どんぴんからりん

昔話、絵本、創作は主に短編の内容を紹介しています。やればやるほど森に迷い込む感じです。(2012.10から)

きつねとうさぎ

2021年10月04日 | 絵本(昔話・外国)

     きつねとうさぎ/Y・ノルシュテン・構成 F・ヤールブソワ・絵 こじまひろこ・訳/福音館書店/2003年

 

 きつねの家は氷、うさぎの家は木の皮で できていました。

 きつねは、うさぎの家をみて「なんて きたない いえだこと! ひどい ぼろじゃないの!」と、あざわらっていましたが、春になると 氷の自分の家が とけてしまい、ぼろと言っていたうさぎの家に入り込み、むりむり うさぎを追い出してしまいました。

 おおかみ、くま、うしが、きつねをおいだそうとしますが、「うるさい! おまえに とびかかって、ひきちぎってやる! そうすりゃ、かぜに とびちるさ!」と、きつねの口撃にあって、すたこら 森へ 逃げていきました。

 そこへやってきたのは、剣をもった おんどり。おんどりが 歌います。

   ぼくは つよい おんどりだ

   けんを とったら せかいいち

   わるいきつを やっつけて

   けがわの ぼうしに してやるぞ!

   でてこい、きつね! かくごしろ!

   コケコッコー!

 「ぼうしにされるなんて とんでもない!」と きつねは あたふてめいて 逃げ出しました。

 

 氷の家とは、厳しい寒さがつづくロシアらしい昔話。繰り返しは、昔話の王道。本当の強さは、見た目ではありません。

 でてくる動物たちが、とても素朴な感じ。上下左右の枠の模様にも注目ですが、線で表現された木もすてがたい味があります。