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親の神話

2014年04月28日 | 兄弟関係

兄弟関係による人格の影響として、案外、重要な問題は、親子関係に及ぼす兄弟関係だ。職場などの上下関係にも通じる。
これは、親が子供の兄弟関係に及ぼす影響のことでは無い。

親子であっても、兄弟の関係が生ずる。
例えば、親が末っ子として育った場合、子供の長子にとっては、末っ子に対するのと同じになる。問題は、その末っ子が親としての権力を持っていると言うことだ。職場の上下関係においてもしかり。

末っ子は、長子への憧れから、親分ぶりたがる。長子の責任感や用心深さが無いのに、大言壮語や命令だけは強力に発し、逆らうと激怒する。子供の時なら、間違った主張をしても、無視されるか、押さえられるか、諭されるので、結果的に、それは撤回されることになるが、親や上司としての発言は、止める者がいない。

この被害者になるのが長子だ。
言われた意見の中身を吟味する長子は、反応が鈍い。空気を見ないで考えてしまう。しかし、弟妹型は「親分が白いと言えばカラスも白い」と対応した方が、その場を上手くこなせることを知っている。

こうしたことの繰り返しの中で、親は子供の長子を付き合いにくい、むずかしいヤツだと思い、長子はある時期まで何とか従おうとした結果、突然、大人になり、親を見限る。
一方、弟妹は、「地震、雷、火事、親父」の言葉通り、オヤジを恐れ尊敬し、母親を恋い慕う。あるいは、恐れないまでも、親に従う。

親が長子の場合は、弟妹にはさして影響は無いが、長子には、「君子の交わり」として、良い友達関係になる。対等の話ができる様になる。
子供が親を尊敬する場合も、長子と弟妹では意味が違う。

長子は親の短所も理解した上で、友達を見直すかの様に尊敬する。
弟妹は、氏神の神社を拝む様に尊敬する。つまり、始めから偉い人だから尊敬すべきだから奉る。

このスタンスの違いが、親から聞いた話に対して、懐疑的か妄信的かの違いになる。
例えば、第三者から、「昔、おまえのオヤジに騙された」と言われた時、弟妹なら、その第三者を頭から否定するが、長子は、あり得る話として、「それはどういうことですか?」と、確かめようとする。
中間児も、似た様な反応をするが、内心は親を信じているので、相手が何を言いたいのかと、沈黙して様子を見る。

ただし、当の親が、子供の頃からそういうことばかりしてきて、周囲からも常に、批難されたり、からかわれたりしていたのなら、簡単に認める。それは面白い話だからだ。
弟妹が、面白ければ良いと思うのは、それが、人の和を作り、生きやすい環境を作ることだと思うからで、筋を通すことより、生き残ることの方が大切であると心得ているからだ。

親の教え
親の教えは正しく、有り難いものだと思うのは弟妹型で、守るべきものだと思っている。ただし、実際には、弟妹は外部の人間関係にも影響されやすいので、それを破ることが多い。
逆に長子は、親の教えを疑いながら聞き、常に批判的だが、結果は、曲がり曲がって同じような結論で生きることが多い。

長子であれ、弟妹であれ、子供は、親の過去を知るよしも無いから、親の昔語りを真に受けてしまう。これは、死ぬまで信じていることの方が多い。

しかし、人間は誰でも自分に都合の良い、思い込みの世界で生きているから、子供は、親の言うことは話半分で聞いた方が良いし、できれば、客観的事実に照らして自分なりに再確認しておく方が良いだろう。たとえその結果、受け入れがたい事実に出遭ったとしても。

親の話は、子供にとっては神話だ。しかし、神話と史実は違うという事であり、自分の人生を誤らないためには、史実に基づいて考える必要があるからだ。


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1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
ワンパターンの型にはめたがるのは、何型ですか? (マンネリ)
2014-04-29 00:59:31
ワンパターンの型にはめたがるのは、何型ですか?

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