今日のエンドロール

10点満点の採点つきで年間約120本。観る前も観たあともクスッと笑えるレビューをお届けします。

牛の鈴音 7

2009-12-25 21:23:46 | ノーヒットノーラン
牛の目にも涙…。
韓国で大ヒットしたドキュメント。と言っても出てくるのは79歳のじいさんと73歳のばあさん、そして寿命の倍の40歳くらい生きているというばあさん牛だけ。足が悪いにも関わらず、農薬も機械も使わず牛の力だけで米を作り、毎日牛のための草を山ほど刈りにいくじいさん。「私より牛が大事なんだから…」文句をタラタラ言いながらもじいさんについていくばあさん。そして首の鈴を鳴らしながら2人を乗せたリヤカーを黙って引く牛。そんな奇妙な三角関係を淡々と紡いでいくだけの作品だ。劇的なことは何も起こらないし、生活もギリギリ、傍から見たらしんどいだけのはずなのに、どこか幸せそうに見えるのはなぜだろう。お互い何より大事に思い、必要とされ、決して「代えのきかない」関係。都会にいると希薄で貴重なモノを見せつけられ、畏敬とか感謝の念を感ぜずにいられない。こんな作品が単館から始まってキチンとヒットするんだから韓国はちゃんとしてる。ヒット作品というとヤンキーが意味なくケンカしたり甲子園目指したりする国とはだいぶ違う
わ。
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パブリックエネミーズ 4

2009-12-19 19:38:44 | ノーヒットノーラン
要予習!
1930年代に活躍?した銀行強盗、ジョン・デリンジャーをジョニー・デップが演じた作品。あとから聞くと彼は金持ちからだけ奪い、人は殺さず、スタイリッシュ!鼠小僧とかルパンみたいな感じで民衆からは人気があったそうなんだけど、全然わからへん!画面も演技も意識的に抑えた感じで「かっこいいオトコの世界」を描いたんだろうけど、キャラの説明も仲間との絆も全然ないので知らん我々は感情移入一切できない。なのに美学だかなんだか地味~なシーンがダラダラ続くので、デップの横顔だけでご飯3杯いける!そんな人以外はやめておいた方がいい。師走の無駄遣いだわ。
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銀色の雨 6

2009-12-17 22:04:13 | ノーヒットノーラン
う~ん、佳作。
水曜どうでしょうのミスター監督による浅田次郎原作の話。米子を舞台に孤独を感じていた3人が不思議な縁で絡み合って…という作品なんだけど、いい意味でも悪い意味でも、普通。あんまり印象に残らなかったのは役者のせいなのか、ストーリーのせいなのか。一発あてた人がその力で違う分野での昔からの夢を叶えた。だけどそっちの才能はあんまりなくて、こじんまりまとめちゃったという作品。たけしさんのようにはなかなかいかないね。
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宇宙戦艦ヤマト復活篇 7

2009-12-15 20:58:16 | ノーヒットノーラン
変わんねぇなぁ!
ハルヒだ?エヴァだ?ガンダムだ?やっぱりヤマトだろう。最後の映画から30年くらい経ってるだろうから、画やアクションシーンは進歩してるがご安心を。根本的に何も変わっちゃいない。武士道を語る宇宙人、会社の若い奴みたいな軽薄な若者を敬服させる古代、心震えるテーマソングを再録したのはあの大アーティスト、アルフィー!今じゃいろんなモノを抱えて疲れ気味の元少年たちを喜ばせる仕掛けがいっぱいだ。「日本がすごかった」昭和の遺産として、是非後世にも語り継いでほしいが、一番の驚きはエンドロールに待っていた。あんな自己顕示欲、見たことねぇ!
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かいじゅうたちのいるところ 5

2009-12-14 21:18:35 | ノーヒットノーラン
オトナの浅知恵。
世界的に有名な絵本(俺は全然しらんかったけど)を奇才スパイク・ジョーンズが映画化というから楽しみにしていたけど、期待となんか違った。家族に構ってもらえなくて寂しい少年が家を飛び出して船に乗ると、そこはかいじゅうたちの島だった…という話だけど、絵本のかいじゅうを再現した段階でかなり満足しているみたいで、そのあとの展開やかいじゅうたちの表情が小難しくて、暗い。この作品、子供たちの反応がイマイチで公開が延びていたそうだが、それも納得できる。
調べてみたら絵本では島のシーンはほとんど字がなくて自由に想像できるようになってるそうだ。オトナがいくら自由な気分で考えたつもりでも、子供たちの頭の中に広がる世界にはとても太刀打ちできないのを見せつけられた気がした。
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キャピタリズムマネーは踊る 7

2009-12-11 23:37:07 | ノーヒットノーラン
だから、他人事じゃないんだって。
どこかの国のタバコにはパッケージに真っ黒な肺の写真が載っていると読んだことがある。銃社会、保険、選挙権…世界一幸せなはずのアメリカの膿にメスを入れるマイケル・ムーアの作品はいつも激しいプロパガンダ込みだ。でもアメリカの数年あとを追いかけるばかりの日本にとってはそんな症例写真のような気がして毎回考えさせられる。「いや、俺は大丈夫」「あそこまでひどくならないうちに手を打つから」気持ちはわかるが、本当にそうだろうか?所得格差による2極化、カネが目的になりがちな社会…草食系とやらがもてはやされ自分主義の日本で、作品の最後に出てきた一筋の光につながるような行動が起こるだろうか?見た人たちと議論したくなる映画だった。
ただ、最近イマイチだなと思うのが、ムーアのリアクション。警戒されたり、症例がひどいから難しいのかもしれないけど、笑える要素がどんどん減っている。相手が巨大だからこそ茶化しが大きな笑いにつながるはずなんだけどなぁ。
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アンウ゛ィル夢を諦めきれない男たち 8

2009-12-10 18:19:16 | ノーヒットノーラン
継続は力なり!
25年前ブレイクしかけたけどマネジメントが適当でそのままポシャってしまったカナダのメダルバンドのドキュメント。日本でもそんなケースはいっぱいあるけど彼らが違うのはバンドを始めて40年近くたった今もバンドを続けていて、しかも趣味ではなく今でもロックスターになるつもりでいるところだ。50過ぎのおっさんが金にならないどさ回りしたり、メンバー同士ケンカしたりする。そのおとなげなさをバカにしたのか劇場では笑いが起こっていたが、俺はちっとも笑えず逆に涙がでそうになった。
確かに身近にそんな奴がいたらきっと変わり者扱いされるだろう。だけど、彼らを支える人たちは現実は見つつも暖かい。それは家族だからとかだけでなく、本人達が本当に本気だからだと思う。毎日が妥協ばかりの人生で夢にこだわり続けられるのは羨ましい才能だと思った。
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君の心臓の鼓動が聞こえる場所 7

2009-12-05 23:50:51 | ノーヒットノーラン
ナマで見たかった。
演劇集団キャラメルボックス昨年のクリスマス公演の映像作品。これまで何度か公演を見に行ったことはあるけど、映画館だとどうなるのか興味があった。最近よく公演のDVDを出す劇団があるが、テレビ画面だと熱気やサイズの問題からかその魅力の10分の1くらいしか伝わらない気がしていたからだ。
巨大スクリーンに写しだされる劇場の観客は決して見ることができないアップの連続。舞台ではそれがないのが大前提なので役者の演技はかなり大きめだ。それをドラマや映画と同じように寄ってしまうとどうしたってくどくなってしまう。始まってしばらくは違和感がとても大きかった。でも中盤以降だんだんそれが気にならなくなり、最後には込み上げてくるものが…全てホンの力だ。終わってすぐ、携帯で今年のクリスマス公演のスケジュールを調べた(残念ながら終わってたが)のが、この作品が目的を達成している何よりの証拠だろう。
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ブラック会社に勤めてるんだか、もう俺は限界かもしれない 5

2009-12-03 18:46:05 | ノーヒットノーラン
画竜点睛を欠く、というか。
電車男から始まった2ちゃんねるスレッド映画シリーズ。ブラック会社という舞台もダメ社員のキャラクターも面白く、途中まで意外と面白く見れていた。ただまとめ方があまりにもベタというか、道徳の教科書みたいで…そりゃカワイイ小池徹平くんにヨゴレは無理かもしれないが、結局ニート諸君に「引きこもっていずに心を入れ替え、社会の底辺で働くのが幸せだよ」なんて勧める話ってどやねん。ただ設定は面白いから外伝みたいな形にして全然違う展開の舞台とかやったら面白いんちゃうかな。
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おとうと 5

2009-12-01 22:51:18 | ノーヒットノーラン
マスターズリーグみたい。
大好きだった山田洋次監督の久しぶりの現代劇。期待が膨らみすぎたのかもしれないけど、今の世界との大きなギャップを感じてしまった。最大の要因は主演女優の大根ぶり。オヤジに言ったら殺されそうだけど、何をやってもおんなじ芝居しかできない彼女が作品のよさを8割引きくらいにしてしまったと思う。彼女は親父世代のお客さんを引ったくさん張ってくるんだろうけど、作品にワンパターンしか与えられないという意味ではほぼワーストの女優だ。ストーリーとしてはいい話なのかもしれないが、シニアだけ向きというか時代錯誤な感じ満載で、好きだっただけに落胆も大きかった。だって前の作品では奈良の叔父さんだったよ、あのおとうとは。
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