花の栽培手帳

長年植物との出会いの中で得た栽培のポイントや、話題を書いています。

~竹のいろんな話題~

2008-10-30 08:39:46 | Weblog
~竹の話題です~

● 今回は竹の話題を色々とまとめてみました。

牛肉は孟宗竹の竹の皮に包まれて販売されていましたが、今は竹の皮の模様が入った包装紙になっています。高級な肉は今も竹の皮で包まれていると聞きました。

大雪が降ると竹林の竹がしなり、道路が封鎖され通れなくなってしまいますが、雪が溶けるともとのようにもどっていきます。
あまりひどい時には竹が割れてしまいますが、こうなれば切ってしまわねばなりません。
このように竹の中心部は空洞で繊維質が強く、軽くてしなやかでとても丈夫です。
真竹は洗濯竿に使われ、又、高い所に成る柿や栗などを取るには具合のよいものです。

建物を建てる工事現場では直径12cmの丸太を組み合わせて足場を組んでいましたが、今日では主に単管を組み合わせています。
中国のビル建築現場では丸太の代わりに竹の足場が使われていました。

中国で竹のパイプハウスを見かけました。
太さが一定に揃った竹をパイプハウスのように曲げ、左右から寄せ合った所を針金で止め、アーチを真っ直ぐな竹でつなぎ、組み合わせています。
徐々に、耐久性がある鉄のパイプハウスになり、竹製のパイプハウスはなくなっていくのでしょう。


※ 出張のため、数日間お休みをさせていただきます。

~竹 真竹の話題~

2008-10-29 08:52:22 | Weblog
~竹 真竹(マダケ)の話題~

● 前回に引き続き竹の話題を紹介していますが、今回は真竹についてまとめてみました。

竹の葉は年中緑色をしていますが、竹の秋とも言われる春には新しい葉が出て古い葉が落ち、この細かな葉が雨樋などにつまってしまうことがあります。

真竹の筍は孟宗竹より一か月ほど遅く、地面から60cmぐらい伸びたものを食べますが、ハッチクの筍もおいしいといわれ、孟宗竹とは一味違った風味があります。

真竹は籠、箕、雨傘などの竹細工に多く使われていましたが、今はほとんどがプラスッチクになっています。
ところが竹で作られたこれらの道具は粘りと柔らかさがうまく組み合わされ長持ちします。今もたまに売りに来られますが、非常に高価なものです。

真竹や孟宗竹の払った枝をしばらく積んでおくと葉が落ち、枝だけが残ったものから竹箒を作ります。
最近売られている竹箒は、今までの竹と品種が違うのか早くすり減ってしまうような気がします。

真竹は家を作る材料に多く使われていました。
「すだち」は割った真竹を縄で組み合わせ、粘着性の高い土で壁を作ると温度を遮断し、とても丈夫になっていきます。
又、屋根瓦をふく下地にも利用されていました。

昔の農家の土間の天井は、黒光りした古い竹で作られていましたが、これもなにか意味があるのでしょう。

真竹はエンドウ豆や、キュウリなどの支柱になり、これらの用途が終わると風呂の柴になり、一見すると柔らかそうですが火力は強いようです。
正月が終わるとしめなわや、ウラジロなどのお供えを燃やす「どんど」の主役はそれぞれの家々が持ち寄った竹に火をつけ、その残り火で餅を焼きます。
今は竹炭に人気が出ているようです。

このように以前の村の生活には竹は欠くことの出来ないものでした。

~竹 孟宗竹の話題~

2008-10-28 08:57:16 | Weblog
~竹のわだい 孟宗竹~

● 私たちの地域には真竹(マダケ)、孟宗竹(モウソウチク)、ハッチク、ダンチクなどの竹林があります。
今回は孟宗竹の話題をまとめてみました。

孟宗竹は親孝行な息子が冬に母が筍を食べたいとの願いに寒中に掘りにいった孟宗の名前から由来しているとのことです。

孟宗竹は真竹より幹が太く、肉質も厚く竹細工には向かないようですが、専門の方は真竹のように笊や、箕などを作っておられますが、現在では主に筍をとるのが目的です。

以前は、孟宗竹を笹の代わりに暗渠の材料として使われていました。
竹を一定の大きさに割る金具があり、それを切り口から叩き込むとほぼ均等に8本に別れていきます。
この割れた竹を一定の大きさに束せて使います。

今日のようにビニールパイプがない時代には、竹の穴に鉄棒を入れ、反動をつけると次々と節が抜けていき、この筒を暗渠や池などの水を流すパイプ代わりに使っていましたが、案外長持ちしていました。

竹は伐採する時期が大切で、9月から年内に切ったものは長持ちしますが、春先に切ると虫がついたりして一年も経たないうちに痛んでしまいます。

孟宗竹の筍生産をしている専門農家の友人は、毎年竹藪に新たな土を入れると柔らかな筍が出てくるのだと語っていました。

4月下旬から5月上旬の暖かい雨が降った翌日には沢山の筍が地面から頭を出し、トンガと言われる丈夫な鍬で株もとから掘り上げます。
筍の成長はとても早く、数日で伸びていき、適期に掘らないと固くなり竹になってしまいます。
孟宗竹からとれる筍の灰汁取りには灰を使用しますが、知り合いの方の竹林の筍には全く灰汁がありませんが、これは品種なのか、土質によるのかがわかりません。

~笹の話題~

2008-10-27 08:34:01 | Weblog
~笹の話題~

● 今回は笹の話題をまとめてみました。

竹の仲間を大きく分けると、竹(真竹、孟宗竹など)と、笹、バンブーに別れると、竹博士と言われる方がNHK ラジオ放送で語っておられました。

笹の幹は割り箸から人差し指大の太さが中心で、軍政して生えています。
今は時々アサガオや、ミニトマトの支柱に使いますが、他にあまり用途がありません。

私たちが子供の頃はこれで「吹き玉鉄砲」を作りました。
穴の大きさが吹き玉より少し小さ目の笹を選びます。このような幹が太い笹は特定の場所に生えています。
穴が大き過ぎると空気がもれ、小さ過ぎると竹が割れるか、硬くてうごきません。
押し出し棒には、その穴にちょうどうまく入る笹を探し出します。
最初、一個の吹き玉を入れ、押し出し棒で押し込みます。この棒の長さは玉が飛び出ないような寸法で、先端部は節部を使い空気がもれ出ないようにしてあります。

その後、後ろからもう一個の吹き玉を入れ、押し出し棒を押し込むと圧縮された空気の力で先の玉が飛び出します。

吹き玉は土手に沢山生えていますが、実の成っているのは数が少なく、熟して来ると紫色になり実は硬くて潰れません。

水田の地下水を調節する暗渠を作るには、幅50cm、深さ1.5mの溝を掘り、笹の束を入れ土をかぶせます。
溝の先端部はパイプや、土管にし、調整装置を備えて川に出します。
田に水を貯める田植えの時期と、稲刈りをする乾燥期は地下水を止めたり出したりして調整します。

現在、暗渠を作る材料には木の切り端や籾がらなどが使われていますが、耐用年数が長く、貯排水の調整がうまくいく笹に勝るものはありません。

農家の人々はこのように自然の中でそれぞれが持っている特性をうまく生かせて利用していました。

~植物防疫 3~

2008-10-26 07:48:35 | Weblog
植物防疫 3~

● 前回に引き続き植物の防疫の話題を紹介しています。

国内に海外から病害虫が入らないように特定の商品や地域から農産物の輸入が禁止されています。
以前はバナナやオレンジなども輸入制限されていましたが、今は多くの国から沢山の品々が入っています。

果物の王様と言われるドリアンはタイ国や、インドネシアで多く栽培されていますが、これは独特の匂いと風味があり、最初は少し抵抗がありますが、食べ慣れるととてもおいしい果物です。
父が、若い頃タイ国で食べたドリアンがとてもおいしかったとなつかしく語っていたので、旅行の土産にしようと考えていましたが、この果物は輸入が禁止されているとのことで、残念ながら持ち帰るのをあきらめました。

現在はどのように変更されているかわかりませんが、私の知っている範囲内ではこのようにパパイヤ、マンゴ、ランブータン、レイシ(冷凍物は輸入されているのを食べました)等、持ち帰ることが出来ない物が多くあります。
このようなことは日本だけでなくアメリカやそれぞれの国々により行われています。

ハワイのお土産にパパイヤはとても人気がありますが、空港の売店では「for japan」と書かれた物は国内へ持ち帰ることが出来ますが、気をつけねばならないのは同じような形をしてもこれ以外の物は入国時に没収されてしまいます。

タイ国の空港で販売している蘭の花の詰め合わせは問題なくお土産として持ち帰ることが出来ます。
普通サイズと2倍サイズがあり、珍しい蘭の花がギッシリ詰まっていますが、少しかさばるのが難点です。

検疫所ではこのように海外から害虫や、病気などが入ってこないように日本の農業を守っています。

~植物防疫 2~

2008-10-25 08:59:25 | Weblog
~植物防疫 2~

● 前回に引き続き植物の防疫と輸入の話題をまとめてみました。

前回紹介したように土の輸入は禁止されていますが、切り花などいろんな方法で植物の輸入が行われています。
菊やマーガレットの苗は栽培現地でカット苗の先端部に発根促進剤がつけられ、数百本を入れた小箱をまとめた箱が航空便と保冷便のリレーで到着します。
育苗質で直ちに挿し木を行うとこれらの品種ではほとんど活着し、一週間後には根が出てきます。

君子蘭は種を播いてから花蕾が出るまで5年が必要ですが、ヨーロッパの農場で、株がコンパクトで4年で花が咲く品種が販売されました。
ところがこれでも花が咲くには播種後4年がかかりますから、一年苗、二年苗の販売が行われました。
ヨーロッパから送られた君子蘭の子苗は根を水洗いし綺麗に土を落とし、数本の根がついているだけですが、君子蘭は挿し木でも増やすことが出来、一株も枯れることなく生育していきました。

ヨーロッパで開発された新しい植物苗は、挿し芽されたり種を播いた発砲スチロール、ペーパーポット、プラグなどが航空便で送られてきます。
これらの栽培用土には土を使わずピートモスなどで行われています。

輸入時、検疫所で虫やカビなどに侵されているものは直ちに廃棄処分になってしまいますが、このようにして珍しい品種が各国から入っています。

~植物防疫 1~

2008-10-24 10:57:29 | Weblog
~植物防疫 1~

● 今回は植物の防疫についてまとめてみました。

日本は海に囲まれ他の国に比べると防疫は比較的容易ですが、昨今では多くの輸入材が入り、従来日本にいなかった虫やウイルス、雑草などが多く入って来ます。

動植物にはそれぞれに天敵がおり、一部の品種だけが異常繁殖することはほとんどありませんが、天敵が全くいない地域に突如入って来るとその種が異常繁殖し、生態系が崩れてしまいます。又、トリインフルエンザや、口蹄疫(コウテイエキ)のような対処困難なウイルスなどが入ると手の施しようがなくなってしまいます。
これらを防ぐため土の輸入は禁止され、水際で防止するために農林水産省の検疫所があります。

このように防疫体制を整えても輸入材と一緒に「セイタカアワダチソウ」や「みなみキイロアザミウマ」や「イネゾウムシ」など従来日本に生えていなかった雑草や害虫が一緒に入ってきます。

前回紹介したインパチェンスエソ斑紋ウイルスなどもなんらかの方法で日本へ入ってきたものでしょう。
これらの害虫や病原菌が一度入ってしまうと対処するのが非常に困難になってしまいます。

オーストラリアには非常に珍しい植物が多く生えているので友人と植物収集ツワーに出かけました。
手に入れた植物は丁寧に根洗いし全ての土を落とし、ティッシュペーパーで根の部分を包み、空港の検疫所で手続きを取り、持ち帰りました。
日本はとても暑い夏の季節で土がついていないので根が傷み、残念ながらいろんな珍しい品種は数株だけ残して次々と枯れてしまいました。

~植物の病気 ウイルス~

2008-10-23 09:50:18 | Weblog
~植物の病気 ウイルス~

● 植物の病気について紹介していますが、今回はウイルスについてまとめてみました。

タバコモザイクウイルスや、インパチェンスエソ斑紋ウイルス(INSV)に侵されると葉に斑紋が入り、花や葉が奇形し、茎や根が委縮して酷くなると枯れてしまいます。

ウイルスに侵された株をピンチしたハサミを使ったり、アブラムシや、スリップス(アザミウマ)などの害虫が吸汁して広がって行きます。

一度ウイルスに侵されてしまった株をもとに戻すことは不可能で、他の植物に移っていかないよう加熱処理を行います。

基本は予防から始まり、用土は予め蒸気などで熱菌処理を行い、感染源を絶っておきます。

挿し木やランナーで栄養繁殖するイチゴや、八重咲き品種などの母株がウイルスに侵されてしまうと子株にもウイルスが移動していきます。このようなことを防止するために時々メリクロンによるウイルスフリー苗に更新していきます。

ウイルスはトリインフルエンザなど人や動物にも大きな影響を与えますが、植物も防禦をきちんとしておかねばなりません。

~イチジクの話題 3~

2008-10-22 08:17:36 | Weblog
~イチジクの話題 3~

● 暖かい日が続いていますが、やっとイチジクの実が沢山熟してきました。

我が家に植わっているイチジクの品種は少し晩生なのか、やっと多くの実が熟してきました。
イチジクの実は無花果と書かれるように花の部分を食べますが、熟すと表面が赤褐色になり先端が少し割れ、中の花が濃い紫ピンク色になっていきます。
このようになると柔らかくなり甘みが出てとてもおいしくなっていき、食べるとポツポツ小さな種があります。
雨が降り続くと割れた先端部から水滴が入り実が傷んでしまいますが、ここのところ晴れの日が続き、大変おいしくなっています。

下方から実の先端部にかけ皮をむくと白い乳液が出ることがありますが、子供の頃にはこれが口につくと皮膚がただれてしまうことがありました。でも、今日のように菓子類などはほとんどないので柿や、栗、イチジクなどは子供のおやつです。

イチジクは寒さに弱く、早霜が来ると葉や実が落ちてしまいますが、今年はうまく熟しています。