今日のエンドロール

10点満点の採点つきで年間約120本。観る前も観たあともクスッと笑えるレビューをお届けします。

お父さんのバックドロップ 8

2004-12-09 02:24:39 | 逆転サヨナラHR
正統派のストーリー。だけど俺にとっては反則技だ…。

この作品、決して格闘技映画ではない。プロレスには設定を借りただけ、故中島らもさん原作の「頑張るお父さん物語」だ。
元々が一応子供向け、そして舞台を大阪にしていることもあって、展開、出てくるキャラ共に安田大サーカスもビックリのベタベッタ!上映中も爆笑や拍手、鼻をすする音までなり放題で、普段は小洒落た雰囲気のミニシアターが新世界の「1年中寅さんとヤクザ映画をやってる映画館」みたいな空気に包まれていた。

俺にとって父親というのは、「デカくてかなうわけのない」存在だった。ガキの頃、母親に叱られ「後でお父さんに怒ってもらいます」と言われた時は震え上がったのを思い出す。思春期にはずいぶん反発も対戦もしたが、男同士として酒を飲めるようになってから話すと「頑固でテレ屋のおっさん」になり、その不器用さにかわいさすら覚えることもある。尊敬しているというのとはちょっと違うが、一番教わったことが多いのもオヤジだろうし、かなりの部分影響を受けていることは否めない。

だからかどうかはわからないが、昔から愛だの恋だのより親子モノ、特に「父と子供」ものに俺は弱い。20歳そこそこの頃から父親に感情移入して「花嫁のパパ」「のび太の結婚前夜」に号泣していた。そんな俺に近々息子が誕生する。そこにこの作品だ。鴨がネギどころか、ダシに鍋、カセットコンロまで背負ってくるくらいのお膳立て。「俺も息子に見せる背中、作ってかなあかんな」そう思ったら、アコムのポケットティッシュがまるまる1個撃沈していた。

その他にも隣人とのあったかい交流や損得抜きの友情など、平成になって薄れてきたんちゃうかなと思う大切なものがたくさん詰まった作品なんだけど、この空気にこんなにプロレスがしっくりハマってしまうのは何故だろう?


でも、写真のようなオヤジはちょっとイヤだなだと思う人はクリックして下さい!(映画風呂具ランキング)
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2 コメント

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Unknown (naomi@CODE71)
2004-12-09 03:31:35
トラックバック、ありがとうございます

女の私が観ても涙が流れたくらいですから

男性から観れば、もうそれ以上の作品だと思います



私も何故か親子モノは弱いです

クライマックスの宇梶さんの演技は凄かったです

ボロボロになっても這い上がっていく姿は

この先一生心に残る気がします
Unknown (dekamelon443)
2004-12-10 14:20:19
トラバありがとうございます。

映画館で泣くということが

かれこれ20年ぶりくらいかも?

なので、自分自身、戸惑いました。

が、泣いちゃった映画ですね。

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