Wein, Weib und Gesang

ワイン、女 そして歌、此れを愛しまない輩は、一生涯馬鹿者であり続ける。マルティン・ルター(1483-1546)

贋物に画かれた本物

2006-03-10 | 
近所の小母ちゃんの絵を撮影した。この町の歴史的名画の贋物を行きつけの旅籠で撮影した。絵画に関しては、レンブラントやヤン・ブルーゲルなどの話題が盛り沢山なのであるが、写真などの題材が無いとどうしても説明し難いだけでなく、実物を体験しないと文章では伝わり難い事も多い。音楽も体験しなければいけないのだが、音楽は既に作曲、楽譜、演奏などと、絵画の場合の映像などよりも多彩な題材があって、文章としては意外に扱いやすい。映画や小説の体験も引用なども出来るので比較的文章で説明し易いかも知れない。

人物像は、写真やプロフィールなどとそれを描く方法は多いが、対人関係を通して文章で描くのも一つの方法である。さて、この贋物に描写された小母さんは、実物を模して後方の戸口から中の様子を心配そうに覗き込んでいる。遠近感を考慮しても、もう少し大きく描かれている方が実像に近い。右足を既に部屋の中に踏み込んでいるのが、敢えて言うと、小母ちゃんの「今、鴨あるけど、もし良かったら、どう、美味いよ。ガハハハ」と迫りながら親切にお勧めしてくれる性格を写し込んでいるだろうか。

この贋物に描かれているのは、全て実在の人物であり、特に審判を努める店の親仁が特に上手に画かれている。間違い探しではないが、細部まで比較対照すると、本物の二倍近い贋物を画いた画家の考えが伝わる。既に十年以上前の作品だが、本物の僧侶と農民の関係が贋物ではそれなりに変化していて面白い。当時の僧侶が権威を持っていて、農民がその酔いつぶれた権威を揶揄しているのが分かる。それが現代の虚勢は、自らの主義を頑なに主張して、飲んで気炎を上げるその鷹揚な態度が周りの失笑を駆っている様子である。

何れにせよ、先日は「血の胡椒煮込み」を食べようと思って出かけたが、今日のお勧めにチゴイナー・ゲシュニッツェルが載っていて、それとした。しかしそれも以前にはお品書きに載っていた、チゴイナー・シュニツェルに変更して貰った。ソースは同じであるが、二字違いであるが、前者は肉を指の太さに刻んで炒めたもの、後者は肉を衣をつけて揚げたものと其々違う。尋ねると、この小母ちゃんの得意なソースのシュニツェルの方もお品書きに再登場するらしい。更に、「血の」方も冷凍では無く新鮮な血を使っていると言うので、次回が楽しみである。



参照:充血腸詰めがつるっと [ 料理 ] / 2006-02-16
コメント
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