魯生のパクパク

占いという もう一つの眼

攻撃商法

2012年08月15日 | 日記・エッセイ・コラム

シャープはどうなっているんだと日本中が心配している。
しかし、今日の日が来ることは、ある程度予測していた。
占いでの予測も無いでは無いが(亀山)、それより、ちょっとしたことの積み重ねでそう思っていた。

コンピュータとの出会いは、シャープのMZ-80Kだった。パソコンの体裁を備えた初めての組み立てマイコンキットで、画期的だった。
その後、NECが、Cバスで一貫したパソコンを売る中、シャープは電子手帳路線に舵を切った。

超小型のプログラムPCは便利だったので、その路線を付いていった。
すると、電子手帳は新発売になるたびに規格を変えてくる。
ユーザーを全く無視して、目先の珍しさだけで、その場限りの顧客を発掘する・・・そういうことかと、あきれてしまった。

顧客との信頼関係より、製品開発に熱中する。やはり、アイデアで大きくなった会社なのだなと愛想を尽かした。

その後、時代は変わり、シャープもNECも、あるいは、マイクロソフトさえも、時代の彼方に押しやられている。
しかし、会社の持つカラーというものは、案外、変わらないものだ。

太陽光発電や、液晶テレビは、先行商品化で本家を強調していたが、それまでと同じ、飛びつく早さだけで、『どうせまた、目先を変えて独りよがりな売り方をしているだけだろう』としか、思えなかった。

独りよがり商法の自覚がなく、最初に売れているからと強気に出た失敗は、必然と言えば必然だった。しかも商法としては大量投資でシェア狙いをする韓国の後追いだ。
シャープの独自カラーは、何はともあれ「目先の変化」だったのだから、シェアよりアイデアを連発して、コアなファンをつないでいくべきだった。そう言っては何だが、質や商売上手で勝負する会社とは思えない。

電卓時代にシャープをマネしたカシオや、テレビの韓国メーカー。
いずれも、シャープより、上手く商売をしているのは、ある意味、己を知っているからだ。自分達ができないことを自覚してこそ、突破口は見えてくる。

シャープだけではない。職人気質の日本メーカーには、大なり小なり、この、己を知らない傾向がある。「ものづくり」という言葉に酔い、客が本当に喜ぶことをする気がない。 
「てやんでえ、べらぼうめえ、素人が職人に口を出すんじゃねえ」

鎌倉の先生にお願いする芸術品なら、それも良いかも知れないが、
どんなに精巧でも、大量生産品は、大量のユーザーあっての価値だ。
シャープに次いで愛好したエプソンも、今、同じような停滞に入ろうとしている。カシオも危ない。

日本の会社に共通して言えることは、技術による成功体験に捕まり、冒険を嫌い、失敗だけを恐れている。画期的製品が全く出てこない。
余力でしばらくは持つかも知れないが、時間の問題だ。どんな大組織も守りに入れば、じり貧となり、コツンとつまずいただけで崩壊する。

日本サッカーの進歩は、最初の一点を守るサッカーから、攻めに転じたことだ。
「攻撃は最大の防御」
監督に外国の風、選手の海外経験。日本企業の再生は、どうも、サッカー方式が良さそうだ。


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