入笠牧場その日その時

入笠牧場の花.星.動物

     ’18年「秋」 (15)

2018年09月09日 | キャンプ場および宿泊施設の案内など


 台風やその後も続いた雨のせいだろう、美和ダムが昨日に続いてきょうも、写真のように大量の放水をしていた。珍しい。入笠を源流とする小黒川が戸台で戸台川と合流して黒川となり、途中の尾勝谷や幾つかの枝沢の水を集めわずか3、4キロほども下って三峰川に流れ込む。その三峰川の水をいったん貯水しているのがこの美和ダムである。このダムへは多量の土砂が流入がしているため、上流では年中のように浚渫工事が絶えないのも人の目を引く。

 現在、小豆坂トンネルの手前で、やっているのかいないのか分からないような道路工事のため、日中は通行止めになっている。雨天や日曜日など工事をやっていないと思うが、万一現場で引き返さなければならないと面倒なので、高遠城の下で普段は左折するのを逆に右折して、五郎山トンネルを抜けてこのダムの少し手前から非持、山室の集落を通り、そのどんずまりでいつもの芝平線に合流して上がってくる。距離的にはあまり変わらないし、なによりも東西の両側を山に遮られた細長い盆地の、今は黄金色(こがねいろ)に実りつつある稲田の風景を見られるのがいい。
 きょうもそうやってきたのだが、この西の山際に深く切れ込む山室川と比べ、それよりもずっと高い場所にある集落は東の山の延長のようで、そこを大規模な耕地整理が行われ、見事な棚田が続いている。牡丹寺としても知られる古刹「遠照寺」もあり、山室の歴史もなかなか古い。今でも過疎化が進むのに、もとより歩くしかない時代、どういう理由やきっかけで人々はこの地に暮らしの場を選んだのだろうかと、ついつい考えてしまう。いわんや、それよりもさらにずっと山奥の荊口や芝平とくれば、余計にその思いを深くする。

 こんな山の中の牧場に片道38キロ、毎日のように通い、いつの間にか12年という月日が流れた。遠い昔、こうした僻遠の地を選び、暮らしを立ててきた人々に通ずる気持が、どこか自分の中にもあるかも知れないと思って、勝手に親近感を寄せている。

「今はもう秋」です。小屋もキャンプ場も充分に余裕があります。FAXでも予約や問い合わせに対応できます。ご利用ください。入笠牧場の営業案内は「入笠牧場の山小屋&キャンプ場(1)」
「同(2)」をご覧ください。


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