どんぴんからりん

昔話、絵本、創作は主に短編の内容を紹介しています。やればやるほど森に迷い込む感じです。(2012.10から)

つらら

2019年12月31日 | 絵本(自然)

    つらら/写真・細島雅代 文・伊地知英信/2019

 

 いますんでいるところでは、ほとんどつららはみることができません。それだけ寒くはない地域ということです。

 ”つらら”という名称が、全国共通のものかとおもっていたら、地域によっては、タルヒ(垂氷)、カネコオリ(金氷)とよばれ、アイヌ語ではノキペコンル(ノキ<軒>+ペ<雫>+コンル<氷>とよばれているとありました。

 さらに、つららのなかまにはツララン、ツナラ、ツラリ、ツルリンなどの呼び方もあって、232種類のつららの名前が記録されているといいますから驚き。

 また、作者がつけたのでしょうか、家の軒下にならんでいるつららは「せんぼんつらら」、同じ軒下でもポツンとあるのは「えだつらら」、柱のようになっているのが「はしらつらら」、まめかわつらら、こぶこぶはしらつらら などのつららのできかたによって、名前をつけているのもわかりやすくなっています。

 土の中、洞窟、葉っぱにできたつららと たくさんの興味深い写真をみることができました。

 この中で、花巻市の「たろし滝」が紹介されていますが、毎年2月に氷柱の太さを測る測定会がおこなわれ、過去最高の記録は1978年の8mとありました。

 もともとは、その年の作柄を占うもので、できる氷柱が滝に似ているので「たろし滝」とよばれているということです。

 ところで2020年になったこの一月初旬、いつもの氷柱が見られないとのこと。例年より暖かいというのですが・・・。


ゆかいなさんにんきょうだい すごいはたきのまき

2019年12月30日 | 絵本(日本)

   ゆかいなさんにんきょうだい すごいはたきのまき/たかどの ほうこ/アリス館/2009年

 

 大掃除の時期、普段あまりやらない上の方の棚や、天井など はたきの出番。ただほこりに気をつけないと大変なことに。

 「すごいはたき」とあったので、どんな はたき?とおもったら すこしちがっていました。

 「ゆかいなさんにんきょうだい」シリーズの三巻目で、一巻目は「きえたおかし」、二巻目は「なきむしぞうきん」とありました。

 じろうが はたきを動かして、それにつれて布が動く手品を、さぶろうに見せます。
 「すごい すごい!」とさぶろうは およろこび。
 じつは、箱の中に隠れた たろうが、ものさしを使って布を動かしていただけなのです。

 「今度はぼくが・・・」と、さぶろうが同じ手品をやると言い出し できっこないだろうとたろうとじろうが かたを すくめて くすくすわらっていると・・。

 おなじようですが ちょっと凝った手品。びっくりしていると、箱の中には、おかあさんがかくれていたのです。

 きょうだいの あそびに つきあうお母さん。ひょっとすると 掃除を中断したのかな。

 ところが、はたきが おこりだし 「そもそも はたきと いうものは 布を ひっぱるものじゃない ほこりを はたくもの なのだ」と そこらじゅうをぱたぱた はたきまわったのです。

 すごいすごいと お母さん、三人兄弟が拍手すると「わかれば よろしい」と、はたきは とくいそう。でも、それからは にどと すごいところは みせてくれませんでしたよ。

 はたきで あそぶんじゃないと おこるどころか、子どもと一緒に あそぶ お母さん 余裕です。三人兄弟も仲がよさそうです。

 布であそんでいますが、この布 貼りつけているようです。絵は一ページ1,2個の円の中に えがかれています。


塩のようにだいじ・・ドイツ

2019年12月29日 | 昔話(ヨーロッパ)

      メドヴィの居酒屋/世界むかし話 ドイツ/訳・矢川澄子/ほるぷ出版/1979年

 

 古来人間の生活に欠かせない塩。塩にかかわる昔話も多い。

 昔、あるところに一人の王さまがいて、娘が三人。

 ある晩のこと、王さまが「お前たちのうち、誰が一番私のことを思っていてくれるかな?」とたずねると
 一番上の娘は「父さま、私は宝石のように父さまがすきですのよ」
 二番目の娘は「あら、私は真珠のように!」
 ところが、ローゼという末娘は「私は塩みたいに だいじにおもってますけど」と、こたえます。
 これを聞くと王さまは、とんでもないことをいう末娘だと、ひどくお腹立ちで、怒りのあまり、「こんな娘はすぐさま目の前から消えてしまえばいい」とまで言い出します。

 そこで、 ふたりの狩人が、ローゼを森につれだして殺す役割をおおせつかりました。

 しかし、ローゼは「命を助けてくだされば、もう二度とこの国に姿は見せませんから」と約束し、森のなかをさまよいます。

 一方、狩人たちはローゼに同情し、王さまには小犬の舌を切りとり証拠として渡すと、王さまはこれを見て、本当に子どもが死んでくれたものと思いこみます。
 
 ここからは、昔話のパターンで、お城に下働きの女中として働いたローゼが、王子と結婚することに。

 結婚式によばれた花嫁の父が、だされた料理を食べると、塩気がなく、あじけありません。ここで、はじめて末娘がいった意味を悟ることになった王さまの前に、広間のとびらがひらかれ、花婿花嫁がはいってきました。

 王さまは花嫁を一目見るなり、それはまぎれもない末娘のローゼであることをさとります。わが子を殺そうとした はずかしさと後悔で心臓も破れそうなほどでしたが、ローゼはさっと父王に駆け寄り、心からキスします。

 料理に塩を使わぬように命じたのは、花婿の王子でした。

 ところで、日本で塩が登場するのは、縄文時代後期から弥生時代初期といい、世界でもメソポタミア文明やエジプト文明といった古代文明発祥のころには、すでに塩は使われていたといいます。 また古代ローマ時代、兵士の給料は塩で、英語のサラリーはここから由来しているというのも興味深い。


びくびくビリー

2019年12月28日 | 絵本(外国)

       びくびくビリー/アンソニー・ブラウン・作 灰島かり・訳/評論社/2006年

 

 ビリーは いろんなことが しんぱいで たまりません。

 ぼうしのこと、くつ、くも、雨のこと。巨大なとりに さらわれるかも しれないこと。 

 パパは、かんがえすぎ。ママは「パパと ママがまもってるから こわいことなんかおこらないわ」というのですが。

 他人からみると、なんだと思うことでも、気になりだしたら ずっと ひきずります。

 ぼくは よわむしだ と おもったけれど、ねむれないって おばあちゃんに いいに いくと おばあちゃんは 「おばあちゃんも こどものころは 心配ばっかりしていたもんだよ」といってくれます。

 おばあちゃんが、さがして もってきてくれたのは「しんぱいひきうけにんぎょう」でした。

 まくらの したの人形に しんぱいごとを打ち明けると ビリーは、ぐっすり ねむりました。

 次の夜も 次の夜も ぐーぐー ねむりました。

 ところが しんぱいひきうけにんぎょうが 心配をひきうけたから、にんぎょうたちが こわがっているという心配が はじまりました。

 そこで ビリーが作ったのは しんぱいひきうけにんぎょうの ための、しんぱいひきうけにんぎょう でした。

 それだけでなく、ともだちにも ひきうけにんぎょうを つくってあげましたから、ビリーも ともだちも、びくびくすることは なくなりました。

 しんぱいひきうけにんぎょう(ウォーリー・ドール)は、中央アメリカ グアテマラに昔から伝わる人形で、木ぎれにくず布と糸を巻きつけてつくったものといいます。

 ビリーは、マッチ棒一本ほどの名前のついた人形を何本も何本もつくりました。

 おばあちゃんさすがです。どこの国にも、おなじような まじないが ありそうです。


わたしのゆたんぽ

2019年12月27日 | 絵本(日本)

    わたしのゆたんぽ/きたむら さとし/偕成社/2012年

 

 着物姿のお母さんが、ゆたんぽに お湯をいれています。

 なにかレトロな感じ。昭和の風景でしょうか。

 ゆたんぽは”わたし”のことを、すきじゃないかも。冷たい足を きらって にげだしますから。毎晩ゆたんぽと格闘。ある晩、いつにもまして おちつきがなく なかなか降参しません。

 湯たんぽが、窓を破って逃げ出しました。”わたし”の足がおいかけます。

 ネオンの輝く都会から、アフリカのジャングル、南極のペンギンを下に見ながら、まだまだにげます。

 ”わたし”の足が どんどん どんどん 伸びて伸びて おいかけます。

 とうとう、宇宙まで逃げたゆたんぽが、小さな惑星に 逃げ込んだところで、やっと ゆたんぽをつかまえ、「ゆたんぽ、どうだ、まいったか!」というと、ゆたんぽは チョポンといって 降参。

 ところが、この星の人類?が 楽しそうに 踊っているので、”わたし”も 輪に加わっていると、みんなが ゆたんぽを かかえて はしりだしました。

 ゆたんぽが 誘拐されたのです。いくら探しても、ゆたんぽは みつかりません。

 こんな 遠い遠いところで 大事な大事なゆたんぽを なくしてしまうなんて!

 

 朝になると ゆたんぽが どこかにいっているのは、よくあること。こんなことから発想されたのかも。それにしても、宇宙まで 足が伸びるというのも壮大。

 宇宙人だって、からだをあたためてくれる ゆたんぽが ほしいですよね。

 でも、ゆたんぽも なかの おゆが さめると ただの ブリキのいれもの。 ということは?


ぼくのたからもの

2019年12月26日 | 絵本(日本)

    ぼくのたからもの/鈴木 まもる/アリス館/2015年

 

 小学1年生のジュンくんが、ある日、2階の窓の近くにメジロが巣を作っているのを見つけました。

 メジロが、みどりのコケを 白い糸みたいなもので、ひっかけています。お父さんがクモの巣からとってきた糸だとおしえてくれました。

 ジュンくんが観察していると、一日一個の空色の卵を産んで、四つになったら卵をあたためだしました。

 お母さんが出産したころに、ヒナもうまれます。

 お母さんの子育てと、メジロの子育てが並行していきます。
 やがて、ヒナたちも、羽をバタバタさせて巣立ちの練習です。そしてある朝、巣がからっほになって、巣立ちです。

 赤ちゃんとメジロによせるジュンくんの思いやりとやさしさがつたわってきます。子どもたちが小鳥の成長をじっくり観察できる機会があったらいいですね。

 お父さんもクモの糸が、巣の材料になる、ヒナが飛べるようになるともう巣はつかわないと、教えてくれる頼もしいお父さんです。

 ヒナが巣だってつかわなくなった巣は、まちがいなくジュンくんの宝物でしょう。

 鈴木まもるさんは、画家・絵本作家で鳥の巣研究家でもあると紹介されています。

 ところでメジロが、我が家の柿の実をついばんでいるのを見ました。でも体の大きなヒヨドリやムクドリがやってきて、追い払われてしまいました。


ぎょうれつのできる”スパゲッティやさん”、”レストラン”、”はちみつやさん”

2019年12月25日 | 絵本(日本)

    ぎょうれつのできるスパゲッティやさん/ふくざわ ゆみこ/教育画劇/2020年

 2011年、2016年の「ぎょうれつのできる」シリーズの第三弾。


 木の家に住んでいるネズミの大家族、今日のごはんは、おじいちゃんの とくいなスパゲッティ。「いただきまーす」とあいさつをしたとき、窓の外で「ぐううううううう~っ!」とおおきな おなかのおとがなりました。
 しましましっぽのレッサーパンダが、おひるねしすぎて、おなかがぺこぺこで、ぐったりしていました。

 「たいへんだ!」みんなは じぶんたちの スパゲッテイを ぜんぶ 食べさせましたが、ちいさなネズミのおひるごはんでは とてもたりません。おじいちゃんは、うちじゅうの食材を使って、新しいスパゲッティをつくりますが、家の食べ物がからっぽに なってしまいました。

 レッサーパンダさんが、あやまると、「こまったときは、おたがいさまじゃ」と、おじいちゃんがわらっていいました。
 でも、それではレッサーパンダさんの気がおさまりません。「ぼく、スパゲッティの材料を探してくる!」と、森へ走り出しました。

 森の中で、崖のとちゅうにおちたイヌさんの荷車の車輪をとってあげ、トカゲさんを助け、まいごになったニワトリのヒヨコを見つけ出すと、イヌさんの荷車はスパゲッテイの材料でいっぱいになりました。

 においでみつけられるイヌさんのおかげで たくさんのきのこ、トカゲさんの庭で、トマト、タマネギ、ニンニク、バジル、ニワトリさんの牧場で、チーズ、なまクリーム、たまごを手に入れたのです。

 たくさんあつまった食材で、家族だけでは食べきりません。そこへクマさんが。

 みんながあつまるころには、あたり一面、スパゲッテイの いーい においがただよいます。

 自分たちが用意したお皿やフォークで、みんなで食べる様子はとってもおいしそう。食べたあとのお昼寝も幸せそうです。

 イヌさんやトカゲさんなどをたすける場面では、「こまったときは おたがいさま」と、声をかけていくのもやさしい。

 とても ほっこりします。

    ぎょうれつのできるレストラン/ふくざわゆみこ・作/教育画劇/2016年初版

 ぐうぐうやまのてっぺんにあるフクロウのレストランは、わたりどりさんたちでいっぱい。
 一息ついて、気がつくとこどものポーがいません。
 ポーはまだ飛ぶことができません。

 そのとき木のしたのほうから、にぎやかな声。よくみるとぐうぐうやまの動物たちのにぎやかな行列ができていました。

 ポーはコックさんになるのが夢で、レストランの仕事を手伝いのですが、お父さんお母さんはもっと大きくなってからと笑います。
 おつかいができるようになったらレストランを手伝ってもいいと言われ、おつかいにいけると羽をひろげて、飛び出したのはいいのですが、とべなくて下におっこちてしまったのです。
 そこであったのはおいもをそだてるのが得意なモグラさん。いっぱいとれたのはいいのですが、うまく料理ができません。
 そこでポーは、おいもをつかったおいしいおいも料理をつくります。
 するとおいしそうなにおいにさそわれて、動物たちがあつまってきて、モグラのレストランはおおにぎわいになったのでした。

 動物たちが笑顔でおいしそうに食べるおいも料理の数々。
 スイートポテトに、グラタン、おいものカップケーキ、おいものタルト、だいがくいも。

 ポーのお父さんお母さんは、ポーの作ったおいも料理をメニューにくわえます。

 メニューものっていて、おいしそうなにおいがかおる絵本です。

    ぎょうれつのできるはちみつやさん/ふくざわゆみこ・作/教育画劇/2011年初版

 まだ雪が残るぐうぐう山で、クマのクーとマーがねむっていると、ママの声。

 南の国の花畑で、はちみつを あつめているパパから 小さな瓶と絵ハガキが。

 なかにはレンゲのはちみつ。

 次にはクローバーのはちみつが パパからとどきます。

 雪が消え、木々の芽がめぶくころ、タンポポのはちみつが。

 パンや紅茶の中に はちみつをいれてたべるクマの親子のすがたを、森の動物たちが うらやましそうにながめています。

 ぐうぐう山にアカシアの花がさいたころ、パパが、レンゲ、アカシア、クローバー、タンポポ、モミのき、クリのき、レモンのきなど たくさんのはちみつを 瓶に詰めて かえってきました。

 山は 花ざかり。いよいよ、「クマのはちみつや」の開店です。

 この日を待っていた森の動物たちが、屋外の木のテーブルにせいぞろいして おいいしそうに 食べています。

 表紙を見るだけも おいしそう。

 はちみちの種類の多さ、アカシアの解説や はちみつ&ホットケーキのレシピも。


どろぼうの花嫁・・ドイツ

2019年12月24日 | 昔話(ヨーロッパ)

       メドヴィの居酒屋/世界むかし話 ドイツ/訳・矢川澄子/ほるぷ出版/1979年

 金持ちで有名な粉ひき屋の一家が、よその結婚式にでかけたとき、留守番をしていたのは、この家で働く若い女中でした。

 たった一人で留守番をしているのを聞きつけた12人ものどろぼうが、粉ひき屋の小屋におしいろうとやってきました。

 どろぼうたちは、小屋の壁に人がひとりはいれるぐらいの穴をあけ、そこからしのびこもうとします。むすめは物音とを聞きつけ、台所用のおのをたずさえて、こっそり穴の前でまちうけました。

 最初のやつが、ひょっこり首をだしたとたん、むすめは、おので首をきりおとしてしまいます。二番目から十番目目のどろぼうも同じ運命に。

 十一人目は、ようすがおかしいと出した頭をすばやくひっこめたので、おのは頭のてっぺんをかしめただけでした。

 十二人目は、とびあがって あとをかすみとにげていきました。

 しばらくたったころ、身なりの堂々とした紳士が、むすめに結婚を申し込みました。

 はじめはまるで気を動かさなかったむすめでしたが、まわりから、こんなにいい縁談はないといわれ、何度目にかは結婚を承知します。

 結婚式にでかけた馬車が、暗い森にさしかかると、花婿は帽子をぬいで、かゆいから、かいてくれるよういいます。

 花婿の頭のてっぺんには はげがありました。じつは、逃げ帰ったどろぼうで、正体をあらわし、油で焼き殺されるか針でつつき殺されるか、どちらにするか花嫁にせまります。

 いったんは、馬車からにげだしたむすめですが、すぐにどろぼうのすみかに、つれられてしまいます。どろぼうの家には、ひとりのおばあさんがいて、粉ひき小屋で、いさましかったむすめを家に帰れるようにしてあげるといいます。

 お酒にねむり薬をしこんで、どろぼうたちが床にたおれてねむってしまったら、にげだしなさいというのです。

 この後、三度の危機がおとずれるのですが、むすめは命びろいします。

 むすめは、そのあとずっとしあわせに過ごしますが、結婚だけはついに一生しなかったというオチ。

 若いむすめがでてくると、最後はめでたく結婚するという結末が圧倒的に多い昔話ですが、こんな終わり方もあります。


みーんな ねちゃった?

2019年12月22日 | 絵本(外国)

           みーんな ねちゃった?/オードレイ・プッシェ・作 ふしみ みさを・訳//BL出版/2019年

 

 男の子とママの ねむるまえの ほほえましい会話。

 「ひよこたち、はみがきしたの?」「ちゃんと くちばしまで みがいたわよ」

 「お月さまは ねんねしないの?」「するわよ。おつきさまだって、ちゃんと おめめを つぶって ねむるのよ」

 「おつきさまは まんまるで まっくろの パジャマ、もってないの?」「おつきさまは パジャマの かわりに、ちっちゃい もうふを もっているの。でもね、ちょっぴり ねぞうが わるいから、ときどき もうふが めくれちゃのよ。うちの だれかさん みたいにね! さあ、ねなさい」

 「おひさまにも パパと ままがいるの?」「いるわよ。パパは 土星で、ママは天王星よ」

 男の子の質問は まだまだ つづきます。ママは、どんな質問にも ていねいに こたえます。

 こんな ママがいたら いいな。

 あらら ママもつかれて 男の子よりも さきに ねむっちゃいましたよ。 


キャンドルナイトのお話し会 2012.6~

2019年12月21日 | お話し会

 冬至と夏至の頃、一年に2回開催されているピッコロさんの夜のお話し会。場所は、「食堂」。照明はろうそくだけ。語る雰囲気も落ち着いています。

 お話が語られる場所というと学校、幼稚園、保育園、図書館などですが、食堂というのも珍しいのではないでしょうか。
 お話し会は、お知らせをみて参加するケースがほとんどでしょうから、食事にきたら、お話し会というので、びっくりされた方もいたのではないかと思います。

 大分前、遠野にでかけ、おもいがけず、囲炉裏のそばで、土地のことばで語られる昔話を聞く機会があって、気持ちが軽やかになったことがあります。

 農業が主だった昔、日中は作業に追われ、昔話が語られたのは夜。囲炉裏を囲んで、または炬燵のなかで語られたのが普通だったのでしょうから、やっぱり原点は夜でしょうか。

 長い歴史があるおはなし会で土日2回から土曜日(または日曜日)1回の開催にかわっています。

2023.12.22

 1 かさじぞう(同名絵本 福音館書店)
 2 おいしいおかゆ(おはなしのろうそく1 東京子ども図書館)
 3 北風をたずねていった男の子(子どもに語る北欧の昔話 こぐま社)
 4 ほうまんの池のカッパ(同名絵本 BL出版)
 5 お月さまの話(おはなしのろうそく25 東京子ども図書館)
 6 やまなしもぎ(同名絵本 福音館書店)
 7 ガミガミシアールと少年(ファージョン作 ムギと王さま 岩波書店)

 風が冷たい一日。コロナで4年ぶりの開催。過ぎてしまえばあっというまの4年。それにしても時間のすぎるのが早い。

 

2019.12.21

 1 かさじぞう(同名絵本 福音館書店)
 2 熊の皮を着た男(子どもに語るグリムの昔話① こぐま社)
 3 はん天をなくしたヒョウ(アニタ・ヒューエット著 「大きいゾウと小さいゾウ」 大日本図書)
 4 くまとやまねこ(同名絵本 河出書房新社)
 5 ねこの大王(瀬田貞二訳 世界のむかしばなし のら書店)
 6 みどり色のつりがね(プロイスラー 偕成社)
 7 ねむりひめ(同名絵本 福音館書店)

 このごろ、19時過ぎは真っ暗。春が待ち遠しい時期です。はじめて聞いた「みどり色のつりがね」の中に小さな鈴がでてきますが、雪の中の鈴の音が聞こえてくるようでした。


2019.6.23

 1 なんでも信じるおひめさま(ものいうなべ デンマーク 岩波書店)
 2 徂徠どうふ(同名絵本 福音館書店)
 3 ボタンインコ(ファージョン作 ムギと王さま 岩波書店)
 4 まめじかカンチルが穴に落ちる話(おはなしのろうそく8 東京子ども図書館)
 5 七羽のカラス(おはなしのろうそく10 東京子ども図書館)
 6 金の髪(おはなしのろうそく19 東京子ども図書館)
 7 せんとく金(江口ヨシノ とんと昔七十二話 山形とんと昔の会)

 昨日は一日中雨、今日は一時雨で曇りの一日。先輩のどれも素敵な語りでした。 

 このところファージョンの作品を連続して聴く機会がありました。聴きたいと思ったときは聴けなくて、続くと連続するというのも面白い。


2018.12.22
 1 ネズミのおおてがら(チベット おはなしのろうそく30 東京子ども図書館)
 2 わらしべ三本(岡山 再話 丹波昔ばなし大学)
 3 こびととくつや(子どもに語るグリムの昔話6 こぐま社)
 4 せかいいちおいしいスープ(同名絵本 マーシャ・ブラウン 岩波書店)
 5 ガミガミシアールと少年(ファージョン作 ムギと王さま 岩波書店)
 6 十二人の異国人たち(バルバラ・バルトス=ヘップナー 新教出版社)
    「クリスマスの贈り物-家庭のための詩とお話の本」
          
 22日は冬至。17時にはもう真っ暗。移転した食堂で19時開始でした。この時期にぴったりのしっとりするおはなし会でした。「こびととくつや」も、この時期に聴くと感じ方がちがいます。
 「十二人の異国人たち」は、朗読でしたが、戦争が継続する中での、素敵なクリスマスの贈り物の物語でした。
 「わらしべ三本」は、わらしべ長者の岡山版ですが、やはり日本のものは欠かせません。
 少年と頑固なおじいさんのほのぼのした交流、ねずみの大活躍のお話とバラエテイにとんでいました。

2018.6.23

 1 たまごを売って子ぶたを買って(ブルガリア 吸血鬼の花嫁 福音館文庫)
 2 浦島太郎(おはなしのろうそく25 東京子ども図書館)
 3 ネギを植えた人(金素雲編 岩波少年年文庫)
 4 小さいお嬢様のバラ(ファージョン作品集 ムギと王様 岩波書店)
 5 カッパと瓜(おはなしのろうそく31 東京子ども図書館)
 6 せかいいちうつくしいぼくの村(同名絵本 ポプラ社)
 7 アリ・ムハメッドのお母さん(山室静編 新編世界むかし話集 文元社)

2017.12.26 

 1 コショウ菓子の焼けないおきさきと口琴のひけない王様の話(レアンダー作 ふしぎなオルガン 岩波少年文庫)
 2 歳神様(かたれやまんば第一集 藤田浩子の語りを聞く会)
 3 ねむりひめ(同名絵本 福音館書店)
 4 ねずみの大てがら(チベットの昔話 おはなしのろうそく30)
 5 カメの遠足(新編世界昔話集(1)イギリス編)
 6 賢者の贈り物(オー・ヘンリー)

2016.12・18
 1 あたごの浦(あたごの浦 福音館書店)
 2 モミの木(アンデルセン原作 西村書店)
 3 オフェリアと影の一座(魔法の学校 岩波書店)
 4 大歳の火(日本昔話百選 三省堂) 

2016.6.25

 1 くわずにょうぼう(同名絵本 福音館書店)
 2 ふるやのもり(おはなしのろうそく4 東京子ども図書館)
 3 若返りの水(子どもに語る日本の昔話3 こぐま社)
 4 ねずみのしゃもじ(女むかし 君川みち子再話集 ほうづきの会)
 5 スミレの葉にもきずつく娘よ(トルコ お月さまより美しい娘 小峰書店)

2016・6.26

 1 さるのひとりごと(同名絵本/童心社)
 2 かしこいグレーテル(子どもに語るグリムの昔話2 こぐま社)
 3 とりのみじい(日本)
 4 兵士のハーモニカ(岩波少年文庫 岩波書店)

2015.12.20

 1 北風に会いにいった少年(ノルウエー)
 2 だめといわれてひっこむな(プロセイン作)
 3 モミの木(アンデルセン)
 4 カメの遠足(イギリス)
 5 大工と鬼六(日本)
 6 ねずみの小判干し(日本)

2015.6.20

 1 火の鳥と王女ワシリーサ(子どもに語るロシアの昔話 こぐま社)
 2 やせた王さまとふとったコックさん(こんどまたものがたり 岩波書店)
 3 先におこった者の負け(子どもに語るイタリアの昔話 こぐま社)
 4 みそかい橋(子どもに語る日本の昔話1 こぐま社)

2015.6.21

 1 旅人馬(日本昔話百選 三省堂)
 2 アディ・ニハスの英雄(エチオピア 山の上の火 岩波書店)
 3 ラプンツェル(ねずの木・そのまわりにもグリムの話いろいろ2 岩波書店)
 4 てんまのとらやん(たなかやすこさんの語りより)

2014.12.20

 1 わらしべ長者(日本の昔話① はなさかじい 小澤昔ばなし研究所)
 2 きりの国の王女(太陽の木の枝 福音館書店)
 3 ふしぎなオルガン(レアンダー作 ふしぎなオルガン 岩波少年文庫)
 4 貧乏神(子どもに語る日本の昔話2 こぐま社)
 5 火の鳥と王女ワシリーサ(子どもに語るロシアの昔話 こぐま社)

2014.12.21

 1 夢を買うた男(日本の昔話(1)岩波書店)
 2 みみずの女王(村岡花子作 たんぽぽの目 河出書房新社)
 3 十二の月のつきのおくりもの(スロバキア おはなしのろうそく2 東京子ども図書館)
 4 ベニスの商人(シェークシピアより)

2013.12.21

 1 妖精のぬりぐすり(イギリスとアイルランドの昔話 福音館書店)
 2 ゆきんこ(ストーリングについて こども文庫の会)
 3 つるにょうぼう(同名絵本 福音館書店)
 4 ねずみのすもう(おはなしのろうそく18 東京子ども図書館)
 5 夢見小僧(子どもに語る日本の昔話1 こぐま社)

2013.12.22

 1 ブドーリネク(おはなしのろうそく1 東京子ども図書館)
 2 ヤギとコオロギ(子どもに語るイタリアの昔話 こぐま社)
 3 黄金の土(エチオピア 山の上の火 岩波書店)
 4 まほうのかさ(同名絵本 福音館書店)
 5 みどろいろのつりがね(同名絵本 偕成社)

2012.6.23

 1 孫地蔵(語りつぎたい日本昔話7 舌切りすずめ 小峰書房)
 2 四つの人形(子どもに語るアジアの昔話2 こぐま社)
 3 豆の上に寝たお姫さま(子どもに語るアンデルセンのお話1 こぐま社)
 4 小石投げの名人タオ・カム(子どもに語るアジアの昔話2 こぐま社)

2012.6.24

 1 あゆはかみそり(子どもに語る日本の昔話3 こぐま社)
 2 ボタンインコ(ファージョン作 ムギと王様 岩波書店)
 3 だんまりくらべ(子どもに語るトルコの昔話 こぐま社)
 4 妖精のぬりぐすり(イギリスとアイルランドの昔話 福音館書店)
 5 水晶の小箱(子どもに語るイタリアの昔話 こぐま社)


ぼくからみると

2019年12月21日 | 絵本(日本)

    ぼくからみると/高木仁三郎・文 片山健・絵/のら書店/2014年

 

高木さんのお名前を知ったのは、3.11のあと。原子力に依存しない社会の実現を目指していた方。絵本もかかれていることをはじめて知り、手に取ってみました。

夏休みのある日、昼下がりのひょうたん池の風景。

つりをしている よしくんからの目で

池の魚の目で

とんびの目で

かやねずみの おとうさんの目で

花にむらがる みちばちの目で

あまがえるの目で

木の上の もずの目で

おなじ瞬間、上、下、横と異なった視点からみる ひょうたん池の 表情が、片山さんの油絵で つたわってきます。

文は最小限、見る人の想像にゆだねています。

さまざな命が交錯している世界。視野を大きく持つと見えてくる風景も広がります。


たいこ

2019年12月20日 | 絵本(日本)

    たいこ/樋勝朋巳/福音館書店/2019年

 

 トントントトトン トントントトトン、誰かがたいこをたたいています。

 「なかまにいれて」「いいよ」

 トントンポコポコ トントンポコポコ、ふたりでたいこをたたいていると、

 「なかまにいれて」「いいよ」

 もうひとりふえて四人で たいこを たたいていると

 「うるさいぞー ガオー」と、ワニが。

 みんな にげて ワニが たいこを ゴン ゴン ガオーと たたいていると だれかがやってきます。

 たいこの 音に つられて ひとり またひとり。

 トン ポコ ペタ ボン ガオー ゴン

 トン ポコ ペタ ボン ガオー ゴン

 ひとりで たたくより おおぜいで たたいたほうが もりあがります。おどりも とびだしました。

 たいこを たたく 表情が とっても 楽しそうです。


魔法のつぼと魔法の玉・・ドイツ

2019年12月20日 | 昔話(ヨーロッパ)

      メドヴィの居酒屋/世界むかし話 ドイツ/訳・矢川澄子/ほるぷ出版/1979年

 

 昔話には、食べ物や金貨がでてくる まさに魔法が欠かせませんが、この昔話は、ちょっと一味ちがっています。

 たまごをあきなっていた寺男のおかみさんが、きゅうにニワトリがあらかた死んでしまい、最後のメンドリを背かごにいれて、町にでかけた途中にであったのは、白いヒゲをはやした小男。つぼとニワトリをとりかえっこしないかと、もちかけられ、つぼとニワトリをとりかえこします。

 小男は「つぼや、いっぱいになれ!」と となえると つぼがいうことをきいてくれる。ただ洗ったり、日向においたりしないようにしなさい といいます。

 つぼは 長年、一家の役に立ちますが、一回使うとだんだん黒くなります。おかみさんがつぼをきれいにみがくと、純金みたいに輝きますが、小男のいったとおり、魔法の効力がなくなってしまいます。

 こうした昔話では、3度の繰り返しがあります。

 二度目は、亭主が小羊と、小男のもっている玉ととりかえます。

 この玉を役立てようと思ったら、「玉や、ぎょうぎよくして、ぼうしをおとり!」ととなえるとききめがあらわれるが、そのとき窓や戸をあけないように いわれます。

 おしえられた文句をとなえると、なかからたくさんのこびとがあらわれ、テーブルに金の食器やごうかなごちそうをならべたかとおもうと、ふたたび玉のなかに 消えます。みんながたべおわると、ふたたびこびとがあらわれ、あとかたずけです。

 小男の忠告をまもって、大事にしていた玉でしたが、いつのまにやらうわさが広がって、上役にとりあげられてしまいます。

 3度目、二頭の雄牛ととりかえたのは、また玉でした。

 「玉や、ぎょうぎよくして、ぼうしをおとり!」と となえると あらわれたのはふたりの大男。寺男の一家は、こん棒で なさけようしゃなく ひっぱたたかれ、みんな打ちのめされ、床にころがってしまいます。

 寺男は、上役のところに行って、新しい玉を手に入れたことをつたえます。

 寺男が、新しい玉の力を披露すると、ふたりの大男があらわれ、上役を手ほどく打ちのめします。

 上役から懇願され、前の玉をとりもどした寺男でしたが、友達がやってきたとき、玉をまわしていると、誰かが家にはいってきます。すると玉は戸口からさっと外にとびだしてしまいます。

 みんながおいかけると、玉はますますスピードをあげ、おまけに二つにわれて、こびとたちが山へかえってしまいます。

 戸口が開いていたので、もうひとつの玉も外にとびだし、二人の大男も山へ逃げ込んでしまいます。

 物事そんなにうまくいきませんね。

 「玉や、ぎょうぎよくして、ぼうしをおとり!」が、呪文の文句ですが、玉とぼうしというのは何を意味していたのでしょうか。


マジムンのうた

2019年12月19日 | 絵本(日本)

    マジムンのうた/儀間比呂志/ルック/1997年

 

 古くなったから壊れたからといって、そのままあっちこっちに捨てられると、マムジンというおばけが あらわれます。

 南の島で、夜遅く、一軒家の戸をトントン たたいて

  ひとは わしらを つかって

  めしを くいくい

  ふるびれば ぽいよ ぽい!

  戸をあけてみると 戸口に おれたハシ

 たんぼの 畦道でおしっこしたら くらやみから 牛が現れ

  ぞうすい ぼろぼろ

  みぞじる ずるずる

  くって のんで あげくに シーバイ シッシー

  んもう かんにん ならん

 北の村では、ブタが おしりに おきゅうをされて一晩中ブーブーなかされ

 南の村では、鶏がマジムンのかげに おびえて タマゴを うまなくなったとか

 役人と、空手自慢、武士たちが マムジンのすみかに 勇ましく乗り込みますが、あっというまにたおされて・・・。

 こわれたものにも霊魂が宿っていますから、ちゃんと供養してあげなければ マムジンがあらわれると メッセージも明快です。

 「おきなわのえほん」ですが、切り絵でしょうか 絵もカラフルで 人物がとても興味深くえがかれています。 


わにが わになる

2019年12月18日 | 絵本(日本)

    わにが わになる/多田 ヒロシ/こぐま社/1977年

 

初版は1977年と息が長い絵本です。言葉がふえてくる時期に楽しめる絵本です。

表題の「わにが わになる」ほか

「はちと はちとが はちあわせ」

「ほしを ほしがる」

「とらの トランク」

「きってを きって」

「ねこが ねころぶ」

などなど。

遊び心で、言葉に興味がわきます。