが...そうかもしれませんが...(^^)



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横浜アリーナは以前、何度か行きましたが、最近は興行自体がないので、ご無沙汰です。
田舎から行く者には、新幹線停車駅から近いし、遠征観戦としては楽な部類なんですが、
正直、自分一人ででも行くで!という気合いは、どこからも沸いてきません。

アンダーに興味あるカードが組まれれば別ですが、今のところは、柄にもないですが、
TVで充分かな、と思っていたりします。

というか、よくこのカードで横アリ使おうなんて思うものですね。
横アリでやると先に聞いたとしたら、おお、どんなカード持ってくるんやろう?と
期待してしまうところですが、これですから。
この辺のちぐはぐさというのもまた、何だろうなぁ、と思うところですね。




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13 コメント

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Unknown (海藻類)
2018-01-24 21:27:57
38歳という年齢、ミドル級にして17%というKO率…こんな安全な相手がいるんだなぁと世界の広さを感じざるを得ません。
初防衛戦、日本に呼べるミドル級の選手のレベルを考えるとこんなところで妥当だろうという好意的な見方も出来ますが、WBAの“第二”王座を決定戦で手に入れたという経緯を考えるとやはり寂しさを感じます。この王座が世界的にどういう価値を持っているかはベルトを手放したジェイコブスと手に入れた村田の今の評価の差を考えると明らかですし。
村田選手は「勝たなければ次は無い」と発言されていましたが「勝ち続けても次なんて無い」という日本ボクシング界の前科を思うとこのままズルズル行ってしまうんじゃ無かろうか、とこの狭い歩幅の一歩を見せられると思ってしまいます。

話は全く変わってしまって申し訳ありませんが田中選手の復帰戦の相手が決まったようです。
http://boxrec.com/en/boxer/709943
病み上がりなのにわざわざこんな相手とやるんかい、とこちらは逆の意味で驚きました。
いいサプライズが今年はたくさんボクシング界におこることを願ってます。
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Unknown (R35ファン)
2018-01-24 21:31:18
こんばんは。案の定、というか今回は安パイですね。一応ボクシングの枠を超えたスター扱いされる選手を簡単に負けさせたくないだろうし、尾川君の件で嫌な空気を変えたいのもあったんでしょうね。
にしてもこの相手の防衛戦にしては随分ニュースで取り上げてもらってるなと。村田さん恵まれてますね。
横浜アリーナならダブルで誰か呼ばないと難しいでしょう。尚哉様がバンタムでバーネットとかないかなと。
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Unknown (K2)
2018-01-24 22:08:30
絵にかいたような安牌、よくこんな選手を見つけてくるものだと感心します。
WBAのセカンドタイトルを獲ったリング上で村田はフジテレビ、電通のサポートに感謝を述べました。砂上の楼閣であろうが何だろうが、村田は『世界チャンピオン』だという『真実』を作るのは彼らマスコミです。村田は本当にクレバーですし社会人スキルも高いですから、それを分かっています。自分を『世界チャンピオン』にしてくれたのは彼らだと。
この先もずっと、手痛い敗北を喫するまで、この選手は細く長いキャリアを歩んでいくのでしょう。
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Unknown (海の猫)
2018-01-24 22:09:36
初防衛戦だから、次も王者としてのアメリカ初戦だから、と自分に言い聞かせても、ボブ・アラムの「東京ドームでゴロフキン」を聞いた時からの嫌な予感が拭えません。

たとえリップサービスでも、アメリカでゴロフキン戦を目指すと言ってくれれば、まともな路線も期待できるのですが。
東京ドームを埋めて、そのお金でゴロフキンを呼ぼうと言うのであれば、日本のお茶の間を満足させることが最優先となるでしょう。次のラスベガスも、日本人向けの箔づけなのかな、と穿った見方をしたくなります。

アンダーは誰が入るのでしょうね。個人的にはここに井上を入れるような安売りはして欲しくないです。軽量級ながら、世界的な評価は井上の方が上なので。
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Unknown (宇弓)
2018-01-24 22:30:13
あそっか、
まだ3か月もあるんだから、井上が入る可能性もあるんですかね。

テテが2月にナルさまに無傷で勝てば、
5月の終わりくらいに来日して井上戦も??
なんて思ってましたが、ケガして4月に延期なんでもう春先に井上戦なんて消滅だし、
かといってバーネットもケガ中、
山中ネリーは3月と、
・・・なんか大橋さんは去年末の試合後会見で、
井上はまずは春にバンタム獲って夏に初防衛で年末に統一戦です!!☆
とか言ってましたが、
既に春のバンタム戦が暗礁に乗りまくってますが(悲笑

どーせノンタイトルならば、
別にこの横アリに入れて、バンタムランカーと前哨戦とかでいいんじゃないですかね?
お金かけたくないならヤップとかと(笑

・・・正直井上戦でも入れてくれないと、
さすがに横アリ遠すぎるっての。
しかもたぶん当日仕事だし、
ホールや両国みたく、ふらっと仕事早引けして総武線一本でいける距離じゃないし・・・
なんてこと言ってたら、ま~た都内在住者の驕りが!!
とか他地域の皆さまに怒られそうですが(謝笑

なんにせよ村田の試合は国内では、
何戦目かの京都以外は全部会場に見に行きましたが、
さすがに今回はテレビで我慢するかって感じですが・・・

しかしなんか聞いたところでは、
7月のESPNテレビマッチのしかもメイン???
って話はマジなんですかね??
日本人とブラジル人でいきなりベガスのメインって、
何でそんな企画が通るのかよくわかんないですが。
別に向こうのテレビが、村田の箔付け??
なんてことのために、何の得もなくそんな枠くれるとも思えないのですが。

いやなんにせよ、事実ならちょっと想像以上に村田の存在自体が、
日本ボクシングにとって革新的な新機軸を生み出しかねないんで、
GOGOムラタ!!☆
返信する
コメントありがとうございます。 (さうぽん)
2018-01-24 23:35:29
>海藻類さん

同感です。よくいるんだなぁと。いるものは仕方がないですが...。
村田のキャリアを俯瞰すれば、古豪エンダムに事実上連勝、世界ランク突入、しかし上位陣にあと一歩、というところでしょう。昔日の、6位まで挑戦可、という「ロジカルコンテンダー」制なら、挑戦資格はまだ持っていない段階、と。そこでさらに上を目指す算段を立てるところで、欧州上位(欧州最強をサンダースと見て)のイタリア人...微妙ですね。村田を世界王者と見なさない、と割り切ればいいのかもしれませんが、それでも。
五輪金メダルと帝拳の組み合わせでもなお、仰るような限界で頭打ちとなると、本当に次がない、先がないですね。快勝して、なお余力というか、これなら次も...と思えるような印象が残るような試合になったとして、それでも安堵、というところか。万歳とはいかないような気がします。違う意味できつい試合かもしれませんね。

田中恒成はライトフライに上げる前の調整試合、たしかフライ級リミット内(50キロジャストでしたか)でやった試合が、一番快調でした。ただ、前回の打たれ方が心配です。まずは判定でもいいので、しっかり立て直しているところを見たいですね。


>R35ファンさん

まあ、安パイでした、という内容なら良いでしょうが、あの選手とやって、勝ち負け以前に「エエ試合」になりますかね。それがちょっと心配だったりします。序盤で叩けば酷い負け様をさらし、長引けば熱戦というよりは「縺れるなー(←物理的に)」という感じになりやせんか、と。恵まれている、とは間違いないですが、違う部分でそうは言えないところもあるのかなぁ、と。
尚弥様vsバーネットだったら嬉しいですが、まあなさそうですね。世界戦以外の大きな試合、世に言う「特別試合」みたいなのをやってくれたら嬉しいですが、日本の業界には、ちょっとした垣根を越えようというバイタリティがあまり無いので、そこが残念です。バンタムなら元王者クラス(パヤノとか、ザキヤノフとか、ウォーレンとか)、またはWBC2位ロドリゲスとか。またはSバンタムで、それこそ和氣慎吾とやるとか、そういうダイナミックな発想が欲しいところです。


>K2さん

彼の周辺事情のための試合が、彼の今後のキャリア全てを埋めていく、とは想像したくないですが、そうなる可能性もあるのでしょうかね。そんなことはない!と反論する根拠を持っていないのが悲しいですが。ファルカン戦の構想が事実なら、ぎりぎり、そういう枠の外での試合だ、と言えるとは思います。その後が問題といえば問題ですけど。


>海の猫さん

そういう構想が本当にあるのでしょうかね。次勝ち、ファルカンに勝てたら、その次が、でしょうか。もしゴロフキンと対戦出来るとしたら、これが最短ルートではあるのでしょう。上記した、上位陣に割って入って、その上でという道程よりは、ビジネス的には望ましいんでしょうが...。
井上はカード次第で、セミに入ってくれたら嬉しいですが、安売りというか、Sフライの王座防衛をもう一回、しかし好カードではなし、というのは最悪ですけども。拳四郎とガニガン・ロペスの再戦は、たぶんここに入るんでしょうね。


>宇弓さん

井上が出るなら、上記のような大胆な発想が欲しいところです。カード見て「おお」と言いたいんですよ、何よりもまず(笑)ヤップはどうですかねー。小耳に挟んだところだと、国内あちこちから、けっこうお話があるらしいんですよ。ヤップにとって「上」に繋がるかどうか、聞いた限りでは「ビミョー」な感じの話ばっかりでしたが...。
横アリは新横浜駅から徒歩ですし、東京よりは若干近いですし(笑)昔、昼間の試合んときは、日帰りで見に行ったこともあります。「楽やなー」と思ったものです。何も怒りはしませんが(笑)

そのファルカン戦の構想は、ちょっとレベルが違うかもしれませんが、かつてゴロフキンがポーランドの選手とやったアメリカ第一戦と似た位置づけなのかも知れませんね。あの相手もけっこ強かったですが、それを圧倒したゴロフキンが、言ってみれば「合格」した試合だったわけで。もちろん村田とファルカンがやって、どっちが勝とうが負けようが、合格者なし、となる可能性もあるでしょうが...。簡単に言ってしまうと「テストマッチ」なんでしょう。そういうところで勝ち、「合格」な試合を積み重ねてくれたら最高ですね。


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Unknown (海の猫)
2018-01-25 00:34:39
さうぽん さん

「東京ドームでゴロフキン」にどこまで現実味があるのかは分かりませんが、トップランクが目指しているのはそういうところなのかなと。
トップランクは、アメリカ市場が頭打ちになり、アジア市場の開拓を図っているという記事を読んだことがあります。香港のレックス・ツォーはその成功例でしょう。

また、井上のアメリカデビューの際に、本田会長が「こちらから売り込むことはあっても、向こうからアメリカで試合をしてくれと言われたのは初めて」と語っていたので、村田の過去のアメリカ戦は、トップランクが言い出した訳ではなさそうです。

そう考えると、今回のラスベガスも、誰が望んだのかな、と。考えても仕方がないですが。
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Unknown (Neo)
2018-01-25 01:59:53
ようこんなん見つけるなあ、とは皆様と同様の感想ではありますが、むしろもっと悲観的な観点から今回の選択になったのかも知れません。
すなわち、アラムさんの発言を額面通り取るなら、ごく近い将来ファルカン戦が待っていると。当方、オリンピックでの村田ファルカン戦、全然逆もあり得た採点に見えました。
この相手に勝ちきる自信が無いので、しばらくお茶を濁しつつギャラと経験値を溜め、ファルカンに勝てば次のステージも良し、負けてもファルカンを宿命のライバル的な感じにして今後飯食って行きたいのかなぁ、みたいな。
もちろん、選手本人の思惑は全然違うと思いますが、陣営や金主他の総意として、上記の絵を描いてる可能性はありますでしょうか?邪推にも程がありましょうか…?
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Unknown (三日月男)
2018-01-25 09:50:34
ボクシングファンには批判のネタになりやすいマッチメークになってしまい少し残念ですね。四囲の状況考えるとこんなところかと思いますが、村田君そんなに若くないので濃ゆい対戦相手と出来るだけ当たって経験値を短期間に挙げてもらいたいところではあります。でもマッチメーク自体は村田君の責任じゃないですから、村田君地震が安全運転したがっているということではないことは覚えておきたいところです。

ただイタリアのプロボクサーを日本のリングでお目にかかることは滅多にないので、それはそれで楽しみです。藤猛VSサンドロ・ロポポロ、輪島公一VSカルメロ・ボッシやドメニコ・チベリアとか以来かしら?
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Unknown (燭台切り)
2018-01-25 12:20:01
粟生と戦ったボスキエロもいますね。

今回の相手はド安牌もいいところで、負けたら終わりといっていいでしょう。
この人選の理由は、日本人ミドル級世界王者として初防衛という実績作り且つファルカン戦を視野に入れた調整といったところでしょうかね?
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