・・・東北沖大震災以来、昔の災害の記した古い記録を研究することが多く行われていて、また、そのことがニュースになっている。
それらの昔の科学的な観測記録のなかに、珍しい記録があったことが新聞記事に書かれていた。 それは、ある時点から、夜空に急に輝きだす超新星の話題である。
超新星の爆発は、最近の進んだエックス線天文学で研究されることなのかと思っていたら、平安時代の超新星の爆発について、詳しく藤原定家の「明月記」に記録されているそうです。 定家自信が超新星を観測したのではなく、陰陽師で有名な安倍晴明一族が、行った正確な観察記録によるものらしい。 その頃のヨーロッパには、全く、その超新星が輝いたという記録はなかった。 下に、藤原定家の「明月記」の資料を転載する。 昔の日本も、その分野では、自然科学が進歩していたのである。
〈参考〉 < 後冷泉院・天喜二年(1054年)四月中旬以後の丑の時、客星觜・参の度に出づ。東方に見(あら)わる。天関星に孛(はい)す。大きさ歳星の如し。(原文読み下し) >
明月記断簡(大阪府立中之島図書館蔵)