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プルースト(1871-1922)『失われた時を求めて:漫画で読破』第7篇『見出された時』(失われた時を求めて)(1927年):サン=ルー嬢は私の失われた時のすべてを融合している!

2021-11-26 21:42:55 | 日記
第7篇『見出された時』(失われた時を求めて)(1927年):サン=ルー嬢は私の失われた時のすべてを融合している!(333-382頁)
(23)
第1次大戦が終わって、「私」は既に50歳(1921年)だ。私は長く療養所生活をして世間とは疎遠になっていた。これまでの様々な経験から「私」は何に対しても無関心で、心は冷え切っていた。そんな時、ゲルマント邸から午後の集い(マチネ―)の招待状が来た。
(23)-2
途中で会ったシャルリュス男爵(70歳位)はすっかり老人になっていた。しかも脳卒中の麻痺が残る。彼から傲岸さは消えていた。午後の集い(マチネ―)では、ゲルマント公爵(85歳位)が「生きている限り希望はあるんだ。あまりくよくよしちゃいかんぞ」と「私」に言った。ゲルマント公爵夫人(80歳位)も元気だ。ヴェルデュラン夫人(ブルジョアの大富豪)は、今はゲルマント大公夫人になっていた。彼女は、夫が亡くなった後に、妻を亡くしたゲルマント大公と再婚した。
(23)-3
サン=ルー侯爵は亡くなったが、恋人だったラシェル(女優)は、今は大女優だ。しかし年寄り(50歳位)になっていた。オデット(元高級娼婦、亡くなったスワンの妻、今はフォルシュヴィル伯爵夫人)だけは、変わらず美しい。ゲルマント大公夫人(かつてのヴェルデュラン夫人)のお気に入りのヴァイオリニスト、モレルが、「ヴァントイユの七重奏曲」を弾いた。
(23)-3
「ヴァントイユの七重奏曲」は「私」に「失われた時」(過去)のすべてをよみがえらせた。「私」はジルベルト(50歳位;スワンとオデットの娘;オデットの再婚後フォルシュビル伯爵令嬢となる)にも会った。「年取ってから母に似てきたと言われるわ」とジルベルトが言った。
(23)-4
ジルベルトが「サン=ルーと私の娘よ」とサン=ルー嬢を「私」に紹介した。(※「サン=ルー侯爵」はゲルマント公爵夫妻の甥。)「サン=ルー嬢は私の青春そのもの!スワン家とゲルマン家が彼女の存在でひとつながりになっている!サン=ルー嬢は私の失われた時のすべてを融合している!」と「私」は思う。
(23)-5
「私」は泣いた。「私もまた時に逆らうことなく老いた!」「彼女(サン=ルー嬢)は私の失われた時そのものからかたち作られていた!」「すべてが繋がった――・・・未来・過去・現在!私の人生とは価値ある素晴らしいものだった!」「今だ・・・今こそ感じたモノを書き残すべきだ!」「私が生きてきた人生を!」「私が生きてきた失われた時のすべてを!」
(23)-6
「今や私は時空を超えた存在となった!」「私の失われた時は紛れもなく目の前に広がっている・・・」「あの感覚・・・・あの瞬間!音も味も感触もすべて思いだすことができる!」「今まで一度たりとも止まることなく流れてきた時間・・・それは私だけのものではなく、この世のすべての人々に今も脈々と流れ続けている!」

《参考》マルセル・プルースト(1871-1922)『失われた時を求めて』第1-7篇(1913-1927)   2021/11/13 
(ア)「無意志的記憶」と「プルースト効果」!
テーマは「無意志的記憶」!それは、自身の意志とは関係なく、昔の記憶が蘇ること。例えば匂いと味が、意思と無関係に記憶をよみがえらせる。過去・現在・未来が交錯し、夢の中にいるような「非日常」的な世界が描かれる。Cf. ある匂いから関連した記憶が思い出されることは「プルースト効果」と呼ばれる。本作品では、「紅茶に浸したマドレーヌの匂い」から物語が展開する。
(イ)上流階級である「私」の幼少期から初老までの半生を描く!
自伝的小説。主人公の一生を追う。物語性はない。19世紀末から20世紀初頭のパリ社交界(サロン)が舞台。上流階級である「私」の幼少期から初老(死去51歳)までの半生を描く。
(ウ)『失われた時を求めて』第1-7篇(1913-1927)!
『失われた時を求めて』:第1篇『スワン家のほうへ』(スワン家の人々)(1913年)、第2篇『花咲く乙女たちのかげに』(海辺の乙女たち)(1919年)、第3篇『ゲルマントのほう 』(ゲルマント家の人々)(1920年・1921年)、第4篇『ソドムとゴモラ』(シャルリュス男爵の素顔)(1921年・1922年)、マルセル・プルースト死去(1922年)、第5篇『囚われの女』(ヴァントイユの七重奏曲)(1923年)、第6篇『消え去ったアルベルチーヌ』(新たなる真実)(1924年)、第7篇『見出された時』(失われた時を求めて)(1927年)。
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プルースト『失われた時を求めて:漫画で読破』第6篇『消え去ったアルベルチーヌ』(新たなる真実)(1924年):アルベルチーヌは「ゴモラの女」(ホモセクシュアル)だった! 

2021-11-26 13:57:18 | 日記
第6篇『消え去ったアルベルチーヌ』(新たなる真実)(1924年):アルベルチーヌは「ゴモラの女」(ホモセクシュアル)だった!(279-332頁)
(20)
嘆いている「私」のところにアンドレ(アルベルチーヌの女友達の一人)がやって来た。アンドレが言った。「アルベルチーヌは『ゴモラの女』(ホモセクシュアル)だったのよ。」「アルベルチーヌは、あなたに救ってもらいたくて必死で、その欲望を我慢してきた。」「でもあなたに疑われて、以前にもまして快楽を求めるようになったのよ。」そしてアンドレが告白した。「私もアルベルチーヌのことが好きだった。」
(21)
数か月後、死んだはずのアルベルチーヌから「お会いしてお話したい」と電報が来た。それを無視して「私」はゲルマント公爵夫人を訪れた。夫人は「私」にフォルシュヴィル嬢を紹介した。彼女はなんと、「私」の初恋の人ジルベルト(スワンとオデットの娘)だった。スワンの死後、ジルベルトの母親(オデット)がフォルシュヴィル伯爵と結婚したのだった。
(21)-2
フォルシュヴィル嬢(ジルベルト)は来月、ローベル・ド・サン=ルー侯爵と結婚するという。だが「サン=ルーが、ラシェルなど複数の女性と浮気しているようだ」とジルベルトは悩む。なお電報はアルベルチーヌからでなく、ジルベルトからのものだった。(この時、私の心からアルベルチーヌは消え去った。)
(22)
月日は流れ1914年、第1次世界大戦が勃発した。戦争は社交界の地図も一変させた。ある日、「私」はサン=ルー侯爵と会う。サン=ルーは志願して連隊の将校となっており、「戦功十字章」をもらっていた。同じ連隊のシャルル・モレル(軍楽隊のバイオリニスト)は前線へ出たきり行方不明だという。
(22)-2
発作が起きて宿屋に入った「私」はそこが「ソドムの男」(ホモセクシャリティ)の宿だと知る。そこで「私」はシャルリュス男爵と出会う。また「私」はゲルマント邸の従僕だったジュピアンとも会う。ジュピアンが言う。「この宿屋はシャルリュス男爵をお慰めするため、私が経営しています。娼館のようなものです。」
(22)-3
「シャルリュス男爵がこのようになったのは、モレルのせいだ。モレルはある程度、地位を築くと男爵を裏切り、サン=ルー侯爵の愛人になった。シャルリュス男爵は気にった男に誰彼なく声をかけ、スパイと間違えられたので、私がこの宿屋を経営した。ところがモレルはサン=ルー侯爵も裏切り、行方をくらませた。侯爵はモレルが前線に向かったと思い、自らも前線へ行くことを志願した。」このようにジュピアンが説明した。
(22)-4
サン=ルー侯爵がモレルを捜索したので、モレルの前線からの脱走が明らかとなった。モレルは人を利用し騙す最低な人間だった。シャルリュス男爵もサン=ルー侯爵も「ソドムの男」(ホモセクシャリティ)なので、彼らは社会から孤立し身を寄せ合って生きるしかなかった。モレルは逮捕された。サン=ルー侯爵は「モレルへの寛大な処置」を依頼する電報を送り、その後、戦死した。モレルは前線への出兵を命じられた。
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プルースト『失われた時を求めて:漫画で読破』第5篇『囚われの女』(ヴァントイユの七重奏曲)(1923年):「私」はアルベルチーヌが他の者と会うのが心配で(嫉妬)いつもついて行った!

2021-11-26 12:05:17 | 日記
第5篇『囚われの女』(ヴァントイユの七重奏曲)(1923年):「私」はアルベルチーヌが他の者と会うのが心配で(嫉妬)いつもついて行った!(225-278頁)
(16)
バルベックにて、かつての女の子たちが再会する。アルベルチーヌは「大人っぽくなったわね」と言われる。アンドレに「久しぶり」と「私」は挨拶する。「私」は、サン=ルー侯爵とその恋人ラシェル(女優)と一緒に食事する。
(17)
「私」にヴェルデュラン夫人(ブルジョアの大富豪)から招待状が届く。「あなたがスワン夫人と昔から付き合いがあり、ゲルマント家の人々と付き合いたいから、あなたを呼んだのよ」とアルベルチーヌが言った。サロンに「私」が行くと、ヴェルデュラン夫人が「自分のサロンに、昔、オデット(スワン夫人)、画家のエルスチール、スワンが参加していた」と言う。そして「スワンは病気で亡くなった」と言った。やがてヴェルデュラン夫人が「偉大なる芸術家」シャルル・モレルを紹介した。シャルリュス男爵も一緒だった。シャルル・モレルはバイオリンで「ヴァントイユの七重奏曲」を弾いた。
(18)
「私」は、アルベルチーヌと親密だった女性がヴァントイユ嬢で、アルベルチーヌが「ゴモラの女」(ホモセクシュアル)だと思い込む。「私」はヴァントイユ嬢に嫉妬した。アルベルチーヌがアンドレとディナーに行くというので「私」もついて行った。「私」はアルベルチーヌが他の者と会うのが心配で(嫉妬)いつもついて行った。アルベルチーヌは「囚われの女」だった。
(19)
いつも「疑わしい行動をする君といられない。別れる。」と「私」がアルベルチーヌに言う。アルベルチーヌは悲しみ絶望し家を出て、伯母のところに行ってしまった。そして落馬して死ぬ。「私」は自分がアルベルチーヌを愛していたことに、あらためて気づく。だが遅すぎた。アルベルチーヌは死んでしまった。
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プルースト『失われた時を求めて:漫画で読破』第4篇『ソドムとゴモラ』(シャルリュス男爵の素顔)(1921年・1922年):シャルリュス男爵は「ソドムの男」(ホモセクシャリティ)だった!

2021-11-26 10:53:19 | 日記
第4篇『ソドムとゴモラ』(シャルリュス男爵の素顔)(1921年・1922年):シャルリュス男爵は「ソドムの男」(ホモセクシャリティ)だった!(171-224頁)
(12)
面識のないゲルマント大公夫人からの招待状が「私」宛に届く。ゲルマント大公夫人は爵位ではゲルマント公爵夫人より上だ。招待状が間違いではないかと「私」はゲルマント公爵夫人(オリヤーヌ)に確かめに行く。そこで富豪のスワンと会う。スワンは体調が悪そうだった。(重病で余命3か月と医者に言われた。)
(13)
シャルリュス男爵もいた。シャルリュス男爵は従僕のジュピアン(男)と親しい。なんとシャルリュス男爵は「ソドムの男」(ホモセクシャリティ)だった。(《参考》「ソドムとゴモラ」は道徳的退廃のため天からの硫黄と火によって滅ぼされた古代都市。「はなはだしい罪悪とこれに対する神の罰」を示す。)
(14)
ゲルマント大公夫人のサロンに「私」は行った。従姉妹のゲルマント公爵夫人(オリヤーヌ)から「私」のことを聞いたとゲルマント大公夫人が言った。「私」はゲルマント大公夫人とゲルマント公爵夫人の二人に「気に入られている」と思いとても満足した。
(15)
帰宅するとアルベルチーヌが「私」に逢いに来ていた。「私」はアルベルチーヌに飽き、そろそろ別れようと思った。「私」は、再びアルベルチーヌとバルベックの海岸に行き、そこで別れを告げようと思った。
(15)-2
行きの列車内でシャルリュス男爵とシャルル・モレル(軍楽隊のバイオリニスト)に会う。初対面のモレルが「シャルリュス男爵は嫉妬深くて束縛したがるからうんざりだ」と言った。そして「私」に「シャルリュス男爵の愛人か?」と尋ねた。「私」は否定。「俺みたいな庶民は社交界に入るためには、こうでもするしかない」とモレルが言う。シャルリュス男爵は「私」をも「愛人」にしようと狙っていた。
(15)-3
列車の席に戻るとアルベルチーヌの横に、もう一人の女性が座っていて、親密に話していた。ふと私の心にアルベルチーヌへの疑惑が芽生えた。
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プルースト『失われた時を求めて:漫画で読破』第3篇『ゲルマントのほう 』(ゲルマント家の人々)(1920年・1921年):「私」はサン=ルー侯爵から、ゲルマント公爵夫人に紹介してもらった!

2021-11-26 08:58:15 | 日記
第3篇『ゲルマントのほう 』(ゲルマント家の人々)(1920年・1921年):「私」はサン=ルー侯爵から、ゲルマント公爵夫人に紹介してもらった!(117-170頁)
(8)
ゲルマント公爵とゲルマント公爵夫人はパリの由緒ある貴族で、社交界で最高の地位を占めていた。「私」の一家は、(ヴィルパリジ侯爵夫人の紹介で)パリのフォーブール・サンジェルマンの一角にあるゲルマント家のアパルトマンに引っ越してきた。「私」はついに貴族社会に足を踏み入れた。
(9)
サン=ルー侯爵が「私」を、ヴィルパリジ侯爵夫人のサロンに連れて行ってくれた。「私」はゲルマント公爵夫人に紹介してもらいたかった。「私」はスワン(ユダヤ人の富豪で社交界の人気者)のように上流社会でのし上がりたかった。
(10)
サン=ルー侯爵(ゲルマント公爵夫妻の甥)は、ヴィルパリジ侯爵夫人から「女優のラシェルと付き合っているなんてとんでもない。こっちまで物笑いの種にされる」と怒られる。そこにゲルマント公爵夫妻が到着する。「私」は「ヴィルパリジ侯爵夫人の同級生の孫」と、サン=ルー侯爵からゲルマント公爵夫人に紹介してもらった。
(10)-2
そこにシャルリュス男爵(ゲルマント公爵の弟)とスワン夫人(オデット;元高級娼婦)が現れた。「不愉快だ!」と(スワン夫人を嫌っている)ゲルマント公爵夫人が(ヴィルパリジ侯爵夫人の)サロンから帰る。「私」はシャルリュス男爵とスワン夫人の知り合いだったので、二人から挨拶された。ヴィルパリジ侯爵夫人は「私」のことを心配した。
(10)-3
公園をシャルリュス男爵と「私」は散歩した。その時、シャルリュス男爵は「パリに来たのに、なぜ君は連絡をよこさなかったのか?けしからんやつめ!」と怒った。
(11)
「私」の祖母が亡くなった。「私」はショックで寝込んだ。シャルリュス男爵とスワン夫人が私を見舞いに来た。そしてアルベルチーヌが、突然、見舞いにやって来た。「私」はアルベルチーヌを手に入れた。だがアルベルチーヌを、バルベックの海にいた時のように「私」はもはや愛していなかった。
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