どんぴんからりん

昔話、絵本、創作は主に短編の内容を紹介しています。やればやるほど森に迷い込む感じです。(2012.10から)

江戸のネズミと九州のネズミ・・東京

2023年10月01日 | 昔話(関東)

 「三分間で語れるお話」(マーガレット・リード・マクドナルド 佐藤涼子・訳/星雲社/2005年初版)に、「長崎のネズミ」が紹介されています。

 「長崎のネズミ」は、食べるものがなくなった長崎のネズミが、薩摩まで船で渡り、食べ物を手に入れようとすすんでいくが、途中であったのが、薩摩の船。
 この船にのっていたのが、薩摩のネズミ。薩摩のネズミも食べるものがなくなって、食べ物を手に入れようと長崎にいくところ。
 長崎にも薩摩にも食べるものがないことを知ったネズミが一匹、一匹海に身を投げ出します。
 すっかり悲観したネズミが一匹一匹が海に飛び込むようすを、やめてといわれるまで続けるという話。

 

 「江戸のネズミと九州のネズミ」(東京のむかし話/東京むかし話の会編/日本標準/1970年)

 再話でだいぶながくなっていますが、「長崎のネズミ」と同様の話。こちらは江戸と九州と距離がはなれています。

 江戸も九州のネズミも、どちらも大火事になって、新天地を目指しますが、どちらのネズミも、人間どもの見せしめに、海にはまって死んでやろうと寒い冬の海にとびこむ結末。

 江戸のネズミがいうことには、火事で、強盗や、辻斬りが横行し、近所のお百姓からコメを仕入れてきて、べらぼうな値段で売る不届きな者がいると嘆きます。