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現存在は《歴史のなかにおかれている》ゆえに《時間的》なのではない!その存在の根底において《時間的》である!ハイデガー『存在と時間』(1927)「第1部」「第2編」「第5章」「第72節」(その3)

2020-04-15 17:03:21 | 日記
※ハイデガー(1889-1976)『存在と時間』(1927)「第1部 現存在を時間性へむかって解釈し、存在への問いの超越的地平として時間を究明する」「第2編 現存在と時間性」「第5章 時間性と歴史性」「第72節 歴史の問題の実存論的=存在論的提示」(その3)

(4)歴史性(Geschichtlichkeit)は時間性(Zeitlichkeit)に根ざしている!
H 「歴史の問題の《所在》」は今や「決定が下された」。(375頁)
H-2 「歴史」は「一定科学の客体(Objekt)」ではない。(375頁)
H-3 「歴史学(Historie)による主題化(Thematisierung)に先立って存在し、かつその主題化の根底にひそんでいる歴史の根本現象(das Grundphänomen der Geschichte)」が明らかにされなければならない。(375頁)
H-4 「《歴史的なるものの存在様態 (Seinsart)》(すなわち歴史性)と、歴史性(Geschichtlichkeit)が時間性(Zeitlichkeit)に根ざしているありさまとを、見とどけておかなくてはならない。」(375頁)

(4)-2 歴史の通俗的理解と現存在の経歴(Geschehen、生起)(第73節)!
H-5 「歴史性の解明は時間性にもとづき、そして根源的には、本来的時間性にもとづいておこなわれなくてはならない。」(375頁)
I 「歴史性の実存論的=存在論的構成(die existenzial-ontologishe Verfassung der Geschichtlichkeit)は、現存在の歴史についての通俗的解意によって蔽いかくされている。」
I-2 かくてまず、「現存在の歴史についての通俗的解意」つまり「歴史についての通俗的概念」を標示しなければならない。(375-6頁)
I-3 これを通して、「根源的な意味で歴史的と呼ばれうるものは何であるか」を明らかにする。(376頁)

(4)-3 歴史性(die Geschhitlichkeit)の根本的構成(第74節)!
J つぎにわれわれは「歴史性の実存論的《構成》」(die existenziale Konstrukution der Geschichtlichkeit)を試みる。(376頁)
J-2 「現存在はそのつど本来的な(eigentlich)、もしくは非本来的な(uneigentlich)様態で歴史的に実存している。」(376頁)
J-3 Ex. 「日常性」とは「現存在の非本来的歴史性」である。(376頁)

(4)-4 現存在は、その存在の根底において時間的であるゆえにのみ歴史的に実存する!
K 「歴史学が存在論的に現存在の歴史性に由来する。」(376頁)
L 「この存在者(※現存在)は《歴史のなかにおかれている》がゆえに《時間的》であるのではなく、むしろ逆に、その存在の根底において時間的であるがゆえにのみ、歴史的に実存し、かつ歴史的に実存することができる」。(376頁)

(5)《時間のなかにある》という意味における《時間的》存在者:《内時性》(Innerzeitigkeit)!
L-2 しかし「現存在は、《時間のなかにある》という意味においても、《時間的》存在者と呼ばれなくてはならないこともたしかである。」(377頁)
L-3 「事実的現存在は、暦や時計を必要とし・・・・使用している。」(377頁)
L-4 「無生物や生物における自然現象も、やはり《時間のなかで》出会う。」(377頁)
L-5 「これらのものは内時的(innerzeitig)である。」(377頁)

(5)-2 「《内時性》の意味での《時間》は時間性にその根源をもつ」(377頁)!(→次章「第6章 時間性と、通俗的時間概念の根源としての内時性」)
M 「《内時性》の意味での《時間》は時間性にその根源をもつ」(377頁)!(→次章「第6章 時間性と、通俗的時間概念の根源としての内時性」)(377頁)
M-2 ところが「通俗的な立場では、内時性の意味での時間の助けをかりて歴史的なものごとを性格づける」。(377頁)

(6)まとめ:「歴史性と内時性とは同根源的である」(377頁)!
N 「歴史性と内時性とは同根源的である」(377頁)

(7)「歴史性の実存論的問題の提示」:第73,74,75,76,77節!
O 「歴史性の実存論的問題の提示」は次のように分節される。(377頁)
一、歴史の通俗的理解と現存在の経歴(Geschehen、生起):第73節
二、歴史性(die Geschhitlichkeit)の根本的構成:第74節
三、現存在の歴史性と世界=歴史(die Welt-Geschichte):第75節
四、現存在の歴史性にもとづく、歴史学の実存論的根源:第76節
五、歴史性の問題のついての上述の論述と、ディルタイの諸研究およびヨルク伯爵の思想との連関:第77節
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