ノーベル賞の季節

2012-10-07 00:00:44 | 市民A
nobel2012年のノーベル賞受賞者の発表が、明日から始まる。

となれば、日本人候補者として、毎年期待されている二人のことが思い出される。

「山中伸弥」。

「村上春樹」。

その前に、確認事項だが、ノーベル賞の基本概念。

「白人が選ぶ、白人への功績があった白人」。

言うまでもなく、過去の受賞者に非白人は少ない。特に各賞の中でも「生理学・医学賞」と「文学賞」はひどい(経済学賞は白人のためというよりもアメリカ人のための賞だから論外)。

過去の生理学・医学賞受賞者199人の受賞者の中で、非白人は一人だけ。利根川進氏のみである。また、実際には、医学と薬学と生理学というのは、はっきりわけられないのだが、特に純粋医学に関すれば西洋人以外では野口英世がもっとも近かったといわれる位なのだそうだ。

だから日本人学者は、はなから諦めていることが多いのだが、実際には重要な発見をしている学者は多いし、まさにiPS細胞の研究者として山中氏の業績は別格だろう。

しかし、ネット状で噂をみると、「彼の研究は、生命を創るという神への挑戦に近く、西欧人には受け入れられないだろう」という意見があるようだ。

で、私もそうだろうとは思っていたのだが、ノーベル賞のサイトを見ているうち(10月6日現在)に、気が付いたのだが、今年はDNA 受賞の50周年と紹介(宣伝?)しているわけだ。1962年に二重らせんのDNAモデルを発見したワトソン、クリック、ウィルキンスの3名が受賞して半世紀。

なんとなく思うのだが、DNAから一歩先に進んだ研究分野が対象になるのではないかと思うわけだ。(単に、選考過程の守秘義務を50年としていることから、50年前のことを、今年公開しているに過ぎないのかもしれないけど)


次に文学賞。実は白人以外というか西欧語以外の文学が受賞するのは、1988年以降、きっちりと6年に1回ということになっている。

1988年 ナギーブ・マフフーズ(エジプト)

1994年 大江健三郎

2000年 ガオ・シンジェン(高行健)フランス(中国語)

2006年 オルハン・パムク(トルコ)

そして、6年待った甲斐があったのは誰かということだが、村上春樹というのも、ちょっとピンとこない感じもある。確かに多くの国でよく読まれているのだが、受賞後にさらに最高傑作を書かれるとノーベル賞の権威にキズが付くという観点で、老成してからメダルを渡すケースもあるようだ。最近作を読むと、少しペンが鈍ってきたようにも感じるので、そろそろチャンスがあるのかもしれない。一応、私立大学卒業者では日本人初ということになる。だけど、芥川賞に落選したことが響くかも。


その他、ノーベル賞をみて感じるのは、物理学というのは、学問の性格上、「統一理論の追及」という方向にあることで、テーマ(候補者)が絞り込まれてきているのに対し、化学は、「新物質の創造」という方向の学問であることから、学問として分野が分散化して、ノーベル賞候補者が整理券を持って待機中ということになっているように感じる。

そして、見当も付かないのが平和賞。ジャスミン革命関係者だろうか(ザック?)。

あるいは、子ブッシュ+オバマ両氏に、「9.11のかたき討ち成功」を対象にして授与か?


最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (  市橋宗士 )
2012-10-07 19:28:44
葉一郎さんへ

   ノーベル賞の時期は、その裏番組とも言うべき、
   「イグ・」ノーベル賞にも、毎年、関心があります。
   何年か前の「バウ・リンガル」には、思わず、唸り、
   笑いころげました。こちらの方では、日本人が
   多く受賞しています。こちらの受賞者も、大いに
   称賛すべきかと思うんですが・・・
                              市橋

                          
   
返信する
Unknown (おおた葉一郎)
2012-10-07 20:05:59
市橋さま
イグノーベル賞も下らないのが多いのですが、なぜか日本人がかかわると「カラオケ」みたいな、実用品ができちゃうのですよね。
返信する

コメントを投稿