臆病なビーズ刺繍

 臆病なビーズ刺繍にありにしも
 糸目ほつれて今朝の薔薇薔薇

今週の朝日俳壇から(3月24日掲載・其のⅡ)

2014年03月25日 | 今週の朝日歌壇から
[永田和宏選]

(和泉市・星田美紀)
〇  「似ている」は「違う」ということ道端で不意に寂しくなるということ

(東京都・上田国博)
〇  緑濃き野を旅ゆけるクリミヤの夜はブラネタリウムの星空

(奈良市・阪上元)
〇  谷深の棄て田は猪のぬた場なり斑雪にのぞき蕗の薹出ず

(西条市・亀井克礼)
〇  柳鮠のさ走る影もすばやくて三月の川は光りて流る

(瀬戸内市・安良田梨湖)
〇  「一両目に乗っています」とあなたからメール届いてこの街は春

(西海市・前田一揆)
〇  大洋にニキビのような新島を噴き出す地球はまだまだ若い

(武蔵野市・山口京子)
〇  この店の天井までも水の来しと聞きつつ食みぬこの海のすし

(宇都宮市・鈴木孝子)
〇  弁当に感謝のメールした日あり喜ぶ妻の返信残る  

(国立市・加藤正文)
〇  この春の私の読書計画に緊急追加アンネの日記

(熊本市・近藤史紀)
〇  「大学を見る目なかっただけです」と君に言わせて薄青き春


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