入笠牧場その日その時

入笠牧場の花.星.動物

     24年「冬」(23)

2024年01月29日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など


  先週の土曜日の夜、青白い月の光が暗い部屋の中までも照らしていた。満月を過ぎたばかりの大きな月で、その光に誘われて久しぶりに夜の散歩に出たいと思った。時間は9時を過ぎたところだったろう。
 ところが、ヘッドランプが点かない。昔ならいざ知らず、今の世に灯りも持たずに夜道を歩いたりすれば、あらぬ疑いを掛けられる。
 
 それでも諦めきれず、車なら良かろうと、開田まで行ってみた。丁度中天に冬のダイヤモンドが見え、東の空には北斗七星が柄の部分の星を一つ二つ残して昇ってきたところだった。月の光もそれらの「奇すしき(不思議な)光」と競うように広い開田の闇を洗っていた。

 翌日の日曜日、再び前夜のような物足りない思いはしたくないと、ヘッドランプの故障の原因も突き止めぬまま新しい充電用の電池とケーブルを買って来た。しかし、いっこうに反応しない。行きがかり上新品の値段の半分くらいの金額を使ったはずなのに、本体に問題があるのか点こうとしない。
 やむなくまた出掛けて、今度は新品を買ってきた。しかしこれがまたややこしい。充電して、電池を装着するまでには幾度か焦燥と、怒りと、不安を繰り返した。


 
 祭礼など特別な使い方を省けば田舎育ちのわれわれは多分、提灯を使った最後の世代だろう。小学校も低学年のころだったろうか、夜間に外出する時はよく提灯を持たされ、稀に暗がりで人の気配がしたり、すれ違ったりしたときは「オツカイデス」と言うように教えられた。当時は「オツカイ(お使い)」の意味にも気付かないまま、それが夜の挨拶だと思っていた。
 
 もちろん夜の戸外は今よりか、もっと暗い。街灯などなかったから相手の顔どころか、男か女か、大人か子供かも声を聞くまでは分からないこともあった。
 時代劇で、夜の場面が出てくるが、撮影上そうするしかないとはいえ、月のないあんな明るい夜は絶対にになかったと断言できる。月明かりで特に明るい夜は、「雪でも降ってきそうだ」と、そんなふうに古老は言ったものだった。
 
 話が終わらなくなってきた。続きは明日にして、本日はこの辺で。かんとさんは駅伝どうだっただろう。
コメント
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