時は秋!夜の帳が下りるのが早まります。月明かりが鮮やかになる頃虫の音色が聞こえてきます。
昼間の蝉の喧騒よりも物悲しさを誘います。
草葉の陰に潜む物の気や幽霊など江戸の町には月灯りがなければ何も見えません。
落語のネタ・・・「疝気の虫」「算段平兵衛」「幽霊の辻」「三年目」「化け物使い」「牡丹灯籠」「真景累ヶ淵」
都々逸は男女の情愛を織り込み間接的にその心情を唄にしたのです。
たとえが「主と私は卵の仲よ私ゃ白身で黄身を抱く」「恋に焦がれて鳴く蝉よりも鳴かぬ蛍が身を焦がす」「嫌なお方の親切よりも好いたお方の無理が好い」「色は良いけど深山の紅葉秋という字が気にかかる」「枕出せとはつれない言葉傍にある膝知りながら」
この他にも有名な都々逸・・・「朝顔」朝顔は馬鹿な花だよ 根も無い竹に命迄もと絡みつく
「朝顔がたよりし竹にも振り離されてうつむきゃ涙の露が散る」