ト-ハク2

2015-08-16 00:00:50 | 美術館・博物館・工芸品
東京国立博物館に久しぶりに行ったのだが、前の記憶と比べると、展示がいたって外国人向けになったような気がする。

本館では、ありのままの日本ではなく、日本の美を正面に打ち出している。確か、佐倉の方は日本の醜い過去にも触れているような気がするが、そこまで見ていく外国人はいないだろう。

それで、高円宮家コレクションとして根付が数十点展示されていた。象牙や宝石、また陶器などで作られた根付である。この根付と言うものを外国人に説明するのはかなり難しい。つまり日本人に説明するのも難しいということだ。何かの紐の恥につけられるものということだが、何の紐に付けられるのか、はっきりしない。なんで、そんなところに芸術を追求するのだ、ということになる。

思うに、身の周りをすべて芸術品で囲んで生活する人(つまり、貴族とかバブル長者とか)が、さらに美術品を身につけようと考えたものだろう。ある意味、入墨と同じ心かな(たぶん違う)。

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で、この根付にはそれぞれ名前が付いているのだが、大部分は、その根付の造形に対する名前で、花の名前や動物の名前が多いのだが、一つだけ気にいったネーミングがあった。少年が上を向いている根付だが、「ながれぼし」となっている。少年が夜の空を渡る一筋の光の流れを目で追っている。「夜空をながめる少年」ではなく「ながれぼし」というネーミングに主客逆転表現が感じられる。

そして、東洋館。ここで気付いたのは、韓国からの女子学生たちが相当数、自国の焼物を調べていることだ。検索システムをハングルで読んでいるので、博物館に所蔵の品を確認しているのだろう。何人かがそういうことをしていた。もしかしたら、植民地化を図ろうとしていた時期に、日本人が持ち帰ったのだろうか。実際には、当時から韓国、日本、中国の陶器(磁器)は高い評価を得ていたので、適正な対価を払って購入したものだろうと思うが、評判が悪いなら、返してしまってもいいかもしれない。もちろん、何かの問題を帳消しにしてからだろうが。竹島占拠とか・・


エジプト関係も、良品を収集していたようだ。

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ミイラもあれば神様の化身である各種の鳥たち(ハヤブサとかトキとか)の像はなまめかしい。

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さらに猫もいる。エジプト文明が現代人に送った最大のプレゼントだろうか。実際は、穀物を狙うネズミがいたからこそ、猫が愛用されたのだろう。


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