Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

原発の水蒸気塔の見える町

2011-04-09 | アウトドーア・環境
今日のフィリップスブルクの原発は平常に見える。しかし、よく見ると手前に見える馴染みの水蒸気塔からはなにも出ていないことに気がついた。福島のお蔭で即刻停止となった一号機のものである。その後ろに見えるのは二号機で、圧力水型のそれの方がひっそりと第二次冷却水の湯気を上げている。

一号機は停止していても沸騰水型で102トンに及ぶウラン燃料と死の灰が崩壊熱を持っているので冷却装置が停止すれば福島とそれ程かわらない状況になるのは今や周知の事実なのである。

こうした比較的古いドイツの原子力発電炉も同じようにMOX燃料を使っていても日本の福島の古いものよりは安全とされている。その根拠の一つは、格納容器が福島の小さなものと比べて比較的大きく設計されているので福島のように格納容器が壊れることはないというのである。更に事故の場合にはフィルターを掛けて積極的に内圧を下げることが出来る装置が完備されているらしい。

つまり、今回のように燃料棒のジルコニウムが水素を発生させて水素爆発が起こるようなことはなくて、その水素を水に変えるような装置が義務付けられている。その装置を福島第一にも推奨していたのだが東電が採用を却下し続けていたのだった。

新しい第四世代の原子炉施設が導入されて、冷却水が必要ないシステムが導入されているからといっても、また津波も地震もないからといって、ドイツやフランスのシステムが安全だと思うのは、遠く離れて人事と思っている東京都民の馬鹿さと同じなのである。

その証拠に、メルケル首相も挙げていないような危険要素は幾つもあって、BLOG「クラシックおっかけ日記」に只の一例としてそれが示唆されている。



参照:
デジャブからカタストロフへ 2005-02-19 | アウトドーア・環境
核反応炉、操業停止 2005-05-27 | アウトドーア・環境
風車と冷却塔のある風景 2006-04-14 | アウトドーア・環境
現実的エネルギー政策 2006-10-18 | アウトドーア・環境
北から張り出してくる寒気 2008-02-15 | 暦

コメント (2)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 予測可能な環境の修辞法 | トップ | 原発廃止後のエネルギー貯蓄 »
最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
危機管理能力 (そら)
2011-04-11 14:01:19
pfaelzerweinさん、お久しぶりです。今回の福島第一原子力発電所における事故に関して、在日外国人たちの、とくにヨーロッパ人やドイツ人などの「過敏な」までの反応について、あまりよくわからなかったのですが、pfaelzerweinさんのこの記事のなかに、原子力発電所が市民社会にあまりにも身近なところに入り込んでいる光景の写真を見て、あらためてドイツ人にとって原子力発電所の安全性について過敏にならざるをえないのがわかります。

日本においては東京でも大阪でも、少なくとも、原子力発電所の蒸気塔が市民たちの日常生活の中に眼に入るということはありません。視野に入るということは、事故発生の場合にはつねに避難地域に指定される可能性があるということでもあるのですから。

日本においても、首相などがもっと指導力を発揮すれば、福島第一原発の事故の深刻な後遺症や二次被害も最小限にくい止めることもできると思うのですが、実際にはなかなかそうなっていないのは本当に残念なことです。

武田邦彦という学者の意見なども、首相が取り入れる余地はないのだろうかと思います。

武田邦彦 原発  首相が、今、宣言すること
http://takedanet.com/2011/04/post_c647.html


返信する
健康被害がパニックが避けられるかどうか (pfaelzerwein)
2011-04-12 04:47:36
日本の場合は明治維新で一極集中にして効率を高めながら、地方の生活を江戸時代の農村・漁村のままにしました。そこへ入り江の向こうにああしたものを隔して作ったのでした。

そして都会の者は地方の犠牲の上に生活を謳歌していたのですね。そうしたことは連邦共和国では許されなかったと言うことで、左翼が政治的にも発言力を持ち得たからなのです。

なぜドイツ人は過敏になるかのテーマで今晩の討論会で議論されていて、最終的にはプロテスタンティズムが話されていました。

避難地域に関しては今回の福島で習ったように一発目よりも寧ろ風向きや天候でホットポイントなどがあり土地は駄目になりますが、適時の避難は可能と考えます。写真の原発から最も近い大都市の連邦施設はカールツルーヘの最高裁判所で二十キロ内です。

早速リンクを見ましたが、「海を汚さない」と言っても水に流すが大気に出すかの選択など出来る事態ではないですね。こうしたお手上げの状態で土地を汚染するのはついでのことです。健康被害がパニックが避けられるかどうかです。
返信する

コメントを投稿