DIARY yuutu

yuuutunna toki no nikki

金子みすゞ(1903-1930)「こおろぎ」:大宇宙(大世界)は一般に《感情という出来事》に無関心だ               2017/12/09

2017-12-09 20:02:37 | 日記
 こおろぎ

こおろぎの
脚が片っぽ
もげました。

追っかけた
たまは叱って
やったけど、

しらじらと
秋の日ざしは
こともなく、

こおろぎの
脚は片っぽ
もげてます。

《感想1》
こおろぎは虫だ。
おそらく感情はない。
こおろぎに世界は事実としてのみ現れる。
感情に彩られない世界。

《感想2》
猫(たま)がこおろぎをいじめて遊んだ。
詩人は、猫を叱った。
《感想2ー2》
詩人は、擬人的に、こおろぎにも感情があり、《いじめられ脚をもがれ苦痛を感じた》と思い同情した。
《感想2ー3》
こおろぎのような虫に、感情がないとしても、こおろぎにおいても(内部に)なにか出来事は起きている。
こおろぎにおいて出現する出来事を、こおろぎの魂と呼ぶなら、こおろぎのような虫にも魂がある。
脚がもがれた出来事が、こおろぎの魂の平穏を乱したのは確かだ。
こおろぎの脚がもがれ、その世界の安定・平穏が乱された(世界の攪乱)。
これは、こおろぎにとって不快・苦痛・災難の出来事だ。
だから詩人が、同情する理由がある。
《感想2ー4》
世界の攪乱が、こおろぎにおいて感情と呼びうるかは、不明だ。
脚がもがれ、こおろぎにおいて、《身体的苦痛という出来事》が起きたならば、それは、つらい出来事だろう。
(苦痛は、感情との境界にある。)
大宇宙(大世界)は、《事実としての出来事》を可能にするばかりで、《魂の平穏》や、《その破壊としての世界の攪乱》あるいは《感覚としての苦痛という出来事》に無関心だ。
つまり大宇宙(大世界)は、一般に《感情という出来事》に無関心だ。

《感想3》
こおろぎの世界を可能とさせている大宇宙(大世界)は、無情だ。
生き物(こおろぎ)の魂が平穏かどうかに、全く無関心だ。
大宇宙は無情だ。
感情と無縁に、事実としての出来事が起こるばかり。
そのような事態は「しらじら」とした事態だ。
「秋の日ざし」は、大宇宙を象徴する。
大宇宙の無関心・無情が、「こともなし」と呼ばれる。

《感想4》
詩人は、大宇宙の無情・無関心を見つめる。
《感想4ー2》
もちろん詩人は、人間の感情(さらに倫理)を、こおろぎ、猫に移入する。
かくて、猫が悪いと叱られ、こおろぎはいじめられた被害者として同情される。
《感想4ー3》
しかし、こおろぎは、生き物であるが、感情を知らず、苦痛の記憶も忘れ、それ自身が《事実としての出来事》に近い。
《感想4ー4》
詩人は、大宇宙の無情・無関心に、ひそかに反感を持ちつつ、しかし、運命として受け入れるしかないと諦念を示す。

 A Cricket

One of the legs of a cricket was broken off.
I scolded the cat named Tama that had attacked the cricket.
However, the light of the sun is whitely shining and indifferent to the incident.
One of the legs of the cricket is broken off.
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短気は損気

2017-12-09 19:35:21 | 日記
思い通りにいかない。You cannot do things as you like.
君は怒る。You get angry.
なんという我が儘! How arogant you are!
君は自分をもてあます。You cannot control youself.
自暴自棄になる。 You become desperate.
君は理性を失う。You become irratinal.
頭を冷やそう。You intend to be calm.
"短気は損気"だ。It is said that a short-tempered person often gets lost.
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