DIARY yuutu

yuuutunna toki no nikki

Arnold Lobel, “Frog and Toad All Year” (1970)より’The Corner’:「角(カド)の向こう側に待ち遠しい春があるはずだ!」

2018-05-25 23:54:40 | 日記
(1)
カエルが小さな少年で、オタマジャクシよりずっと大きくはなかった頃、父が「春が角(カド)の向こうにある。(春が近づいている。)」と言った。 
When Frog was a little boy and not much bigger than a pollywog, his father said, "Spring is around the corner."
《感想1》
カエルにとって春は待ち遠しい。文字通り、「角(カド)の向こう側に待ち遠しい春があるはずだ!」そうカエルは思った。

(2)
カエルは、出かけて、春を見つけようとした。 Frog went outside and tried to find spring.
《感想2》
「善は急げ」と言う。カエルは素早い。彼は愚(オロカ)でない。彼は小さかったので、比喩がわからない。例えば、僕の家は「猫の額」ほどの土地に建つと言われたら、子どものカエルはびっくりし、理解できない。

(3)
カエルは、角(カド)を見つけた。 Frog found a corner.
そこで、春が向こう側にあるならばと、角を曲がった。 Then he went around the corner if spring was on the other side.
しかし、春はなかった。 However, he could not find spring.
ただ小さな松の木、三つの小石、いくらかの乾いた草しかなかった。 There were only a little pine tree, three pebbles and some dry grass.
《感想3》
残念!角(カド)の向こう側に、春がなかった。しかし、カエルは父の言葉を疑わない。小さな子どもは、父を無条件に信頼する。カエルはさらに次の角をさがすだろう。

(4)
カエルが再び歩き始めた。 Frog started to walk again.
もうひとつの角(カド)があった。 There was another corner.
彼は角を曲がった。しかし春はなかった。 He went around the corner, but he didn't find spring.
木の切り株があった。 There was a tree stump.
1匹の年取った虫がいて、寝ていた。 An old worm was on it and asleep.
《感想4》
春が近い。木の切り株の上はきっと暖かいだろう。年寄りは体力がないから、よく寝る。だから年取った虫は、木の切り株の上で、寝ていた。「寝る子は育つ」と言うが、「寝る年寄りは健康だ」!

(5)
それからカエルは川沿いを歩くが、また角(カド)があった。 Then Frog went along a river and found a corner again.
彼はその角をまわった。しかし春はなかった。 He went around the corner, but there wasn't spring.
彼は、小さなトカゲが湿った泥の上にいて、自分のシッポを追いかけているのを見つけた。 He found a small lizard was on wet mud and chased its tail.
《感想5》
カエルにとって、角(カド)の向こうにある春はどのようにイメージされていたのか?春は季節だ。かれもそれは知っている。それが角の向こうにある。だから、それは角の向こうに隠れることができる位の対象だ。
《感想5ー2》
そのような対象としての春は、「季節としての春を思い出させるもの」であれば何でもよい。
(例1)春の季節を詰めた魔術的な瓶。ふたを開けると一帯が春になる。
(例2)春の季節に登場する具体的対象。チューリップなど春の花、土筆など春の植物。
(例3)角の向こうに魔術的に春の世界が広がる。時空のディメンションが変化する。

(6)
カエルは元気をなくし、悲しんだ。 Frog was discuraged and sad.
彼は家に帰り始めた。  He began to go back to his house.
家に着いたとき、彼は、家の角(カド)に気づく。 When he arrived there, he found that there was a corner of his house.
《感想6》
「灯台もと暗し」だ。「山のあなたの空遠く」の詩もある。「隣の花は赤い」と思って隣を探さずに、自分の家の花をよく見てもいいのだ。

(7)
彼はその角(カド)を曲がった。 He went around the corner.
ついに、彼は春を見つけた。 At last, he found spring.
家の庭にたくさんの春の花があった。 There were many flowers of spring in the garden of his house.
そしてそこに彼の父と母が立っていた。 And his father and mother stood there.
彼らが花を植えたのだ。 They had planted the flowers.
カエルはとても幸福だった。 Frog was very happy.
《感想7》
兄チルチルと妹ミチルが幸せの「青い鳥」をさがす話に似る。「青い鳥」は自分の家の鳥かごに居た。カエルがさがした「春」は遠くのあちこちの角(カド)の向こう側でなく、自分の家の角の向こう側にあった。そしてその春(幸せ)は両親がもたらした。幸福な子供時代の物語!
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