どんぴんからりん

昔話、絵本、創作は主に短編の内容を紹介しています。やればやるほど森に迷い込む感じです。(2012.10から)

おそうじやさん はじめます

2021年10月31日 | 絵本(日本)

     おそうじやさん はじめます/つかはら みき・文 石塚しずか・絵/福音館書店/2009年初版(2021年特製版)

 

 お掃除が得意なアリクイさんは、もっといろんなところをキレイにしたいと、仕事の仲間を募集します。

 「おそうじやさん はじめます いっしょにはたらいてくれるひと ぼしゅうちゅう」の張り紙でやってきたのは、ぞうきんを洗うのが得意なアライグマさん、高いところの窓にも楽々手が届くテナガサルさん、狭いところの掃除もできるハムスターさん。

 さいごにやってきたのは、やせたネコ。きれいずきのネコは、自分の顔を ごしごししますが、掃除してほしいのは自分の顔ではありません。柱を拭こうとすれば、つい がりがりつめをといでしまい、日当たりのいい床を拭こうとすれば、うとうと居眠りをはじめてしまいます。ネコさんは、お掃除の仕事は、むいていないといわれ、がっくりとかたを おとして かえっていきます。

 お掃除のエキスパートがあつまり、動物のおそうじやさん「おそうじやピカット」が旗揚げ。ところがところが、お掃除を頼みにくるお客さんが、ひとりもいません。

 町でチラシをくばっていると やってきたのはネコさん。まだ仕事がみつからないというネコさんがチラシをくばるお手伝いをはじめます。町の様子を知り尽くしているネコさんが みがるなうごきで、チラシをくばり、大声でよびかけると・・。

 

 それぞれ得手不得手があるということでしょうか。

 会社でも同じかな。採用試験で不適当と思った人物でも、不確実な時代には、もしかしたらその人が、もっとも必要な人材なのかも。いまは目先にこだわり、先を見通さない会社が多すぎ。


りんごのえほん

2021年10月30日 | 絵本(自然)

      りんごのえほん/ヨレル・K・ネースルンド・作 クリスティーナ・ディーグマン・絵 たけいのりこ・訳/偕成社/2008年


 スウェーデンの庭には、必ずと言っていいほど、りんごの木が植えてあり、りんごはスーパーで買うものというより、庭にになっているものをもいで、食べるものというイメージの方が強く残っていると紹介されていました。

 気象条件があるので、どこでもというわけにはいきませんが、日本では庭に植えるものといういうイメージがわきません。都会でも、木を植えることは可能ですがそのスペースがありません。

 形がさまざまで、商品として流通していなくても、ジャムやジュースにすれば、おなじりんご。

 身近なところにあれば、木によってくる鳥や花粉を運ぶミツバチも観察でき、自然の営みを感じることができます。

 りんごのたねでつくったネックレスや、絵具をぬってスタンプ、そしてお菓子のレシピまで。

 りんごの精が、りんごの木の冬から春、秋の一年を紹介しています。

 自宅のりんごの木は、春に咲く白い花が毎年楽しませてくれています。残念ながら手入れが行き届かないので、実の方はほとんど期待できません。


おおばっちゃんちに また きてたんせ

2021年10月29日 | 絵本(日本)

      おおばっちゃんちに また きてたんせ/秋山とも子/福音館書店/2012年(2021年特製版)

 

 おおばっちゃんが暮らすのは、田園風景が広がる村の一番奥。家の裏には雑木林。夜、家の周囲は照明もなく真っ暗になります。

 おおばっちゃんは、おおじっちゃんと息子夫婦と孫三人暮らし。孫の一人は遠くに住んでいて、ひまごが三人。お盆になると、遠くに住んでいる孫が、ひまごをつれてやってきて、満員御礼です。

 先祖さまを迎える準備をして、墓参り。迎え火をたき、送り火をたいて・・。

 お盆がすんで、秋が来れば 稲刈り。

 

 総勢11人があつまる部屋や台所は、丁寧に細部までえがかれ、とても賑やか。

 「おまえも てつだえ」「おまえ ふとっとたなあ」「ほれ とれたれの きゅうりだ」「はる アイス とけてるよ」などと、小さな字でかかれている家族の会話も自然です。

 田舎に大きな家があって、お正月、お盆に、親戚中が集まる機会もだんだんすくなくなっているのではないでしょうか。

 表紙の見返しには家系図、裏表紙の見返しには間取り図まで。作者は、秋田県仙北市の佐藤家の方に、取材への謝辞をのべられていますから、間取り図は実際のものかもしれません。

 初版は2012年、東北大震災からあまり時間がたっていません。そして特製版は2021年で、新型コロナで、帰省もままならなかった時期。家族がみんな集まれることの幸せを思い出させてくれました。


どんぐりころころ

2021年10月28日 | 紙芝居

     どんぐりころころ/文・鶴見正夫 画・ながよし かよ/教育画劇/1986年

 

秋にぴったりの紙芝居でしょうか。

「どんぐりころころ」の歌で、おわります。

どんぐり、くま、どじょうがでてきますが、どんぐりが、池に落ちてびっくり、おうちにかえりたいとしくしくなく、どじょうのあいさつににっこり、ねむっている表情がたのしい。

みんなで歌えたらいいですね!


もしも ぼくが おとな だったら・・

2021年10月27日 | 絵本(外国)

     もしも ぼくが おとな だったら・・/文・ヤニコヴィスキー・エーヴァ 絵・レーベル・ラースロー 訳・マンディ・ハシモト・レナ/文溪堂/2005年

 

 こどもはみんなしってる。わるいこに なるほうが もっと ずっと おもしろいんだっていうことからはじまります。

 おとながいうこと

 (わるさは いけません! いいこに していなさい! いうことをききなさい!  おぎょうぎよくしなさい! なんどいえばわかるんだ? なんどいえば わかるんだい?)

 おとなの方がいいことたくさんあるんだ!

 (好きな服を着る テレビの一番面白いところで 寝なくてもいい ちいさなこえであいさつしたっていい)

 もしもぼくが おとなだったら やりたいこと

 (手でハエを つかまえる 運動靴で でかける 指笛をふく よごれたくつのまま おうちにはいる キリンを飼う ひとのうちのベルをおしてまわる)

 けっこんするなら

 (ぜったいにきえない しゃぼんだまを つくれるひと たこのいとを しっかり むすべる)

 こどもができたら

(おいかっけこ かくれんぼ おにごっこを する )

 いっぱいこどもが できたら

 (マラソン大会 ジャンプ大会 スクーター大会を ひらく)

 こどもをしからない

 (ごはんのまえに 大きなチョコレートをたべても うしろむきで みちを あるいても)

 おとなの特権

 (ふうせんは おおきめ アイスクリームもおおきめ ふかい みずたまりにあしをつっこむ)

 おとなに ちょっと敬意も!

 (どうして てをあらうんだろう セーターをきるんだろう ものを かたづけるんだろう) 

 

 これでもかというほど びっしり続きます。

 昔 こどものときいわれたことが おとなになって おなじことを こどもに。思い当たることの数々。思わず苦笑です。

 おとなは子どものことを思って いってるつもりですが、ただの小言にすぎないことも多くあります。

 この子の想像が実現したら楽しい家庭が築けそう。

 色鉛筆で描かれたという絵は素朴な感じです。


さつまいも

2021年10月26日 | 日記

今年二回目の収穫。といっても三株分。

写真ではおおきさがよくわかりませんが、両手でようやく持てるほどの大きさ。

ほとんど売り物にならない大きさ、形もいまいちですが、食べてみればおなじ。

去年より、日当たりのいい場所に植えたのが、功を奏したか、苗がよかったのか。


金のニワトリ

2021年10月25日 | 創作(外国)

    金のニワトリ/文・エレーン・ボガニー 絵・ウイリー・ボガニー 訳・光吉夏弥/岩波の子どもの本/1954年

 ロシアの詩人プーシキンの物語詩を、ハンガリー生まれの画家ポガニー夫妻が絵本にされています。かなり長い話で、絵本の枠を超えています。

 

 ダドーン王は、昔はいくさ上手で暴れまわっていましたが、いまは年をとって、ふとってしまい、ごちそうを食べ、昼寝ばかりして、のらりくらりと暮らしていました。

 王さまの幸せな暮らしをうらやむ、となりの”くらやみ山”に住む魔法使いが、まっくろなすみずみから手下どもを呼び集めて、平和なダドーン王の国へせめこませます。

 ダドーン王が、兵隊を北に差し向けると、魔法使いの軍隊は南から、東をふせごうとすると、敵は西からやってきて、ダドーン王の軍隊は、どうしても、この不思議な敵にめぐりあうことはできませんでした。

 敵がどっちの方からやってくるか検討しようと、学者をよびあつめ相談しますが、さっぱりいい案がうかびません。

 そこへ、とても年とった男がやってきて、金のニワトリをとりだし、この金のニワトリは、危険や敵が攻めてくるような気配があると、すぐさまなきだし、敵のおしよせてくる方角に向きをかえるといいます。いい案がなく、よわりきっていた王さまは、とにかくなんでもやってみようと、ニワトリを塔の上にとまらせるようにいいつけます。もちろん、ただではありません。王さまは、礼には、なんなりとすきなものをやろうと約束します。男は魔法使いが変装していました。

 それからしばらくのあいだ、金のニワトリは、お城の塔のてっぺんに、じっと、とまっていました。

 ところが、王さまがいつものように羽のベッドでいい気持ちで」ぐうぐう 昼寝をしていたとき、金のニワトリがとつぜん、「コケコッコー! 目をさませ! となりのてきが せめてくる! さあ、さあ、槍をとれ、刀とれ! みんなで、国をまもりなさい !コケコッコー!コケコッコー!」と、大声でなきだしたのです。

 王さまのひとりむすこのイゴール王子が、敵をふせぐため軍隊をひきつれて、でかけますが、一年と一日たっても、王子からは、なんのたよりもありませんでした。王子はタチアナ姫と婚約したばかりでしたが、姫は ごはんも のどにとおらないほど。

 金のニワトリが、御殿じゅうに、ふるえあがるほど大きな声でなき、こんどは王さま自らがいくさにでかけます。

 山のなかの深い真っ暗な谷で見たのは石にかえられた王子と兵士たち。このとき、ひとりのうつくしい月のお姫さまのシャカ姫がでてきました。うつくしさに見とれた王さまが、きさきになってくれるよういうと、姫は快諾し、都へむかいます。

 都へ帰ると、魔法使いがあらわれ、金のニワトリのお礼に、シャカ姫をもらいたいといいます。魔法つかいは、月の姫をほしいと思い、姫がすきだった若者を金のニワトリにかえていました。姫を王さまといっしょにくる気にさせたのは、魔法使いのたくらみでした。

 ところが魔法使いが、シャカ姫の手をとろうとすると、金のニワトリは、コケコッコーとなき、矢のようにまいおりて、魔法使いの、ひたいのところをコツンとひとつき、くちばしでつつきます。すると、魔法使いは、ころりと死んでしまいました。

 ニワトリの左の下の金の羽で、王子や兵隊にさわると、みんな生き返り、ダドーン王も、若いシャカ姫をおきさきにしようなどとは、おもわなくなりました。そして金の羽でさわると、ニワトリもうつくしい王子にかわりました。シャマカ姫と王子は、七日七夜のおいわいがおわると、自分たちの国に帰っていきました。王さまは、また羽のベッドで、お休みです。音楽のかかりのものは、ようきな、にぎやかな曲をやめ、しずかな子もりうたにかえ、しずかに歌をうたいました。

 

 魔法使いが、あっというまに死んでしまうという急展開で、魔法使いの目論見が、よくわからないのご愛敬でしょうか。

 

 この岩波版はプーシキンの原作を歪曲しているとして斎藤さんが、編集している絵本がありました。

 魔法使いは出てきませんし、王子は二人。その王子も同士討ちで死んでしまっています。

 金のニワトリも王子に変身することなく、王さまを頭をつつくと、王さまはしんでしまいます。

   金のにわとり/作・プーシキン 絵・ゾートフ 斎藤公子・編集/創風社/1990年


わたしたち

2021年10月23日 | 絵本(外国)

     わたしたち/パロマ・バルディビア・作 星野由美・訳/岩崎書店/2021年

 

「わたしたち」 というのは 親子。

「もしも わたしが ひつじなら」「あなたは こひつじ」

「もしも わたしが うまなら」「あなたは こうま」

・・・

・・・

「もしも わたしが ○○なら」「あなたは ○○」。

なんども おなじフレーズが 繰り返されます。

親子の関係は、 離れていても 何年たっても どこまでいっても 親と子。

大きくなって はじめてわかる 親の思いが 伝わってきます。

 

抵抗感のない絵、最小限の文。望遠鏡のある地中のもぐらの家がユニーク。外国の絵本というと、アメリカのものが多いのですが、作者はチリの方。あまりみたことがなかったのかも。


浦島さん・・鳥取

2021年10月22日 | 昔話(中国・四国)

          鳥取のむかし話/鳥取県小学校国語教育研究会編/日本標準/1977年

 

 このシリーズには話者のお名前がのっていますが、おなじみのものとはやや違っています。

 浦島が玉手箱をあけると、ツルになり、松の木にいると、カメがのぼってきて、夫婦になって天竺で暮らします。

 竜宮でも、梅や桜がさいていて花見をする部屋、田植えをしている部屋、お祭りをしている部屋、雪が降り子どもたちが羽根つきの部屋をみます。そして正月だからと帰ることに。

 おなじみのものでは、カメと乙姫さまは別ですが、この話では、竜宮につくとカメが乙姫に姿をかえます。

 各部屋で四季の移り変わりが展開するのは、ほかの昔話の借用?のよう。

 楽しいのは、各部屋の風景。

 田植えでは「はあ、ドンゴラ、ドンゴラ、こら、サッサカ、タイならサバなら、持ってこい、もってこい」。

 お盆では「ハラヤーハトナー、ヤントヤトアーエー、おどれおどれと、はあ、おどり子がそろうた。ああドッコイ、サッサデ。」

 祭りでは、大夫がおどります。「ああ、銭なら、米なら、持ってこい、持ってこい、持ってこん者はまえの川へふいっと投げ」。


どんぐり

2021年10月21日 | 絵本(自然)

     どんぐり/エドワード・ギブス・作 谷川俊太郎・訳/光村教育図書/2014年

 

 ちっちゃなきいろいどんぐりがひとつ、地面に落ちてころがると

 しろねずみ、おれんじりす、あおどり、はいいろうさぎ、いのしし、あかしかから、食べられそうになりますが、「おねがい いまは たべないで」「いまに もっとおいしく なるから」と、地面に根を張り、おおきく、おおきく おおきくなって りっぱな かしの木に。

 やがて どんぐりが いっぱみのって・・・。

 おおきくなった かしの木の 仕掛けもたのしい。

 

 繰り返しが続き、読み聞かせでは合唱が聞こえてきそう。秋にぴったりの絵本でしょうか。


ごはん のこすな

2021年10月20日 | 絵本(日本)

      ごはん のこすな/きむらゆういち・作/童話館/2020年

 

 おとうさんがつくった自慢のハンバーグ。

 ところが、ゆうたくん どうしても 食べません。

 おなかがいたい? うんちがでてない?

 もじもじする ゆうたくんに お父さんが こだわりの料理のうんちく。

 肉は黒毛和牛、たまねぎは淡路島産、ソースは てづくりのデミグラスソース。野菜は無農薬、米は カルガモ農法の有機米。

 さらに、こだわりの料理について。

 農家の人の、ごはんひとつぶ ひとつぶへのこだわり、人間の体と 食べ物、世界中には、ちゃんと食べられる人がいないこと。

 でてくる だじゃれも 楽しい。

 バナナばっかり たべてたら バナナマン、ごはんはメッシー、ステーキは ステーキなおかた にんじんは にんじい、キュウリーは きゆうりふじん

 ようやく ゆうたくんが 食べる気になると・・・!!。

 

 裏表紙で体重計に乗って おなかに手をあてて でっぱりを気にしているのは お父さんかな?

 お父さんの食材にこだわりが、ゆうたくんに伝わっていればいいのですが。


アランの歯は でっかいぞ こわーいぞ

2021年10月19日 | 絵本(外国)

      アランの歯は でっかいぞ こわーいぞ/ジャーヴィス・作 青山 南・訳/BL出版/2016年初版

 

 ジャングルのみんなを怖がらせるのが楽しみのワニのアラン。
 毎日、うろこをみがいて つめをとがらし、おおきな歯は、最低1本10分はかけてみがき、鏡の前で こわーい顔の練習をして、いざ 朝のこわがらせじかん。

 森の生き物は 池や木に飛び込み ふるえあがります。

 一日中 みんなを こわがらせていると つかれます。沼のお家に帰ると、新聞のクイズをといて、そして・・・。


 アランの歯は だれもしらないけれど 入れ歯。
 秘密の場所にしまっていたら、ビーバーのバリーに 見つけられてしまいます。

 歯がないアランは、わらいものになって しまいます。

 はじめ ちょっと ないて なみだがとまらず なきました なきました

 いつまでもないていると みんなが でっかい歯をもってきて・・・。

 

 ワニが入れ歯が みんなにしられるのは なかほど。それまでは アランのギザギザの歯はとっても 迫力満点。前半と後半のギャップが対照的。

 カエルやカタツムリ、ビーバー、サルなど 森の生き物の目が 怖さや 笑いを うまく 表現しています。


くすのきだんちはゆきのなか、くすのきだんちのねむりいす

2021年10月18日 | 絵本(日本)

     くすのきだんちはゆきのなか/作:武鹿 悦子 絵:末崎 茂樹/ひかりのくに/2010年初版

 大きな大きなくすのき。何年ぐらいたっているでしょうか。

 ここに住んでいるのは音楽家のきつねさん、うさぎのかんごしさん、大工のさるくん、6階のレストラン「くるみてい」は、りすさんがコックさんです。

 7階はかけすの家族、8階は冬眠中のかえるさん、9階はふくろうさん、そして10階はももんがくん。
 管理人はもぐくん。

 郵便屋さんにかわって、もぐくんがお手紙を配って歩きます。
 もちろん、エレベーターはありません。

 かけすのぼうやが、ゆきだるまをつくろうと、雪がやむのをまっていましたが、夜にだれかが雪だるまをつくります。
 りすのコックさんは、あつあつのスープを全部の家にサービス。

 そして雪の中をお仕事に行く、看護師さんのためには、おさるくんがスキー板とストックをこっそりとつくってありました。

 とりわけ事件がおきるわけでもなく、意地悪する人もいません。みんな、ちょっぴり優しくおもいやりがあります。

 雪をかぶって かがやくくすのきを見上げながら、ここにすんでよかったとみんなが勢ぞろいしています。

 キャラクターも素敵で、小さいお子さんに好評なのが少しわかるような気がしました。

 

     くすのきだんちのねむりいす/作:武鹿 悦子 絵:末崎 茂樹/ひかりのくに/2020年初版

 「くすのきだんちシリーズ」は、何作かでていますが、二冊目。

 くすのきだんちの まえに ロッキングチェアがおいてありました。

 いたちのゆうびんやさんが ちょっと おやすみ

 リュックをせおったこぶたくんが、ぎっこん ぎっこん しはじめました。

 そのうち、こぶたくん いすにすわって眠り込んでしまいます。

 ぼうやたちも いすにのりたいと おおさわぎ。

 みみもとで バイオリンを きいきい ならしても こぶたくんは くー くー ぶうー ぶう ぶう。

 こぶたくんを おこすために みんなが とったのは?

 たしかに すわったら 眠りたくなる いすです。

 
 ゆったりと空気が流れ やさしさを かんじさせる 動物たちもかわいいですよ。


殿さまと山イモ・・鳥取

2021年10月17日 | 昔話(中国・四国)

          鳥取のむかし話/鳥取県小学校国語教育研究会編/日本標準/1977年

 

 むかし、戦いに敗れたある若者が、「かくまってくれ」というので、世話をしてあげた角兵衛さん。

 何年かたって、角兵衛さんのところにやってきたのは、城のお殿さま。かくまってあげた若者が出世していました。

 殿さまは、世話になった角兵衛さんに裏の山をやるといいます。山が大きすぎて、木を植えるのも、畑にするにも大変だからとことわる角兵衛さんに、「ないよりあるほうがええわい。もらっとけえな。あれはお前の山だぞよ」といって笑った殿さま。

 その山に、山イモがようけはえているので、あるおっつぁんが、山イモをほると、ガチンと鍬の先で音がして、とりあげてみたところが、なんとぴかっと光る小判がでてきた。

 話を聞いた近所の人が、わしも、ちゅうので、道具をもってイモほりにきた。何人も小判にあたるので、あっちこっちの村で大評判になり、そこらじゅうの村から山イモほりにあつまり、遠方からもきたので、いつのまにか山じゅうがほりこして、きれいな畑になるほど。

 「この小判がでるちゅうのは、なんでもない。お殿さまがされたことにちがいない」と、気がついた角兵衛さんが、お礼にいき、何を植えたらいいか相談すると、お殿さまは茶を植えろという。

 それで、名高いお茶ができたという。

 情けは人の為ならずです。

 

 地域がどこか不明です。鳥取と茶が結びつきませんでしたが、調べてみるとここにも頑張っている人がいました。

 このシリーズは小学校の先生が中心になっていますが、現在でもこうした活動ができる条件はあるのでしょうか?


ねじまきバス

2021年10月16日 | 絵本(日本)

     ねじまきバス/たむら しげる/福音館書店/2013年こどものとも 2021年特製版

 

 ちいさいころのおもちゃには、ねじまき式のものが多くありましたが、いまは昔。ほとんどが電動式になりました。

 

 むしくんが 森の中で、ねじまきのバスを見つけ、ギリギリねじを巻いて、発車。

 テントウムシとバッタさんがとちゅうで のりこみます。お代はねじを巻くこと。

 つぎに カエルともぐらさん。

 ねじまきバスが、壊れた橋を カエルさんのケロケロジャンプで 着陸し、トンネルの行き止まりは もぐらパワーで、前進。

 おおきなクマも のせてと、むりむり のってきました。さすがに せますぎて パカッ と、バスが壊れて・・。

 でも、クマさん みんなと バスを修理して 作っちゃいました ねじまき船を!

 

 もぐらが地下を掘り進むところに、指輪や金貨?タイムカプセル、恐竜の化石があって 笑ってしまいました。