花の栽培手帳

長年植物との出会いの中で得た栽培のポイントや、話題を書いています。

~農業の話題 ヨトウムシ 2~

2020-06-13 09:28:23 | Weblog
~農業の話題 ヨトウムシ 2~


花や野菜などに大きな被害を与える害虫の中で、今回はヨトウムシの話題をまとめました。

ヨトウムシを大きく分けると、土色をした一般的なヨトウムシと、頭部に文様が入るハスモンヨトウ、毛が生えているダイモンジヨトウの三種類に分かれます。

この地域では、今のところ、ダイモンジヨトウの被害はあまり見かけませんが、残りの二種類のヨトウムシが大きな被害を起こします。

一般的なヨトウムシの産卵は5月頃から始まり、小さな波の周期で卵を産み付けていきます。

これに比べてハスモンヨトウは、毎年9月5日前後一週間の間に大発生します。

夜になると蛾が飛んできて葉に卵を産み付けます。
数日が経つと、小さな青虫が葉を齧り始めます。
幼虫は葉と同じような緑色をしていますが、一週間程経つと土色に変わって土の中に潜ります。
この幼虫の間に殺虫剤で駆除すると、被害を最小限に抑えることが出来ますが、忙しくて気がつかなかったり、見落としたりすると、もう手立てがなくなってしまいます。

前回紹介したような方法で、随分密度は下がってきましたが、それでも時々被害に合うことがあります。

夏が過ぎ、沢山の葉が出て良品のシクラメンが出来上がってきましたが、一本も花が咲いてきません。
葉をかき分けて株元をよく観察すると、新芽や蕾が食い尽くされて全く見当たりません。

このまま放置しておくと、隣のシクラメンの葉や蕾も食べられてしまいます。
こんな時は、たっぷり水の入ったバケツに植木鉢を沈めます。
しばらく経つと、我慢出来なくなった大きなヨトウムシが、土の中から頭を持ち上げてきます。

ヨトウムシは退治出来ましたが、こんなになってしまったシクラメンは、もうもとに戻らないので捨てなければなりません。

※ 写真は紫色の花が咲いているシクラメンの画像です。