さうぽんの拳闘見物日記

ボクシング生観戦、テレビ観戦、ビデオ鑑賞
その他つれづれなる(そんなたいそうなもんかえ)
拳闘見聞の日々。

順当に勝てる凄さ

2010-05-17 23:15:39 | 関東ボクシング
悪い流れがひとまず止まってくれました。

長谷川、名城と王者の敗戦が続き、昭和40年代の「雪崩現象」を引き合いに出す向きもあったりしましたが、
とりあえず内山はいつも通りに丁寧で、冷静で、しかし勇敢で、つまりは盤石でした。
身長、リーチでまさる挑戦者グラナドスに対し、ジャブを外せるぎりぎりの距離を取ってプレッシャーをかけ、
繊細にパンチを外しては的確に決める強打で脅かし続け、6Rに右クロスでダウンさせ、
さあこれからと思ったらレフェリーとグラナドスの認識違いでそのまま試合は終わりました。

内山高志、確かに技量に差のある挑戦者でしたが、あの体格差をものともせずに「順当勝ち」とは
初防衛としては充分、合格点の試合だと言えましょう。
丁寧に外して、要所を見極めて打ち、相手に楽をさせずに一手ずつきっちり詰めていく。
その揺るぎなさ、頼もしさは、逸材が持てる才能を開花させた幸福を、ボクシングファンに感じさせてくれますね。
長谷川、名城が王座を失ってなお、こういう王者がいることは、ファンにとってとても嬉しいことです。

これから対戦相手のレベルが上がってきて、そこで苦しむこともあるでしょうけど、
彼は少なくとも、自分の力量の全てを出し切って、然るべき内容と結果を見せてくれることでしょう。
元王者リナレスか、暫定王者ソリスか、或いは他の強敵かわかりませんが、
さらに上のレベルで内山がどこまで行けるか、早く次を見てみたいところですね。


しかし最後の終わり方だけは、ちょっとどうかなぁ、と思いますね。
スペイン語でカウントしてたら違ったのかな、と最初に思ったのですが、
考えたら当然、ルールミーティングで英語でカウント、って確認されているわけでしょうし。
ただ、立てるなら早めに立てばいいのに、と思う反面、レフェリーも杓子定規に打ち切ることはない、とも。
何にせよ、ちょっと締まらない終幕ではありました。

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4 コメント

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10秒経ってた (アラサーファン)
2010-05-18 00:35:11
大きいけど全くスピードがなく、膝も固く、踏み込みもない。正直2ラウンド見てこりゃ差をつけんとあかん相手とは思いましたが凄く冷静でしたね。
内山さんはどんな相手でも丁寧にプレッシャーをかけて左ジャブを起点に攻める事を忘れないので良いですね。今回は相手の身長のせいもありますが右クロスがやや雑な打ち方で、そのうち終わりが若干不安でしたがフィニッシュは見事でした。
最後挑戦者はカウントを認識してなかったのかもしれませんが普通に10秒経ってたし、あのままやっても仕留めてたでしょうからしょうがないと思います。勝った内山さんを祝福しようともせずにリングを降りた事は残念でしたが内山さんとそのお母さんのインタビューが好印象だったため、すっかり忘れてました。

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レベルの低い世界戦でした (ボクシングの心)
2010-05-18 11:46:10
相手せっかく体格とリーチで勝ってるのに、それを全く活かしきれず、初回から内山選手のプレッシャーに萎縮しており、もう内山選手の勝ちが見えてしまいました
こんなレベルの低い選手を世界戦のリングに上げるべきでは無いでしょう
初防衛をしたい気持ちは分かりますが、内山選手はもっと強い相手と戦うべきです
トップ10にすら入れない弱い選手と試合して勝っても全然嬉しくないですよ
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コメントありがとうございます。 (さうぽん)
2010-05-19 09:23:41
>アラサーファンさん

内山は防御の意識が高く、なおかつ攻撃もしっかり出来る、丁寧なボクシングが光ったと思います。相手は確かにスピードはなかったですが、距離を好きに取らせれば怖いタイミングと強打を持っていたはずです。しかしそういう展開をほとんど作らせなかった内山の力量に、まずは感心しました。

最後のシーンは結果に影響なかったと私も思いますが、やはり絵として悪かったと(笑)。あのレフェリー、日本の選手が勝つんやからええやろ、って感じに見えましたね。


>ボクシングの心さん

グラナドスの力量については、内山が隙のない闘いをしたから一方的になりましたが、少しでも緩みがあれば、そこを突いてくるだけのもは最低限あったという印象でした。ただ、内山の強打、特に右ボディはかなりきつくて、それで戦力を削がれたのだろう、と思う反面、やはり物足りなさもありましたね。

これは内山の関知するところではないでしょうが、業界のご都合と、おっしゃるとおり初防衛くらいは...という気持ち=内輪の論理によるマッチメイクだったのも事実でしょうね。私なぞは15位まで挑戦資格あり、というだけで「アホか」と思うようなオールドタイプですので、この辺の問題にはもっと過激な意見を持っていますが、これでもたもたした挙げ句勝った、という試合ならまだしも、内山のボクシング自体は良かったので、救われた気持ちでもあります。

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グラナドスとは何者か? (ボクシングは聖戦)
2010-05-19 21:24:40
アンヘル・グラナドス(5月17日内山 高志の防衛戦相手)
http://boxrec.com/list_bouts.php?human_id=58328&cat=boxer
戦績

まず年齢が35才

2005年 試合なし
2006年 1試合のみ 4連敗中の相手に勝利
2007年 1試合のみ 10連敗中の相手に勝利
2008年 試合なし
2009年 2試合   11月にLikar Ramosに判定負け


5年間で4試合しかしていないし、対戦相手の質も低い
しかも最新の試合で負けているグラナドス、なんでこんな選手が世界挑戦できるの?

世界ランキングに入ってる事すら疑問に思う抵レベルな選手を挑戦者に選ぶなんて…………
初防衛が難しい事は分かりますが、だから弱い相手と試合がして良い理由にはならんでしょう
亀田がこのレベルの相手を初防衛に選んでたらまた世間からバッシングを受けてたでしょうね
亀田はダメで他のボクサーは良いなんて道理は無いです
俺はそんな不公平認めません
内山陣営のマッチメイクは間違い無く悪質です!
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