介錯人は

2015-04-11 00:00:59 | しょうぎ
にわかに応援していた熊坂学五段について、とうとう強制引退ということが将棋連盟から発表された。10年前に、最下級C2リーグで3回降級点を取り、フリークラスへ編入。10年間に規定の成績を取らなかったからだが、10年目の今年度に奮起したものの規定の17勝に2勝届かなかった。現在進行形の竜王戦トーナメントで破れた時点で、すべての棋戦からグッバイになる。

そして、その最後の対戦相手、つまり引退が決まっている人に止めを刺す役目、つまり介錯人は誰かということだが、その前に原因となった10年前のC2リーグだが、なんと5名の棋士がフリークラスに落ちていた。そのうち二人(前田八段と小阪七段は10年ルールの前に60歳定年の方が先に来て引退されている)。残る三名(熊坂、大島、安西)が10年満期を務めたわけだが、大島七段は3月中に最終対局を終了。

4月以降に対局がずれ込んだのが安西六段と熊坂五段。しかし、安西六段の延命は、僅か1日だけ。4月1日に石井健太郎四段の介錯を受ける。そして、熊坂五段の介錯人にも石井健太郎四段が登場する可能性が十分あるようだ。

実際、引退決定しているわけなので(トーナメントを全勝した場合はどうなるかよくわからないが、それではゾンビー棋士になってしまう)、負けてあげても大勢には変りはないのだろうが、八百長やるわけにはいかない。二人目なら、感性も麻痺してしまって、案外「ごっつぁん」と思っているかもだ。

しかし、彼は、今泉氏のプロ入会試験で負けてしまい、プロの人数を一人増やしてしまうという失態を犯し、全棋士の一人当たり平均年収を1%程度減らしてしまったことにより、仲間の白い視線を浴び続けているだろうし、何としてもお勤めを全うしなければならないだろう。

人斬りケンちゃん。

こうして、ほとんどのプロ棋士は棋士としての最後の一局が黒星になるという仕組みなのだが、例外はあるのだろうか、といえば少なくても一人は白星で終わっている。

中原誠永世名人。2008年8月12日。木村一基八段戦で勝ったあと脳梗塞を起こし、その後引退。介錯人がいないわけだ。ただ、引退した彼も、そろそろ最後の仕事として、重要なスピーチの用意をはじめているのかもしれない。


さて、3月28日出題作の解答。

b12


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最後の2手は、△1一玉 ▲2三桂でもOK。

2二に2回も捨駒が現れる。後手方は初手以外は王将が動く手である。

動く将棋盤は、こちら



今週の問題。

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軽い手筋と言いたいが、手筋としてはみたことはないかも。一桁。

わかった、と思われた方は、コメント欄に最終手と総手数を記していただければ、正誤判断。