大橋分家のこと

2015-08-22 00:00:59 | しょうぎ
muso詰将棋パラダイスに「夢想の研究2」として若島正先生の連載が始まったこともあり、「開かずの本」だった 『秘伝 将棋無双(湯川博士著)』を読んで見た。20局が解説されている。この本の特徴は同時代の棋士や江戸市民を登場させた歴史小説仕立てになっていること。

無双自体は、数十年前に盤上で解説書をみながら並べたことがあるので本書について触れることもあまりないのだが、将棋家元三家の中で大橋本家と伊藤家の関係図が書かれていて、両家とも大橋分家とは交流がなかったとされている。

ただ、麻布十番の伊藤家は大橋分家と隣接していたそうで、三百坪の敷地だったそうで、交流がなかったことはなんとなく不思議だ。

で、ほんの少しだけ調べてみると、大橋分家というのは、大変ユニークな存在で、かなり激しいエピソードを持っているようだ。

まず、初代と二代目は将棋指しじゃなかったらしい。ちょっと信じられないが。
三代目が大橋宗与。六世名人になるが、たなぼたで76歳である。たぶん羽生名人もかなわないだろう。献上図式が間に合いそうもなく、盗作風改作や不完全作が多い。新東京五輪風だ。

四代、五代はひたすら家を守り伊藤家全盛時代を生き抜き、六代大橋宗英の教育に専念する。

六代宗英。江戸時代の最高棋士といってもいい。古典将棋と縁台将棋、賭け将棋といった将棋の状況を「近代将棋へ」向かわせることになる。定跡は伝えるものではなく、研究して発展させるものになった。ただし、詰将棋は作らないこととした。ある意味、指将棋と詰将棋は別のものということを宣言したようなもの。
そして病をおし御城将棋に出陣し、その当日、人生に終止符を打つ。

七代は宗英の嫡子だが、棋力今一。大橋柳雪という天才を養子に迎えたが、柳雪は病に侵され、家元を離れる

八代。在野の天野宗歩を破るために心身ともに疲れ切り、妻は発狂し自らは短命となる。

九代。明治になり、何らかの罪を犯し、刑務所行きになる。結局、大橋分家はここで途絶えた。

というようなことらしいが、それぞれの時代に、それぞれのストーリーがあるのだろうと、十年先までに研究したいなとちょっと思う。

さて、8月8日出題作の解答。

b12


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まで17手詰。

動く将棋盤は、こちら

今週の問題。

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やや平凡。

わかったと思われた方は、コメント欄に最終手と総手数と酷評を記していただければ正誤判断。


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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (蛇塚の坂本)
2015-08-26 11:04:40
最終手○○○の○○手詰みと成りました。
合駒探しと歩頭の桂基本のおさらいありがとうございました。
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Unknown (おおた葉一郎)
2015-08-26 11:06:50
坂本様、
正解です。初手以外は基本型の組み合わせですね。
最後に2四X打、2三中合とかできればいいのですけどね。
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