怠慢主婦 ドイツで同居 

日本食を食べなくなり義両親のしもべと化し、すでに何年になるだろう。遠い目しながら今日も行き抜いてやるぞっ

お習字はなかったらしい

2015年08月25日 | アジア事情
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近所在住中国人が書道について私に電話をして尋ねた。固形墨の話になったとき、なんだか話が妙に混乱してきたので「では午後から道具を持って伺います」ということにした。
彼女が母国から持ってきた毛筆と、ここで買ったものらしい万年筆用インクを出してきた。
「私のは青いけれど、黒いのが欲しいの」
面と向かって話したら、彼女は毛筆で字を書くという経験がほとんど無いことがわかった。(私は電話で突っ込んだ内容のドイツ語会話は苦手なんだ!)
母国では教育熱心な家庭に育ち、親の勧めで大学でドイツ語を専攻した彼女だ。決して教育や教養に欠けているわけではないのだけれど、たまたま学校教育で書道の時間がなく、親も本人も筆を持つという機会がなかった様子だ。
学校でも、家の近所でも書道を教えている環境だった日本にちょいと優越感を感じた一瞬。
「伝統文化は急速に失われているのよ」と言っていた。
考えてみると、中国の簡体字は書道に全く似つかわしくない。著しく美しさに欠けるのは中国語を全く知らない日本人の目にも明らかだろう。

初めてのすずりで墨をする経験だ。写真には「私にもやらせて」とうるさかった彼女の五歳児が写っているけど。
「すずりって、いくらするの?」
物資の値段のチェックは抜かりない中国人。母国で安く手に入るか検討するみたいだ。

水墨画の指導書、と呼んでいいのだろうか。黒色の濃淡で色を表現するものは、廃れてしまったのか、もともと中国にあったものなのか・・・日本にもあるのかしら?ネットでちょいと検索しても見つからなかった。

だから、彼女は青いインクで書いてみようと思ったのかな。
うーん、中国、奥が深い。





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