続き・・・
明日の榛南三校野球定期戦の成績予想は、私の独断だが、投手力を買い、榛原高校が頭ひとつリード。
相良高校は、まとまっている。後はエラー、サインミスなどがなければ、榛原高校といい勝負ではないか。
吉田高校は、練習場、つまりグラウンドがない分、分が悪い。
この吉田高校の元PTA会長であり、現在は後援会理事、また、野球部後援会理事を務めさせていただいている関係で、吉田高校に奮起を願うのだが、一方、この吉田高校のグラウンド問題は、頭が痛く、心に引きずるものがある。
ましてや、高校野球をこよなく愛する野球審判員である。
しかし、いかんせん、この問題は単なるPTA,野球後援会の問題でだけではなく、財政が伴う県、町の行政の課題の部分も大きくある。
グラウンドはそう簡単に作れる問題ではない。予算、広い土地、日常の管理など、マイナス要素が多分にある。
また、現代の少子化問題により、この地域の高校生の生徒数が減っていて、ご存知の方もいるだろうが、大井川をはさんでの大井川高校と吉田高校の統合の話が具体的に進んでいることもグラウンド問題に大きくのしかかっている。
今年の吉田高校のPTA後援会総会に理事として出席し、壇上で予算案などの説明をした。
その後援会も、すべての議案を承認いただき、終了したが、ただ、事業計画の質疑の中で、参加者から質問があり、それがこのグラウンド問題であった。
通常のこういった総会の議事進行は、質疑もなく、お手盛りの内容で終始するものであるが、質問者は、吉田高校野球部の大きな課題と考え、思い切って質問したのであろう。
あらためて、吉田高校野球部の現状を言えば、例年数名の新入部員が入部し、なんとかチームを存続することができる部員を擁しているものの、練習する満足なグラウンドがない。
数年前は、地元企業から借用していたほぼ球場並みの専用練習場があったのだが、企業の工場建設に伴い、急きょ立ち退きを要請され、現在は、校庭のすみで主に守備を中心に練習している状態である。
その質問した女性は、練習場を作る計画があるかというものであった。が実は、作ってほしいという要望が大いに含まれていると受け取った。
実は、昨年のこの総会で同じ質問があり、昨年のこの総会の議長がPTA会長であった私は、そのときは、検討すると、かろうじて(!?)返答し、その場は終了した。
その後、学校といろいろ話し合いをしたが、今から広大な練習場を確保するのは、購入、借用を問わず金銭的にも、十分な広さの用地を確保することも、実現0%と結論ははっきりしてした。
しかし、学校側もいろいろ努力していただき、普通の校庭だったところを一般の野球場に使っているきめの細かい土をわざわざ岐阜からとりよせ敷いたり、少しでも広くと、不要な設備や備品などを整理してほぼ内野の守備練習ができるまで整備してくれた。また、大半を使用していたサッカー部にも理解いただき、相互の練習時間の調整などをしていただいたりした。
このような学校側の努力も見ているため、野球部を思ってのグラウンドの確保の質問には、本年度も満足な回答をすることができず、むしろ高校の再編計画による統廃合を踏まえた場合、困難であると回答せざるを得ない状況だった。
ただし、野球部員がいて、あの夏の選手権大会を目標に、精一杯毎日の練習を重ねている以上、この会場では、グラウンド建設の可能性はまったくありませんという不本意な回答はさけ、学校のできる限りの努力を尽くすことを学校側から説明いただき、終了したのであった。
同じ地元の榛原高校も相良高校も、野球場仕様の専用グラウンドで練習しているわけではなく、榛原高校は、校舎から少し離れた、何とか球場並みの広さは確保したグラウンドを、相良高校は校庭が練習場であり、両校とも決して恵まれているとはいえないが、吉田高校から比べれば、専用練習場があるだけ不満はいえない。
ただし、吉田高校も、県内、あるいは全国を見れば、専用の練習場がない野球部は、たくさんあり、その中で、実力を養い、各種大会にいい成績を残すチームが多くあることを知っておかなければならない。
このグラウンドの問題は、せっかく高校野球を思い描き、吉田高校の野球部に入部した部員たちに対し、何とかしてやりたいのだが、そう簡単にはいかない。
ただし、なんとか野球部員たちが、日々黙々と重ねる練習に満足を得て、グラウンドがなくても野球の楽しさを十分満喫し、実力を高め、各種大会によい成績を残していただきたいと願わずにはいられない。
そして、まさに明日の定期戦がその結果を出す絶好の機会である。
グラウンドもない吉田高校ががんばったことを他の2校に示すことにより、他の野球部員を刺激し、三校が切磋琢磨しレベルを上げることにより、定期戦の目的が達せられたことになる。
明日は三校とも悔いのない元気な試合を見せてほしい。