[長谷川櫂選]
(みよし市・稲垣長)
〇 丸谷頑亭逝きこの方の大長夜
〔返〕 丸谷頑亭来てこの夜の長談義
(城陽市・山仲勉)
〇 名刀の錆びたるごとく秋刀魚焼く
〔返〕 名刀の錆びたる如く生きにけり
(いわき市・星野みつ子)
〇 律といふ菩薩ありけり獺祭忌
〔返〕 冬越しの妹ひとり名は律女
(山梨県市川三郷町・笠井彰)
〇 月の客みな銀の鞍に乗り
〔返〕 娘みな銀の鞍置き嫁ぎたし
(ドイツ・ハルツォーク洋子)
〇 登高や墨絵にしたきライン河
〔返〕 登高は杜甫の律詩の題なりき
(玉野市・勝村博)
〇 空蝉や一枚の葉を羽交絞め
〔返〕 空蝉の一夜眠らん膝を抱き
(横浜市・多海本日出子)
〇 昔ほど数まとまらず稲雀
(横浜市・津田壽)
〇 ここまでは上司は来ぬや大花野
(三鷹市・村井田貞子)
〇 台風の外れたる闇の深さかな
(飯塚市・釋蜩硯)
〇 八木山の名水吸ひて梨実る
(みよし市・稲垣長)
〇 丸谷頑亭逝きこの方の大長夜
〔返〕 丸谷頑亭来てこの夜の長談義
(城陽市・山仲勉)
〇 名刀の錆びたるごとく秋刀魚焼く
〔返〕 名刀の錆びたる如く生きにけり
(いわき市・星野みつ子)
〇 律といふ菩薩ありけり獺祭忌
〔返〕 冬越しの妹ひとり名は律女
(山梨県市川三郷町・笠井彰)
〇 月の客みな銀の鞍に乗り
〔返〕 娘みな銀の鞍置き嫁ぎたし
(ドイツ・ハルツォーク洋子)
〇 登高や墨絵にしたきライン河
〔返〕 登高は杜甫の律詩の題なりき
(玉野市・勝村博)
〇 空蝉や一枚の葉を羽交絞め
〔返〕 空蝉の一夜眠らん膝を抱き
(横浜市・多海本日出子)
〇 昔ほど数まとまらず稲雀
(横浜市・津田壽)
〇 ここまでは上司は来ぬや大花野
(三鷹市・村井田貞子)
〇 台風の外れたる闇の深さかな
(飯塚市・釋蜩硯)
〇 八木山の名水吸ひて梨実る