どんぴんからりん

昔話、絵本、創作は主に短編の内容を紹介しています。やればやるほど森に迷い込む感じです。(2012.10から)

まるのおうさま

2024年01月31日 | 絵本(日本)

   まるのおうさま/谷川俊太郎・文 粟津潔/福音館書店/2019年(初出1971年かがくのとも)

 

 まるいおさらが ぼくこそは まるの王さまだと いったとたん 棚から ころがりおちて がちゃん

 それをみたシンバルが まるの王さまは やっぱりおれだ とおおわらいすると つぎは タイヤがでてきて

 そして 円周率がでてきて、オレンジ、レコード、ビリヤードのたま、運動会のたまころがしの玉。

 地球が出てきて、太陽・・・

 雑多な まるづくし。おおきさを 競ったり 自分がいちばんと 偉ぶってみたり。

 

 それぞれの”まる”に 意味があり、ほかの”まる”と比較するのは 意味がありません。大きさを競ったり、偉ぶるのではなく じぶんらしい まるを 書いてみよう と、結びます。


たんばりん じゃじゃん

2024年01月30日 | 紙芝居

   たんばりん じゃじゃん/脚本・八木田宣子 絵・和歌山静子/童心社/1976年(8画面)

 あるひ、じゅんちゃんがホールのすみでみつけたのは、タンバリン。タンバリンをジャジャーンッと鳴らしていると、トトンと音がしました。

 「じゅんちゃん、いれて」と、やってきたのは、カスタネットをもった、りすさん。

 つぎ、やってきたのはトライアングルをもったうさぎさん。

 じゅんちゃんがジャジャン、りすさんがトトン、うさぎさんがリリーンとしていると、まただれかがやってきました。

 ・・・

 それから、保育園中の 子どもたちがやってきて みんなで演奏会です。

 背景は、落ち着いた感じの赤。

 とちゅうから、次は何が出てくるか、想像するのが楽しそうです。


ベンジーの もうふ

2024年01月29日 | 絵本(外国)

   ベンジーの もうふ/マイラ・ブラウン・文 ドロシー・マリノ・絵 まさき るりこ・訳/あすなろ書房/2010年

 

 原著は1962年アメリカの出版。二色刷りで、文章は長めです。

 ベンジーは、あかちゃんのときの毛布が だいすきで 幼稚園に行くときも、床屋さん、歯医者さんにいくときも いつも 一緒。

 お隣のトルーディーから、「ぼろぼろじゃない、いつすてるの?」といわれ、おとうさんからも、「そろそろ そのあかちゃんもうふ、いらないんじゃないかい?」といわれ、おにいさんのジムも、同じことをいいます。

 しかし、幼稚園のかえりや、靴屋さん、スーパーマーケットなどで、毛布を忘れたりするようになりました。

 そして、こねこの泣き声に悩んでいたトルーディーのために、こねこの かごのなかに 毛布を いれてあげると・・・。

 

 ベッドや足が大きくなり、精神的にも成長していくベンジー。前段階でその予兆はあるのですが、ある日、急成長する子どもの感じが よくでています。

 じっと見守るお母さん。ベンジーも いずれ 毛布離れすることを見通していました。


いたずらからす

2024年01月28日 | 絵本(日本)

   いたずらからす/さとう わきこ・作絵/福音館書店/2022年月刊絵本「こどものとも」

 
 「ばばばあちゃん」12年ぶりの新作。
 
 おいしそうに りんごが赤くなりました。「もうたべごろかな」と、ばばばあちゃんの仲間たち。そこへからすの親分がやってきて、「ひとくち 食べれば 全部の りんごがおいしいかどうかわかるんだよ」というので、「ひとくち たべても いいよ」とばばばあちゃん。
 
 ところがひとくち だけでは すみません。からすが いっぱいやってきて りんごに とびかかり 「あした くる カアー」。
 
 ばばばあちゃん、仲間たちと、ひもに 空き缶や水の入ったコップ、じょうろ、なべ、もろもろ つりさげて、カタカタカタ ジャランガラン、カラコンカラコンと、音を立てますが、からすは そのうえをいって 音を立てて遊んでいます。
 
 それではと、おもちゃの弓で からすをねらっても 「はずれ はずれ カアー」と、へいっちゃら。
 
 それではと、おしいれのおくにあった いなずまじるしの はなびだまを ひっぱりだして、なげつけると・・・。
 
 りんごが ぜんぶおちて ばばばあちゃんがつくったものは?
 
 
 ばばばあちゃん、あいかわらず 元気いっぱいです。

たこ屋半兵衛・・栃木

2024年01月27日 | 昔話(関東)

        栃木のむかし話/下野民俗研究会・編/日本標準/1977年

 

 たこ屋半兵衛が伊勢参りにいって大阪の金持ちの家にとまりました。そこでは、金屏風をたてて、たいしたごちそうでもてなしてくれました。

 じっさいは、掘立小屋に住んでいた たこ屋半兵衛ですが、「こんなものは、うちにもある」「おら、よめさまほしいんだ」と おおぼら。

 金持ちは、「よめさまほしけりゃ、おらげのむすめやんべ」と、約束。年の暮れに大阪からやってきたよめさまが、掘立小屋を見てという。、「よめに行くべえと思ってきた以上は、その人に会って、顔を見ねえでは おら帰んねえ」と、親子の縁を切られても たこ屋半兵衛のもとへ。

 ところが、たこ屋半兵衛の掘立小屋が狭いため、ばけもの屋敷にとまることに。ところが夜中になるとガタガタがはじまり、でっけえ音がしたり、うなり声がして、ばけものがきたとおもったら、そのおばけは、「あんたらにうらみがあるわけでもなんでもねえんだけど、おれは、ここにうまっている金なんだ。しゃばへ出して、通用さしてもらいてえと思って、ここへ人が来ると、こうして出だしてくんだけど、みんなにげてしまう。おまえらは どうだっぺね。」。

 よめさんどきょうがあって、これはいいこと聞いたと つぎの日、ほってみると たくさんのお金が でてくるわでてくるわ。それで たこ屋半兵衛は、一晩のうちに大金持ちになったというわけだ。たこ屋半兵衛はそのお金で商売をしたが、よめさんも、大商人のむすめさんだから、金の使い方がうまく、大阪の鴻池にもまけねえようになった。

 

 「いまならば銀行かなんかにあずけるんだけど、大昔のことだから、屋敷のどっかに うめることしか しょうがなかったんだべ。」と、なぜ、金がうまっていたのかの説明?もあるのが 目新しい。


雪だるま ルートヴィッヒの ねがいごと

2024年01月26日 | 絵本(外国)

   雪だるま ルートヴィッヒの ねがいごと/レーロ・トゥンガル・文 レジーナ・ルック-トゥーンベレ・絵 塩崎香織・訳/化学同人/2023年

 

 雪だるまのルートヴィッヒに たりないものなどないはずでした。

 けれどある日、小鳥の会話から、クリスマスツリーのことをきき、おなじように部屋においてもらえるにちがいないと、そばで遊んでいた子どもたちの家に、どうにかこうにか いきました。そのとき、石段のところで、おかあさんの声がきこえてきました。「ふたりとも、また雪がついたままではいってきたのね! あっちもこっちもびしょびしょにして‥ながぐつの雪はおとしてって、なんかいいえばわかるの」。

 雪だるまは困りました。ながぐつの雪ぐらいであんなに叱られるなら、まるごと雪のぼくが入っていけば、何をいわれるか・・・。悩んでいると、小鳥たちが 森のこびとたちのかしらで、魔法も使えるパトリックをよんできました。

 雪だるまは、パトリックの魔法でクリスマスツリーのかざりほどになって ツリーにかざられ、夢のような時間をすごせたのです。

 雪だるまのルートヴィッヒは部屋の中にずっといたの? いえいえ、朝日が昇る前に、パトリックがそとにつれだし、もとのおおきさにもどす魔法をかけました。

 

 エストニアの絵本。表紙の雪だるま、タイトルが 浮き出ています。絵も特徴的で、木?がしゃもじのように描かれ、子どもの顔も大人のようです。

 こびとのパトリックも、こびとこびと風で、なにかはよくわかりませんが、小さな円も気になりました。


おんどりと二まいのきんか

2024年01月25日 | 紙芝居(昔話)

   おんどりと二まいのきんか/安藤美紀夫・訳 堀尾青史・脚本 画・うすいしゅん/童心社/1993年

 

 むかし、貧乏なじいさんが、とてもおおぐいの おんどりと 暮らしていました。

 「もっとおくれ。これっぽちじゃ いやだよ!」と、おんどりがいいますが、貧乏なおじいさんのところには、もう食べるものはありませんでした。

 そこで、えさをさがしにいったおんどりは ピカピカひかる金貨と小さな袋をみつけました。おんどりは、長い間、養ってくれたおじいさんに、金貨を持ち帰ろうとしましたが、そこへやってきた村一番の大金持ちの地主に横取りされてしまいます。おまけに池のなかに、放りこまれてしまいました。

 おおぐいのおんどりは、「こんな いけで 溺れるもんか。水を みんな のんでやる」と、池の水をガボガボ飲むと、金貨を返せと、地主のところにのりこみます。

 地主は、おんどりを暖炉に放り込んで、焼き鳥にしようとしますが、おんどりは、がっぽりのんだ水を噴水のようにふきだし、暖炉の火を 消してしまいます。

 水を吐き出し、おなかがぺこぺこになったおんどりは、台所の食料を かたっぱしから 食べてしまいます。怒った地主が、蔵へ放り込むと そこには、金貨が山のように しまってありました。

 おんどりは、金貨を全部飲み干すと、蔵を飛び出し、おじいさんのところへ かけだしました。

 畑で働いていたおじいさんは、金貨の山をみて おおよろこび。

 

 ルーマニアの民話ですが、おんどりの顔が赤、首は黄色、胴は青、尻尾が緑とカラフル。おじいさん、地主の存在感も抜群です。子どもはどこの国の話であるかか気にしませんが、大人は どこの国の話か興味があるところ。

 おんどりのセリフ。「こんなに金貨があるくせに、ぼくの二まいの金貨まで とりあげるんだから、よくばりだなあ」。ここまでしないと金持ちにはなれません。
 食べるだけ大きくなるおんどりの存在感がたっぷりです。


サンタさんは どうやって えんとつを おりるの?

2024年01月24日 | 絵本(外国)

   サンタさんは どうやって えんとつを おりるの?/マック・バーネット・文 ジョン・クラッセン・絵 いちだいづみ・訳/徳間書店/2023年

 

 時期が過ぎたのが残念でした。クラッセンの絵は、個人的にはぴったりのタッチ。

 サンタの黒目が下へ行ったり、左右にいったり、さらに眼鏡も独特で、最初から最後まで存在感があります。トナカイも二本足でたって、コーヒーをいれたマグカップでお手伝い。

 地の文は、おみやげをもらう子どもの疑問?。

 

 サンタさんは からだが大きいのに、どうやってえんとつをおりるの? 

 ねずみくらい ちいさくなる?

 あたまから?あしから?もしかして おしりから?

 とちゅうで つっかえたら? トナカイに おしこんでもらう?

 えんとつからはいったら ふくも まっくらにならない?

 

 つぎからつぎへと うかぶ 疑問を演ずる 喜怒哀楽のない マイペースのサンタです。

 ニヤリするのは 蛇口から にゅるっと でてくるのか 手紙のように ドアから さしこんでもらうという想像。

 オチにも納得です。 

 日本の家には、煙突がない家もあり、あっても換気用の細い煙突などで、煙突のない家に はいるバージョンも 期待したいところ。


ごちそうごよみ

2024年01月23日 | 絵本(日本)

だかと龍の駒・・鳥取

2024年01月22日 | 昔話(中国・四国)

       子どもに贈る昔ばなし18/小澤俊夫・監修/小澤昔ばなし研究所/2022年

 

 いわばシンデレラストーリなのですが、朝日長者のきろ松という男の子が、夕日長者の娘の婿になるという話なので、枠は はみでています。

 きろ松が長者の家をでることになったのは、長者の後妻が病気になり、後妻の病気を治すためには、きろ松の生き胆をのませないとなおらないといわれたこと。長者は妻と、きろ松のいずれれとるか思い悩みますが、妻の病気をなおすことを選びました。そして男衆が芝居見物といつわって、きろ松を駕篭に乗せ生き胆をとろうと山へ行きますが、かわいそうと思った男衆が、きろ松を逃がし、かわりに猿の肝をとって男衆はもどりました。

 きろ松が山の中を歩いていくと、新しい墓がありました。きろ松が墓を通り過ぎようとすると、あたりは急に日が暮れたようになり、すすむことも、もどることもできなくなりました。きろ松がこの墓のそばで寝ていると、墓石がぐらぐら動き出しました。そして、白い着物を着た人が墓から出てきて、「きろ松か、きろ松か」という。この人は母親で、「わたしが死んだばかりに、おまえがこんな苦労をするんだね。この『紅』という扇を持っていきなさい。この扇で『衣服大小龍の駒』といって、天にむかってまねけば、みごとな馬が着物や大小の刀を背負って降りてくる。寒いときは、着るものを、腹がすけば食べるものをさずけてくれるだろう。これさえもっていればもう苦労することもなかろう」といって、いなくなりました。

 やがて、きろ松は夕日長者のところで馬の世話をはじめます。名前をたずねられると、「だか」とでも呼んでくださいといい、それで、きろ松は「だかやだかや」とよばれるようになりました。何年かたって、そこで大きな遷宮が行われることになり、めったいにない遷宮というので、みな、われもわれもとお参りにでかけていきました。留守番することになったのは、だかと、この家の娘でした。

 だかが、ちょっとお参りしようかという気になり、『衣服大小龍の駒』といって、紅の扇で天にむかってまねくと、みごとな馬がりっぱな着物や大小の刀を背負って降りてきました。だかは、その着物を着て、大小の刀を差し、龍の背中にまたがると、遷宮にでかけていきました。

 遷宮からもどった人たちは、くちぐちにりっぱな人をみることができたと、うわさしました。一方、長者の娘は、とたんに具合がわるくなってしまいました。占い師が「下ばたらきの者が好きになって、そのための恋わずいにちがいない」といいます。長者は、下ばたらきの若い者をよんで座敷にあがらせ、娘が杯を差し出したものを婿にしようとしますが、娘は障子をぴしゃりとしめてしまいます。だかは、そこにいませんでした。だかをよんで、娘をもう一度呼ぶと、娘は、まっすぐだかのところへいって、杯を差し出します。長者が、おまえがもっている婿入りのごしらえでは、うちの婿にはなれんぞ」というと、だかは、紅の扇で、りっぱな婿入りのしたくをしました。

 

 繰り返しが昔話の特徴ですが、ずいぶんとさっぱりした展開。干支の龍が出てきますが、『衣服大小龍の駒』は わかりやすい。


おべんとう わくわく せーの パカッ!

2024年01月21日 | 紙芝居

   おべんとう わくわく せーの パカッ!/脚本・磯みゆき 絵・林なつこ/童心社/2019年(8画面)

 

 けんちゃんは、みんなとピクニック。

 お楽しみはおべんとう!

 うさぎちゃんはサンドイッチに たんぽぽサラダ。

 ねこちゃんは、あじのひらきと おにぎり。

 にわとりさんは、かぼちゃに とうもろこし、こまつな。

 けんちゃんのおべんとうは 二段重ね。おべんとうばこをパカッ! とあけてみると、二段とも白いご飯。でもおにいちゃんがもってきた二段重ねのおべんとうばこには・・・。

 

 おいしそうなおべんとうがいっぱい。みんな、ニコニコで「いただきまーす!」と笑顔です。


だれが姫の病気をなおしたのか・・イスラエル

2024年01月20日 | 昔話(中近東)

       新編世界むかし話集⑦/インド・中近東編/山室静・編著/文元社/2004年

 

 イスラエルの昔話といいますが、アラビアンナイトの「空飛ぶじゅうたん」と酷似しています。    

 出だしは、両親がなくなった三人兄弟が旅をするところからはじまります。

 一番上の兄は、アメリカにいって、小さい飛行機を作ることに成功します。二番目の兄は、インドにいって、どんな遠くの国でおこったことも映る鏡、末の弟はアフリカへいって、食べたらどんな病気でも治るというリンゴを手に入れました。

 二番目の兄が、魔法の鏡で、遠い国のお姫さまが、重い病気になっているのをみつけ、一番目の兄の飛行機でかけつけ、弟のリンゴでお姫さまの病気をなおします。

 王さまは、姫の病気を治したら、娘を三人の兄弟のひとりと結婚させると約束していました。夫を選びなさいといわれた姫は、あなたがたがきめてくださいと兄弟に言います。

 「飛行機がないと、遠い都まで、とてもくることができなかった。」「魔法の鏡がなかったら、お姫さまが病気だったこともわからなかった」「リンゴがなかったら、姫の病気はなおらなかった」

 兄弟は、議論しますが、決められません。王さまはユダヤ人の顧問官の意見を聞きました。顧問官は、上のふたりに、この旅で何かを失ったのか尋ねます。飛行機も魔法の鏡もそのまま。末の弟のリンゴの一部がなくなったことを聞いた顧問官の審判は、末の弟が名誉にあたいすると裁定し、お姫さまと婚礼をあげます。そしてあたらしい国王は、兄さんたちを大臣に任命します。

 飛行機が出てくるので、これって昔話?と、疑問がわきます。編著者が、五百余りの昔話のほとんどを一人で訳したとありますが、さすがに重訳があります。訳される段階で、もとの話が微妙に変化してくるので、どこかの段階で、飛行機は、別のものに置き換えられてもおかしくありません。せめて「空飛ぶ船」とするのが、ふさわしいのでは?。


なぞなぞで おやしきたんけん

2024年01月19日 | 絵本(日本)

   なぞなぞで おやしきたんけん/石津ちひろ・文 こみねゆら・絵/アリス館/2015年

 

 狭い家だと、なぞなぞたんけんというイメージは わきにくいなあと 思っていると、8LDKはありそうな洋館。

 おばあちゃんの住む おやしきに ひとりで遊びにきたさやちゃん。朝、こつこつと窓をたたく音で、目を覚ますと、窓から 一羽の小鳥がはいってきて、なぞなぞ遊びをすることに。

 小鳥が、「ちいさな いきものが あかい ドレスを ひらひらさせて おどるように およいでる それは いったい だあれ?」となぞなぞをだしました。

 部屋の中に、金魚鉢があって赤い金魚が泳いでいたので、さやちゃんは あっというまに 答えました。「きんぎょ!」

 「ぴかぴか ひかる はりがねで できた おうち ことりさんは だいきらい それは いったい な~んだ?」。部屋には とりかごがあって すぐに 気がつきます。

 なぞなぞのつぎに 部屋が描かれていて、すぐに 答えられるのが みそ でしょうか。

 小さい子には やや簡単なもの、ちょっと大きい子には 注意しないと みつからないものと考えると、小さい子向けでしょうか。

 ヤモリやクモがでてくるあたり、広すぎて 掃除が 行き届かない感じ。

 

 人形もお母さんも 洋風に描かれているのは、作者の注文でしょうか。


おいの森とざる森、ぬすと森・・宮沢賢治

2024年01月18日 | 宮沢賢治

   おいの森とざる森、ぬすと森/原作・宮沢賢治 脚本・国松俊英 画・福田庄助/童心社/1996年(16画面)

 

 岩手山のふもとに、おいの森、ざる森、くろさか森、ぬすと森の四つの森がありました。

 ここにやってきた四人の男は、森に声をかけて許しをもらい、丸太の家をたて、クワを奮って野原を切り開いて畑を開墾しました。つぎの年にはソバやヒエがたくさんとれました。

 土のかたく こおった 朝のこと。四人のこどもがいなくなりました。森に声をかけますが、知らないといいます。子どもを探すに行くと おいの森の真ん中で、火が燃えて、まわりでオオカミが歌いながら踊っているところに、子どもたちがいました。みんなが 子どもをつれて森をでようとすると、逃げていったオオカミが、おくのほうから叫びました。「わるく おもわないでけろ。クリだの キノコだの うーんと ごちそうしたぞお」。みんなは、うちにかえってから、アワもちをつくり、おれいに おいの森へ もっていきました。

 つぎの年の秋、どこの家からも、ナタやクワがきれいに きえていました。おいの森にいきますが、オオカミから ほかを さがすようにいわれ、みんなは ざる森にでかけました。森のおくに、枝で編んだ おおきなざるが ふせてありました。なかには山男が あぐらをかいて すわっていました。おとなたちが、「山男、こんな いたずら やめてけろ。くれぐれもたのむぞ。」というと、山男は、「おらさも アワもち もってきてけろよ」といって、手で頭を隠して 森の奥へ はしっていきました。みんなは アワもちをつくると、おいの森とざる森へ もっていきました。

 つぎの年は、納屋にしまっておいたアワが すっかりなくなっていました。おいの森、ざる森でもみつからないので、くろさか森の入り口で、「アワを かえしてけろ。アワを かえしてけろ。」というと、北のほうへ いってみろと いわれ、ぬすと森へいくと、大男が出てきて 「アワをぬすんだ証拠があるか」と おこりだします。「くろさか森が 証人だ。」と、みんながいうと、「あんなやつの いうことは、てんで あてにならん。ならん、ならん、ならんぞ、ならんぞ。ちくしょう」と、ぬすと森は どなります。みんな おそろしくなって にげだそうとすると、岩手山の おごそかな声。

 岩手山は、「アワをぬすんだのは、ぬすと森にちがいない。おれはあけがた、たしかに それをみとどけた。アワは かえさせるが、ぬすと森は、じぶんで アワもちを こさえて みたかったのだよ。それで アワを ぬすんできたのだ。ハッハッハ」というと、すまして そらを むきました。

 みんなが、家に帰ると アワは ちゃんと 納屋にもどっていました。そこでみんなは、わらいながら アワもちを こしらえ、四つの森へ もっていきました。それから四つの森はみんなと、ともだちに なりました。そして 冬のはじめになると、きっと アワもちを もらいました。

 

 森と対話し、感謝も忘れない賢治さんならではの世界。限度をこえて木材を伐採し、住宅地にし、道路をつくり、土砂災害などの しっぺ返しをくらう世界とは対極です。


シカものがたり

2024年01月17日 | 絵本(日本)

    シカものがたり/おおなり修司・文 飯野和好・絵/絵本館/2023年

 

 詩吟のように、好きなように節をつけて読めば・・・とありますが、普通に読んでもダジャレに たのしか!。

 立派なツノを持つシカが、ツノが枝にぶつかり ツノはおれ ”かなしか~”。

 おれたツノを医者へ もっていくと ”むずかしか~”

 リスやキツネに わらわれて ”はずかしか~”

 ・・・

 ひとりになったしかが、 片方のツノも失いながら オオカミと夢中になって たたかう

 助けた しかと 暮らし

 それから二年、家族が増えて ツノもはえ

 家族並んだ様子は、まるで・・・。 

 

 震えながらも オオカミにおわれた しかを 助け出そうと 勇気を奮って オオカミに立ち向かう 勇気ある しかの物語。