魯生のパクパク

占いという もう一つの眼

ザンネーン!

2009年01月24日 | 日記・エッセイ・コラム

NHKスペシャル「女と男」は、日頃このブログで言っていることとほぼ同じで、溜飲を下げた。

「女性」の乱用についても、
「男と女」「男性女性」「男女」「雄雌」を、きらびやかに使い分け、
「さすがNHK!」と・・・言いたかったのだが、「ザンネーン!」

初めは「男性と女性」の乱用をグチっているこのブログを読んでもらったんだろうかと思うほど、使い分けていることに驚いたのだが、聞いているうちに笑えてきた。

やたら使い分けているのだが、一貫性が全くない。
なぜ、脈絡もなく使い分けるのか考えながら見ていたのだが、おそらく制作スタッフ自身、「オンナ」と言う呼び方をすることに抵抗がありながら、すべてを「女性」と呼ぶことに対しても、論理的に釈然としない・・・そんな、中途半端な気分で制作していたのだろう。

これは、NHKの中で言葉の定義がシッカリできていないのだろう。
まあ、毎日、様々な立場から奇っ怪な抗議を受けているNHKの辛い立場はよくわかる。しかし、それなら、言葉オジサンのような番組で繰り返し、NHKの定義を周知していけば良いだろう。

こう思う
男と女:人間の雌雄がつくった社会の中での、雌雄の「立場」を呼ぶ呼び方。ジェンダーの雌雄。
男性女性:男と女の雌雄の部分。純粋に生態機能の「姿」を表す。
男女:男と女、男性女性、雌雄など、すべての異性「関係」の呼称。
雌雄:知性や文化と関係なく生態機能の違いを表す。オスメス。

この中で変容するのは「男と女」だけだ。
言葉が実体を定義するのではなく、実体が言葉を定義する。
「性」のような科学的な言葉は、言葉そのものが実体を説明するが、「男と女」のような、文化にともなう言葉は  文化の実体の変化にともなって定義が変わってゆく。

「男と女」を肯定的にするか否定的にするかは、使う人と時代によって決まってくる。そういう意味で、「男と女」という言葉を大切にしていきたいと思うのだ。

NHKの制作スタッフは、良く整理のつかないまま性差別を回避しようとしたのだろう。
ささやかな抵抗なのか、「男と女」を「女と男」のタイトルにしていた。