その紳士はパンを口に入れると暫く味わってから、うまい!と言い去って行きました。何となく心軽く嬉しい気持ちになったのが不思議な感じのコンニムでした。
店で必死にパンを作っているとヨニがやって来てじっと様子を見ていました。コンニムは無料でパンをお詫びに配って居たら、皆そっけなく素通りしたのに、一人立派な紳士がやって来て試食して、うまい!と言ってくれた。私はそう言ってくれる一人の人の為にも美味しいパンを作るとと言うコンニムに、ヨニが賛成してくれるのでした。
所がスチャンもコンニムと同じ会社の安い小麦粉を仕入れて自分の工場でも使っていたのです。勿論金を懐に入れるためです。これが漏れて新聞に載ったのを知らないヘジュは勇んで公募している会社へとパンを持って行きます。途中で同じく公募に応募するためにパンを持って行くコンニムに合いますが、あんたみたいな小さなパン屋が採用されるはずがないと豪語して。所が行ってみると、その会社の社員が新聞を見せてミソンでは安い小麦粉を使って作っているのに回収もせずにいる。ヨンファ堂は正直に回収をしたのにと言われてしまいます。驚くヘジュ。
コンニムが以前納品していて、後に納品を断られた小売りのパン屋の店の前を歩いていると、そこの女主人がコンニムにまた納品してくれと言います。喜ぶコンニム。そこへスチャンが又納品してくれと頼みに来ますが、安い小麦粉で作ったパンを売るような会社とは取引出来ないと断られてしまいます。
スチャンはコンニムに何でお前の店がうちの得意先を奪うのかと言って掴みかかって文句を言っているのを、学校帰りのヨンジが目撃します。慌てて帰ってコンニムの義父たちに報告したのです。
怒った義父、スチャンの会社の工場へと走ります。門の前で合った義父、スチャンにつかみかかります。
へらへら笑いながらスチャンは、お前の娘のコンニムが付き合っている男が誰かわかるか?俺の息子だとばらしてしまいます。ショックで倒れそうになりながら帰宅した義父、ガンウク達が心配して家で待っている所を、何でもないと言って険しい顔で素通りし自分の部屋へと入って行ってしまいます。後を追う妻に、ガンウクがスチャンの実の息子だったと言いました。
2人は暫くショックのあまり口もきけずにいますが、妻が皆がいる中庭に出て行き、ガンウクにあんたはスチャンの息子だったのか?と怒りをぶつけます。そこにいた一同皆驚いて棒立ちになってしまいました。
一人部屋で涙ながらにこれから先を考えるガンウク。翌日早くに出て行こうと荷物を持って、コンニムの両親の部屋に向かって跪き今まで世話になった感謝の挨拶を静かにします。
そこへコンニムの義母が出て来て、せめて朝御飯だけでも食べて行きなさい!最後のご飯になるかもしれないがと言って彼の部屋にお膳を持って行き、ご馳走を出すのでした。泣きながら一人食べるガンウクです。